1.猫の老化現象にはどんなものがある?
1-1.猫の年齢は人間に換算するとどれくらい?
1-2.老猫って何歳からを言うの?
1-3.老猫になったら見られる症状
2.老猫の介護①食事について
2-1.年齢に合ったフードを用意
2-2.食べない場合は一工夫
3.老猫の介護②トイレについて
3-1.老猫にあったトイレ環境
3-2.トイレの失敗が増えてしまったら
3-3.
4.一人暮らしの老猫介護のポイント
4-1.留守番の時間を短くする
4-2.留守中の愛猫を見守るカメラを設置する
4-3.誰かに頼る
4-4.ペットシッターの活用
4-5.老猫ホームについて
5.まとめ
猫の老化現象にはどんなものがある?
猫種や暮らしていく環境の状態にもよりますが、猫たちは人間よりもはるかに短い間しか生きることができません。
一般的な猫の寿命は、昔と比較すると長くなってきていて15歳前後と言われています。
そして人間と同じように、最終的には体が弱って介護が必要にもなります。
◆猫の年齢は人間に換算するとどれくらい?
猫の年の重ね方には考え方がさまざまですが、一般的には生後1年で人間の年齢の17歳程度にあたると言われます。
つまり、生後1年ですでに大人猫です。そして、その後は1年で3~4歳くらいずつ年を取っていく感じです。
そのため、猫は7年を過ぎると人間に換算してアラフォー世代の44歳くらい。この成長スピードは、人間の約4倍です。
15歳まで生きる猫は、人間年齢76歳くらいとなります。
介護が必要かどうかは、生活環境や個体差がありますが、一般的な平均寿命と言われる15歳のころには介護が必要となるケースが多いです。
◆老猫って何歳からを言うの?
一般的には猫は7歳(人間年齢で44歳くらい)からが、老猫と言われる括りとなります。
人間でも同じ年齢なのに「若々しい人」「老けた人」などさまざま。食べものの習慣や見た目のケアの仕方で、その年齢の重ね方は異なるものです。
それと同じことが猫たちにも言えます。老猫は自分で食事や健康管理ができないので、飼い主さんの飼育状態で実年齢と見た目年齢の違いが出てきます。
キャットフードも高齢猫用を与え始めることになるでしょう。
子猫・成猫・老猫というライフステージごとに、必要な栄養素が変わるので、「ウチの子はまだまだ若いから」と10歳になっても成猫用を与え続けるよりは、老猫用を与えるなど年齢に応じたものを与える方が猫の長寿へと結びつくものです。
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◆老猫になったら見られる症状
だいたい7歳を過ぎたころから老化サインが見られることが多いようです。個体差があって7歳でまだまだ若々しかった猫も、10歳を過ぎた頃には「老猫」と言っていいくらい老化サインが顕著になってきます。
猫が「老猫」になると見られるようになる老化サインには以下のようなものがあります。
・眠る時間が増えていく
もともと睡眠時間が長い猫ですが、老猫になるとさらに寝てばかりいるようになります。
・被毛のツヤがなくなってくる
綺麗好きな猫は、自分で毛づくろいをします。体を舐めることで清潔を保っているのですが、老猫になると毛づくろいをしなくなり、皮膚の健康状態が若いときよりも悪くなってしまいます。
これは老猫になると体が硬くなり毛づくろいの体勢が難しくなることが原因のようです。
老猫には定期的にブラッシングをして、皮膚と被毛の健康を保ってあげましょう。
介護が必要なほど体が弱った猫は、あまり汚れないのでシャンプーの頻度はそれほど高くなくてもOK。
シャンプーをすることで体が冷えてしまうこともあるので、汚れがちなお尻周りだけを洗ってあげるのもいいかもしれませんね。
また、猫用ウェットティッシュで優しく拭いてあげたり、水を使わないドライシャンプーを活用するのも一つの方法です。
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・動作がゆっくりとなる
老化が進むと動作がゆっくりになります。老猫は足腰が弱まるためか、今まで好きだった高い場所へも登らなくなることもあります。
無理して登ろうとすることもありますが、動作が鈍くなった老猫が着地に失敗してケガをする可能性もあります。特に一人暮らしの場合、老猫の留守番中の事故には気をつけなければなりません。
老猫の身体能力が鈍ってきたと感じたら、高い場所に昇り降りできないように家のレイアウトを変えてみることも大切です。
・目ヤニが増えてくる
加齢で猫の体の機能が少しずつ衰え始めます。老化のサインとしてよくあるのが目ヤニですが、子猫や成猫でも病気で目ヤニが増えることがあります。老化が原因だろうと思っていたら、病気が悪化しているからということもあるので、目ヤニの量や色などを日ごろからチェックしておき、状況に応じて動物病院に連れていってあげましょう。
・歯が抜けてくる
老猫になると、歯周病など口内環境が悪くなってきます。一人暮らしの人はお世話にかける時間が取れないこともあり、子猫のころから歯磨きの習慣がない猫の場合は気をつけなければならない点です。
・認知症のような症状が見られる
老化によって脳の神経系の異常が原因で、認知症のような行動が見られることもあります。
認知症になりやすいのは、シニア期のなかでも中盤の12歳前後くらいと言われています。
認知機能が失われつつあるため、「無意味に動き回る」「名前を呼ばれても知らんぷり」「夜泣きがひどい」「粗相が増える」など、異常な行動が増えてきます。
一人暮らしの場合、日中の様子に気づきにくいかもしれませんが、夜間や休日など日々観察しておくようにしましょう。
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・病気を発症しやすくなる
老猫になると病気にかかりやすくなります。猫は腎臓病や心臓病にかかることが多いです。
定期的に健康診断を受け、獣医さんに健康チェックをしてもらうとよいでしょう。
また検査や治療には多くのお金がかかりますので、予め貯金をしておいたり、ペット保険に入ったりしておきましょう。
老猫の介護①食事について
老猫は食事量が減る、吐き戻すなどのトラブルが増えるようです。
◆年齢に合ったフードを用意
老猫の年齢に合ったフードを用意しましょう。
ペットフードメーカーでは、それぞれのライフステージやお悩みにあったフードを販売しています。
近年では猫の寿命が増えたことを受け、より高齢の猫に向けた専用フードも発売されています。
◆食べない場合は一工夫
老猫を介護している飼い主さんの困りごとしてよく耳にするのが、フードを食べない・食べても少ししか食べない、といった小食のお悩みです。
老猫が用意したフードを食べない場合は、以下の工夫をしてみましょう。
・ふりかけ等をトッピングする
・お湯でふやかしてみる
また、本来猫は少量を数回に分けて食べる性質を持っています。
食べ残しが多い場合や食後の吐き戻しが多い場合は、1度の食事量を減らして回数を増やすのもよいでしょう。
老猫の介護②トイレについて
老猫のお悩みとしてもう一つ多いのが、トイレ周りについてのようです。
◆老猫にあったトイレ環境
老猫になると、トイレに入るのも一苦労…という場合もあるようです。
トイレは入り口が低く、入りやすい物を選んであげましょう。
また、家の複数の場所にトイレを置くことによってトイレに間に合わない等のトラブルを避けられるでしょう。
◆トイレの失敗が増えてしまったら
認知症等の病気を発症していると、トイレに間に合わなかったりトイレを失敗したりというトラブルが増えるようです。
粗相が増えてしまっても、老猫に対して怒らず淡々と処理することを心掛けてください。
近年は猫用のおむつなども販売されているので、そういった商品を取り入れることも検討してはいかがでしょうか。
一人暮らしの老猫介護のポイント
老猫と言ってもシニア期になったばかりの7歳程度の頃であれば、それほど老化のサインが気にならないかもしれません。
しかし、シニア期に入って数年すれば「老猫」と言えるような時期がやってくるでしょう。そして、その先には「寝たきり」という状態が待っているかもしれません。
一人暮らしの場合には、猫のお世話はすべて自分だけ…。一人暮らしの人はシニア期に入ったら老猫の介護について覚悟をしておくことが大事です。「まだまだ先のことだから…」と思わずに、一人暮らしの人も老猫の介護のことについて準備を始めたいものです。
そこで一人暮らしの人が老猫介護をしていくための工夫をいくつかご紹介します。
◆留守番の時間を短くする
食事や水、トイレの問題さえ準備しておけば、猫はお留守番をしてくれる動物です。しかし、病気を知らない若いころと違って、寝たきりの老猫に一人きりで留守番させるのはリスクがあります。「2日くらいなら問題ないだろう」と安易に考え、留守中に容態が急変することも考えられます。
一人暮らしで老猫を飼っているなら、留守番の日数は1日を超えない程度でスケジュールを調整することが大事です。
◆留守中の愛猫を見守るカメラを設置する
ネットワーク接続により外出先でスマホを使用して愛猫の様子が見守れるという監視カメラを介護に取り入れてはいかがでしょうか。
製品によって機能はさまざまですが、カメラがいくつかついていて死角がなく部屋全体を見渡せる機能、スマホを通じて留守番中の愛猫に声をかけられる機能がついているものが人気です。カメラを通じた介護ができます。
このような監視カメラを設置しておけば、老猫の異変にはいち早く察知できますし、スヤスヤ寝ている様子も見られるので安心感が増しますね。
◆誰かに頼る
一人暮らしだからと自分一人で老猫の介護を続けると、不安な気持ちを解消することが難しいものです。飼い主さんが不安や不満を抱えてしまうと、それが老猫にも伝わります。
そこで、自分の家族や友達などに、介護について相談するのもいいでしょう。専門的な介護についての相談は、獣医師に話してみるのもおすすめです。また、猫が好きな知人が身の周りにいたら、自分の留守中に猫の介護を頼んでもいいかもしれませんね。子猫時代から家族や友達にも紹介しておけば、いざというときに預かってもらえるかもしれません。
◆ペットシッターの活用
家族や友人など、頼れる人がいない…という一人暮らしの人は、介護時期にはペットシッターなどの有料のサービスの利用も考えておきましょう。
それぞれの業者によって、サービス内容が変わりますが、老猫介護で依頼する場合には留守宅に「訪問介護」として来てもらうスタイルがあります。これなら愛猫のストレスを溜めることなく、住み慣れた我が家で寝たきりでもお留守番ができるでしょう。食事のお世話だけでなく、トイレ掃除などもやってもらえるのが安心ポイントです。
一般的には1回につき、30分~1時間程度のお世話依頼です。老猫の介護の知識を持ったシッターが来てくれるので安心です。一人暮らしの場合、急な仕事の出張や冠婚葬祭、自身の入院など、さまざまなシーンで愛猫に留守番をさせることがあります。留守時間が長くなりそうなら、介護が必要な老猫に限らずペットシッターを利用するといいかもしれませんね。
ただ、当然のことながら「留守中に他人が家に入る」ことに関して不安を抱く方も多いものですよね。信頼できるペットシッター会社に依頼するように、業者探しは慎重にしたいものです。
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◆老猫ホームについて
一人暮らしの癒しの存在として長い間一緒に暮らしてくれた愛猫。介護が必要な老猫になっても可愛さは変わりません。それに、ずっと一緒にいて介護してあげたくなるものですよね。だからと言って、愛猫の介護のために24時間つきっきりというのは難しいものがあります。
しかし、病状が進むと床ずれへの対応、排泄の世話、食事の管理など付きっ切りで介護すべき時期もやってくるでしょう。一人暮らしでは老猫に24時間そばにいて介護するのは難しいものです。
そこで介護もしてもらえる「老猫ホーム」に入所させることも一人暮らしの老猫介護の方法のひとつになります。
費用は施設ごとに違います。年間利用料はだいたい30~50万円くらいが目安ですが、入居金として10~30万円程度支払うケースが多いです。また、生涯を終えるまで預かってくれるタイプの利用料は入居金と終身利用料で100万円を超えるのがほとんどです。そして、介護料金や薬代などが別途かかるケースもあります。
一人暮らしで愛猫を預ける場合には時々会いに行ける場所かという点も考えながら決めるといいですね。
また、老猫ホームの室内の様子やケア方法は各施設で異なるので、見学をしつつ老猫を任せられる信頼できるところに決めましょう。
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まとめ
ペットとして迎えた家族同然の愛猫もいずれは年老いて介護が必要になります。当然ですが、
人間よりもずっと早くに寿命がやってきます。考えたくないかもしれませんが、飼うときには最後のときのことは考えておく必要があります。
一人暮らしの場合、老猫のお世話に頭を悩ませてしまうものですが、考えられることをひとつずつ試しながら、
愛猫の最後の時期を後悔のないようにお世話してあげてくださいね。
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