【獣医師監修】子猫のお腹がパンパン、これって正常?もしかして病気?原因と対処法とは

2023.10.07

【獣医師監修】子猫のお腹がパンパン、これって正常?もしかして病気?原因と対処法とは

ぽっこりお腹の子猫なんて、想像するだけでかわいらしいですよね。子猫は通常、お腹がぽっこりしているものではありますが、想像よりもパンパンになっていると「これって正常なの?」と心配になってしまいますよね。もしかして病気だったら?今回は子猫のお腹がパンパンなときの原因と対処法についてご紹介します。

子猫のお腹がパンパンな理由5選

グレーの子猫

スラっとした成猫に比べて、子猫はお腹がぽっこりしているイメージがありますよね。

子猫のお腹がぽっこりしているのは、栄養を蓄えたり、ルーズスキンをつくったりなどの理由があります。ですので、子猫のお腹がぽっこりしているのは自然なことなんですね。

ただ、「いつもと違うな」と感じたときは、何か理由や思わぬトラブルが隠れていることもあるかもしれません。
ここではまず、お腹がパンパンになる理由を5つご紹介します。

◆便秘

子猫は便秘になると、お腹がパンパンに膨らむことがあります。
便秘は何らかの理由で消化がうまくいかず、排便が滞るために起こります。

原因はいろいろありますが、毛づくろいの毛がお腹に溜まっていたり、水分不足だったりなどが原因になることがあります。

便秘であるかどうかの目安としては

・うんちがコロコロしている
・うんちの水分が少なく硬い
・うんちの回数がいつもより少ない

など上記のような様子が見られる場合は、便秘の可能性があります。

普段との違いで体調に気づけることもあるので、日頃から排便のチェックをしてあげられるといいですね。

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◆肥満

肥満が原因でお腹がパンパンに見えることがあります。

肥満の場合はお腹だけでなく体全体に脂肪がついているので、全体的なバランスを見てみましょう。

もし肥満が原因である可能性のある場合は、ご飯の量が多いかもしれないので一度給餌量を見直してみましょう。

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子猫のときの肥満は、将来的な病気のリスクが上がることもあるので気をつけてあげたいですね。

◆食べ過ぎや食後

一度に大量のご飯を食べたあとは、胃が膨らんでお腹がパンパンになることがあります。
また、ご飯の直後は胃が膨張しているため、その影響でお腹が膨らんで見えることもあります。

ご飯の種類を変えたときなども、お腹がパンパンになることがあるようです。

食べ過ぎやご飯の直後が原因でお腹が膨らんでいる場合は、一時的なものであることが多いですが、心配なときはご飯の量や回数が適切か確認してみましょう。

◆消化不良

子猫はまだ胃腸が未成熟な場合があり、消化が追いつかないことがあります。
そうすると、スムーズに消化できず蓄積されて、お腹が膨らんでしまうことがあります。

また、消化不良になるとガスがお腹に溜まり、それが原因でお腹がパンパンになることも。

◆妊娠

猫は生後半年くらいで発情期を迎えます。
そのため、成猫ではない子猫が妊娠することもあります。

見た目はまだまだ子猫なのに、妊娠できるなんてびっくりですね。

避妊をしていない猫ちゃんで他の猫と接触する機会がある場合は、妊娠の可能性があるかもしれません。

妊娠すると子宮が膨らむため、お腹がパンパンに見えることがあります。

できるだけ早い段階で妊娠を発見し、適切なケアをしてあげましょう。

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子猫のお腹がパンパンになる病気

ロシアンブルーの子猫

日常生活で起こりうる原因についてご紹介しましたが、病気が原因となっている場合もあります。

ここでは、子猫がなりやすいお腹がパンパンになる病気をご紹介します。

◆寄生虫への感染

寄生虫に感染すると、腸内で寄生虫が増殖し、お腹が膨らむことがあります。

無症状の場合も多いですが、吐いた物や便の中からそうめんのような回虫が見つかるなんてことも。

また子猫の場合は、下痢や嘔吐を伴うこともあります。
成猫、子猫にかかわらず、寄生虫の感染に気づいたときは、すぐに獣医師に診てもらいましょう。

感染経路は、感染した小動物や虫を食べたり、毛づくろいで付着していた卵を飲み込んだり、母猫の母乳から感染したりなど、さまざまです。

また寄生虫は、人へ感染することもあるので注意が必要です。

◆腸閉塞

腸が何らかの原因によって詰まることで、消化物が先に進まずにお腹が膨らむことがあります。

腸閉塞の原因のひとつとして挙げられるのが誤飲です。
ヒモやビニール、おもちゃなどの異物を誤って飲み込んでしまい、それが腸管で詰まってしまった場合に起こります。

便秘や嘔吐を伴うこともあり、腸閉塞は緊急性があるので、誤飲に気づいたら早急に病院へ行きましょう。

飼い主が十分に気をつけていても、猫ちゃんは予想できない行動を起こすことがありますよね。

意外な物に興味を示したり、子猫が昨日まで登れなかったキッチンに登れるようになったりと、何かと目が離せません。

子猫のうちは特に普段からできるだけ気をつけてあげたいですね。

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◆子宮蓄膿症

子宮蓄膿症は、子宮が炎症を起こし膿が溜まる病気です。成猫に多いですが、子猫でも子宮蓄膿症になることがあります。

膿が溜まっていくとお腹がパンパンに膨らむことがあります。
お腹が膨らむ以外にも、元気や食欲がなくなる、発熱などの症状を伴うことがあり、場合によっては手術が必要なことがある病気です。

◆臍ヘルニア

ヘルニアは臓器が本来あるべき場所から別の場所に脱出してしまう状態のことです。

その中でも臍ヘルニアは、本来ふさがるはずのおへその穴がふさがらず、そこからお腹の中のものが皮膚の下に出てきてしまい、いわゆる「でべそ」のような状態になります。

原因は生まれつきの病気である場合が多く、生後半年くらいまでであれば、自然に穴がなくなって成長とともにふさがることもあります。

おへそ部分が出っ張るので、飼い主さんが発見しやすいです。

◆腹水が溜まる病気

猫伝染性腹膜炎(FIP)と呼ばれる伝染病の腹膜炎や、腹腔内の腫瘍などが原因で腹水が溜まり、お腹がパンパンになることがあります。

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腹水が原因かどうかをチェックする方法として、お腹の片側に手のひらを添え、反対側のお腹を軽くたたいてみるというものがあります。
そのとき添えた手に振動が伝わってきたら、水が溜まっている可能性があるというものです。

腹水は重篤な病気の可能性もあるので、元気がない、食欲不振、下痢や嘔吐などを伴う場合は病院を受診しましょう。


子猫のお腹がパンパンな時の対処法

サバトラの子猫たち

子猫のお腹がパンパンになるのにはさまざまな原因がありましたね。

ここでは自宅で簡単にできる対処法についてご紹介します。

子猫のお腹がパンパンになってしまった場合、参考にしてみてください。

◆ゆっくりご飯を与える

先ほどあったように、一度に大量のご飯を食べたあとや、ご飯の直後は胃が膨張しているため、その影響でお腹が膨らんで見えることもあります。

このような原因でお腹がパンパンになっている場合は、ゆっくりご飯を与えてみましょう。

適量を与えていても子猫によって多少異なることもありますので、様子を見ながら調整してみましょう。

そうは言っても、どうしても急いで食べてしまう猫ちゃんもいますよね。
その場合は、少量ずつ何回かに分けて与えるか、急いで食べられないよう工夫がされたお皿なども売っていますので、そういったグッズを試してみるのもいいかもしれません。

◆お腹を冷やさないようにする

人間と同様、お腹が冷えると子猫の胃腸に負担をかけ、胃腸の調子を崩してしまうことがあります。

お腹を冷やさないように注意し、適切な温度で過ごせるようにしましょう。

外出時はエアコンをつけて部屋の温度を調節したり、冷たい床で寝ている猫ちゃんのためにダンボールやクッションを設置してみたりなど、お腹を冷やさない工夫をしてみましょう。

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◆マッサージをする

軽くお腹をマッサージし、刺激することで腸の動きが活発になることがあります。

指の腹部分で優しく「の」の字をかいてマッサージをしてみましょう。強く押すことは避けて優しくしてあげてくださいね。

日頃からしてあげることで事前の対策にもなりますし、触れ合う機会にもなっていいですね。

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◆適度な運動をさせる

運動不足になると、腸の動きが鈍くなってしまうことがあります。
そのため、適度な運動が腸の動きを促進してくれることがあります。

ボールを追いかけて走り回ったり、キャットタワーでジャンプしたりなど、遊びを通して運動を取り入れてみましょう。


まとめ

今回は子猫のお腹がパンパンになる原因と病気、対処法についてご紹介しました。

病気ではなかった場合でも、日常生活の見直してみようかな、という点が見つかることもあるかもしれませんので、気になった方はぜひ試してみてくださいね。

食欲不振や元気がない、嘔吐や下痢を繰り返すなどの症状がある場合は一度動物病院を受診してみましょう。

普段から触ったり見たりしていることで「普段と違うかも?」と気づけることもあるかもしれないので、ご飯をあげるときやブラッシングのタイミングで猫の様子を観察したり、体全体を触ったりしてみるのもいいかもしれませんね。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に16医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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