1.猫が嫌いな音はどんな音?
1-1.掃除機やドライヤーなどの家電製品の音
1-2.玄関のピンポン
1-3.くしゃみや手を叩く音、低い声
1-4.雷の音
1-5.金属音
2.猫にとって嫌いな音はストレスに!
2-1.猫がストレスを感じている時の行動
2-2.猫が音を嫌がる時の対処法
3.猫の聴力について
3-1.なぜ猫には嫌いな音があるのか
3-2.猫が好むしゃべり方「ぺティーズ」
3-3.猫の耳の仕組み
【掲載:2017.06.27 更新:2023.07.17】
猫が嫌いな音はどんな音?
猫が嫌いな音、怖がる音というのはズバリ「大きな音」です。
一口に大きな音と言っても、様々な音の種類がありますが具体的にどのような音を苦手としているのでしょうか。
私たち人間との生活の中で聞く音でも、自然の音でも猫が思わず反応する音がありますので見ていきましょう。
◆掃除機やドライヤーなどの家電製品の音
家の中でも特に音が大きく出る家電と言えば、掃除機、ドライヤーが挙げられます。
「ゴオオ」という大きな音のことを「嫌いな音」と思っている猫ちゃんは多いようです。
どちらも家庭の中ではよく使われる家電で、音も一瞬ではなく長く聞こえるものなので、一緒に暮らすうちに慣れる子もいるかもしれませんが、
大きな音にストレスを感じてる場合もあるかもしれません。
最近の掃除機では音が静かな製品も販売されているので、猫ちゃんが怖がっていたり嫌がる様子をよく見せるようであれば、買い替えることも検討してみると良いでしょう。
◆インターホンの音
インターホンの「ピンポン」という音は、基本的に静かな空間の中で「いきなり鳴る大きな音」ですので、猫がびっくりする音の1つと言えます。
それまでぐっすり寝ていたとしても、飛び起きる子や逃げようとする子も多いのではないでしょうか。
また、この呼び鈴の場合、チャイムが鳴る=知らない人が来るというイメージが付いている猫ちゃんにとっては、二重の驚きになってしまうかもしれませんね。
◆くしゃみや手を叩く音、低い声
私たち人間の行動の中でも、猫が嫌いな音というものがあります。
いきなり鳴る大きな音、破裂音という部分では、くしゃみや手を叩く音が当てはまります。
また、猫はどちらかというと低い音が苦手な為、男の人の低い声というのも苦手な傾向があります。
◆雷の音
人間でも苦手な人は多いですが、雷の「ゴロゴロ」「ピシャー」という音は、猫の嫌いな音、怖がる音と言えます。
また、同じ地鳴りのような大きな音という括りでは、花火の音も嫌いな子が多いです。
猫に花火の綺麗さや音の迫力の良さは伝わらず、ただただストレスに感じてしまいますので、おうちから綺麗な花火が見えていたとしても無理やり見せることはやめておいた方がいいでしょう。
◆金属音
「カーン」「キーン」といった金属音も猫ちゃんが嫌いな音です。
10歳以上のシニアのネコちゃんでは、キーンという甲高い音を聞いた際に、驚いた拍子で痙攣や発作に繋がることもあります。
普段の生活で金属音を鳴らすようなことはなかなかないと思いますが、十分注意してあげましょう。
これまで挙げた例は、あくまで一例です。
雷の音を聞いても平然としている子もいますし、反対にゴミ袋の小さなカサカサ音でも嫌い!という子もいたりと、人間と同じくそれぞれの音の好みがあります。
猫の様子を見て、一体どのような音に反応しているのかを見つけ、臨機応変に対応してあげてくださいね。
猫にとって嫌いな音はストレスに!
前述の通り、猫は「大きな音」や「予期しない音」に対し、ストレスを感じることが多いです。
猫はストレスに弱い動物ですので、ストレスが原因で異常な行動をとったり、病気になったりします。
ここでは、猫がどのような行動を取っていたらストレスに感じているのか、どのような対策を取ってあげればよいのかを紹介します。
◆猫がストレスを感じている時の行動
猫がストレスを感じている時に行う異常行動も様々です。
このような行動をとるような猫はかなり大きなストレスを感じていると言えるでしょう。
猫が嫌いなもの、怖がるものの原因を取り除かなくてはなりません。
◆猫が音を嫌がる時の対処法
原因が音の場合、音自体をなくしてしまうことは難しいことですが、少しでも猫にストレスを感じさせないような工夫をしましょう。
猫が音を怖がる時の対処法を上げていきます。
・掃除機やドライヤーを使用するときは猫を別の部屋に移す。
・できるだけ音の小さい掃除機やドライヤーを使う。
・雷が近づいて来たときや花火が催されるときは猫を家の中心部に移すし、不安にならないように一緒に過ごす。
・カーテンを社交性、遮音性の高いものに変え、外の音が少しでも小さくなるようにする。
猫の聴力について
ネコの聴力は可聴域が25~78,000Hzと幅広いです。
ちなみにイヌの可聴域は65~50,000Hz、人は16~20,000Hほどと言われており、ネコは人が聞き取れない超音波も聞き取れています。
先程低い音が苦手と紹介しましたが、実は音程の聞き分けというのも高い音の方が得意です。
これは、ネズミなどの小動物が発する小さな声でも聞き取れるように、聴力を発達させた結果です。
超音波レベルの高音が聴き取れる猫は、部屋にいながらも室外の音が聴き取れます。
そのため、猫には日常生活の中で嫌いな音、怖い音は人間よりも圧倒的に多いことでしょう。
特に人間が聞いてもうるさく聞こえる掃除機やドライヤーの音、お腹に響くような重低音で爆発的な響きを放つ花火や雷の音は猫にとってとてつもなく大きく、破壊力がある違いありません。
◆なぜ猫には嫌いな音があるのか
音に関するこうした好みには、あらゆる動物に共通することをアメリカの博物学者、ユージン・モートンが明らかにしました。
モートンは、鳥類と哺乳類を合わせた合計56種類の動物の声を分析したところ、低くうなるような声を出すときは不快・恐怖・怒りなどマイナスの感情を表し、高く鼻から抜けるような声を出すときは興奮・喜びなどプラスの感情を表すという「音程の法則」を発見しました。
猫の怖がる掃除機やドライヤー、雷や花火の音は爆発的で、大きく、また長く続く低音という共通点があります。モートンの「音程の法則」に照らし合わせると、大きく低い音は不快・恐怖・怒りなどマイナスの感情を表していることになります。
また、モートンはカエルや鳥は、体が大きくて闘争能力が高く、攻撃的な個体ほど低い声で鳴くと発表しています。この原則が猫にも当てはまると考えると、猫にとって掃除機やドライヤー、雷や花火の低くて大きな音は、体が大きく力の強い個体が、怒り狂って襲ってくる、という場面を連想させ、怖がるのかもしれません。
◆猫が好むしゃべり方「ぺティーズ」
猫が好む音もあります。先に記したモートンの「音程の法則」では、子猫のなき声あたりの2000~6000ヘルツの音程は猫に興奮・喜びなどプラスの感情を示します。
猫の好きな音はハッピーな感情を呼び起こす「小さくて甲高い」音。猫に好かれようとするならば、囁くように、高めの声で猫に話しかけましょう。
これを日常的に取り入れる話し方があります。言葉を理解できない乳幼児に対し、大人が話しかけるときの万国共通の話し方である「マザリーズ」のペット版「ペティーズ」です。猫に対して赤ちゃんに対して話しかけるようにします。
具体的には猫に対して、高めの声で、短い繰り返しの声かけや単純な言葉使いをし、あるいは「〜だね?」と言った付加疑問文などで話しかけることです。「おいしい?」「お利口だね」「可愛いね」「もうねんねしようか?」「一杯食べたね、偉いね!」という風に。少し恥ずかしいかもしれませんが、猫と仲良くなれると思えば試してみたくありませんか?
いきなり低い大きな声で話しかけたり、笑ったりしたら猫が怖がるかもしれませんよ。
◆猫の耳の仕組み
耳の構造で三半規管に接する蝸牛(かぎゅう)という器官があります。形がカタツムリ(蝸牛)に似ていることからこう呼ばれています。蝸牛は、音を電気信号に変換して脳へ送る中継装置のような働きを担っています。
蝸牛には音を感じるために不可欠な細胞である有毛細胞があり、有毛細胞からの電気信号を受け取る神経細胞が存在します。神経細胞から出た神経線維(電気を伝えるコードの役割を担い、聴神経と呼ぶ)は、内耳道という骨のトンネルを通って脳に伝えられます。
猫の蝸牛の長さは人の2/3程度であり、蝸牛内にある有毛細胞数は、人間より10,000本少ない12,000本しかありません。
しかし逆に、神経節細胞から伸びる神経線維の数は、人間より10,000本多い40,000本あります。
ここに人間よりはるかに広い範囲の音域の音が聞こえる猫の耳の秘密がありそうですね。
まとめ
音を全くなくすことはできませんが、少しでも猫に負担をかけないように工夫をすることはできます。
我が家では癲癇の発作が治まった今でも、掃除機の音を怖がる猫のために普段の掃除は箒とフローリングワイパーで行います。ドライヤーはできるだけ使わないようにしていますが、必要なときは猫からできるだけ離れた部屋でドアを閉めきって使います。雷は天気予防を確認し、夕立が起こりそうな日は早く家に帰って、できるだけ猫だけにしないようにしています。
猫がストレスを感じることのないよう、猫の嫌いな音や怖がる音には十分に注意しましょう。
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