バセンジーってどんな犬?
日本ではそんなに多く見られないバセンジー。いったいどんなワンちゃんなのでしょうか。
●中型犬でスリム体型の犬
バセンジーは体高41~43㎝、体重が9~11キロと中型犬です。第一印象は「足がスラリと長い」と感じる人が多いでしょう。
スタイルがとてもいいカッコいい犬です。外見を見ると、運動神経がとても良さそうです。
体全体もスマートですが、顔まわりもスッキリとしている顔立ちです。三角形にピンと立った耳が凛々しいですね。
見ていると思わず「可愛い」とつぶやいてしまいそうな、アーモンド形の目をしています。とても整っている顔立ちです。
全体的にスマートで細身ですが、実は筋肉質でしっかりとした体です。
●運動神経がいい犬
スリムで長い脚が魅力的なバセンジーは、運動神経がとてもいいです。走るのが大好き、そして速いです。その走っている姿もとても美しく、見惚れてしまいます。
●吠えない犬!?
バセンジーの大きな特徴のひとつに「吠えない」ということがあります。犬は吠えるのが当然の動物なので、「吠えない」と聞くと耳を疑ってしまいそうですよね。
実は、「吠えない…」というよりも、「あまり吠えない」という表現の方がいいかもしれません。声を出すときには、「ワンワンッ!」と大声で吠えるというよりも、何かを伝えるように「話す」に近い感じです。その声はとても高く「ヨーデルみたい」とも言われています。
バセンジーが持つ歴史について
バセンジーは歴史が深さは、数ある犬種のうちでもかなり古いと言われています。
●古代エジプトで生きていた犬!?
バセンジーは紀元前という古い時代から生きていた犬です。エジプトの古い壁画に、バセンジーと見られる犬が描かれていたことから、王族に可愛がられていた犬ではないかと考えられています。王家で飼われていたからでしょうか。どことなく高貴で品格も感じられる雰囲気があります。
●現在のバセンジーのもとになる犬はアフリカで発見
19世紀のころ、イギリス人の研究者たちがアフリカのコンゴ地方で暮らす犬を発見しました。この犬は、実はエジプトの王族が途絶える前に、エジプトに交流があったコンゴのピグミー族の人々が密かに育てて血統が続いていたらしいのです。
バセンジーは、ピグミー族たちが生きていくなかで大事な「狩猟」のお手伝いをしていました。吠えない犬であったバセンジーは、獲物を追うのに最高の能力を発揮しました。何千年も前からこの地方だけで暮らしていたため、世界的には知られることがなかった犬種です。
発見したイギリス人研究者たちは、バセンジーをその土地から地元に連れ帰ろうとしましたが、何度もジステンバーにかかって亡くなってしまったのです。
そして繁殖を繰り返し、ようやく少しずつ頭数が増えていったのが1930年以降です。
また、1980年以降に遺伝性の病気が原因で、バセンジーが激減する現象が起こりました。その後、アメリカのブリーダーが再びアフリカへ渡航。
新たにバセンジーを引き連れて、繁殖をしなおすことに成功。現在に繋がる新しい毛色のバセンジーも生まれ、今もその血統を引き継いでいます。
バセンジーが世界的に注目されたのは近年になってから。やはり「吠えない」という性質がその人気の理由のひとつでしょう。
バセンジーはどんな性格をしているの?
スマートな外見のバセンジーですが、いったいどんな性格をしているのでしょう?
●独立心が強く落ち着いている
バセンジーは頭が良く独立心が強いです。静かでどっしりと構えている頼れる雰囲気があります。大きな声で吠えることがなくとても落ち着いています。
●知らない人や動物には警戒心がある
狩猟犬だった名残もあってか、見慣れないものを見ると強い警戒心を抱きます。「獲物」と勘違いして、追いかけたくなることもあるようです。
狩猟犬だったので周囲の人の行動をしっかりと察知できる性格です。信頼できる飼い主さん以外には少し攻撃性があるかもしれません。
警戒心が強いものの、「吠えない犬」ですから、強く声を出して威嚇することはありません。何かを訴えるような甲高いヨーデルのような声を出します。
●飼い主には愛情たっぷり
ちょっと人見知り的な部分があります。しかし、愛情を注いでくれる飼い主さんへの忠誠心は強く、甘えるような仕草も見せてくれます。
静かでありながらも常に身近にいてくれる愛らしい存在となるでしょう。
●綺麗好きな一面
バセンジーは清潔を好みます。自分の周辺が汚れるのは嫌なのか、生後半年くらいから自分のベッドの近くでトイレをしないようになることもあるとか…。
散歩のときにトイレをしたりするので、やはり1日数回の外への散歩が必要です。
バセンジーの寿命はどのくらい?気をつける病気は?
バセンジーの寿命は12~13歳くらいです。一般的な中型犬の寿命と同じくらいかもしれませんね。大切な家族なので、大事に長く一緒に生活したいものです。
そこで、バセンジーがかかりやすい病気を知っておくことも必要です。
●ファンコニー症候群
ファンコニー症候群はバセンジーがかかりやすい遺伝疾患です。腎臓が正常に働かなくなります。そのため「尿の異常」で、この病気に気づくことが多いようです。「オシッコの回数が多くなった」「水を飲む回数が多くなった」といったことで発見のきっかけになるようです。
ふだんからオシッコの量や回数に気をつけて観察しておきましょう。病気を見逃してしまうと命の危険もある怖いものです。不安な点があれば、すぐに動物病院で診察してもらいましょう。
また、一年に一回は血液検査など行ってあげるのも早期発見に繋がります。どんな病気かを知り、愛犬の健康を守ってあげてください。
●バセンジー腸疾患腸疾患
バセンジーは胃腸が弱い体質の子も多いです。寒さが原因で下痢をすることもあります。冬は室内の温度を暖かくし、寒い思いをさせないようにしましょう。
また、暖かい室内から散歩のために外出すると、急激な温度の変化から下痢を引き起こすこともあります。寒さに応じて洋服を着せるなど、防寒を考えてあげましょう。
バセンジーは高い?気になる購入価格について
バセンジーは海外では人気もありますが、日本ではまだまだ珍しい犬種です。希少なワンちゃんなので、ペットショップでの購入は難しいでしょう。
探してくれるサービスがあっても、時間がかかってしまう可能性が大きいです。
最も適している入手方法は、バセンジーを繁殖しているブリーダーさんです。ただし希少なワンちゃんのため、
繁殖や出産のタイミングが合わなければすぐに迎え入れることも難しいかもしれません。予約待ちということもあるでしょう。
また、購入価格もブリーダーさんによって異なるのが現状。10万円前後で購入できることもあれば、30万くらいと高価となることも…。
希少な犬なので、日本で探すことができない場合には、海外から輸入する方法もあります。海外から迎え入れる場合には、さらに高額になってしまいます。
幸せに暮らしたい…バセンジーと暮らすときに知っておくべきポイント
吠えない犬として知られているバセンジーなので、なんとなく飼いやすいイメージがあるかもしれません。しかし、気をつけるべきことも多いです。
大事な家族となるので、事前にバセンジーのことをしっかりと知ってから迎え入れるようにしましょう。
バセンジーを暮らすときに、これは知っておきたい!というポイントをいくつか紹介します。
●ポイント1:寒さに弱いバセンジー
バセンジーはアフリカ中部にあるコンゴが原産です。赤道間近にあり、かなり暖かな気候の地域です。そのため「寒さ」が苦手。日本の冬は寒くなるので、
屋外で飼うのは厳しいかもしれません。室内で飼うようにし、冬には暖房を調節して暖かい室内温度をキープしてくださいね。
また、アフリカの暑い気候は大丈夫そうですが、暑過ぎるのも苦手です。どんな犬もそうですが、夏場の高温のアスファルトを散歩させるのは犬にとって辛いこと。
時間帯を考えながら散歩に出るようにしましょう。
●ポイント2:たくさん運動させてあげよう
スマートで運動神経が良いバセンジーは、運動が大好きです。活動的な性質があるので、たくさん運動させて、そのスリム体型をキープしてあげましょう。
運動が大好きで体力があるバセンジーは、運動ができない環境にいるとストレスが溜まります。散歩は1回30分以上を2回くらい連れていってあげましょう。
また、毎日の散歩だけでなく、ドッグランなどで思う存分走らせてあげるのもときには必要です。ただ、しつけが不十分だと、
ほかの犬に追突したりといった危険もあります。飼い主さんの命令で、止まったりできるように訓練しておきましょう。
ドッグラン以外の広場では気をつけなければなりません。走ることが大好きなバセンジーが自由奔放に運動すると、周囲の人への危険性が高まります。
リードを外すことがないように配慮してあげてくださいね。家の中でも一緒にたくさん遊んであげましょう。コミュニケーションにもなります。
運動が不足していると、ストレスから本来持つ落ち着きを失うこともあります。狩猟犬としての本能もあるので、活動的に過ごさせてあげましょう。
●ポイント3:飼い主はバセンジーをコントロールする体力が必要
バセンジーは走ることが好きな元狩猟犬です。外を歩くといろんな人間や動物に出会い、狩猟の名残がふとした瞬間に出てしまうこともあります。
リードを引く力が強いため、バセンジーを散歩させるときには体力と力がある人が引っ張ってあげてくださいね。
●ポイント4:バセンジーのしつけは根気よく
とても賢く独立心があるバセンジーですので、しつけがしにくいこともあります。自己主張も強いので、飼い主さんが根気よくトレーニングしていくことが大事です。
あまり強く訓練しようとすると、バセンジーが嫌がってしまうこともあります。
成長してから訓練するのは遅すぎるので、子犬の頃からじっくりと行います。社会性が身に付けられないと、
ドッグランに行ったときに他の犬を攻撃してしまうこともあります。活発で自分本位に動きたがるので、飼い主さんとの主従関係を早めに定着させたいものです。
ワンちゃんを飼うのが初心者の方には、不向きな犬種といえます。
●ポイント5:被毛の適度なお手入れ
バセンジーは短い毛なので被毛のお手入れは比較的簡単です。それほど頻繁にブラッシングする必要はありません。
ブラッシングはバセンジーとのコミュニケーションにもなるので、定期的に行ってあげましょうね。
まとめ
あまり吠えることがないバセンジーは、家庭犬としても飼いやすそうなイメージがありますね。ただ、運動が大好きな体力がある犬なので、
運動量やしつけの面などしっかりと考えておくべきことも多いです。スリムで走る姿がカッコいい魅力点もありますが、
一緒に幸せに暮らすためにはバセンジーの性質を飼い主さんが理解してあげることが重要です。
愛情をたっぷり注ぎ、病気にも注意して長く一緒に暮らしていきたいものですね。
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