【獣医師監修】犬のおしり歩きは病気が原因?肛門腺絞りのやり方を知ろう!

2018.02.06

【獣医師監修】犬のおしり歩きは病気が原因?肛門腺絞りのやり方を知ろう!

犬がお尻を床などに擦り付けながら歩く姿を見たことはありますか?愛犬家にとっては有名な犬の行動の一つで、思わず笑っちゃうような不思議な動きともいえます。「おしり歩き」と呼ばれるこの行動、実は病気が潜んでいる可能性があるのです。 今回は、犬のおしり歩きについて、またその原因となり得る主な病気などを紹介していきます。これらの病気を予防する為に重要な、肛門腺絞りのやり方も併せてお伝えします!

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犬のおしり歩きとは?どんな時にする?

犬がお尻を床や地面などに擦り付けながら前進することを、「おしり歩き」と呼びます。
実際に愛犬がしているのを見たり、メディアなどで見掛けたことのある方も多いでしょう。

このおしり歩き、目にするとどこか可愛くて面白くもあるのですが、実は病気や寄生虫が原因となっている可能性があるのです。
犬がおしり歩きをするのは、お尻がただ単に痒い場合もありますし、病気などが原因で、違和感や痒みを感じている場合もあります。犬がおしり歩きをするのは一体どんな時なのでしょうか?

◆おしりを拭きたい時、おしりが痒い時のおしり歩き

もしも愛犬がトイレの後におしり歩きをしているのであれば、お尻を拭く為の行動である可能性が高いです。
犬はお尻に足が届きません。排便後に便がお尻に付着していたり、それが原因で痒かったりすると、お尻を拭く為におしり歩きをするのです。これらの行動がみられた場合は、すぐにチェックしてあげましょう。

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◆何らかの病気でおしり歩きをする場合も

便が付いているのなら取り除けば問題ありませんが、もしも何も付いていないのに頻繁に行うようであれば、それは肛門嚢に分泌液が溜まっていたり、寄生虫や肛門腺に関わる病気などを発症している可能性があります。

また、肛門付近の皮膚が炎症を起こして痒がっている場合も考えられます。

◆まずは肛門付近の様子を確認しましょう

おしり歩きを見かけたら、まずは愛犬の肛門付近を確認しましょう。
犬の肛門周辺の皮膚は薄く、皮膚炎を発症しやすい部位でもあります。皮膚炎の原因には様々な発症理由が考えられ、細菌性やアレルギー性など、原因によって対処法も変わってきます。

肛門周辺の皮膚に、赤みがある・かぶれている・腫れているなどの状態がみられるのであれば、動物病院を受診しましょう。

このように、犬が行うおしり歩きには様々な原因が考えられ、それは愛犬からの病気のサインかもしれません。
おしり歩きの原因となる主な病気を紹介しますので、万が一の為に覚えておきましょう!


犬のおしり歩きの原因①条虫や線虫等の寄生虫

お尻歩き 寄生虫

◆見られる行動・症状

寄生虫が犬のおしり歩きの原因となっている場合があります。この場合、以下のような行動や症状がみられます。

◎肛門周辺をしきりに舐める
◎肛門から白いヒモ状のものが出ている
◎便に白いヒモ状のものが混在している
◎下痢をしている
◎食欲が低下している
◎毛艶が悪くなっている

上記の症状にある「白いヒモ状のもの」が寄生虫である可能性があります。

この白いヒモ状のものが肛門から出ていたり、1cm程の白い切れ端のようなものが肛門付近や便についていた場合、寄生虫の「条虫」である可能性があるのです。

◆原因

犬に寄生する条虫の中でも有名なのは、「ウリザネ条虫」「マンソン裂頭条虫」などです。

また、寄生虫の形状がタコ糸のようなものであれば、「線虫」である可能性があります。「線虫」の中では、「回虫」「鞭虫」「鉤虫」などが有名とされています。

ただし、ひも状のものを誤飲していた場合は、その物体が出てきた可能性もあるので、発見した場合は注意して確認してください。

これらの寄生虫は、小腸などの消化器官に寄生します。ノミによる媒介や野生動物を食べてしまった、または寄生虫に既に感染している犬の便が口に入ってしまったなどの理由から寄生することがほとんどです。

愛犬が寄生された場合、自分の体から排出された寄生虫の卵を飲み込んでしまい、再感染を起こす可能性もあります。多頭飼いの家庭では、更なる注意が必要ですね。

◆治療法

治療には駆虫薬が用いられ、感染源の遮断が必要となります。散歩や外出時には、愛犬が他の犬の糞に近付かないよう気を付けることで予防しましょう。

また、肛門から出ているのが誤飲した物体だった場合は、無理矢理引っ張るのは危険です。ゆっくりと少し引っ張っても出てこないようであれば、獣医さんに相談してください。無理矢理引っ張ることで腸のどこかに引っかかり、腸が裂けてしまう可能性があります。

寄生虫に気を付けろ!

寄生虫という言葉を聞くと、サナダムシなどのようなミミズのような形をしたものをイメージしがちで、気持ち悪いなど、あまりいい印象はないと思いますが、かといって実生活とはあまり接点のないものと思いがちなのではないでしょうか。 確かに人間で寄生虫に感染するということはあまり聞かないかもしれません。 しかし実はワンちゃんや猫ちゃんたちは寄生虫の感染と隣り合わせの生活を送っているのです。 ここでは気を付けたい寄生虫についていくつかご紹介させて頂きます。

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犬のおしり歩きの原因②肛門嚢・肛門周囲腺の炎症

◆見られる行動・症状

おしり歩きの原因が肛門嚢・肛門周囲腺の炎症の場合は、以下の様な行動や症状がみられます。

◎肛門周辺に赤い腫れがみられる
◎排便がしづらそうである
◎排便時に突然走り出す状況がみられる
◎肛門付近を気にして頻繁に舐めている

◆肛門嚢とは?

肛門嚢(こうもんのう)とはマーキング(個体識別)の役割を果たす、臭いのある分泌液が溜まる袋状の器官のことをいいます。この肛門嚢が位置するのは、だいたい肛門を時計として4時と8時の方向です。

この分泌液は肛門腺という分泌器官でつくられており、排便時などに排泄物と同時に出たり、驚いた時などに無意識に飛び出ます。

◆肛門嚢の炎症

排便時に働く外肛門括約筋の力が弱い小型犬や、筋力が低下した老犬などの場合、自力で分泌液を出すことが難しく、人間が絞らないと溜まり続けてしまいます。肛門嚢内にこの分泌液が溜まり続けると、細菌が繁殖して炎症が起こり、肛門嚢炎を発症します。

これを放置すると破裂・腫瘍化などの病気を招くことがあるので、とても危険です。定期的にチェックをし、肛門嚢を絞る必要があります。

◆肛門周囲腺の炎症

肛門嚢の炎症時にみられる行動・症状に加えて、肛門から異臭がする、排便時に痛そうな声を出すなどの状態がみられた場合は、「肛門周囲腺の炎症」である可能性が考えられます。

肛門嚢の外側には、肛門周囲腺という小さな分泌腺があります。この分泌腺が炎症を起こした場合に、これを発症するのです。
悪化すると肛門横に小さな穴があき、肛門周囲瘻となってしまいます。

肛門周辺の通気が悪かったり、被毛に付着した便によって排便しづらくなったなどの理由から発症することもあるので、定期的なチェックや清潔を保つことも重要です。


定期的に愛犬の肛門腺絞りをしよう

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肛門嚢や肛門腺の炎症、または肛門嚢に分泌液が溜まることで招く病気を防ぐ為に、肛門腺絞りを行うことが必要です。

◆肛門腺絞りとは?

肛門腺絞りとは、肛門嚢に溜まってしまった不要な分泌液を人の手で排出させてあげることです。
前述した通り、小型犬や老犬など肛門括約筋の力が弱い個体には特に必要となるでしょう。

◆肛門腺絞りは必要?

犬達は野生時代に肛門腺から分泌液を噴射して、外敵からの保身に役立てたり、テリトリーを示していました。しかし、人間と暮らすようになり、この機会が減ったことで分泌液を押し出す筋肉が弱まっていったともいわれています。

大型犬や中型犬であれば、ほとんどの場合自力での排出が可能といわれていますが、やはりペットとして飼われるようになった現代の犬達にとっては定期的なチェックをすることが何よりも安心といえるでしょう。

実際の肛門腺絞りの方法と、それが必要な頻度を覚えておきましょう。

◆肛門腺絞りをする前の準備

分泌液には強烈な臭いがあり、排出時には周囲に飛び散る場合があります。そのため、肛門腺絞りを行う場所としては、すぐに洗い流せるお風呂場などがいいでしょう。

ただし、愛犬が高齢でお風呂場で行うことに負担を感じたり、風呂場に入ることが苦手な場合には、肛門周辺にティッシュなどを被せて飛び散りを抑えるなどの対策をとりましょう。

◆肛門腺絞りのやり方

– 1.しっぽを持ち上げる –

準備ができたら、まず片方の手で愛犬の尻尾の付け根を掴み、真上に持ち上げます。ここでポイントなのが、肛門の形が縦に伸びるように持ち上げることです。

– 2.肛門まわりをほぐす –

しっぽを持ち上げたら、親指と人差し指を肛門の4時と8時の位置に置きます。そして肛門より指1本程奥を挟んで、軽く揉みます。これにより、分泌液が出やすくなるのです。

– 3.肛門に向かって絞り上げる –

揉んだ後は下から押し上げるように、2本の指で肛門に向かって絞り上げましょう。この時、力を入れ過ぎないこと、肛門の方向にゆっくりと押し上げることが大切です。

– 4.おしり周りを綺麗にする –

分泌液の排出が成功したら、おしり周りをシャワーで流したり、ウェットティッシュで拭き取るなどしてきれいにしてあげましょう。この時、拭き残しがあると後に痒くなってしまう場合があります。衛生を保つ為にも、きれいに拭き取りましょう。

中にはお尻を触られるのを嫌がり、肛門を気にして振り向く子もいると思います。
愛犬が肛門腺絞りに慣れるまでは、家族などの協力を得て2人で行うとよいでしょう。1人は愛犬の前で頭を撫でるなどして肛門付近に顔をもっていかせない係、もう1人は肛門腺絞りを行う係です。

◆肛門腺絞りの頻度

肛門腺絞りを行う頻度には個体差がありますが、最低でも月に1回程度は絞ることをお勧めします。

お尻を床や壁に擦り付ける、おしり歩きをする、肛門を頻繁に舐める、自身の尻尾を追いかけるなどの行動がみられたら、それは愛犬からのサインだと思ってください。肛門腺内に分泌液が溜まっている可能性があります。

これらのサインを見逃さないこと、定期的なチェックを行うことが、肛門嚢による病気を防ぐことに繋がります。


難しい場合は病院やトリマーさんにお願いしましょう

肛門腺絞りが上手くできない飼い主さんも結構多いと思います。実のところ私自身も、中々上手く排出させてあげられない内の一人です。

挑戦してみたけど上手くいかなかったという方や、排出できたと思うけどきちんとできてる?と不安に思う方も中にはいますよね。このような場合は、専門家に任せましょう!

肛門腺絞りは、病院やペットサロンでも対応してもらえます。ペットサロンであれば、トリミングの一環として行ってくれる所が多いでしょう。動物病院でも、定期診察の際に気付いて対応してくれる獣医さんもいますし、相談すれば肛門腺絞りをしてもらえます。

上手くできないからといって放置せずに、定期的なチェックをし、自宅でできない場合は専門家への相談を忘れないようにしてくださいね。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※


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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!

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