犬にアロエはNG!?与えてはいけない理由とは?

2025.01.19

犬にアロエはNG!?与えてはいけない理由とは?

薬・食材・化粧品・観葉植物など、多方面において幅広く利用されているアロエ。日本でも古くから親しまれており、万能薬等といったイメージをもつ方もいるかもしれません。しかしこのアロエ、犬にとっては危険な存在となり得る植物なのです。今回はアロエを愛犬に与えてはいけない理由、もし食べてしまった場合の対処法などを紹介していきます。

犬にアロエは与えてもよい?

アロエ

冒頭でもお伝えした通り、アロエは犬にとって有害な植物となり得ます。結果からいうと、犬に与えてはいけないものの一つなのです。
人間にとってはさまざまな良い効果をもたらしてくれる魅力的な植物なので、少し意外に感じますよね。
では、どのような成分が人間に良い効果を、犬に悪い効果を与えるのでしょうか。それぞれ解説していきましょう。

◆アロエの一般的な効果

アロエは紀元前からクスリとしての効果が認められており、世界中で栽培されていました。はるか昔から、人間に活用されてきた多肉植物なのです。
日本では葉が細く長いキダチアロエという品種やアロエベラなどが代表的で有名です。暖かい地域で自生した天然のものや、栽培品がよく見られます。
アロエは日本でも古くから家庭で愛用されており、食べる・飲むなどの内服に、塗る・貼るなどといった外用に使われていたそうです。その有用性から、アロエは別名「医者いらず」とも呼ばれているのです。
人間の場合に効果があるといわれる主な症状を、いくつか紹介しておきましょう。

  • 軽い火傷
  • 擦り傷や切り傷
  • 虫刺され
  • 湿疹やかぶれ
  • 打ち身や捻挫
  • 日焼け
  • 肌荒れ
  • 抜け毛
  • 便秘
  • 胃弱
  • 更年期等の不快感
  • 血圧の多少の不安定
  • 糖尿の注意が必要と思われる場合

このように、主な効果を挙げるだけでもさまざまな効能があることが分かりますよね。アロエの万能性を感じられると思います。
しかし、犬の場合には悪影響をもたらしてしまうこのアロエ。なぜ犬にとっては危険なのか、その理由をみていきましょう。

◆犬にアロエは危険!

アロエには、犬が中毒症状を起こす可能性のある危険な成分が含まれています。
犬がアロエを食べたり触ったりしてしまうと、嘔吐・下痢・胃炎・腎炎などの症状を引き起こすケースがあるのです。
特にアロエの苦み成分が犬にとって危険であり、猫やハムスターなど、他のペットにとっても有害な存在となります。
また人間においても、妊婦や授乳中の方には過剰摂取への注意が必要だとされているそうです。
室内に観賞用のアロエを置いている場合は、吊り下げるなどして愛犬が届かない所に移動することがすすめられます。樹液・葉にも注意が必要なので、茎や葉が折れていないか、葉が落ちていないかなど、日常的にチェックをするようにしましょう。
アロエクリームやアロエジェルなどを飼い主さんが使用しているのであれば、その点も要注意ポイントです。使用後に愛犬が舐めたりしないよう、十分気をつけましょう。


犬にアロエが危険な理由

アロエとヨーグルト

アロエが危険な主な理由は、サポニン・バルバロイン・アントラキノンという、犬にとって毒性のある成分が含まれているためです。
どのような症状がもたらされるのか、チェックしていきましょう。

◆中毒を起こす

アロエに含まれる苦味は、サポニンという成分によるものです。このサポニンは優れた抗酸化作用を持っており、過剰な活性酵素を除去することで、老化・免疫力の低下を防ぐ働きがあります。
しかし犬には、下痢・嘔吐・胃腸炎などの中毒症状を引き起こす原因となってしまうのです。
また同様に含まれるアントラキノン類にも、下痢や嘔吐、胃腸炎を起こす危険性があります。人間にとっては適量で整腸作用のある成分なのですが、犬にとっては強すぎる成分となり、下痢・嘔吐が続くことで、脱水症状も懸念されるため注意しなくてはいけません。
そしてもう一つのバルバロインも、下剤作用をもっています。下痢・腸の炎症の原因となるのです。尚、バルバロインは葉に多く含まれており、葉肉部分にはほとんど含まれていないようです。

◆消化不良を起こす

犬の消化不良は、食事や内臓機能のバランスが崩れることで起こりやすく、嘔吐・下痢・腹部膨満感などの症状が現れます。
アロエによる中毒症状が原因で下痢・嘔吐などがみられるため、胃腸の消化機能も低下してしまうでしょう。
アロエは毒草では無いものの、ペットでは副作用の下痢が起こりやすい成分をもっているのです。人間にとっては薬草でも、犬猫・小動物などには使えないものの典型的な例だといえますね。

◆腎臓や肝臓への影響

中毒症状が悪化することで腎炎にかかり、血尿などの症状がみられる場合もあります。また、血液中のヘモグロビンが破壊され、貧血を起こす可能性も考えられるのです。
特にアントラキノンには、腎臓障害・肝障害などが副作用として現れる恐れがあるため、十分注意しましょう。


犬がアロエを食べてしまったときの対処

白い犬

愛犬がもしアロエを誤飲・誤食してしまった場合は、以下の対処法を取りましょう。

◆すぐに食べるのをやめさせる

愛犬がアロエを口にした場面に遭遇したり、飼い主さんが誤ってアロエ入りの食べ物を与えてしまった場合は、すぐに食べるのをやめさせましょう。化粧品やクリームなどを舐めてしまった場合も同様です。
「アロエの果肉部分には害はない」といった説もありますが、やはり個々の体質や健康状態によってはリスクを被る可能性があります。
アロエヨーグルトやアロエジュースなど、アロエが材料として使用された食品は多種多様に商品化されていますが、わざわざ愛犬に与える必要はありません。
果肉だから大丈夫!と考える方もいるかもしれませんが、そもそも人間用に作られた加工製品は、犬にとって糖分過多であったり、不要な添加物・着色料などが含まれていることも多いです。
犬と人間とでは、必要となる栄養素が違うということをまず念頭に置いておきましょう。リスクのあるアロエを与えるよりは、犬にとって害のない他の野菜や果物などを食べさせてあげる方が安心ですよ。

◆嘔吐などの症状がある場合は動物病院へ

アロエを食べたあとに、下痢や嘔吐などの体調不良や普段とは異なる様子が見られた場合は、早めにかかりつけの動物病院を受診しましょう。
その際には、いつ・何を・どれだけ食べたかを、できるだけ正確に獣医師に伝えてください。適切な診断・治療をするために役立ちます。
また可能であれば、排泄物や嘔吐物を持ち込みましょう。判断材料の一つとなります。

◆その他症状が出るか経過観察

中毒症状に加えて、他の症状が現れる可能性も十分あります。愛犬の様子をよく確認して、時間ごとにどんな状態であったか記録しておきましょう。
すぐに動物病院へ行けない場合、飼い主さんの記憶も曖昧になってしまいます。何らかの異変や問題が起きたときに、すぐにメモをするよう習慣づけておくことがおすすめです。
また中毒症状とは別に、アロエを口にしたり触れてしまったことでアレルギー反応が起こるケースもあります。アレルギーによる主な症状は以下の通りです。

    <>皮膚の痒み・赤み・腫れ・湿疹・蕁麻疹などの皮膚炎
    ◎目の痒み・充血・腫れ
    ◎咳・鼻水・くしゃみなどの風邪や花粉症に似た症状
    ◎下痢・嘔吐
    ◎呼吸困難・喘息発作

いつ発症するか予測できないアレルギーですが、元々アレルギー体質である子は特に十分注意するようにしましょう。
尚、現在ではペット用の商品にも、アロエベラ成分が含まれている製品があります。シャンプーや歯磨き、イヤークリーナーなどと様々ですが、犬用として販売されているものであっても、心配な方は獣医師に相談してから使用・購入をするようにしてくださいね。
アロエ関連の商品がどうしても欲しい方は、まずその商品を詳しく調べてみましょう。トップ記事で紹介されていたり、口コミでの人気が高いなど、参考になる情報を探して確認してください。
獣医師監修のもとで製造されている商品だと安全性に期待はできますが、食用・ケア用などいずれも適量を守らないとダメですよ。
もちろん個体差がありますので、大量に摂取したわけでなくとも健康被害が起こる可能性はあります。その点に留意して、使用を検討しましょう。


まとめ

人間にとっては豊富な効果をもたらすアロエですが、犬にとっては安全性の高い植物ではありません。
余計なリスクを被らないためにも、可能な限り与えるのを避けた方が無難でしょう。
室内に観賞用としてアロエを置いていたり、食用アロエが好きで頻繁にアロエ入りの食品を食べるという家庭では、その管理の仕方にも十分気を付けましょう。
特に、愛犬が元々アレルギー体質であったり、消化器系に不安があったり、腎臓の疾患があって病気がちである場合には更なる注意をしてください。
もしも愛犬がアロエを口にしてしまい何らかの症状がみられた場合には、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。そして獣医師の指示を仰ぎ、適切な対応方法や治療を受けるようにしてくださいね。
愛犬が毎日を元気に過ごせるよう、飼い主さんとしてしっかり支えていきましょう。

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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!


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