犬の内耳炎、たかが耳の病気と侮らないで!

2016.10.29

犬の内耳炎、たかが耳の病気と侮らないで!

犬がかかりやすい耳の病気の一つに外耳炎があります。 垂れ耳タイプの愛犬の飼い主さんなら、愛犬の発症を経験したことのある方は多いのではないでしょうか。 その外耳炎が波及することが原因の一つとなる、内耳炎という病気をご存知ですか? 単語としては、人間もかかる病気なので聞き馴染みがあるかもしれませんが、実は結構危険な病気なのです。 そんな怖い病気、内耳炎の原因や症状を知り、愛犬を守る予防法を覚えておきましょう。

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内耳炎ってどんな病気?

フレンチブルドック 耳

耳の奥には内耳と呼ばれる部位があります。
その内耳にある、「蝸牛神経」「前庭神経」のいずれかに炎症が起きてる状態を内耳炎といいます。
蝸牛神経は、聴覚を担う役割を持っており、音を脳へと伝えます。
前庭神経は、平衡感覚をつかさどる器官で、体の位置情報を脳へと伝える役割を持っています。
全く違う役割を持つ二つの神経が内耳にあるということですね。
このことから内耳炎とは、炎症を起こした神経によって違う症状の現れる病気ということになります。
それでは、神経別に現れる症状を知っておきましょう。


内耳炎の症状とは?

蝸牛神経が炎症を起こした場合、「聴覚の衰え」「難聴」の症状が現れます。
飼い主さんの声や、大きな音への反応が鈍くなってしまうのです。聴覚の衰えは徐々に進行するので、早期発見が難しい症状といえます。

前庭神経が炎症を起こした場合は、様々な症状が現れます。
・平衡感覚の喪失(真っすぐ歩けない、立てない、足元がふらつく等)
・体の傾き(病気の耳側へ体が傾く、頭・首の傾斜、歩くと旋回して倒れる等)
・眼振、吐き気や嘔吐、食欲不振
身体のバランスを保てなくなり、常に体が傾くようになってしまうのです。この炎症が進行すると、歩けなくなったり、常に目眩を感じているような状態であることから嘔吐する等、とても深刻な症状が発生してしまいます。

ちなみに、両者の神経が同時に炎症を起こすことはごく稀で、聴覚・平衡感覚のいずれかに異変が起きるケースがほとんどだそうです。


何が原因で発症するの?

ばいきん

内耳炎の発病原因で一般的なのは、外耳炎・中耳炎からの波及によるものです。耳の外側から中側、そして内側へ炎症が進んでいくことで内耳炎が発症します。
外耳炎・中耳炎の治療の一環で洗浄液を使用することがあるのですが、なんとこの治療法を用いることで内耳炎を発症する場合もあるのです。「医原性の内耳炎」というこの病状は、鼓膜が破れている状態で消毒液を使用した場合に発生するそうです。

また、全く別のケースで発病することもあります。外耳炎等が発症していなくても、外部から侵入した細菌が血液と共に内耳に到達することで、内耳炎となる場合があるのです。
他には、耳の打撲など外部からの衝撃で炎症を引き起こしたり、内耳に腫瘍等ができて突然発病するケース等も確認されています。原因が特定できない場合もあり、天候・外気圧や免疫不全が関係しているという説もあるそうです。


内耳炎の主な治療方法

犬+内耳炎

外耳炎・中耳炎から波及した場合は、まずこれらの治療を優先します。
抗炎症剤、抗真菌剤などの投与が行われ、腫瘍やポリープが発見された場合は外科的治療(手術)が必要となります。
感染症や打撲などが原因の場合は、炎症を直接止める為に、全身的な抗生物質の投与に6~8週間かかります。
前庭神経に炎症が起きている場合は、副腎皮質ホルモン薬などの投与が行われます。また、歩行困難であったり、平衡感覚に異常が現れる為、怪我を予防する意味で運動を制限されます。

このように、炎症個所や原因によって様々な治療法があります。
症状が酷い場合には、鼓膜を切開し中耳を露出させてから洗浄することもあるのです。
内耳炎は、中耳炎よりも治療に対する反応が悪く、神経症状が残ってしまう可能性が高いとも言われています。
深刻な問題に発展する可能性が潜む、怖い病気の一つですね。
しかし、愛犬をこの病気から守る為に、飼い主さんにもできることがあります!有効な予防法を知っておきましょう。


毎日のチェックで早期発見!

予防として一番大切なのは、外耳炎の発症を防ぐこと、また万が一発症しても、早期発見・治療に至ることです。
犬の耳は構造上、細菌が繁殖しやすく、外耳炎にかかりやすい形状です。
しかし、正しく耳のお手入れをして清潔を保つこと、耳の中を傷付けないことで、その発症率や症状の悪化を大幅に減少することができます。
普段から愛犬の健康を意識して免疫力を上げることも、感染症やウイルスによる発症の予防に繋がりますね。
耳への外部刺激からも発症するので、耳の打撲にも気を付けてあげましょう。

内耳炎という深刻な病気に発展する前に、耳の異常を見逃さないことが大切です。
外耳炎は耳の中が蒸れ易い垂れ耳の犬種が非常にかかりやすい病気なので、愛犬が垂れ耳れタイプの場合は日頃から要注意しましょう。
実際、我が家のキャバリアも、これまでに何度か外耳炎を発症したことがあります…。
耳のケアを嫌がる子も中にはいますよね。そんな愛犬の飼い主さんは大変かもしれませんが、毎日のチェックを怠らないよう心掛けてください。

他の重い病気に比べれば、小さな耳の病気かもしれません。しかし、取り返しのつかない病状に発展する可能性のある病気です。
自ら症状を訴えることができない愛犬のためにも、飼い主としていち早く異変に気付いてあげたいですね。

eye catching by S. J. Pyrotechnic


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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!


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