そもそも「ふるさと納税」って?
ふるさとを離れた人が地元の発展などを願い、地元のために納税するという考えが一般的でした。
しかし、実際にはふるさと納税は「税金」というよりも「寄付」という形。多くの自治体では寄付をしてくれた方達へ、
地域の特産物などの御礼品を贈っていて喜ばれています。
一般的に「税金」と聞くと、「高い」とか「何に使われるの?」など、不透明な部分もあって、
なんとなくマイナスイメージを持ってしまいがちですよね。所得税や住民税、
消費税などさまざまな局面で税金を支払っていますが、その使い道まで気にしてみたことがないとう方も多いのではないでしょうか。
しかし、「ふるさと納税」では、納める前に「どういった取り組みに使われるか」という使い道の部分が
明確になっていて、安心感があります。どのような取り組みをしているかについても調べることができますし、
その取り組み内容に賛同した場合に納税してみようか・・・と興味を持つ方も多いでしょう。
現在では地元の「ふるさと」に限らず、全国どこでも興味深い自治体にふるさと納税で寄付をしている方が多くなってきています。
そして、全国のふるさと納税の中には、犬・猫の殺処分ゼロのために利用している自治体もあり愛犬家としては気になるものです。
そこで、全国の犬・猫のための「ふるさと納税」について、いくつかご紹介していきます。
神戸市では猫グッズで納税者急増
人々の心を癒してくれる可愛らしい犬や猫。まるで家族のように育てている方も多いでしょう。
しかし、一方では命に対して責任を持たない飼い主もおり、毎年のように犬・猫の殺処分が全国各地で行われている悲しい現実があります。
愛犬家・愛猫家にとっては、胸が痛む話です。
●減った殺処分件数
神戸市では、殺処分をゼロにしようと保護した犬や猫を新しい飼い主へ譲渡するという取り組みを長年行っています。
そのおかげで10年ほど前と比べると1/6程度にまで殺処分件数が減ってきています。
少しでも多くの犬猫が救われるためには、新しい飼い主に引き取ってもらう譲渡をもっと促し、
保護した犬猫たちを殺処分せずに譲渡するまでの間、保護と管理していくことが必要です。
しかし、保護するには費用がかかってしまうのが現実の話です。生きていくためには、
食事をさせなければなりません。また、ワクチン接種や健康状態を見てもらうための検査費用などもかかります。
神戸市のふるさと納税では、こうした取り組みへの支援を行っているとのことです。
●納税者には猫グッズのお礼品
神戸市では、フェリシモ猫部との協定を結ぶことで、納税してくれた方々へのお礼品に猫グッズを送っています。
寄付の金額にもよりますが、猫ラーメンやハンドクリームなど、猫好きさんに嬉しい可愛らしいグッズとなっています。
その効果もあってか、最近では納税者が多くなっているとのことです。自分が納めた税金により、救われる命があるのは嬉しいことではないでしょうか。
神戸市の取り組みはコチラ!:動物愛護支援事業へのご寄付(ふるさと納税)のお願い
犬の殺処分ゼロの町!広島県神石高原町のふるさと納税
広島県の自然豊かな神石高原町。そんな穏やかな町で、殺処分をゼロにすべく活動をしている背景に存在するのが「ピースワンコ・ジャパン」プロジェクトです。これは、NPO法人ピースウィンズ・ジャパンにより運営されている取り組みです。
●全国ワーストから殺処分ゼロへの道
実を言うと、2011年の段階では広島県は全国ワーストと言われるほど、犬猫の殺処分が多い地域でした。
そんな数年前の出来事から、プロジェクトと神石高原町との連携で、現在は殺処分予定の犬猫を全頭引き取り保護し、
殺処分ゼロを実現しています。保護施設を新たに建設・開設、そして管理していくための人材の確保、保護された犬や猫達の新しい飼い主への譲渡など、
活動を日々行っています。
殺処分をゼロにするためには、保護を維持するための動物の住処が必要です。
取り組みに賛同してくれた全国からの多くの方々からの寄付は、こうした犬舎の建設や動物たちの
食事代などに活用されています。
●命を救われた犬が救助犬として活動
このプロジェクトによって救われた一匹のワンちゃんがいます。名前は「夢之丞」。
実は、このワンちゃん、現在は災害救助犬として活躍中なのです。2014年の広島県で起きた
土砂災害時にも人命を救助するなど、「殺処分から救われた命」が救助という場で活躍し、命を繋いでいます。
プロジェクトによって殺処分を逃れた動物たちは、新しい飼い主に引き取られる以外にも、
こうした活躍の道に出会い、人間とともに活き活きとした生活を送っています。
兵庫県尼崎市では「動物愛護」の内容を明記したことで増えたふるさと納税
兵庫県尼崎市で「動物愛護」に利用すると述べたのが平成24年度。当初、関係者たちは
「10万円くらい」という希望を持っていたところ、なんと644万円ほどの寄付金が集まったということ。
それほど多くの人々が、「動物たちを守りたい」という取り組みに興味を抱いているという表れなのでしょう。
●猫の不妊手術のためという明記が寄付金の確保に繋がった
ふるさと納税というと、お礼品目当てで寄付するという方が多いでしょう。使い道に関しては、
「地域の環境改善や福祉のため」というおおまかな内容が記されているものの、あまりピンとこないのが現実かもしれません。
しかし、兵庫県尼崎市が寄付金の増加に繋がったのはなぜでしょう。それは
「所有者不明の猫の不妊手術のために利用する」という内容が明記されていたから。
心無い飼い主が原因で町に捨て猫が増えると、自然繁殖によりさらに野生の猫が増加します。
増加してしまった猫は、殺処分されてしまうという悲しい現実が待っています。
不妊手術を行うことで、そういった猫たちを増やさないことに繋がります。
実はそういったことが納税の使い道に明記してあるのが、尼崎市だけだったそう。
それが、結果的に猫達を救ったとも言えます。
徳島県では保護された動物たちの未来を守る納税内容
【保護犬「モナカ」命救う側へ】徳島県動物愛護管理センターでは #保護犬 の中から災害救助犬など育てる取り組みを進めており、昨年保護された「モナカ」は適性を見いだされ、訓練を行っています。https://t.co/lxNq4Q3Fez pic.twitter.com/QjZkKw4Sru
— イザ!編集部 (@iza_edit) 2016年1月7日
徳島県のふるさと納税のいくつかある寄付内容のうち、納税する人が
「これを応援したい」と思えるものを選ぶことができます。
徳島県では、人と動物が共に暮らしていけるような理念のもと、
殺処分ゼロを目指している地域です。そんな動物愛護の取り組みが、
「災害救助犬」「セラピードッグ」を育てる事業です。動物愛護管理センターに保護された犬たちの殺処分を減少させるためにです。
皆さんご存知のように、「災害救助犬」の活動は、自然災害などの現場で救助活動をします。
犬の優れた鼻の能力を最大限に発揮し、命を救ってくれます。災害救助犬を育成するにはスタッフの
指導や候補となる犬たちの世話などの費用がかかります。その支援を行うのが徳島県のふるさと納税です。
動物や人間が共存できる取組でもあり、そういった事業に役立つ寄付も、動物好きな方々には共感できるのではないでしょうか。
徳島県の取り組みはコチラ!:ふるさとOURとくしま
納税をすることで助かる命
このように、ふるさと納税では動物たちの命を守ることに繋がる取り組みの支援に繋がっています。
上記にあげた以外にも、同様に動物愛護の精神をかかげた取り組みをしている自治体があります。
自分が納めた税金が動物たちのために使われるのは、気持ちが温まっていくのを感じることでしょう。
ふるさと納税を通じて、動物愛護の取り組みが少しでも多くの人々の心に浸透していき、全国的に殺処分がゼロになることを愛犬家としては願うばかりです。
参考サイト:ふるさとチョイス
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