愛犬にキャベツを食べさせてもいいの?持病のある犬は要注意!

2021.04.16

愛犬にキャベツを食べさせてもいいの?持病のある犬は要注意!

使い勝手がよく、四季に関係なく食べることが容易なキャベツ。飼い主さんの中にも、キャベツ好きな方はたくさんいるのではないでしょうか。飼い主さんに限らず、愛犬もキャベツを食べるのが好き!という家庭も少なくないでしょう。しかし、キャベツは犬にとってリスクのない食べ物なのでしょうか? 今回はキャベツに注目して、その成分や犬への与え方を紹介していきます。愛犬にキャベツを与える前に、まずはチェックしてくださいね!

【目次】
1.犬にキャベツを与えても大丈夫?

2.キャベツにはビタミンがたくさん含まれている!
 2-1.ビタミンC
 2-2.ビタミンK
 2-3.ビタミンB1
 2-4.ビタミンB6
 2-5.葉酸
 2-6.パントテン酸
 2-7.ビタミンB2
 2-8.ビオチン
 2-9.ビタミンE
 2-10.ビタミンA
 2-11.カロテン(β-カロテン)
 2-12.ビタミンU

3.キャベツは野菜の中でもミネラル含有率がトップクラス!
 3-1.カリウム
 3-2.カルシウム
 3-3.マグネシウム
 3-4.マンガン
 3-5.クロム
 3-6.モリブデン
 3-7.リン
 3-8.亜鉛
 3-9.銅

4.犬へのキャベツの与え方は?
 4-1.生で与える場合
 4-2.加熱して与える場合

5.犬にキャベツを与えてもOK!

【掲載:2020.01.07  更新:2021.04.16】

犬にキャベツを与えても大丈夫?

キャベツ

栄養豊富で、比較的1年中手に入りやすい野菜であるキャベツ。様々なレシピの材料にもなりますし、人間社会においても主婦の強い味方となる野菜の一つですね。

愛犬には手作りのドッグフードを与えたい!という飼い主さんにとっては、材料の調達にも苦労しないという利点がありますが…このキャベツ、犬に与えてもよい食べ物なのでしょうか?

人間にとっては無害な食物でも、犬や猫など他の動物にとっては有害となる食物は意外とあります。

代表的な食物として、玉ねぎやチョコレートなどがありますね。これらに関しては知名度も高いので、愛犬家、愛猫家の方ならご存知の方がほとんどでしょう。

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人間が食べる食物を犬などに与える場合には、まず事前に有害ではないか、食べることによってリスクがないかを調べておく必要があります。

それでは今回紹介するキャベツは、犬に与えると問題があるのか。

結論からいうと、キャベツは犬に与えてもほとんどの場合、問題はありません。有害となる成分をもっているわけではないので、ドッグフードやおやつとして与えても大丈夫です。

しかし、与え方や量には注意が必要ですよ。いずれの食べ物に関しても、有害ではないにしろ、必要以上に与えることで愛犬の健康被害を招く恐れは潜んでいます。もちろん、キャベツもそれにあたるのです。

適切な与え方や量はもちろん、キャベツを与えることで生じるメリットやデメリットも覚えておきましょう。


キャベツにはビタミンがたくさん含まれている!

胃腸に良いとして有名なキャベツですが、どのような栄養素や成分をもっているのでしょうか。チェックしてみましょう!
キャベツには、様々な種類のビタミンが含まれています。中でも豊富で、含有量が多いとされる栄養素をあげておきましょう。

◆ビタミンC

抗酸化作用のある栄養素として有名ですね。疲労回復にももってこいです。発がん物質の発生の抑制に効果があるともされており、がんの予防にも期待できる栄養素です。

◆ビタミンK

丈夫な骨の形成や、血液の止血に必要不可欠な栄養素です。犬において欠乏症は稀ですが、大腸内の細菌バランスが悪いと感じられる場合には、食事によってビタミンKを補うとよいでしょう。

◆ビタミンB1

糖質からのエネルギー生産や、皮膚、粘膜の健康維持を助ける働きを持つ栄養素です。糖質が栄養源となる、脳神経系の正常な働きにも欠かせません。

◆ビタミンB6

食品中のたんぱく質からエネルギーを生産しています。皮膚や粘膜の健康維持に役立つ栄養素です。

◆葉酸

たんぱく質や細胞を作るために必要な、DNAなどの核酸を合成する重要なビタミンです。

◆パントテン酸

糖質や脂質、たんぱく質の代謝と、エネルギー産生に必要不可欠な酵素を補助する働きをしています。更に、コレステロールやホルモン、免疫抗体などの合成にも関与し、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

◆ビタミンB2

主に皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きがあり、糖質や脂質、たんぱく質を体内でエネルギーにします。代謝を支える大切な栄養素です。

◆ビオチン

水溶性ビタミンB群の一つで、ビタミン7とも呼ばれています。4種のカルボキシラーゼ補酵素で、脂肪酸合成やアミノ酸代謝、糖新生に関係しています。

◆ビタミンE

抗酸化作用によって、体内の脂質酸化を防ぎ、体を守る栄養素です。老化や動脈硬化などの生活習慣病や、老化に関連する疾患の予防が期待されるビタミンといわれています。

◆ビタミンA

発育促進や肌の健康維持、視覚の暗順応に関わっていり、喉や鼻などの粘膜に働き、最近から体を守る重要な栄養素です。

◆カロテン(β-カロテン)

ビタミンAの作用をする他、抗酸化作用や免疫増強をする働きがあるといわれています。

◆ビタミンU

別名キャベジンといいます。某有名な医薬品の名前として浮かぶ方も少なくないでしょう。
胃腸の粘膜の保護や新陳代謝を活発にする成分です。胃酸分泌の抑制、胃腸粘膜の修復に作用するとされ、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防、治療に効果的だといわれています。


キャベツは野菜の中でもミネラル含有率がトップクラス!

ビタミンに加えて、犬の体にも良いとされるミネラルもキャベツには豊富に含まれています。野菜の中でもトップクラスだといわれる、含有量の多い種類をあげておきます。

◆カリウム

細胞を正常に保つ、血圧を調整するなどの働きをして、一定した体内の恒常性の維持に役立っているミネラルの一種です。

◆カルシウム

体内のカルシウムの99%は骨と歯となりますが、残りの1%が血液や筋肉などの組織にあり、出血を止める、神経の働きや筋肉運動など重要な活動を行う働きをもっています。

◆マグネシウム

50~60%が骨に含まれています。神経の興奮抑制や、エネルギーを作る補助、血圧維持などの重要な役割をもっています。

◆マンガン

骨の形成に関与するミネラルで、多種類の酵素の構成成分として、成長、生殖にも関係しています。

◆クロム

血糖値を調整するホルモンであるインスリンの、働きを助ける耐糖因子の構成成分で、糖や脂質代謝に欠かせない栄養素です。

◆モリブデン

酸化還元反応を助ける酵素(尿酸をはじめとするいくつかの酵素)の構成成分となる栄養素です。

◆リン

85%は骨や歯をつくる成分に、15%は筋肉、脳や神経などの組織に含まれています。エネルギーを作る上で必須の役割をもっています。

◆亜鉛

新陳代謝に必要な反応に関する、多種類の酵素を作る成分となる栄養素です。他にも、たんぱく質の合成、DNAの転写にも関係しています。

◆銅

ヘモグロビンをつくるために、鉄を必要な場所へ運ぶ役割をもっています。また、体内の数多くの酵素となり、活性酸素の除去、骨の形成の助けとなる働きもしています。

他にも様々なビタミンやミネラル、栄養素が含まれるキャベツですが、仲間の紫キャベツには抗酸化物質のアントシアニンがたくさん含まれているそうです。アントシアニンはビタミンCよりも安定した抗酸化作用を示しているそうで、愛犬の老化防止にも効果があるとされていますよ。

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犬にキャベツを与える時の注意点は?

キャベツの千切り

魅力的な栄養素だけをみると、犬にとっても良いことだらけなのでは?と思ってしまいがちです。
しかし、キャベツがもつ栄養素は大切ですが、与え方や量を間違えては逆効果。愛犬に体調不良を招くかもしれません。

最後に、犬にキャベツを与える場合の注意点をチェックしていきましょう。

◆生のキャベツは消化に悪い

人間の通常の食べ方としては、生でも加熱しても美味しく頂けるキャベツですが、犬の場合はどうでしょうか。

キャベツは、加熱することで多く含まれるビタミンや酵素が壊れてしまう野菜の一つでもあります。栄養素を十分に活かしたいのであれば、生で与えるのが一番良いかもしれません。

しかし、生のキャベツは消化には悪い食べ物だということも事実です。

犬の消化器官は敏感です。生で与える場合は、細かく刻むこと、与える量は少量とすることが愛犬の為には良いでしょう。

茹でた場合は消化によく、生の状態よりは量も与えられます。ダイエットが目的である場合は、茹でてから与えるのをお勧めします。

キャベツの与え方は、目的によって適切な方法が変わるということですね。

◆甲状腺に持病を持つ犬は要注意

犬に与える場合は量や与え方を間違えなければ、生でも加熱しても食べられるということですが、一点注意してほしいケースがあります。

それは、愛犬が甲状腺に持病を持っている場合です。

キャベツには、ゴイトロゲンというヨウ素の吸収を阻害する甲状腺腫誘発物質が含まれています。このことから、甲状腺に持病をもつ犬には与えるべきではないといわれています。

この場合、キャベツに限らずアブラナ科の野菜(ブロッコリー・小松菜・大根・白菜など)は避けた方がよいでしょう。

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◆与えすぎないようにする

健康体の犬であれば、過剰摂取さえしなければ問題ないとされていますが、甲状腺の病気以外にも、食べすぎると下痢や嘔吐、便秘の原因となったり、カルシウム結石のリスクも考えられます。

愛犬に与える場合は、全体の食事量の数%とすることを徹底してください。

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犬へのキャベツの与え方は?

いくら栄養素が豊富だからといって、キャベツはメインの食事にはなりませんし、キャベツだけでは必要な栄養素をバランスよく摂り入れることはできません。手作りフードを作る際にも、おやつとして与える際にも、上手な取り入れ方が重要となります。

生で与えるか、加熱して与えるかは、愛犬の状態や様子をみながら飼い主さんがしっかりと考えてあげてくださいね。
生と加熱とでのメリットとデメリットをまとめますので、チェックしておきましょう!

◆生で与える場合

水溶性ビタミンのビタミンC、ビタミンUを効率よく摂り入れることができます。他の栄養素も壊さずに与えられるので、栄養面ではベストといえるでしょう。
食事のかさ増しにもなるので、ダイエットが目的の場合は効果的です。

しかし、細かくして与えなければ消化不良を起こします。みじん切りにしたり、フードプロセッサーなどで細かく切ってから与えましょう。

◆加熱して与える場合

加熱することで細胞壁が壊れるので、栄養素は吸収しやすくなります。また生で与えるよりもキャベツの量は与えられます。ただし、加熱したキャベツは大量に食べることでガス(おなら)が発生するので注意してください。

茹でた場合には、水溶性ビタミンのビタミンCやビタミンUなどは茹で汁に出ていきます。有効利用したい場合は、そのままスープとして与えましょう。

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犬にキャベツを与えてもOK!

愛犬の健康を維持するためには、摂取する栄養バランスが重要です。栄養に偏りがでないように与えることを、忘れないようにしてくださいね。

生の場合、シャキシャキ感を好んで食べる子も多いでしょう。実際に我が家の愛犬もキャベツを食べるのが大好きです。

しかし、食べる姿が可愛いからといって、与えすぎてはいけませんよ。いつまでも元気でいられるように、愛犬の食生活に様々な工夫をしてあげたいですね。



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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!

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