【獣医師監修】ただの抜け毛だと思ったら…愛犬が脱毛症!?病気が原因かも!

2017.11.11

【獣医師監修】ただの抜け毛だと思ったら…愛犬が脱毛症!?病気が原因かも!

犬を飼う上でほとんどの場合、抜け毛は付き物ですよね。定期的に起こる毛の生え変わりは、ほとんどの犬種に訪れます。 しかし、その抜け毛が実は脱毛症で、病気を原因としている場合があるのです。 ストレスや皮膚トラブルの他にも、脱毛症の裏には大きな病気が隠れている可能性があります。 今回は、そんな犬の脱毛症について紹介します。 脱毛を引き起こす様々な病気や原因を知り、治療法と予防法を覚えておきましょう。

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脱毛症の症状

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犬の抜け毛が酷かったり、換毛期(季節)に関係ない脱毛が多くみられる場合、それは皮膚トラブルが原因かもしれません。
ストレスも一因として考えられますが、皮膚トラブルに伴い、病気や脱毛症を併発している可能性があるのです。
犬の抜け毛、脱毛症には考えられる原因が複数存在し、症状の程度も様々です。

◆脱毛症のケース

・局所的に現れる(人間でいうと円形脱毛症のようなもの)
・部分的に現れる(尻尾の付け根や顔など)
・全身に脱毛がみられる

◆病気による脱毛症の場合にみられる症状

・痒み
・皮膚の赤み
・皮膚が薄くなる
・色素沈着(黒ずみ)
・フケの増加
・毛艶が悪くなる

痒みがほとんど現れていないのに抜け毛や脱毛症がみられる場合は、ホルモン異常(内分泌疾患)が原因となっている可能性があります。
この内分泌疾患に伴う脱毛症の場合、左右対称性の脱毛がみられたり、体全体の被毛が薄くなるといった症状がみられるそうです。これに加えて前述した、病気による脱毛症にみられる症状が現れることもあるのです。


脱毛症の原因

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脱毛症の原因となる病気には、アトピー・外部寄生虫による皮膚炎・真菌や細菌による感染症・ホルモン異常等が挙げられます。以下、主な病気の一例を紹介します。

◎アトピー性皮膚炎

皮膚のバリア機能の低下や、アレルギーの原因(アレルゲン)が皮膚から体内に入ることで発症します。アレルギー性皮膚炎ともいいます。
指の間・手首足首付近・マズル・目の周辺・結膜・腋の下・腿の付け根・耳介・下腹部・肛門周辺等が、好発部位です。
1~3歳が好発年齢といわれていますが、早ければ3カ月齢頃から発症することもあります。
発症初期は、季節の変わり目によって症状が出たり消えたりしますが、徐々に症状が出る期間は長くなり、最終的に通年性となってしまうパターンが多いのです。
アトピー性皮膚炎には、痒み、患部の乾燥・ただれ・膿皮症、慢性的な外耳炎・結膜炎等の症状があり、これらに伴い犬が患部を引っ掻く・擦り付ける・舐めるなどの行為に及び、悪化を招くことも考えられます。
一因であるアレルゲンは多種多様ですが、食べ物・ほこり・害虫(ノミやダニの死骸・排泄物)・花粉・フケ・化学薬品等が挙げられます。勿論個体によってアレルギー反応を引き起こす抗原に違いがあるので、愛犬のアレルギーを把握しておきましょう。

◎アカラス症(ニキビダニ症、毛包中症)

寄生虫のアカラス(イヌニキビダニ、犬毛包中)が、皮膚に寄生することで発症します。免疫力・抵抗力の低下が主な発症原因とされており、ほとんどが生後間もない頃に母犬から感染するといわれています。しかし成犬でも発症することがあり、その場合はアトピー性皮膚炎や糖尿病、甲状腺機能低下症等の基礎疾患が関係しているようです。
眼や口の周辺・胴体・四肢先端が好発部位とされ、全身性・四端性、局所性に分けられています。
全身性・四端性の場合、脱毛・皮膚の赤み・フケなどの症状が、口・目の周辺から首へ広がり、悪化すれば胴体や四肢などに広がります。更に二次感染で、全身の皮膚に化膿・出血等が生じることも考えられます。
局所性の場合は、顔面の被毛が薄くなる・皮膚の赤み・フケの増加等の症状が現れます。

◎疥癬

ヒゼンダニ(犬疥癬)が寄生することで発症します。主に、ヒゼンダニに寄生された犬との接触で感染します。
初めは、目の周辺・耳・肘・踵等、被毛の薄い部分に発疹や痒みがでます。その後、病変の拡大と激しい痒みにより、犬が患部を掻き、皮膚が傷付いたり、フケ・かさぶた・脱毛がみられるようになるのです。二次感染により、化膿する場合もあります。

◎ツメダニ症

イヌツメダニが寄生することで発症します。主に、ツメダニ症を発症している犬や猫との直接的接触や、道具(リード・ブラシなど)・ノミやシラミ・ハエ等大型の外部寄生虫を介した間接的接触が原因で感染するといわれています。
主に、背中に多量のフケが目立つようにります。また、皮膚の赤みがみられることもあるようですが、痒みはあまり強くないそうです。疥癬と似た症状が現れる場合もあります。
子犬や多数寄生された個体に症状がよく現れますが、成犬ではほとんど症状が出ない場合もあるそうです。

◎皮膚糸状菌症

真菌の一種、皮膚糸状菌が感染することで発症します。白癬や皮膚真菌症ともいいます。
表皮・被毛・爪の根元等に真菌が寄生して炎症を起こすことが原因で、子犬・免疫不全や全身性疾患を持つ個体が発症することが多いといわれています。健康な成犬の発症率は低いそうです。
顔周囲・耳・四肢等に、赤く大きめの発疹(丘疹)を伴った円形に近い脱毛と、その幹部周囲にフケ・かさぶたがみられるなどの症状がでます。

◎膿皮症

ブドウ球菌等の細菌が感染することで発症する、化膿性皮膚病の総称です。
不衛生な環境・傷・老化・栄養不良等によって、皮膚のバリア機能が低下することが原因で起こります。また、他の病気(アトピー性皮膚炎やアカラス症等)によって二次的に発症したり、シャンプーが原因となる場合もあります。
細菌感染の深さ・程度・細菌の種類等により症状が異なります。
顔・腋・股・指の間が好発部位といわれ、主に、発赤・脱毛・発疹・嚢胞・かさぶたがみられます。しかし、感染が深部に及んだ場合は、腫れ・痛み・発熱がみられることもあるそうです。

◎クッシング症候群

副腎皮質ホルモンが過剰分泌されることで、様々な症状を引き起こす病気です。副腎皮質機能亢進症ともいいます。
脳下垂体の過形成・腫瘍、副腎皮質の腫瘍が原因です。また、コルチコステロイド剤を長期間または大量に使用していた際に突然投薬をやめることで、副作用として引き起こす場合もあるようです。
主に6歳以上の個体に多くみられますが、1歳未満の若齢犬が発症することもあります。
大食・多飲・多尿・腹の膨れ・毛艶が悪くなる・左右対称の脱毛・筋肉の萎縮・痩せる等が主な症状で、他にも免疫低下により皮膚炎・膀胱炎等の感染症や、甲状腺機能低下症・糖尿病を併発する可能性もあります。病気の進行により、元気が無くなる、眠ってばかりいる等の症状も現れます。

◎甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンの分泌量減少が原因となる病気で、免疫介在性甲状腺炎と特発性甲状腺委縮により引き起こされます。
病気の一部は遺伝的要因によるもの、と考えられていますが不明確です。クッシング症候群等、他の病気が甲状腺ホルモンの働きを阻害することで、同様の症状が現れることもあります。
被毛が薄くなる・脱毛・フケ増加・皮膚の乾燥や肥厚・色素沈着・感染症を繰り返す・体重増加等が主な症状で、犬の顔が悲しそうに見えてくることもあるそうです。他にも、心拍数が遅くなる・発情が止まる等のケースや、重篤であれば昏睡や意識障害に陥る可能性もあります。


脱毛症の治療法・予防法

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脱毛症を治療する為には、まず抜け毛・脱毛の原因を突き止めることが重要です。異常を感じたら早めに病院へ行き、原因が分かったら適切な治療を行いましょう。

治療法は原因によって異なりますが、例えばアトピー性皮膚炎の場合、ステロイド剤・抗アレルギー薬を投与し、痒み・炎症を抑えます。
外部寄生虫による皮膚炎が原因であれば、痒み・炎症を抑える処置を行いながら寄生虫の駆除薬が投与されます。
真菌による感染症には抗真菌薬、細菌感染であれば抗生物質の投与を行います。
内分泌性疾患が原因の場合は、その病気に応じた処置が施されます。
皮膚病の症状や原因によっては、薬浴や全身の毛刈りが実施されることもあるでしょう。

紹介してきた通り、脱毛症の原因は多種多様なので、その原因に応じて有効な予防法は異なります。しかし、遺伝性の病気が関わる場合など、予防法自体が無かったり、完全に予防するのが難しい場合もあります。
まず飼い主さんにできることは、常に飼育環境を衛生的に保つことと、愛犬の健康面に気を付けてあげることです。
生活する上で、愛犬から抜け毛・脱毛を引き起こす原因を遠ざける配慮をしましょう。
例えば、アレルゲンに接触させないよう管理する、害虫との接触機会を避ける、害虫駆除のアイテムを使う等です。
食事や衛生面にも気を配り、愛犬の免疫力が低下しないよう努めてください。
定期的に動物病院を受診して、気になることを相談したり、健康診断を受けることも病気の早期発見に繋がります。


まとめ

脱毛症の原因となり得る要因は、今回紹介したもの以外にも沢山あります。
犬を飼う上で、抜け毛というのはとても身近なものですよね。しかし、脱毛症自体も犬にとっては身近に潜む病気となり得るのです。
些細なことが原因で目立つ症状がみられなければ、単なる毛の生え変わりだと思い、症状を悪化させてしまう恐れもあります。
季節の変わり目に起こる生理現象である換毛と、病気や何らかが原因して引き起こす脱毛の違いは、初期段階での見極めが難しい場合もあるでしょう。
しかし中には、季節的な換毛が少ない犬種もいます。愛犬がその犬種にあたる場合、抜け毛が酷かったり、脱毛量の多い状態が一時に発生したのであれば、病気や皮膚トラブルに陥っている可能性を考えましょう。
ちなみに換毛の少ない犬種には、プードル・マルチーズ・ヨークシャーテリア・シーズー・パピヨンなどがいます。
愛犬の皮膚が弱いかも…、と感じている飼い主さんも抜け毛には要注意です。
いずれの場合も、愛犬の状態に少しでも異常を感じたら、早めに獣医さんに相談することをお勧めします。
万が一脱毛症に陥った場合には、原因を早期に突き止めることが重要です。
普段から愛情をもって手入れをしておくこと、常に愛犬の状態を把握しておくことが大切ですね。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※


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壱子

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子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!

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