糖尿病や腎臓病を患っているワンちゃんは要注意!症状が出にくいネフローゼ症候群の原因、治療法とは?

2016.11.17

糖尿病や腎臓病を患っているワンちゃんは要注意!症状が出にくいネフローゼ症候群の原因、治療法とは?

ワンちゃんを飼っている方も、飼っていない方もネフローゼ症候群という言葉を聞いたことはありますか? あまり聞きなじみのない言葉なのではないでしょうか。 そもそもネフローゼって何?病気?という方も多いのではないかと思います。 よく見かける症状というわけではありませんが、どんな子でも該当する疾患になればなる可能性はある症状です。 今回はこのネフローゼ症候群についてお話したいと思います。

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ネフローゼ症候群とは?

ネフローゼ症候群

出典:http://inubyoukijiten.blog.shinobi.jp/Entry/54/

ネフローゼ症候群についてお話する前に、まず大きく関連する腎臓の仕組みについてからお話しなければなりません。
腎臓の機能とは糸球体と呼ばれる部分で、不必要なものを濾過して、おしっことして排出することになります。
ネフローゼ症候群の名前の由来ともなるネフロンと呼ばれる糸球体と呼ばれる構造を含んだ腎臓のつくりの障害により起こる症状の総称をネフローゼ症候群と呼ぶのです。


ネフローゼ症候群の症状は?

ネフローゼ症候群の症状

ではどんな症状がみられるのでしょうか?
まずネフローゼ症候群とは腎臓の構造の障害により生じる症状の総称とお話しましたが、腎臓の濾過機能が破たんすることによって、本来濾過されず尿中に含まれないはずの蛋白が尿中に漏出するためたんぱく尿になります。
その次に本来血中にあるはずのたんぱくが尿中に出てしまっているため、血中のたんぱくは減少し、低たんぱく血症を引き起こします。
低たんぱく血症を引き起こすと、濃度差などによりむくみや腹水などの症状も起こり、濃度の均衡も破たんするため、高脂血症もみられるようになります。
また、さらに進行すると高血圧になったり腎不全や尿毒症のような症状も見られるようになるのです。


ネフローゼ症候群の原因は?

前述のようにネフローゼ症候群とは腎臓の障害により起こる症状の総称です。
そのため、腎臓に障害をもたらす病気がネフローゼ症候群の原因となります。
例えば自己免疫反応により起こる糸球体腎炎や急性腎炎、代謝の異常により腎臓にも負担をかける糖尿病、他にも白血病や腫瘍性病変なども原因となると言われています。
これらの病気が進行した結果、ネフローゼ症候群を引き起こしてしまう可能性が高いのです。


ネフローゼ症候群の治療方法は?

ネフローゼ治療

基本的にはネフローゼ症候群の原因となる病気をまずは治療していく必要があります。
糸球体腎炎などは自己免疫の過剰反応が原因となっているので、ステロイドや免疫抑制剤を投与していくことになりますし、糖尿病であれば代謝を正常に近づけるためインスリンの投与などをしていくことになります。
同時に実は大切なのが維持するための食生活で、腎臓に負担をかけないような療法食を食べていくことは、状態をこれ以上悪化させないためにも非常に大切です。
そして症状が進行してきてしまった場合、その症状を取り除くための治療も並行して行っていくことになります。
例えばむくみや腹水がひどくなった場合は、利尿剤の投与が必要となりますし、高血圧が生じてしまった場合は降圧剤を投与する必要が出てきます。
しかし、全般的に内科的治療を行なっていくことになるでしょう。
ならないように予防することはできる?
前述のように、原因となる病気の進行によって腎臓の障害の程度もひどくなり、ネフローゼ症候群も程度が悪化することになります。
その程度を悪化させないために、原因となる病気を進行させないようにすること、そして原因となる病気を早い段階で発見することが大切になってくるでしょう。
そのために必要なのが定期的な健康診断だと言えます。
血液検査や尿検査を定期的に受けることで、該当する原因となる病気か否かを早期に八消することが出来ますし、万が一その病気だと発覚した後も定期的にモニタリングしていくことで、症状の進行をお薬の投与等で食い止めることもできるでしょう。


まとめ

以上のように、最初はたかがおしっこのほんの少しの異変ではありますが、そこからネフローゼ症候群が進行し、最終的には、腎臓と直結している心臓にまで負担がかかってしまい心臓疾患の症状まで出ることになることもあるのです。
その場合もちろん寿命にも関わりますし、ワンちゃんの体にも大きな負担がかかることとなります。
そういったことを防ぐためにも予防としての定期的な検診はしっかりと行なっていきたいものですね。


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りなぎ

りなぎ

動物病院での勤務の傍ら、家では6匹の犬(ダックスフント5匹、パピヨン1匹)と一緒に生活しています。 もちろん猫も大好き!です。 私生活では犬だけでなく、子供もいるため、常にいろいろな世代の人と動物が仲良く、よりよい生活をできるようにするためにはどんな知識があるといいのか、どんな生活が理想か、考えることがよくあります。 少しでも皆さんのお役に立てる知識や情報を発信できたらと思います。

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