【獣医師監修】犬のてんかんの症状、原因、治療法は?

2019.03.15

【獣医師監修】犬のてんかんの症状、原因、治療法は?

てんかん(癲癇)とは、神経疾患や神経症状が出る疾患のことです。脳細胞の異常活動によるもので、主に発作を起こします。てんかんの症状は全身の発作、もしくは眼瞼や四肢の一部などの身体の一部の部分的な発作です。原因は様々で、遺伝や脳神経を傷付ける病気、交通事故などが代表的です。 てんかんは完治しない病気のため、治療は病気の根絶治療の内服治療と、抗てんかん薬の内服治療となります。犬のてんかんについて詳しくご紹介します。

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てんかんって何?

犬のてんかんってなに?

てんかん(癲癇)は、脳細胞の異常活動によるもので、犬の神経疾患や神経症状が出る疾患のことを指します。脳の神経細胞に突然電気的な興奮が発生することで発作などを起こします。

犬のてんかんは予防が難しく、完治することもありません。


犬のてんかんの症状は?

犬のてんかんの症状は大きく分けて2つあります。確認してみましょう。

◆全身発作

犬のてんかんの症状の代表的なものが「発作による痙攣」です。特に、脳の大半、もしくは全体に電気的な興奮が起こったことで起こる全身発作が典型的なてんかん発作の一つといわれています。

意識を失い、瞳孔を開き、よだれを垂れ流し、嘔吐や失禁などを伴い、四肢をピンと伸ばし硬直してガクガクと大きく全身で揺れるものです。意識が無いまま、犬かきのように前肢をクルクルと回す行動をすることもあります。

犬の発作は、数秒から数十秒ほどの短時間であることが多いです。

また、発作が治まるとケロッとして何も無かった様な健康な状態に戻ることもてんかん発作の特徴の一つです。

◆部分的な発作(小発作)

四肢のうちの一本だけ、もしくは前肢、後肢のどちらかなど、一部分だけが痙攣するパターンの発作もあります。また、顔面の痙攣や眼瞼の痙攣などもあります。

この場合は犬の脳の一部のみに電気的興奮が起こるため、痙攣が起こる場所も身体の一部になっています。


犬のてんかんの原因は?

犬のてんかんの原因にはどんなものがあるのでしょうか。確認してみましょう。

◆遺伝

遺伝性のあるてんかんの場合は、犬の持つ遺伝子が原因となります。

先天的にてんかんが発症しやすい犬種も存在し、ラブラドール・レトリーバーダックスフンドミニチュア・シュナウザープードルなど人気の家庭犬がそうです。

親犬や先代犬がてんかんを持っている場合には、子孫犬も検査をした方が安心です。

◆病気

脳神経に障害の後遺症を残したり、脳神経を傷つける病気が原因の場合もあります。特に低酸素に陥ることのある病気や、脳に関与する病気は誘発率が高いです。

主な原因といわれる病気は以下の通りです。

・脳炎
・脳梗塞
・脳出血
・脳卒中
・心肺停止などによる低酸素脳症
・高次脳機能障害
・水頭症

◆交通事故

交通事故で脳を強く打ったり、脳炎や脳出血を起こした場合、脳神経に後遺症が残りてんかんを起こすことがあります。

こういうケースを「症候性(二次性)てんかん」と呼びます。

◆精神的なストレス

精神的に不安定に陥る不安感を抱いたり、ストレスを感じた場合に発作を起こすこともあります。

引っ越しや飼い主の転職、赤ちゃんが産まれたなど、生活の中の変化も犬に精神的なストレスを与えるため、誘発する原因となります。

◆癖

犬の個体により、発作を起こすスイッチが入ってしまう癖があります。
サイレンの音、チャイムの音、気圧の変化、携帯を開くなど、たいしたことのない様に見える動作でも、規則的に発作を起こします。

この場合は、飼い主がしっかり日頃から観察をしなければ、原因特定することが困難です。

◆原因不明

実は原因不明の場合も多いです。この原因不明のてんかんのことを「突発性てんかん」と分類します。


犬のてんかんの治療法は?

犬のてんかんの治療法は、薬による内服治療が一般的です。

原因が病気に由来したものであれば、その病気自体を治療する薬を内服します。
それ以外の場合はてんかん自体の治療ではなく、てんかんによって起こる発作を抑えるための抗てんかん薬を投薬します。

そのため、まずは病気由来のものかどうか、血液検査やレントゲン検査、心電図や脳波検査などを使い、全身を検査します。その結果を受けて、投薬する治療薬を獣医師が選択し、犬に対して治療をしていく流れになります。

投薬中は発作の回数、頻度をしっかり観察し、肝臓や腎臓の状態、薬物の血中濃度などを検査で見極めながら進めていきます。

抗てんかん薬は決められた用法・容量を厳守する必要があります。
そのため、飼い主には負担も大きく、そのうえ完治することが無いため根気の必要な治療となります。

◆抗てんかん薬に副作用はある?

抗てんかん薬には服用をはじめて直ぐにでる初期副作用と、長期服用したことで出る長期服作用の2つの副作用が存在します。

初期副作用の代表的なものは、ぼーっとする、動きが遅くなる、ふらつき、異常な食欲の増加などが挙げられます。
長期副作用には、肝障害、鬱になる、肥満などがあります。

どちらの副作用も犬に出現した際には、必ず獣医師に報告し相談するようにしましょう。


犬のてんかんの治療費は?

実は動物病院は自由診療のため、定価というものが存在しません。そのため、格安の動物病院と割高の動物病院の差が何千円、何万円もの差になることが一般的です。

一般的な犬のてんかんの治療費は、どのくらいかかるのでしょうか。

◆一般的な犬のてんかんの治療費

治療費は、初期の検査費、毎日の投薬費、定期的な検査費の3つで構成されることが多いです。

血液検査はおよそ5000円から8000円ほどが一般的です。
初期の検査の場合は、心電図や脳波なども含むことが多いため、更に5000円から1万円ほど上乗せになると考えると良いでしょう。
毎日の投薬費に関しては、一週間分で1000円から2000円と設定している病院が多いです。

そのため、一ヶ月分では5000円から6000円となります。けして安い料金ではありませんが、飲み続け、発作を抑えることが重要ですので内服は続けるようにしましょう。

◆入院になるケースも

稀に発作が治まらず、入院になるケースもあります。その場合は検査費と入院費を合わせて数万ほどの請求になることが一般的です。

ただし、精神的な不安定さが発作の引き金になるタイプの犬もいるため、あまり入院しての治療は多くはありません。


犬のてんかんとの付き合い方は?

犬のてんかんは、完治することが無いため、発作などの症状を抑えながら病気と付き合っていくことが一般的です。具体的にご紹介します。

◆気候・気象に注意する

梅雨やスコールの様な大雨、台風などの気圧変化のある気象の際に、発作を起こす犬が多いです。

天気予報をしっかり確認し、発作が出そうな天気の日には音が聞こえない部屋に行く、しっかり内服を飲ませておく、犬と離れず付き添うなどのケアが必要です。

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◆興奮させない

興奮すると発作のスイッチが入ってしまう犬も多いです。そのため、犬が興奮状態になる前に飼い主がセーブをかけられる様に注意することが必要です。

来客時や騒音、犬が気に入らない音など興奮することを避け、落ち着ける様にしてあげましょう。

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◆睡眠をしっかり取る

犬が寝不足になると発作を誘発することもあるため、寝不足は避けましょう。

夜になったらカーテンを引き、犬を暗い部屋で過ごさせてあげる、飼い主も夜更かしを避けるなど配慮が必要です。

◆水に注意する

シャンプーの際など、水を嫌がる犬は多いです。嫌がったり、逆に喜びハイテンションになる、などの興奮から発作を引き起こしてしまうことも多々あります。そのため、水には注意が必要です。

特に毎月のシャンプーなどが難しい、怖いなどの場合には、トリマーの在籍している動物病院へトリミングに行かせることをおすすめします。

中には定期的な検査とトリミングを預かって一気に終わらせてくれる動物病院もありますので、飼い主の負担が減ります。

◆部屋を片付ける

発作を起こしたときに、頭をぶつけるものが無いかどうか、段差は無いかどうか、しっかりチェックし、部屋を常に片付ける様にしましょう。

発作が起きると、犬は意識を失うことが多いため、危険なものが有ってもおかまいなしに突っ込んでしまいます。

そのため、常日頃から片付いたスペースで生活させることが大切です。絨毯や、マットを敷いておくこともおすすめです。

◆室温に気を付ける

極端に高温になったり、低温になったりしないよう、室温は常に快適な温度をキープするようにしましょう。

また、発作を起こしたときにぶつかる可能性があるため、石油ストーブの様な炎が出るタイプのものは避け、エアコンを利用するなどを検討すると良いでしょう。

◆発作の記録をつける

発作を起こした日時、前回からの間隔(何日、何時間、何か月など)、発作を起こしていた時間などをノートにまとめておくと良いでしょう。通院の際には必ず獣医師に見せて、日常の様子を把握してもらうことが大切です。

いつもと違う発作症状の際には、携帯電話のカメラでムービー(動画)を撮るなどをして、獣医師に診断してもらうという方法もあります。


完治しない犬のてんかんとは上手に付き合っていきましょう

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この記事では、犬のてんかんについて詳しくご紹介しました。

犬のてんかんは、完治することが無いため、発作などの症状を抑えながら病気と付き合っていく必要があります。この記事を読んで、生活の中で気を付ける点などを知って、犬と病気と上手に付き合っていくようにしましょう。

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※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※


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St.Elmos

St.Elmos

動物看護士、トリマー、愛玩飼養管理士などの資格を持っています。 家族の一員としてのワンちゃんネコちゃんにまつわる情報をお伝えできればと思います。

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