【獣医師監修】猫がゆるいうんちをしている!6つの原因を知って対策をしよう!

2022.09.18

【獣医師監修】猫がゆるいうんちをしている!6つの原因を知って対策をしよう!

猫の排泄は健康のバロメーターとも言われていますが、排泄後のうんちがゆるい場合、身体に何かしらの異常を来たしているのではないかと心配になってしまいますよね。 うんちがゆるくなる理由をしっかりと知っておかないと、愛猫の体調不良に気付いてあげられなくなってしまうため、毎日のトイレチェックは欠かせません。 愛猫の健康を守るためにも、ゆるいうんちが出る原因や、どのような対処をすれば良いのかなどを併せて考えていきましょう。

猫のうんちがゆるくなる原因

猫のトイレ

常に快便の猫ちゃんと暮らしている飼い主さんであれば、ゆるいうんちをする猫ちゃんが居ること自体が不思議に感じるかもしれません。

しかし、猫はちょっとしたことでもゆるいうんちをしやすく、比較的猫に見られやすい症状と言われています。

健康なうんちをする猫ちゃんは、それだけ体と心のコンディションがよく、猫らしい生活を送っている証拠とも言えますよね。

猫がゆるいうんちをする場合には、どのような原因が隠されていることが多いのでしょうか。

◆フードが体質に合っていない

ゆるいうんちが出る原因としてまず考えられるのは、フードが体質に合っていないということです。

基本的に猫の食事は年齢や体質を考慮して選ぶものですが、‎体質に合っていないフードを与え続けたり、急にフードを切り替えたりすれば、お腹を壊してしまうことも否めません。

キャットフードは猫の健康を左右し、毎日口にするものだからこそ、体質に合ったフードを選ぶことが大切です。

◆フードの食べすぎ

フードの食べすぎで消化吸収不良を起こすことにより、うんちがゆるくなることもよくあります。

とくに妊娠や子育て中のメス猫や、成長期による過食、精神的な問題などによって、猫はフードを食べ過ぎる傾向があるため、欲しがる分だけ与えるようなことはせず、しっかりと必要分を与えるようにしましょう。

◆異物を食べてしまった

本来猫が口にするべきではない異物を食べてしまったときにも、うんちがゆるくなることがあります。

とくにタバコや殺虫剤などの中毒物質は、うんちがゆるくなるだけでなく、嘔吐や元気消失などの症状も出るためとくに注意が必要です。

また、何かしらの理由により抗生剤を投与している猫ちゃんの場合、腸内細菌のバランスが崩れることによって、うんちがゆるくなってしまうこともあるようです。

◆寄生虫の感染

寄生虫に感染した場合にも、うんちがゆるくなりことがあります。

回虫や条虫、コクシジウムやジアルジアなどの寄生虫は、下痢や軟便を引き起こしやすく、治療もせずに放置をしてしまえば、貧血や体重減少などの別症状が出ることもあるそうです。

寄生虫による感染症は「ズーノーシス(人獣共通感染症)」の危険性もあり、保護猫や外で暮らしていた猫ちゃんを迎え入れる際には必ず、動物病院で便検査を行って寄生虫が居ないかの確認をするようにしましょう。

◆病気になっている

病気が原因によってうんちがゆるくなることも多く、消化器系の疾患や、肝臓や胆道、膵臓などの疾患でも軟便が引き起こされることがあります。

うんちがゆるくなる以外にも、体調が悪い様子が見られるようであれば、早めに動物病院を受診して、原因を追究するようにしてください。

猫ちゃんの中には食物アレルギーを患っていることにより、ゆるいうんちが出ることもあるため、軟便が続く場合には様子を見るようなことはせず、動物病院で検査をしてもらうようにしましょう。

◆ストレスがある

ストレスを受けた場合にも、うんちはゆるくなります。

ストレスは脳から腸へ伝達する信号を強めて消化器の運動に悪影響を与え、不安状態になることにより腸の収縮運動がさらに激しくなっていきます。

腸の動きが激しくなればうんちが腸を通過する速度も上がるため、うんちから水分を吸収できないことにより、うんちがゆるくなってしまうといった仕組みです。


健康なうんちの目安(硬さ・色・排便の間隔)

ゆるいうんちにもいくつか種類があり、下痢や軟便だけでなく水様便や粘液便などさまざまです。

これらの排便を引き起こしている場合には、猫の身体に何かしらの異変が生じていることは明らかですが、愛猫の異常にいち早く気付くためには、健康なうんちがどんなものなのかを知っておく必要がありますよね。

猫の健康的なうんちとは以下の通りになりますので、トイレ掃除の際には毎回チェックするようにしましょう。

◆硬さ

健康な猫のうんちは硬すぎず柔らかすぎず、適度な水分を含んでいて掴んでも形は崩れません。

排泄の際にうんちの周りに猫砂が付く程度の硬さがあれば、消化器がしっかり働いている証拠です。

◆色

楕円形をした健康的なうんちは、こげ茶に近い色味が一般的となりますが、フードの色によって多少色味が異なってきます。

愛猫に与えているフードの色に近ければ問題ありませんし、うんちにツヤがあればさらに健康的と言えるでしょう。

◆排便の間隔

しっかりと消化が行われている猫ちゃんであれば、1日のうちに1~2回程度のうんちをしていれば健康的です。

トイレに入ってうんちにかかる時間も1分前後となるため、長時間トイレにこもっているようであれば、排便トラブルが起きている可能性を疑ってみてください。


猫のうんちがゆるい時にはどうすればいい?

愛猫が健康的なうんちではなく、ゆるいうんちをしたときには、一過性のものなのかそうでないのか、心配になってしまいますよね。

そのようなときは焦らす、以下の対処法を試みてみましょう。

◆まずは下痢の原因を考える

ゆるいうんちが出るということは、さまざまな原因が考えられるため、何がきっかけになったのかをまずは冷静になって考えてみてください。

原因を探ることこそが、下痢や軟便にさせない近道となりますし、愛猫が辛い思いをする時間も軽減させられます。

まずはフード関連の原因がないかを考え、体質に合っているのか、与えすぎてはいないのか、食物アレルギーはないかの確認をしましょう。

そのあとに異物を食べていないか、うんちに寄生虫は混じっていないか、血液は混じっていないか、うんちがゆるくなる以外の症状は出ていないかを確認してください。

そして突然下痢をした場合には、ストレスの原因を探り、ストレスの元を取り除くようにしましょう。

◆かかりつけの動物病院に相談

飼い主さん側でゆるいうんちの原因が分かり、飼い主さん自身が対処できる状態であれば、数日間は様子をみても構いませんが、一向に収まる様子がみられないような場合には、かかりつけの動物病院に相談してみてください。

その際にいつからうんちがゆるくなったのか、色や柔らかさ、何かが混じっていないかなどを伝え、獣医師さんからうんちの持参を促された場合には、鮮度の良いうちに動物病院へ持っていくようにしましょう。


猫のうんちをゆるくしないために

猫

猫はとても敏感で、デリケートな動物です。

そのため普段と違うことが起こるだけでお腹をくだし、ゆるいうんちをすることがよくあります。

愛猫のうんちをゆるくしないためにも、飼い主さんは普段からどのようなことを心掛けておくべきなのでしょうか?

◆生活環境を見直す

猫が暮らす室内は自分のテリトリー内となるため、猫が安心して暮らせるような環境を整えておく必要があります。

自分の寝床やトイレの位置が変わることや、急な来客の訪問や引っ越しなどといった環境の変化も、猫にとっては大きなストレスとなってしまうことでしょう。

愛猫が安心して暮らすことができているかを見直し、不安材料が残るようであればしっかりと排除して、安心安全な生活環境を整えてください。

◆食事環境を見直す

猫の健康を左右する食事内容も、うんちをゆるくしないために改めて見直してみることも大切です。

とくにキャットフードを切り替えるときや、ウェットフードを与えた場合などは、うんちがゆるくなる傾向があるため、愛猫に合った食事内容になっているかの確認も怠らないでください。

また、人間の食べ物や牛乳を与えた場合にも、お腹がゆるくなりやすい猫ちゃんは多いため、極力人間の食べ物などは与えないようにしましょう。

◆健康管理をしっかりと行う

愛猫の健康を守れるのは、飼い主さんだけしかいません。

普段の生活の中で、少しでも愛猫の負担になってしまうようなことは除外し、心身共に健やかでいられるような配慮も必要となってきますよね。

毎日の排泄物のチェックを怠らないようにし、最低でも1年に1回は健康診断を受けるなどをして、愛猫の健康管理を継続的に行うようにしてください。


まとめ

猫は人間よりも早いスピードで、歳をとっていきます。

だからこそ一緒に過ごせる時間はかけがえのないものになりますし、その時間を大切に噛みしめながら共に生きたいと願う飼い主さんは多いことでしょう。

そのためには愛猫の健康状態をしっかりと把握し、異変が起きた際には迅速な対応を心掛け、猫の身体に負担をかけないような配慮が必要となってきますよね。

とくに猫の排泄物は、健康を示すバロメーターとなり、目視で異変に気付きやすくなっています。

もしもゆるいうんちをしていることに気付いたときは、すぐにその原因を追究し、原因の根本を取り除いてあげてください。

飼い主さん側で解決できないような原因のときは、かかりつけの動物病院に連絡をし、獣医師さんの指示を仰いでみることもおすすめです。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に16医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。

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