犬を飼う際は、犬に鑑札を付けること・狂犬病予防の注射を行うことが法律で義務付けられています。そのため、ほとんどの飼い犬には鑑札が付けられており、その鑑札に記載されている番号を保健所に伝えることで飼い主を特定することができます。
飼い犬として販売される犬には、必ず登録番号が存在します。鑑札の番号はその犬にある登録番号で、国内で飼われている犬の存在を保健所で管理している仕組みです。
鑑札が付いている迷子犬を無断で飼った場合、窃盗罪になります。鑑札が付いているということは所有者がいるということであり、迷子犬は飼い主の所有物になります。
迷子になった犬は所有物を損失したことと同じことなので、迷子犬は遺失物という扱いになります。そのことから、無断で飼った場合に窃盗罪になってしまうのです。
たまに鑑札が付いていない飼い犬も見かけますが、そのような飼い犬が迷子犬になって誰かに保護された場合はどうなるか気になりますよね。
鑑札が付いていなくても、罪になります。この場合は窃盗ではなく、占有離脱物横領罪です。ちなみに、窃盗罪で処罰を受けると10年以下の懲役となり、占有離脱物横領罪では懲役か10万円以下の罰金となります。
鑑札が見当たらない場合は警察に届け出を出して、飼い主を捜してもらいましょう。3ヵ月経っても所有者が見つからない場合は、保護した人が飼うことができます。
注意したいところは、明らかに捨てられている捨て犬なのか、迷子でさまよっている迷子犬なのかを見分けることです。明らかな捨て犬の場合は所有者がいないので、警察に届け出なくても飼えます。
拾った犬でも保護した犬を飼い始める時も、ペットショップなどで購入してきた時と同じ準備が必要です。
まず、法律上の手続きを済ませる必要があります。鑑札と狂犬病の義務を無視すると、20万円以下の罰金が科せられます。
法律の他には、犬の居場所を作ること・世話に必要な道具を用意すること・正しいしつけを行うこと・愛情と責任を持つことが大切です。
犬を世話するためには、お金がかかります。人間と同じように突然病気になったり事故にあったりするので、念のための貯金もしておくと良いです。
法律・金銭面・お世話アイテムも必要不可欠ですが、最も意識してほしいのは愛情と義務です。義務だけで世話をしても犬はストレスを抱えるので、愛情も重要です。
愛情も持って義務感のもとに接する
犬はもともと群れで暮らす生き物なので、リーダーがいることで安心を得ます。迷子になってしまったワンちゃんはリーダーや家族という群れを見失ったので、相当な不安を抱えていると思います。
所有者が見つからずに保護した人が飼うことになった場合は、はじめは懐いてくれない可能性があります。犬は献身的に愛情を与えていれば感じ取ってくれるので、ごはんを食べないとか落ち着きがない時には温かく見守ること・工夫した接し方が大事です。
ごはんを食べない時は、不安が強いか体調が悪い時といわれています。はじめは食べなくても、信用してくれるようになったら食べてくれるかもしれません。一口も減っていないとしても、毎日新しいごはんに替えてあげてください。
落ち着きがない場合も、不安の現れです。犬は猫より環境の変化に馴染みやすい生き物ですが、自分が安心できる場所がないと不安に感じます。
そんな時は、寝床やゲージなど本人だけのスペースを作ってあげると良いと思います。ゲージの場合は警戒されるかもしれませんが、犬専用のマットやクッションなどは気に入ればそこに行きます。
ほとんどの人間もそうだと思いますが、環境の変化は不安材料です。特に、知っている人が全くいないのは不安になりますよね。
犬も人間も性格により、全く知らない他人も平気な場合があります。人懐っこくてすぐに慣れるワンちゃんなら、トイレなどのしつけが重要になります。警戒心が強くてなかなか慣れない場合は、はじめはコミュニケーションと程よい距離感が大切です。
あまり構いすぎても嫌がられるので、慣れていないうちは身の回りの世話くらいで温かく見守ることをおすすめします。
慣れてからの問題はしつけですが、トイレのしつけは最もしておきたいことです。散歩の時だけ排泄をするワンちゃんもいますが、多くの飼い犬は家の中にもトイレが設置されています。
トイレのしつけはしておかないと大変なことになるので、決まった場所をちゃんと教えてあげましょう。
教える時に重要なのはニオイです。おしっこをしそうな気配を感じたら、シートの上に乗せるか導いてください。そうするとシートにおしっこがつくので、それを使ってトイレの場所を教えます。
もともと飼われていたところでトイレのしつけがされていた場合は、早めに覚えてくれるかもしれません。
犬と生活する上で必要なアイテムについて
お世話に最低限必要なアイテムは、ドッグフード・水・食事と水の容器・寝床・リード・ブラシです。
ドッグフードは年齢で替える必要があり、特に仔犬時やシニア時は見合ったドッグフードを与えると健康に良いです。また、量にも気を付けましょう。ドッグフードの他にクッキーなどの犬用お菓子や人間の食べ物を与えると、太る可能性があります。
太ると、人間と同じように関節に負担がかかります。関節に負担がかかりやすい犬種は、ダックスフンドなどの胴長で短足の犬種です。しかも、このような犬種は太りやすいので食事管理には気を付けてください。
また、人間の食べ物は与えすぎるのは控えた方が良いです。たまに味付けをし、調理されたものをあげる人がいますが、犬の消化器官と人間の消化器官は違うので、今のところ問題が現れていなくてもやめた方が良いと思います。
水は、水道水で大丈夫です。仔犬に牛乳を与えるシーンをアニメなどで見かけたことがあると思いますが、人間が飲む牛乳を与えると下痢になるので、犬専用のミルクを与えてください。
食事と水の容器は器でも専用の装置でも、入れば何でも良いです。家にある使ってない食器を使っても良いですが、できるだけ割れない素材が好ましいです。
寝床は、ワンちゃんが日常的な居場所として用いたり、夜や昼に寝るための場所です。犬を含め、動物にはテリトリーがあります。テリトリーは自分の場所であり、人間でいえば自分の部屋のようなものです。
犬は定着できる場所がないと安心できないので、どこかには必ず寝床や居場所と呼べる場所があると良いです。
リードは散歩の時に使いますが、種類があります。首につける太い紐のようなリードから、足を通すタイプ・長さが調節できるタイプがあります。
犬にとっては、足を通すタイプが良いと思います。首につけると引っ張った時に首が圧迫されるので、申し訳ない気持ちになる人におすすめなリードタイプです。
長さが調節できるタイプは、ボタン一つで何メートルも伸びます。広場などで犬を走らせる時におすすめですが、扱い方に気を付けないと事故のもとになるので要注意です。
ブラシは、長毛の犬種には必須です。短毛・無毛の場合は必要ないこともありますが、長毛は絡まりやすいのでブラッシングを日課にすると良いです。
現代の日本では迷子犬をあまり見かけませんが、保護した時は適切な対応と知識が必要です。
迷子犬になり、野生で生活することとなると一般的に寿命が短くなるといわれています。
そんな中、迷子犬を拾い可愛がってくれる飼い主が現れば、迷子犬にとっては幸せでしょう。
その際は、今回ご紹介した注意点などをしっかり把握しつつ、準備を整えたうえで飼い主となりましょう。
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