「保護犬」と呼ばれるワンちゃんが、カフェであなたを待ってる♪

2016.10.25

「保護犬」と呼ばれるワンちゃんが、カフェであなたを待ってる♪

「保護犬」という言葉をご存知でしょうか。 愛犬家の方々にとっては、心を痛める言葉の一つかもしれません。 保護犬とは、様々な理由で保健所やNPOが一時的に預かっている、飼い主のいないワンちゃんのことです。 目を背けたくなる現実ですが、保護犬となったワンちゃんの未来には殺処分の可能性が待っています。 今回は、そんな保護犬たちを守る為に、近年増加してきている「保護犬カフェ」について紹介します。

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現代の日本における保護犬の現状

平成26年度、保護犬となったワンちゃんは53,173匹と発表されています。この内、返還・譲渡数は31,625匹、殺処分数は21,593匹です。10年前と比べると、保護犬の数も殺処分数も大きく減少しています。しかし今でも、2万匹ものワンちゃんが殺処分されているのです。

保健所等に連れてこられるワンちゃんの大半は、野良犬ではなく、飼い主の持ち込みによるものです。
2013年に動物保護法が改訂されるまでは、ペットショップのオーナーが売れ残った個体を個人名で保健所へ連れていくというケースが多数発生し問題になりました。
保護される野良犬ですら、元々は人間に飼われていたワンちゃんである可能性が高いでしょう。
人間の勝手な都合や飼い主の無責任さが、「保護犬」を生み出しているのです。

保護犬の知名度は、まだまだ低いです。犬と共生する私たちは保護犬の現状を知らなければなりません。
そんな保護犬達を少しでも救うため、保護犬という存在を知ってもらうための活動の一つに「保護犬カフェ」があります。


保護犬カフェが出来るまで


猫カフェなら知っている!という方は多いのではないでしょうか?現在では猫に限らず、犬・フクロウ・うさぎ等の動物が常駐するカフェもありますよね。保護犬カフェも同様で、お店にいるのが保護犬であり、加えて新しい飼い主さんとのマッチングという目的がプラスされた施設といえます。

元々の発端は猫カフェだそうです。初めは、自宅でペットを飼えない人のために猫を喫茶店に集め、触ったり一緒に遊んだりすることを目的としていました。殺処分が問題視されるようになり、そのオーナーたちは行政や愛護団体から猫を貰ってきてその仲間に加えたのです。
そこからヒントを得たのが、現在の保護犬カフェです。里親探しのNPO団体などが殺処分される前の犬を集めて、自らがカフェを運営するようになりました。
参考サイト:http://www.hogokencafe.com/


保護犬カフェの目的


前述したとおり、保護犬カフェには大きな目的があります。それは、新しい飼い主をみつけることです。
ラウンジで保護犬を眺めたり、コミュニケーションをとることで、家族として迎える前にお互いの相性がみえてきます。だから、安心して貰われて行くことができるのです。
保護犬を飼いたいと思っていても、保健所などに直接出向くには少し勇気がいりませんか?面会だけでは、本当にこの子はうちに来て幸せになれるかな?と不安に思うかもしれません。
そんな方々にとっても、保護犬カフェは最初の一歩を踏み出しやすい場所といえるでしょう。


賛否の意見が存在する保護犬カフェ

実際に保護犬カフェを体験された方の中にはこんな感想を持つ方もいます。
保護犬カフェの犬たちは汚い、しつけがなっていないから吠える、トイレができない、去勢・避妊手術がされていない。
確かにこれは事実でもあります。
保護犬カフェにいるのは、ペットショップにいる生まれたての子犬ではありません。
長い間ケージに閉じ込められていた子、酷い虐待を受け続けた子、最低限の食事の世話しかしてもらえなかった子。
ほとんどが一度、人間に裏切られた子たちなのです。
長年で培われた口の周りの汚れや、涙やけは洗ってもなかなか落ちません。虐待や病気を放置されたことで、体に障害が残る子もいます。植え付けられた人間不信が克服できずに、吠えたり牙を向く子もいるでしょう。
どうしても、それまで過ごしてきた環境の劣悪さから、治せない部分が確かにあるのです。

でも考えてみください。そんな子たちに自分の手で、一般的な幸せを与えることが出来たらどうでしょう。
涙やけの跡を消すには時間がかかります。初めはなかなか心を開いてくれないかもしれません。
しかし、そんな難題を乗り越えた時、感じる幸福感は何倍にも増すのではないでしょうか。
これは個人的な意見ですが、一つの命を救うということは大きな自信に繋がると思うのです。人生を左右できるほど、自分を成長させてくれるのではないでしょうか。


ペットが飼えない人も保護犬達を救える

保護犬の存在を知っていて、助けてあげたいのに、自宅でペットが飼えないという方もいるでしょう。
そんな歯痒い思いをしている方も、是非一度、保護犬カフェに出向いてみてください。
カフェでの飲食や販売グッズを購入すれば、それは保護犬カフェの運営資金に繋がります。保護犬の知識を得ることで、その方が友人や家族に保護犬の存在を広めることもできますね。
保護犬カフェを運営するためのビジネスパートナーやボランティアを募集しているNPO団体もあるのです。
小さな手助けだとしても、それはいつか一つの命を救うかもしれません。
保護犬と呼ばれるワンちゃんが少しでも減るように、いつか殺処分数がゼロになるように。
現在愛犬と暮らす飼い主の皆さんも、改めて家族に対する責任を深く感じて頂けたらと思います。

eye catching by いみりんの部屋


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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!

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