中米カリブドミニカ共和国の犬事情!日本とはこんなに違う!

2017.01.06

中米カリブドミニカ共和国の犬事情!日本とはこんなに違う!

筆者が現在住んでいるのは中南米に位置するドミニカ共和国。ここにも沢山の犬たちが飼われているのですが、その飼い方は日本のそれとは全く違います。自由を謳歌しているカリブの犬たちの生活事情を少し覗いてみましょう。

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ドミニカ共和国のペット事情

ドミニカ共和国のペット事情

ドミニカ共和国では犬の呼び方が基本的に決まっています。個別に決まった名前が付いている犬も勿論いますが、多くの犬は「chibi/チビ」と呼ばれます。日本語でいくと、「ワンちゃん」というところでしょうか。これがそのまま名前になっている犬がほとんどです(ちなみに猫は「mish/ミシュ」、同じくネコちゃんという意味)。
決まった名前を付けない、という習慣からも分かるように、ドミニカ共和国では、あまり犬を家族の一員としてみなす習慣はありません。

筆者の家族構成を少しご紹介しますと、妻、そしてピットブルとノラから拾われてきたネコ。ピットブルの扱いはさも娘(メスです)かのようなものですが、ドミニカ人からすると理解できない扱いだそうで、「犬がソファに上がるのを許すな!」と怒られます。

こればかりは文化の違いが大きいので何とも言えないものですが、その代わりドミニカの犬たちが謳歌しているもの、それは自由です(放置ともいう)。
うちの犬が基本的に家族と一緒の時にしか外出を許されないのとは違い、ドミニカの犬たちは基本が放し飼いです。勿論飼い主がエサをくれることをわかっているので、放し飼いでも家のそばから離れることはありません。ただ道を歩くと、ロットワイラー級にでかい犬が各所で寝そべっているので、歩行者からするとある意味恐怖です。

ドミニカ共和国の犬

狂犬病のワクチン接種が義務ではないというお国柄、自分の身は自分で守らなければなりません(飼い主に強制したところで、ノラが多すぎて意味がないという理由も)。
ドミニカ共和国に住むうえで、日本で自分たちに狂犬病ワクチン摂取をするのは毎年の恒例。そして犬にも、日本の動物病院で動物看護師として働いていた妻が、ドミニカの動物病院で購入してきたワクチンを犬に注射します。

基本的に狂犬病を持った犬はもうドミニカにもほとんど見かけることはなくなりました。
しかしやはり、ゼロではないので予防をやめるわけにはいきません。


国内に大量にいる、「自称ブリーダー」

ドミニカ共和国の自称ブリーダー

さて、ドミニカ共和国には大量にブリーダーがおり、自分のところで犬を繁殖させてインターネットで売買しています。
その中の一人と交渉をしてうちのピットブルを購入しました。
繁殖される犬種として一番多いのはピットブル、ロットワイラー、少し数が落ちてシェパードなど。首都圏の方へ行けばパグやフレンチブルなどを繁殖させている人も沢山います。
値段は交渉次第ですが、日本で買う値段の半分から犬種によっては20分の1程度で買うことができます。
しかし注意しないといけないのは、かなり雑な環境で交配させているので他の血が混じることも容易にあるという点。
勿論ちゃんとした環境で、他の犬とは接することが出来ない状況を整えている人もいますが、ほとんどは家の裏などで誰でも自由に出入りできるような場所です。
最初はその犬種の子犬のような姿で、成長していくと段々と他の血が出てくることもしばしば。友人のボクサーは最初は鼻がつぶれていたのですが、4か月を過ぎたあたりから鼻が伸びてきて全く違う顔になったほどです(それでも可愛がっていましたが)。

基本的に売ってしまった後は売った者勝ちというのがこの地のルール。
数か月後にクレームを言っても相手にされない場合がほとんどなので、とりあえず必ず両親の写真と、出来るならばそのさらに上の両親の写真も確認する必要があります。


飼い主たちが「これには気をつけろ!」というものナンバーワンは

基本的に犬を多頭飼いする一番の理由は、家の安全を守るため。
ドミニカ共和国において、犬を鎖につながずに野放しにする理由の一つもそれです。

さて、この地における犯罪率は日本のそれとは比べ物にならないくらい高いものです。そして手口も非常に大胆。
壁に穴をあけたり、窓にはめ込まれている鉄柵をサンダーで切って集団で侵入します。
塀が高いお金持ちの家などは恰好のターゲットになるのですが、そういった家には大型の犬が飼われていることがほとんど。通常は日本の泥棒たちと同じく、彼らも犬のいない家を狙います。
しかし時には犬がいても強行突破しようとするグループも。

ドミニカ共和国の犬事情

彼らが使うのが、「毒だんご」。つまり先に犬を殺してしまうというやり方です。
塀の中にいくつかの毒だんごを放り込んで犬が死ぬのを待ってから突入します。
この強行突破組は、基本的に家に誰か人がいても気にしないため非常に危険なグループです。空き巣ではなく、強盗目的だからです。

だからこそ、犬を飼っている人たちはこの「毒だんご」の存在を非常に恐れます。

では、解決策があるのでしょうか。
まず一つは、一番売られている毒の匂いを覚えさせて食べない教育をすること。しかしこれは非常に頭の良い犬でなければ難しいようです。特にだんごは肉に覆われており、普通の犬であれば喜んで食べてしまいます。
次に、夜寝静まる前に大量のエサを置いておくということ。
満腹時には犬はそこまでがっついて食べようとはしませんし、また空腹時よりも満腹時の方が毒の効きが弱く、犬も死にまでは至らないことがほとんどです(毒の強弱にも当然よりますが)。

ドミニカ共和国の犬事情

こんなペット事情のドミニカ共和国。
日本とはだいぶ環境も注意点も違いますが、それでもうちの娘(ピットブル)にだけは、日本の犬のようにのびのびと育ってほしい…と願う筆者です。
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