昼夜逆転してきたら注意してあげる
犬の場合、それぞれ一日の中の生活スタイルが決まっていることが多いでしょう。たとえ時間的に不規則であっても、寝ている時間と起きている時間のメリハリがはっきりついていることが多いはずです。
しかし、認知症になるとそういったメリハリがあまり感じられなくなってきます。これまでは日中に活動し、飼い主が寝静まる夜間にはぐっすり寝ていた犬が夜中も活動している、という状況が頻繁になったら、犬の認知症を疑ってみる必要があります。ポイントは以前とどう違うかという事です。もともと夜間も起きていることが多い子であれば問題ないことでも、これまで夜間はしっかり寝ていた子が動いている、という事になると注意してみてあげておいたほうが良いです。
夜中に歩き出したり、夜鳴きがひどくなるというケースもあります。こうした状況が続くようになると、飼い主も対応する必要が出てきて介護疲れなどにつながりやすくなります。特に夜に声が響くようになると近所への気遣いも必要になります。
歩き回る間飼い主がずっと付いていなくてはならない状況もつらいものです。音が漏れにくい設備を用意したり、安全に歩けるようなスペースを設けておくなどという事を工夫していくと、犬もストレスを感じにくく、飼い主の負担もかなり減ることになります。
こうした行動は何らかの形で止めることは難しいです。あまりひどい状況であれば睡眠薬などを使う手もありますが、年老いて弱った体に薬を使うリスクは大きいものです。問題行動を止めるという事を考えるより、どのようにその行動を見守っていくかという事がこれからの介護生活では重要なポイントになります。もちろん放置していてはいけません。
安全に動けるようにしてあげることはもちろん大切です。また、わかっていないようでも人の行動を見ていたり、声に反応したりすることがあります。そのような形で刺激を与えていくことは認知症にプラスの影響を与えることがあります。今までのように遊ぶことが出来なくなったとしても、しっかり関わってあげることが大切です。
特に日中のかかわりを多くして刺激を与えていくと、夜にしっかり寝てくれることもあります。寝てほしい時間の前に体を動かしてあげるという事もよいですね。こうした形で関わり方を調整していくことで、困った行動も少し和らげていくことが出来るはずです。
体の状態についても注意してあげる
認知症というと精神的な面の変化をイメージしやすいですが、犬の場合は体への影響というものも出てくることがあります。脳のコントロール機能が失われてくることで、食欲や体の活動に変化が出てくることもあるためです。
初期症状として痩せてくるというような変化があれば注意して対応してあげましょう。しっかり食べられていないようなら、食事のさせ方にも注意していく必要があります。以前食べられていたような固形のえさが食べられなくなったという事もあります。
認知症だけではなく、体の機能が落ちがちな老犬にはよく見られます。体力が落ちていて、食事をするのがつらいこともありますし、歯や顎などに異常が出てくることもあります。そのようなときには柔らかいえさにしてあげるという事も有効です。柔らかくすることによって食べやすくなり食欲が出ることもあります。普段のえさでもお湯などでふやかしてあげるとよいでしょう。
また、食べたものを消化が出来ず、その結果食欲が落ち体重が減っていくという事もありますが、そのような場合は一回の食事量を少なくして回数を増やしてあげるという事が有効です。体力がない子や消化機能が落ちている子は特にこうした形でまめに食べさせてあげましょう。消化機能を考えて、消化しやすく作られているシニア向けのフードを使ってみるのもおすすめです。
また、認知症の初期症状として自分自身でお腹がすいたという認識がしづらいこともありますから、時間で食事に誘導してあげるという事も必要です。同様に排泄面でも自分自身で管理しづらくなっていくことがあります。これまできちんとトイレが出来ていた子がおもらしするようになったというときには犬の認知症の初期症状かもしれません。
体に異常がなければ、ひどく怒ったりしないように心がけ見守っていきましょう。怒ることは人間にも犬にもつらいことです。怒らなくてもいいように、犬の行動する範囲はおもらしをしてもすぐに掃除ができるようなマットを敷いておく、トイレシートなどを幅広く敷いておくなどという事をしておくと、対応がしやすくなります。
食事や排せつは生きていくうえで欠かせないポイントです。できるだけスムーズに進めていけるように、負担にならないようにしていく方法を考えていくことがこれからの介護生活を乗り切っていくコツといえます。
犬の認知症にどう向き合うかを考えておく
犬と出会った時は、元気でかわいらしい姿に魅力を感じたはずです。その後も長く元気に過ごしてきて、生活の良いパートナーとなってくれていることでしょう。今はまだまだ元気で犬の認知症などという事も老いていくという事も想像がつかないというご家庭も多いかもしれません。しかし今後長く一緒に生活していけば、こうした犬の認知症や体調不良といった事態は必ずやってきます。
将来犬が一生を終える時のことまで考えて心の準備をしておくことにより、適切な対応が取れることにつながりより大きな幸せをもたらしてくれるでしょう。何の準備も知識もない状態ではどうすべきかもわからず、いたずらに怒ってしまったり不安になってしまったりという事になりがちです。
犬をみとった経験がある人などに認知症の時の経験を聞いておくのも参考になるでしょう。どういった症状が出て、どう対処したのか、対応するために使える便利なグッズがあるかなどについて聞いておくと、もし自分の家の犬が認知症になったとしても対応がしやすくなります。
認知症の初期症状をつかむためには、普段の状況をきちんと把握しておくことも大切です。何かおかしいと気付くのが早ければ、対応も早くとっていくことが出来るためです。若いうちから犬の過ごし方や体調などに気を遣ってみましょう。そういった意識を持っているかどうかで気が付くかどうかに差がついてくることになります。
また、犬の幸せとともに自分の生活も守ることが必要です。犬に一生懸命手をかけることはよいのですが、あまりにも神経質になることにより怒りっぽくなったり落ち込んだり、精神的な問題が出てくることもあります。人間に対する介護でもそうですが、介護する方の負担というものも非常に重いものとなっていくのです。
特に一人暮らしで犬を飼っている人などは注意しましょう。自分は頑張るつもりでも、何らかの体調不良などが起これば犬の面倒を見ることが難しくなります。犬の認知症は人間の手助けがどうしても必要になることが多いです。このようにどうしても大変なときは預けられるところや助けてくれる人がいると安心です。今のうちにネットワークづくりをしておくことも将来役立つポイントになります。便利なグッズや工夫もどんどん取り入れていきましょう。手を抜きながら向き合っていく姿勢を持つことも大切なのです。
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