ウィペットってどんな犬?
ウィペットは全体的に「細い」というのが第一印象です。
●ウィペットの外見的特徴はなんと言ってもスレンダー
細いという印象が強い犬ですが、痩せていて弱く見えるわけではありません。足が長くスラリとしていて、
しなやかな体つき。細いながらにも筋肉がしっかりとついているので、スラッとした体に美しさを感じる魅力的な犬です。
引き締まった体で背中に少し丸みを帯びています。ウィペットは体高が50㎝ほど、体重は13キロほどの中型犬です。
また、短毛種ではありますが、ツヤのある被毛に覆われていて、とても美しい雰囲気です。毛色はさまざまな色があります。
そしてウィペットは、顔つきがとても可愛らしいのも魅力のひとつ。スリムな体型で美しくもありながら、
顔を見ると大きな丸い目が可愛らしいので、見ているとかなり癒されます。
●走りが得意なウィペット
体つきを見ても分かる通り、まるで走るために生まれてきたかのように走ることが得意な「アスリート犬」です。
犬の足の速さを競う大会にもよく出場しています。数ある犬の種類の中でも上位争いができるほどのスピードを持っています。
その走る姿は見惚れるほどのカッコいいです。犬界で言う「イケメン」的な雰囲気もあります。走ったときのスピードはかなり速く、
時速60キロを超えるほどにもなります。まるで自動車に乗っているかのような速さですよね。
ウィペットの歴史について
ウィペットの原産国はイギリスです。100年くらい前が発祥と言われています。
●そもそもは害獣駆除の役目をしていたウィペット
イギリスの18世紀頃。当時の農夫たちが害獣駆除のために交配をかさねて作りだした犬種と言われています。そして、
農夫たちが、ウサギを追わせるレースに出すために「なんとか足の速い犬を生み出そう」と思案し、レース犬として改良されていったのが始まりだったのです。
グレーハウンドとホワイトテリア、マンチェスターテリアなどを交配させ、ウィペットが誕生していきました。
初めは、農夫たちが遊びでウサギを追わせるレースに出るにとどまっていましたが、次第にさまざまなレースに出場するようになりました。
ウィペットは、多くのレースで「足の速い犬」としてその名が知れ渡ることに…。それがウィペットの歴史です。
犬種として認定されたのは1888年ですが、現在でも走る犬として知名度があります。
ウィペットの性格
スレンダーで機敏な動きをする足の速いウィペット。さぞかし性格もきついのでは?と思われがちですが、外見の俊敏さとはギャップがあり、とても穏やかな犬です。
●ナイーブな一面を持っている
アスリートのように足が速くて運動神経が良い犬ですが、実はとてもナイーブな一面を持っています。周囲の人達の気持ちを察するのが得意で、
飼い主さんや家族の表情を読み取る力があり、比較的おとなしく暮らしてくれます。飼い主さんにはとても忠実で、穏やかな生活を送ることができるでしょう。
●頭が良くしつけがしやすい
犬はそもそも頭が良いと言われていますが、中でもウィペットは賢くしつけがしやすい犬種です。
見知らぬ人に対しての警戒心はありますが、いわゆる「無駄吠え」をして周囲を悩ませたり、攻撃性を見せたりなどはあまりありません。
しつけがしやすいので、ウィペットは家庭犬としても飼いやすい犬種と言われています。人間の良きパートナーとして、仲良く幸せな生活をすることができます。
ウィペットの気になる値段は?
ウィペットの歴史や性格を知るとその魅力がたくさんあることに気づきます。「ウィペットをペットとして迎えたい!」と思う方も多いかもしれません。
そんなときに気になるのは、値段ですよね。
ウィペットは、ペットショップに行って店頭で売られていることは、あまりないでしょう。
そのため、ブリーダーさんからの購入が一般的となっています。ウィペットは一緒に運動したいというアクティブな人に人気の犬種なので、
ブリーダーも結構多いです。そのため、入手がしやすい犬種です。
ブリーダーさんによって値段設定は異なりますが、だいたい15~30万くらいの価格帯と考えておくといいですね。
血統がよくドッグショーでも活躍できそうな場合には、高額となります。
最近では、インターネットなどで購入することもできますが、実際にブリーダーさんと直接対面して購入したいものです。
子犬の様子を見たり、話を聞いたりして、信頼できるブリーダーさんから購入するようにしましょう。
ウィペットと暮らすときのポイント
ウィペットと暮らすときに知っておきたい飼い方のポイントについて、いくつか紹介します。
●ポイント1:運動不足には要注意
ウィペットは運動量が必要な犬種です。そのため、散歩の回数は1日に2回することが望ましいとも言われています。
1回にかける散歩の時間は、30分くらいが理想的です。庭がある家庭ならば、ウィペットをのびのびと運動をさせてあげましょう。
家の中で閉じこもりっきりだと、運動が好きなウィペットのストレスが溜まります。飼い主さんが散歩に連れていけないときでも、
何らかの形で運動量を確保してあげたいものです。
また、走ることが大好きなウィペットですから、ときにはドッグランなどで思いっきり走ることができる環境を用意してあげてください。
ただ、ドッグランや広場で走らせるときには周囲への配慮が必要です。時速60キロを超えるほどのスピードを持つ犬です。
他の犬や飼い主さんにぶつかってしまっては危険です。飼い主さんの管理で危険なことがないように、しっかりとしつけをすることが大事です。
●ポイント2:基本は室内飼いをする
運動神経が良いアスリート犬のウィペット。見た目はスリムですが、実はとっても丈夫で基本的に元気な犬です。
ただ、ウィペットは寒さには弱い犬なので、基本的には室内で家族と一緒に暮らすようにします。屋外で飼うことはしないようにしましょう。
日本でも地域によって気候は異なるので一概に言えませんが、季節が冬になったら寒さ対策はしっかりと考えてあげましょう。
暖房の温度に配慮するとともに、ウィペットのベッドやケージなどに毛布を敷いてあげるなど、寒さを感じることがないようにします。
寒い季節の散歩では、ウィペットにドッグウェアを着せるなど寒さを感じさせない工夫が必要です。
●ポイント3:被毛のお手入れを定期的にする
ウィペットは短毛種ですから、抜け毛も少ないですが定期的に被毛のお手入れをしてあげましょう。
短毛なのでお手入れがいらないと思う方もいるかもしれませんが、ブラッシングには血行促進の効果もあります。
短毛種に適したブラシを使い、優しく撫でるようにブラッシングするのがコツです。ただ、痩せている体なので、
強くブラッシングをしないように気をつけましょう。ウィペットのツヤのある被毛をキープしてあげるようにします。
また、ウィペットはあまり体臭がない犬種です。お湯などで絞ったタオルで時々体を拭いてあげましょう。
タオルで体を拭くことは、体についた汚れを取るだけでなく、マッサージ効果もあります。スキンシップしながらコミュニケーションにもなりますので、
愛情を伝えるためにも習慣するのもいいですね。
●ポイント4:優しくいたわりながらのお世話をする
運動神経が良く元気なウィペットですが、スリム体型ゆえ気をつけるポイントもあります。スレンダーな体のため、どうしても骨ばってしまい、
硬いベッドやシーツは骨があたって痛いこともあります。柔らかく肌触りが良いシーツやタオル、寝心地が良いベッドを準備してあげましょう。
また、スレンダーな体なので体を洗ってあげるときにも優しくしてあげてください。
人間の力がウィペットにとっては「強すぎる」ということもあるかもしれません。
力の強さは人によって違うので、力加減は大事です。丁寧に優しく触れる気持ちで日々のケアをしてあげるようにしたいものです。
●ポイント4:食事の管理
赤ちゃん時期には、たっぷりと食事をさせ丈夫に育てるようにしましょう。小さいときには食欲が旺盛となりがちですが、
成長するとともに食欲はだんだんと落ち着いてきます。ウィペットの体重を定期的に計測しながら、痩せすぎることがないように食事管理をしてあげます。
基本的に、食事に関してはワガママになることはなく、何でも食べてくれる可愛らしい犬です。
ただ、季節によっては体重の変動が大きいことがあります。一般的には寒い時期には痩せやすいようです。
なぜなら、寒さに弱い犬種のため「体温を保とう!」という力が内面から働き、カロリーをたくさん消費してしまうからなのです。
すべてのウィペットが冬になると痩せるわけではないので、体つきや体重をみながら、食事を増やしたり減らしたりと調節してあげましょう。
ウィペットがシニアになったときに気を付けたいこと
大好きなウィペットには、できるだけ長く生きてほしいものですよね。
ウィペットの寿命は、他の一般的なワンちゃん達とそれほど大差なく、だいたい12歳から15歳くらいというデータがあります。
ただ、あくまでも平均的な数値でしかありません。
ウィペットに限ったことではなく、犬全体に言えることですが、どのくらい生きられるかは個々が持つ環境次第。
飼育環境や食べるものの質といった飼い主さんのケア、過去の病歴、個体が持つ体質…など、さまざまな背景から寿命は変わってしまいます。
シニア期には、ウィペットの体を理解して、これまで以上にお世話を充実してあげることが大事です。
●運動神経がよいウィペットもシニア期には衰えがち
運動神経抜群のウィペットは、成犬期にはとても元気。
積極的に散歩に連れ出したり、ドッグランで遊ばせたりするのが適切な飼い方です。
しかし、老犬と言われる世代になると、少しずつ筋力が弱まってしまいます。
そもそも、スレンダーで細い骨なので、無理をすると骨折のリスクが高まります。
ウィペット自身は「自分が老犬なのだ」と自覚しているわけではないので、ドッグランに行けばテンションが高まるかもしれません。
若いときと同じ感覚で走り回ったとしても、老いには勝てず、勢い余って転んだりすることも。
無理をすれば、骨折をする可能性が高くなるだけです。
成犬からシニア期に移行してきたら、運動量を少しずつ減らすことも考えておくべきでしょう。
ただ、まったく動かないのは、余計に筋力低下を進行させストレスにもなります。
愛犬の体の動きや不調を見逃さず、無理のない範囲で運動に付き合ってあげてくださいね。
●シニアに合せた栄養の食事をさせる
シニアになっても、若いときと変わららない食欲をキープするワンちゃんもいるかと思います。
たっぷり食べてくれるのは飼い主としては喜ばしいこと。
元気の源となり健康体でいてくれそうな感じがするかもしれません。
しかし、基礎代謝が衰えるシニア期には、若いときの食事量のままだと太りやすくなってします。
運動量が減るワンちゃんもいるので、なおさら肥満には気をつけなければならないでしょう。
また、老齢期には、関節炎や皮膚トラブル、視力が悪くなるなどの症状が出てきます。
そのため、筋肉のために良質なたんぱく質、弱まる関節のためのグルコサミン、肥満にならないため低脂肪で低カロリーのものなど、若いときのものは体に合いません。
シニアに突入したら、老犬用の栄養とカロリーが計算されているフードに切り替えてあげましょう。
カロリーが計算されているシニア用のペットフードだからと、食事回数を多くするのも危険です。
結果的にカロリーを取り過ぎることもあるので、カロリー・食事回数などを徹底的に管理しましょう。
太り過ぎると、年齢で弱った関節にさらに負担がかかります。
ただでさえ骨折しやすいシニア期には、リスクを高める肥満は大敵です。
ウィペットがかかりやすい病気はある?
一緒に暮らしていて気になるのが病気です。寿命や病気についてはどうなのでしょうか。
●皮膚の疾患にかかりやすいと言われている
すべてのウィペットに必ず起こるわけではありませんが、皮膚の疾患にかかりやすいと言われています。
痩せていて短毛なので、皮膚に炎症が起これば見つけやすいかもしれません。アトピーやダニなどで皮膚に炎症が起これば、
赤くなったり、痒がったりします。これらの症状が見られたら、専門家である獣医に見てもらうようにしましょう。
●生まれつき口蓋裂という遺伝性疾患にかかることも
口蓋が裂けて生まれてくることがあり、赤ちゃん時期には病気が原因でミルクが飲めない、上手く噛めないなど食事面でかわいそうなこともあります。
鼻からミルクが出てくるなど、上手く食事ができない状況をそのままにすると栄養失調にもなりかねません。
ウィペットにこのような症状が見られたら動物病院で相談するようにしましょう。
●オスに多い耳介脱毛症
ウィペットに起こりがちな遺伝性の疾患で、ホルモンのバランスが崩れてしまうことにより発症します。耳の毛が抜けてしまいますが、
遺伝性のため治療ができない病気です。
●ケガに気をつけよう
遺伝性の疾患については、病気になるのか、ならないのかについては成長してみなければ分かりませんよね。気をつけようがないとも言えます。
それよりも注意したいのがケガです。ウィペットは、運動量が多い犬です。日常的に運動をさせていく中で、勢いあまってケガをしてしまうこともあります。
ウィペットが興奮したりしないように、しつけをしっかりしましょう。
ウィペットのしつけについて
ウィペットは運動量を必要とする犬なので、外出する機会は多いです。そんなときに大事なのは、きちんとしつけができているかということです。
特に、しつけがしっかりできていないのにドッグランに連れていくと、他のワンちゃんとケンカをしてしまうこともあるかもしれません。
それに「運動ができる」と興奮して走り回るととても危険です。飼い主さんの命令にきちんと従えるようにしつけをすることはとても大事です。
幼犬のころから、社会性を身に付けさせ、しつけもしっかりと行いましょう。ウィペットは、頭が良くてしつけがしやすいワンちゃんなので、
飼い主さんが「良い子に育てたい」という意識があれば、きっと可愛くてお利口さんのワンちゃんに育ってくれることでしょう。
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