【獣医師監修】犬の皮膚病「ホットスポット」の原因、症状、治療法は?

2019.03.07

【獣医師監修】犬の皮膚病「ホットスポット」の原因、症状、治療法は?

犬の身体は、豊富な被毛で守られています。外見だけでなく、犬にとっては体温調節に必要不可欠なこの被毛。しかし、この豊富な被毛が仇となり「ホットスポット」と呼ばれる皮膚病を発症してしまう可能性があるのです。その原因は様々ですが、甘くみてはいけない症状をもたらすのがこの病気。万が一に備えて、ホットスポットに関する知識を得ておきませんか?原因を知り予防することで、愛犬をホットスポットの脅威から守りましょう!

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ホットスポットとは?


「急性湿性皮膚炎」または「化膿性創傷性(外傷性)皮膚炎」と呼ばれる皮膚病の一種があります。これがいわゆる「ホットスポット」と呼ばれる病気のことです。

正式名称としては、他にも「急性湿性湿疹」や「突発性皮膚炎」、「掻痒性皮膚炎疾患」などと呼ばれることもあるようです。

ホットスポットにかかると、皮膚が部分的に激しい炎症を起こす状態になり、急激に症状が進むという特徴があります。少し前まで愛犬に異変は見られなかったのに、発症と共に猛烈な痒みに襲われ、掻きむしるなどして被毛が抜け落ちることも珍しくありません。

急激に痒みに襲われる、という言葉だけでも顔をしかめたくなりますが、一体何が原因となるのでしょうか。愛犬をこのような症状から守るためにも、しっかりと原因を把握しておいた方が良いですよね。

ホットスポットの発症原因として考えられる要因を紹介していきましょう。


ホットスポットの原因は?

病名に「湿性」とついていることから、湿気に大きな原因があるのではないか?と想像がつくと思います。その名の通りで、ホットスポットは高温多湿、梅雨の時期などに細菌が繁殖して起こるケースも多いと考えられています。

他にも要因となるものがありますので、しっかりチェックしましょう。併せて予防法も紹介していきます。

◆「蒸れ」による細菌繁殖からの感染

毛の根元が蒸れた状態になると、そこは細菌が繁殖しやすい場所となります。前述したように、高温多湿な梅雨の時期には、特に細菌が繁殖して感染する恐れがあります。この細菌感染によって、ホットスポットを引き起こすのです。

梅雨時期以外にも、シャンプーや水遊びの後、雨天時の散歩後などに、愛犬の被毛が根元まで乾いていなければ、根元が蒸れた状態となります。きちんと乾かさずに放置すれば、細菌感染を招く可能性が高くなってしまいます。

被毛が濡れた、湿った状態の場合、きちんと乾かすことが最大の予防です。梅雨時期の愛犬の被毛の様子に気を配ること、室内の温度調節や室温に注意することを忘れないでください。

シャンプー後などは、タオルドライのみでなくドライヤーを使用するなどして、愛犬の皮膚を清潔に保ちましょう。

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◆掻き傷による感染

個体によっては、元々食べ物などによるアレルギー体質であったり、アトピーなどで皮膚の弱い子もいます。この場合、掻いた部分に傷ができることで、細菌感染を引き起こす恐れがあります。

愛犬に体を掻く仕草がよくみられるのであれば、早めに獣医さんに相談することが大切です。傷となっている場合は、その個所を掻きむしらないように保護するなどの対策をとりましょう。

◆害虫の影響による感染

犬にも害虫は天敵です。ノミやダニに噛まれる、蚊に刺されるなどしてその部分を掻きむしることで、傷ができて細菌感染を引き起こす可能性があります。

原因として最も多い害虫はノミが多いとされていますが、これは居住地域や環境によって変わりますので、普段からその土地で最も悪影響を及ぼすと思われる害虫には注意が必要です。

害虫に噛まれることで、アレルギーを発症するケースもあります。この場合も同様にホットスポットの要因となりますので、気を付けましょう。

日常的に害虫対策を施すことが一番の予防です。害虫対策グッズを積極的に使用したり、予防薬の投与を忘れないようにしましょう。

◆完治していない皮膚病からの感染

肌の弱い犬種や個体は特に、軽度の皮膚炎を起こしがちです。この皮膚炎が完治していない状態で、傷ついた皮膚が細菌感染を起こす可能性もあります。

皮膚炎を甘くみずに、完治するまでしっかりと気を配り、治療に専念しましょう。傷の完治まで、獣医さんの指示にきちんと従うこと、傷を保護して悪化を防止することを徹底してくださいね。

ホットスポットの原因は、明確化されてはいません。様々な要因が重なり合って発症するとも考えられています。

ホットスポットの発症には、個体によるアレルギー体質が一番の引き金となっているともいわれます。皮膚の痒みが発生し、掻くことで炎症の悪化、結果、細菌感染を起こすというケースが多くみられるようです。

普段から愛犬の身体の様子、健康状態をしっかり把握しておくことが重要ですね。


ホットスポットができやすい犬は?

ホットスポットは、どの犬種にも発症する可能性のある病気です。しかし、その中でも以下の種類はホットスポットを起こしやすいといわれています。

◆アレルギー体質の犬

愛犬が元々アレルギー体質である場合は、皮膚炎発症のリスクが高いとえます。症状の重さはその犬によって様々ですが、食べ物に限らず外部刺激にも弱いということであれば、ホットスポットの引き金となる可能性が高く、十分な注意が必要です。

日頃からアレルゲン物質との接触をできる限り避けるよう生活するのはもちろんですが、些細な異変に気付けるように飼い主さんも日々愛犬を観察することが大切ですね。

◆アンダーコートが密生している犬種

犬の被毛には基本的に、シングルコートとダブルコートの2種類に分けられています。

アンダーコートとは、ダブルコートの犬種がもつ下毛のことをいいます。ちなみに上毛はオーバーコートと呼ばれ、この2種類の被毛を持つ犬種がダブルコートと呼ばれているのです。
そして、シングルコートの犬種にはアンダーコートは生えていません。

このことから、ダブルコートの犬種、更に中でも密生したアンダーコートを持つ犬種は、よりホットスポット発症への注意が必要といえるでしょう。

該当する犬種の一例をあげると、ゴールデンレトリーバーラブラドールレトリーバー柴犬などです。これらの犬種には、ホットスポットがよくみられるといわれています。

もちろん、これらの犬種に限らず、ホットスポットは全ての犬種において発症の可能性のある病気です。一概にダブルコートの犬種が発症しやすい!といえるものではありませんが、愛犬がダブルコートの犬種であれば、より注意しておくことをお勧めします。

◆肥満傾向にある犬

この他にも、肥満傾向のある個体にもホットスポットがみられやすいともいわれています。これは、太っている個体は皮膚に熱がこもりやすいという理由からです。

ホットスポットの予防に限らず、健康維持のためにも、愛犬の体重管理は飼い主さんにとって重要な務めともいえるでしょう。


ホットスポットの症状は?

ホットスポットの症状

ホットスポットの大きな特徴として、高温多湿な梅雨時期に発症しやすい、害虫・アレルギー・外傷が原因で細菌感染を起こすなどの原因をあげてきました。
更に、発症は突然で、症状の進行が早い、急激に痒みが出る、というのも忘れてはいけない特徴の一つですね。

それでは、実際にどのような症状がもたらされるのか、もう少し詳しくみていきましょう。治療法にも触れていきます。

◆ホットスポットの主な発症部位

ホットスポットが引き起こされる部位は、首や肩から背中にかけて、多くみられるといわれています。個体によっては、足や顔などにできることもあるようです。

病変部の大きさは様々で、指先程の小さなものから、手のひら大の大きな脱毛がみられることもあります。

細菌感染による炎症が原因なので、高温多湿の時期に突然発症するということも珍しくありません。朝起きたら、愛犬の被毛が大量に抜け落ちていた、というケースも存在します。

◆ホットスポットの症状

病変は皮膚表面のみですが、急激な痛みや猛烈な痒みが出るため、愛犬自身が出血するほど掻きむしってしまう場合があります。

傷の化膿による体液や膿、掻き傷からの出血で、愛犬の体がべとべとになってしまうこともあります。

強い痒みから患部をしきりに舐めたり、地面に擦り付けるような仕草も見られるでしょう。

飼い主さんが心配で手を伸ばしても、痛みから触られるのを嫌がったり、噛み付こうとする個体も中にもいます。

一旦発症すると、病変部位に広がりがみられるということはありませんが、愛犬がアレルギー体質の場合には再発がよくみられるようです。ちなみに同居ペットや、人に伝染するわけではありません。


ホットスポットの治療法は?

ホットスポット

◆愛犬のこんな様子が見られたら…

愛犬が一つの箇所を集中して痒がったり、気にして舐めるような行動をしていたら、すぐにその患部を確認しましょう。

赤い湿疹やその箇所の脱毛、膿が出ている様子があれば、ホットスポットを発症している可能性が考えられます。疑わしいと感じた場合は、一旦動物病院で診てもらってください。

犬は猛烈な痒みから、患部を掻き続けます。すぐに患部の脱毛に繋がったり、傷口の悪化が避けられない状況に陥ってしまいます。できるだけ早め受診し、獣医さんに相談しましょう。

◆ホットスポットの治療法の一例

ホットスポットの治療は症状の重さによって変わってきます。

症状が軽度であれば、患部を薬用シャンプーで洗浄し、消毒後に外用薬が使用されます。消炎剤や痒み止め、抗菌剤などが使用されることがほとんどでしょう。

そして症状が重度の場合には、軽度の場合の治療に加えて、被毛を刈り、内服薬やステロイド(副腎皮質ホルモン)が使用されることもあります。

いずれのケースも、治療中にはエリザベスカラーの使用が推奨されるでしょう。外用薬を舐めたり、患部を掻いたりして、症状の悪化を防ぐためです。

動物病院での処置後は、ほとんどの場合数日で完治するといわれています。

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まとめ

突然の発症、急激な進行、猛烈な痒み、という恐ろしい症状をもつホットスポット。愛犬がこんな皮膚病を患ってしまったら…想像するだけで相当痛々しいですよね。

日頃から愛犬の皮膚の健康に気を配っておくことが、ホットスポット予防の近道となるでしょう。

人間にとっても、急激な痒みは辛いものでしかありません。愛犬をそんな目に合わせないためにも、梅雨時期に注意する、日頃から被毛の根元をしっかり乾かしておく、害虫対策をとる、ということを徹底しましょう!

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に14医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!

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