【獣医師監修】犬が頭を振るのはなぜ?犬の気持ちや病気のサインを見逃さないポイント

2021.09.23

【獣医師監修】犬が頭を振るのはなぜ?犬の気持ちや病気のサインを見逃さないポイント

犬が頭を振るのにはいくつかの理由があります。一時的な気持ちの表現や、耳に異物が入ったときの不快感による行動、または病気のサインの可能性もあります。犬の気持ちを知ることで愛犬との距離を縮め、また重大な病気を見逃さないためにも何故犬は頭を振るのかみていきましょう。

犬が頭を振る理由

チワワ

◆自分を落ち着かせたい(カーミングシグナル)

犬は自分を落ち着かせるために、カーミングシグナルという行為をします。
カーミングシグナルとは、言葉で感情を伝えられない犬の非音声言語で、つまり感情の表れです。
犬のカーミングシグナルはいくつかありますが、そのうちのひとつ「頭を振る」という行為は犬にとって「ストレス」「不快感」などのサインで、自分を落ち着かせるために行います。
例えば、知らない人にしつこく撫でられたり、知らない犬にしつこくお尻を嗅がれたりすると嫌がってブルブルと頭を振ることがあります。
人間もイライラして貧乏ゆすりをしたり、緊張で頭を掻いたり髪の毛を触ってしまうなどといった行為と同じように、犬も反射的にカーミングシグナルを行うことで一時的に負の感情を緩和しています。
また犬が悪さをしてしまったとき「怒られちゃうかも…」という不安から、頭を振ることもあります。
このカーミングシグナルは一過性なことが多いので、執拗に頭を振る場合は別の原因を疑いましょう。

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犬は人間のように言葉は話しませんが、仕草で気持ちを伝えていることがあります。人間で言うボディーランゲージと似ていますが、犬がその仕草をすることで、自分や相手のことを落ち着かせようとしている時に行う合図を、「カーミングシグナル」と呼ぶそうです。 愛犬が飼い主さんに何かを伝えようとしているカーミングシグナルには、どんなものがあるのでしょうか?

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◆耳や脳の病気

ダニや細菌による耳の病気

犬が頭を振るだけでなく、耳を掻くしぐさや地面に耳をこすりつけるしぐさが多い場合は、ダニや細菌が繁殖し痒みが出ている可能性があります。
細菌が繁殖することで炎症を起こし、悪化すると「外耳炎」や「中耳炎」の原因にもなります。
耳の中に黒い耳垢が大量にできていないか、嫌な臭いがしないかチェックしてみましょう。そのためにも、いつもと違う臭いや悪臭にすぐに気付けるよう、普段から愛犬の耳の臭いをチェックすることが大事です。

アレルギー

人間と同じように犬にもアレルギーの症状が出ます。耳や肌がかゆくなり、その不快感から頭を振ることがあります。
アレルギーの疑いがある場合は血液検査をして、アレルギーを引き起こす原因を見つけましょう。場合によっては抗アレルギー製の餌に変える必要があります。

脳の障害や病気

耳の病気の他に、てんかんや脳腫瘍など脳の病気で頭を振ることがあります。
このような病気の場合、元気がない、食欲低下、うまく歩けない、起き上がれない、ぐったりしているなどの症状も現れることがありますので、いくつかの症状が当てはまる場合はすぐに動物病院で診てもらいましょう。必要であれば血液検査やMRI検査などをすることになります。

◆耳に異物が入った

水浴びをした際に耳に水が入り、その水を飛ばすために犬は頭を振ることがありますがこれは一般的な動作なので心配はいりません。
ただし植物や植物の実、小さなゴミなどの個体が入ってしまった場合は注意が必要です。
異物が入ることで耳に炎症ができ、「外耳炎」や「中耳炎」になる可能性があります。
異物は耳だけではなく犬の鼻からも入り込み手術になることもあります。また虫や寄生虫が入ることもあるので、犬の散歩時は背の高い草むらに注意しましょう。
また小さいお子さんが好奇心から犬の耳に異物を入れてしまうケースもあります。小さなお子さんが近くにいるときは目を離さないようにしましょう。


犬が何度も頭を振る原因の病気

◆外耳炎

犬が執拗に頭を振る原因の多くは外耳炎だと言われています。

症状

外耳炎とは、耳の中に炎症が起こっている状態です。悪化すると中耳炎になり、症状もより重いものとなってしまうため、愛犬の異変を感じ取ったら放置せず外耳炎のうちに治療しましょう。
頻繁に頭を振るしぐさ、耳をかゆがっているしぐさ、耳の中に垢が溜まっている、耳の臭いがきついなどの異変が見られたら外耳炎のサインかもしれません。

原因

原因は植物の実、小さなゴミ、ダニ、寄生虫などの異物によるものの他に、アレルギーやアトピーによるケースもあります。
犬アトピー性皮膚炎や食物アレルギーを持っている犬は高確率で外耳炎を発症していると言われています。

治療法

原因が多岐にわたるため、外耳炎になった原因を解明してから正しい治療法を見つけることとなります。
一般的には犬の耳の洗浄をして点耳薬の投薬ですが、アレルギーが原因の場合は餌を変えるのが有効な治療法など様々なので、専門医の指示に従いましょう。

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犬の外耳炎は耳の穴から鼓膜までの間の管(外耳道)に炎症が起きることを指します。 外耳炎の症状は、痛み、痒み、耳垢の変化から始まり、悪化すると自律神経系の症状も出ます。 外耳炎を繰り返していると、耳血腫という耳の内出血も置きやすく、慢性化すると手術が必要になることもあります。 原因は細菌、真菌(カビ)、耳ダニ、外傷など様々で、治療法も原因に合わせ多種多様です。 感染率の高い外耳炎を避ける為には、毎日の健康チェックで外耳炎を未然に防ぐ事が大切です。 犬の外耳炎について、詳しく確認してみましょう。

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◆中耳炎

外耳炎が悪化すると中耳炎になります。耳は、外側から外耳・中耳・内耳と分かれており、外耳の炎症が悪化するとさらに内部の中耳にまで炎症が広がり、これを中耳炎と呼びます。

症状

外耳炎とほぼ同じ症状ですが、悪化すると目が揺れる、顔面神経の麻痺など重症化する場合があります。
元気がなくなったり、目が揺れるように動いたり、耳を触ると嫌がったり、明らかに愛犬の様子がおかしい場合はすぐに動物病院で診てもらいましょう。

原因

外耳炎が悪化すると中耳炎になります。さらにひどくなると「内耳炎」になります。気づきにくいケースも多いですが、なるべく早期発見を心がけましょう。

治療法

こちらも外耳炎と同じく、原因によって治療法が変わるため専門医の指示に従いましょう。適切な治療を受けられなかった場合、内耳炎にまで悪化する可能性がありますので場合によってはセカンドオピニオンも必要かと思います。

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犬の耳の検査やケアを定期的に行っていますか?外耳炎と併発しやすい中耳炎は、放置してしまうと内耳に広がり内耳神経から脳へ。命をも奪う危険性がある恐ろしい病気です。動物病院で定期的に健康診断を行う他、愛犬の耳の衛生管理を行いましょう。今回は、犬の中耳炎について症状や治療法、予防法や耳のケア方法など幅広くご紹介致します。

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◆耳血腫

耳血腫(じけっしゅ)とは、耳介(いわゆる耳。外に飛び出している部分)が腫れる病気です。人間も柔道やラグビーなど激しいスポーツをしていると起こりうる外傷です。

症状

犬の耳の内側部分が大きく腫れるため、外耳炎や中耳炎と違って目視での判断がしやすいです。耳に熱感や痛みを伴うので、犬は頭を振るしぐさや後ろ足で耳を掻きむしるしぐさをします。

原因

後ろ足で耳を掻いたり地面などに頭部を擦りつけることで外傷になり、これを繰り返し行うと犬の耳に血液が溜まったり軟骨に傷がつき腫れあがります。そもそもの痒みや不快感の原因は、ダニ、異物、外耳炎、アレルギーなどであるため、これらと併発している可能性があります。

治療法

耳血腫の状態にもよって治療法は様々です。注射器で溜まっている液体を吸い出す方法や、切開をするケースもあります。どの方法にしても複数回の通院とステロイド剤の投薬が必要になる可能性があります。

◆てんかん

てんかんとは、様々な発作が起きる脳の疾患です。犬が発作を起こしても慌てないで対応することが大事です。

症状

軽い発作だと、頭を振る、よだれが垂れる、手足や顔面の一部の筋肉が痙攣するなどがあります。また飼い主がびっくりしてしまう発作の例としては、全身が痙攣する、手足をバタバタさせる、突然倒れこむなどがありますが、愛犬がぶつけたり落ちたりしないように飼い主の冷静な対応が必要です。
てんかんによる発作は、通常すぐに治まるので刺激を与えないようにそっと見守りましょう。

原因

多くの場合は原因が特定できず、先天性のものや他の病気から併発することもあります。原因が不明な分、今後の治療のために発作の頻度、症状など愛犬の状態を記録しておきましょう。

治療法

血液検査やMRI検査などの検査を必要とする場合があります。別の病気から併発している場合は、その病気の治療することによって良くなる場合もありますが、原因不明の場合は投薬が主な治療になります。また発作を完全になくすことはできないため、頻度を下げることが治療の目的となります。

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てんかん(癲癇)とは、神経疾患や神経症状が出る疾患のことです。脳細胞の異常活動によるもので、主に発作を起こします。てんかんの症状は全身の発作、もしくは眼瞼や四肢の一部などの身体の一部の部分的な発作です。原因は様々で、遺伝や脳神経を傷付ける病気、交通事故などが代表的です。てんかんは完治しない病気のため、治療は病気の根絶治療の内服治療と、抗てんかん薬の内服治療となります。犬のてんかんについて詳しくご紹介します。

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犬が頭を振っているときの対処法

レトリバー

◆耳を清潔にする

定期的に耳掃除をする

洗浄液を含ませたコットンで優しく耳掃除をしましょう。
ただし、正しい方法で行わないと症状が悪化したり、耳を傷つけてしまい新たな問題を作ったりしかねないので心配な場合は動物病院で適切なアドバイスをもらってください。

垂れ耳の犬種はとくにケアが必要

とくに耳が垂れた犬種(ゴールデン、ビーグル、マルチーズなど)は蒸れやすく耳の病気になりやすいため、定期的なケアが必要です。
垂れ耳の犬はコットンで汚れを拭き取る他に、時々耳をめくることや、イヤーパウダーなどを使って蒸れを防ぎ乾燥させてあげるのが病気の予防になります。
また定期的に動物病院で耳の診察とケアをしてもらうと安心です。

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犬には大きく分けて立ち耳をもつ犬種と、垂れ耳をもつ犬種がいますよね。今回は、垂れ耳タイプに注目して、お勧めの犬種を紹介していきます。これから垂れ耳タイプの犬を飼いたい!と思っている方は要チェックです! 更に、垂れ耳タイプの犬種を飼うということは、実は耳の病気やケア方法に注意が必要になるということ! 天敵となる耳の病気と、垂れ耳犬種にとって適切な耳掃除の方法を事前にチェックしておきましょう。

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◆耳の異物を除去する

犬は耳に入った異物を取り除こうと頭を振るため、自然と除去できる場合もあります。手の届く範疇ならコットンに洗浄液を染み込ませて優しく拭き取りましょう。
無理に取ろうとすると犬の鼓膜を傷つけてしまうこともあるので、困難な場合は速やかに動物病院で受診しましょう。

◆動物病院へ連れていく

頭を振る頻度が増えた場合や、明らかに様子がおかしい場合は動物病院で適切な治療を受けましょう。何も問題がなければ安心ですし、早期発見が今後のためになることもあるので、愛犬の様子がおかしいなと思ったら早めに受診しましょう。

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まとめ

動物は言葉が話せないため、飼い主は愛犬の行動に着目しなくてはいけません。何かを求めているとき、嫌がっているとき、警戒しているとき、具合が悪いとき、甘えたいときなどのサインを理解して、より良い関係を築いてください。その分犬も喜び、長生きしてくれるでしょう。

定期健診を日ごろから行い、何か心配事があれば、専門医の適切なアドバイスをもらいに動物病院へ行くのも愛犬のためです。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に14医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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PetSmilenews編集部

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ペットの総合情報サイト「PetSmilenews」の公式アカウント。編集部スタッフ一押しのあらゆるペットの情報をご紹介します。

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