毛の長い犬種ってどんな犬?特徴やケア方法を知ろう!

2024.12.29

毛の長い犬種ってどんな犬?特徴やケア方法を知ろう!

犬には様々な種類がおり、見た目も性格もそれぞれ違います。そんな多種多様なワンちゃん達の中から、今回は被毛の長い犬種に注目していきましょう。どんな特徴をもっているのか、どんな犬種がいるのか、また長い被毛のお手入れについても紹介していきます。ぜひ、チェックしてみてください!

毛の長い犬種の特徴

毛の長い犬
犬の被毛のタイプは、長毛種(毛の長いタイプ)と、短毛種(毛の短いタイプ)に大きく分けられ、またその中でも被毛の生え方でシングルコート・ダブルコートに分類されます。
長毛種はロングヘアードとも呼ばれ、直毛・巻毛・絹糸のような毛質など、見た目や質感もさまざまです。
そして短毛種とは、一般的に毛の長さが3cm前後の犬種を指し、イタリアングレーハウンドやダルメシアンなどのようなワンちゃん達がこれにあたります。
それではまず、長い被毛をもつ犬種たちの特徴について解説していきましょう。

◆長毛犬種の外見的特徴

長毛種の外見的な特徴といえば、やはり短毛種と比べて長さのある被毛でしょう。
その長さは犬種によりますが、長毛種の中には被毛が伸び続けるタイプと、ある一定の長さまでしか伸びないタイプがいます。
ちなみに、トイプードル・シーズー・マルチーズなどが被毛の伸び続ける犬種で、です。
また、同じ長毛種の中でも先に述べたように、被毛の構造が異なるダブルコート・シングルコートに分けられます。それぞれの違いは以下の通りです。

ダブルコート

オーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)の両方が生えている。年2回の換毛期(春には夏用、秋には冬用の下毛に生え変わる時期)があり、集中的に抜け毛が多くなる期間がある。

シングルコート

オーバーコート(上毛)のみが生えている。基本的に換毛期がないため、大量に毛が抜けることはない。

◆毛の長い犬の性格傾向

犬の性格も人間同様、個々に違いがあります。好き嫌いや得意不得意も、それぞれ違うのです。
被毛の長い犬種には、その外見から優雅で気品が溢れ、静かでおっとりとしたイメージをもつ方が多いかもしれません。
もちろんそのイメージ通りの犬種もいますが、ボーダーコリーのように活発で運動が得意だったり、ポメラニアンのように遊び好きで警戒心が強かったりと、長い被毛をもつ犬種にもそれぞれ特徴や個性があるわけです。
また、犬種ごとがもつ特徴や性格も基本的な傾向をさすものであって、全てのワンちゃんにぴったりと当てはまるものではありません。
犬種ごとの性格に関しては、あくまでそういった傾向をもつ個体が多い、という認識をしておきましょう。


人気の毛の長い犬種6選

長い被毛に美しい毛並みをもつ、おすすめの犬種を紹介していきます。ぜひ、家族への迎え入れを検討してみてくださいね。

◆シーズー

シーズー

垂れ耳で鼻ぺちゃな顔が特徴的な小型犬シーズー。体高約27cm、体重約4.5~8kgが標準とされており、豊富な長い被毛にはわずかにウェーブがかかっています。
ホワイトをベースとした、ゴールド&ホワイト・ブラック&ホワイト・レッド&ホワイトなどのパーティーカラーをはじめとして、あらゆる毛色が公認されていますよ。

◆マルチーズ

マルチーズ

地中海が原産のマルチーズは、長毛種ですが下毛のないシングルコートの犬種です。
体重は約3.2kg以下の小型犬で、純白で真っ直ぐな長い被毛に覆われています。そのなめらかな被毛は体の両側に一様に垂れ下がっており、鼻先から尾の付け根まで続いていますよ。
毛色は真っ白であることが望ましいですが、黄味がかった白(レモン)や、タンと呼ばれるごく淡いベージュのような白色が見られる場合もあります。

◆ヨークシャーテリア

ヨークシャテリア

左右対称に伸びる細くしなやかな直毛が特徴的なヨークシャテリア。体重は3.2kgまでとされている小型犬です。ヨーキーという愛称で呼ばれることも多いですね。
子犬の頃は全身のほとんどが黒い毛で覆われていますが、段々と少しずつタン色の被毛が増えていきます。そして黒色が灰色・シルバー・金色に変わっていき、最終的にはダーク・スチール・ブルーとタンの2色になるので、成長過程で見た目の変化も楽しめるでしょう。

◆日本スピッツ

スピッツ

真っ白な長毛に覆われている中型犬の日本スピッツ。体高は約30~38cm、体重は約9~11cmでメスはやや小さめです。
立ち耳でアーモンド型の目に、四肢は優雅ですんなりとしています。飾り気のある尻尾が特徴的で、大型犬のサモエドが小さくなったような見た目をしていますよね。
ちなみに毛色はホワイト(白)の一色に限られています。

◆アフガンハウンド

アフガンハウンド

大型犬としては珍しい、引きずる程の長毛をもつアフガンハウンド。サイトハウンドだったこともあり、長毛に隠された脚には強い脚力を備えています。被毛をなびかせて弾むように歩く姿からは気品と優雅さを感じるでしょう。体高は約63~74cm、体重は約23~27kgが標準的です。
毛色は、ブラック・ブラックにシルバーやタンが入ったもの・ブルー(銀灰)・クリーム・ブリンドル・レッドなどと様々で、顔の中心に入るマスク・ドミノも認められているそうです。

◆ゴールデンレトリバー

ゴールデンレトリバー

垂れ耳でアーモンド型の目が愛らしいゴールデンレトリバー。体高は約54.6~61cm、体重は24.9~34kgの大型犬です。賢く穏やかな性格の子が多く、人にも犬にもフレンドリーであり、子どもとの相性も比較的よいので大型犬の中でもペットとしての人気は高いです。
毛色はゴールド、またはクリームの色調に限られており、胸にのみ白の差し毛が認められています。


毛の長い犬のお手入れ方法

美しく長い被毛が魅力の一つである長毛種のワンちゃん達ですが、綺麗で清潔な状態を維持するためには、やはり日頃のお手入れが欠かせません。
短毛種と比較して長毛種の方が特にお手入れが大変!というわけではありませんが、美しさと健康を保つためにはこまめなグルーミングやケアが必要だと認識しておきましょう。
お手入れの時間は、愛犬と触れ合える貴重なスキンシップの時間ともなります。
以下のポイントを押さえて、お互いに楽しいケアタイムを過ごしながら美しい被毛を育てていきましょう。

◆毎日のブラッシングの重要性

長い被毛をもつ多くの犬種には、基本的に丁寧なブラッシングが必要となります。
犬種によって多少の違いはありますが、細く切れやすい、カーリー状で絡まりやすい、毛玉になりやすいなどのデメリットを抱えているため、これを予防するためにもブラッシングが必要不可欠なのです。
シングルコートの犬種の場合は週に2〜3回程度、ダブルコートの場合は1日1回を目安とした頻度でのブラッシングが理想だといえるでしょう。
ペット用ブラシにも様々な種類がありますが、長毛種に適しているといわれるのはピンブラシです。
くの字に曲がり細いピンが並んでいるスリッカーブラシも、長い被毛のお手入れやダブルコート種の抜け毛対策として人気がありますよ。
スリッカーブラシを使用する場合は、皮膚を傷つけないように注意し、被毛の流れに沿ってブラシを動かして下さい。
そして仕上げには、細めのコームを使いましょう。もつれがないか確認しながら、丁寧に被毛をといていきます。尚、とかしすぎると被毛が切れる場合もあるので、気をつけながら行ってください。
ちなみに、細くシルキーな毛をブラッシングする際には、静電気防止スプレーを使用するのがおすすめです。

●おすすめ商品
ウィッシュ グルーミングプロ 角型ソフトスリッカーブラシ S

●抜け毛や不要毛を細かく除去する、日常ケアの必需品。中・長毛種の小型犬や猫に適した、皮膚にやさしいスリッカー。さびにくくて長持ち。ソフトタイプのステンレスピン。長時間でも使いやすく、手が疲れにくいハンドル

購入

◆定期的なトリミング

柴犬などのようにトリミングが不要な犬種もいますが、一般的に被毛が伸び続ける犬種の場合、定期的なカットは必須です。
飼い主さんご自身で愛犬のヘアカット・バリカンをする家庭もありますが、トリミングサロンでトリマーにお任せするのもおすすめですよ。
足裏や肉球の間・肛門周り・毛先カットなどのお手入れは、いずれの犬種に対しても清潔・健康的な状態を保つために適切に行うことが大切です。
シャンプーやカットに加えて、こういったケアを併せてお願いできるので、普段自宅でカットやシャンプーをする方も、定期的にトリミングサロンを利用してみてはいかがでしょうか。
また犬種によっては、様々なヘアスタイルを楽しめる場合もありますので、季節や気分に合わせて愛らしい見た目のバリエーションを探してみてください。

◆シャンプーと乾かし方のポイント

自宅でシャンプーをする場合は、以下のポイントに気をつけましょう。

①シャンプー前に必ずブラッシングをして、被毛の絡まりや毛玉をとっておく。
②シャンプー剤は、泡立ててから被毛にのせる。
③被毛の根元と皮膚をマッサージするように洗う。二度洗いが推奨される。
④しっかりすすいだ後は丁寧にタオルドライをし、ドライヤーを使用して乾かす。

犬におすすめのシャンプー5選!頻度や上手なシャンプーのやり方をご紹介。 犬におすすめのシャンプー5選!頻度や上手なシャンプーのやり方をご紹介。


毛の長い犬を飼う際の注意点

被毛の長いタイプのワンちゃんを迎える場合は、以下の注意点について予め知っておきましょう。

◆抜け毛対策

長毛種の方が、短毛種よりも抜け毛がひどいのでは?というイメージをもっている方も多いかもしれません。
しかし実は、日々の抜け毛は短毛種の方が多いのです。これは、毛が短いゆえに周毛期も短いことが起因しています。
とはいえ、長毛種だからといって抜け毛が少ないわけではなく、抜け毛の量を大きく分けるのは、やはり前述したダブルコートかシングルコートかという被毛の構造です。
長毛種であってもダブルコートの犬種であれば、被毛は密生しているため換毛期の抜け毛は多くなるでしょう。定期的なブラッシングや掃除、お出かけ先での抜け毛の配慮などは欠かせません。
一番毛が抜けにくいのはシングルコートの長毛種だと考えられますが、愛犬を迎える以上、基本的な抜け毛対策は必要だと認識しておいて下さいね。

◆健康管理と皮膚病の予防

愛犬の健康を守ることは、飼い主さんの重要な役目の一つです。
特に長毛種は被毛が長い分、汚れがつきやすく、被毛も絡まりやすいです。これらを放置することで、健康被害を招く可能性が高まります。
また長い被毛によって、皮膚の違和感・皮膚病などに気付きにくい場合もあるので、日々のボディチェックや愛犬の様子・行動を観察することを忘れないようにしましょう。
病気の症状など何らかの異常を感じた場合は、一度動物病院を受診し獣医師に相談してみてください。

◆運動とストレス管理

運動不足はストレスに直結する問題です。長毛種の中にも、運動量が必要な犬種はたくさんいますので、しっかりと適切な運動量を補えるよう注意しましょう。
ストレスは心身共に問題を抱えるリスクとなります。運動量以外の面でも、愛犬がストレスを感じる原因は多種多様に存在するため、その子の性格を把握すること、少しの異変にすぐ気付けるよう普段から愛犬の様子を確認しておくことを徹底しましょう。
ストレスを抱えている状態に気付いた場合は、一刻も早くその原因を取り除いたり、不安を軽減できるよう尽力してくださいね。


長毛犬種の魅力を引き出すスタイリング

毛の長い白い犬

長毛種はその長い被毛を活かして、様々なカットスタイルやスタイリングを楽しむことができます。
愛らしさを倍増させるためにも、色んなオシャレを楽しんでみてはいかがでしょうか。

◆可愛いカットスタイルの紹介

◎トップノット

シーズーやヨークシャテリアなどに人気のトップノット。顔全体を丸くするのではなく、トップのみの被毛を長めに伸ばして、口周りをカットします。トップ部分を結べばできあがりです。結ぶリボンを変えればアレンジも楽しめますよ。

◎ライオンカット

体全体は短めに、耳・顔・首周りの被毛を長めにカットするライオンカット。文字通り、ライオンのたてがみをイメージしたスタイルで、長毛種がすると気品溢れるライオンのような印象に仕上がるでしょう。美しい被毛を活かしたデザインカットの一つです。

◎三つ編みスタイル

トップや耳の長い被毛・体の飾り毛などを活かして、三つ編みをするスタイルです。アレンジ自在で、可愛らしくオシャレな印象を持たせてくれるでしょう。ちなみに、長時間三つ編みをしたままにするのはNGです。被毛の痛みや皮膚の痒みを起こす原因となります。また、結ぶ際には毛が絡みにくい専用ゴムを使用することを徹底しましょう。

◎フレアカット

足元を広がらせるようにカットするフレアカット。ブーツカットよりも広がりが大きくなり、柔らかで優雅な印象が感じられます。ただし足元の毛の長さを残すことで、汚れやすく毛玉ができやすいという難点もありますので、お手入れにしっかりと時間をかけられる方だけ挑戦してみましょう。

◎飾り毛カット

毛の長さを短くしすぎない程度に、足・お腹・お尻・胸などの汚れやすい部分を短くするカット方法です。全体の毛量が減り一回り小さくなるイメージですね。子犬の頃に戻ったように感じられるかもしれません。汚れやすい部分が短くなるので衛生を保つことができ、日々のお手入れもしやすくなります。

◆毛の長い犬ならではのファッション

ペット用のオシャレグッズも現代では多種多様に販売されています。
長毛種はその長く美しい被毛が特徴的なので、洋服で自慢の被毛を隠したくない!と考える飼い主さんもいるでしょう。
しかし犬のファッションは今や、ウェアだけで表現するに限りません。
季節に合わせた可愛い帽子もありますし、先に紹介したトップノットというスタイルにリボンやアクセサリーをつけるのもOKです。ネックレスやお洒落なドッグタグが、胸元の長毛からチラ見えするのも素敵ですよね。
ウェアにしろ、タンクトップタイプやキャミソールタイプなどと様々あるので、露出された部分から美しい被毛が溢れるように見えるのも愛らしいですよ!
このように、長い被毛を活かせるファッションアイテムもたくさんあるので、ぜひ愛犬にピッタリのアイテムを探してみてください。SNSなどで投稿されている情報をチェックするのもおすすめです。


まとめ

今回紹介した犬種の他にも、長い被毛をもつワンちゃん達はたくさんいます。
トイプードルの様な巻き毛も可愛いですが、ストレートに伸びた長毛をもつ子にも独特の魅力が溢れているのです。
体のサイズはもちろん毛質や被毛の伸び方もそれぞれですし、何より様々なスタイリングを楽しめるというのが大きなポイントでしょう。
毛色も犬種によってもつ色が違います。ブルーマールやトライカラー、セーブルなどの色も存在しますし、シュナウザーのソルト&ペッパーなど、一味違った色味をもつ子も多いので、ペットショップを探したりブリーダーに問い合わせをするなどして、ぜひ気になった犬種をチェックしてみてくださいね。
ただし、長毛種の美しい被毛を保つためには毎日のお手入れが大切です。しっかりとお世話ができるかどうか考えてから判断し、愛犬との健やかな人生を過ごしていきましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!


記事に関するお問い合わせはこちら