マルチーズの歴史
マルチーズの原産国は中央地中海沿岸地域。そのルーツは、紀元前1500年ころと言われています。地中海のマルタ島にいるフェニキア人が持ち込んだ犬がマルチーズの祖先である犬と言われています。
マルチーズという名前もその「マルタ島」から来ているのだそうです。地中海マルタ島がイギリスの属領となった後には、イギリス貴族や王族がこぞってマルチーズを飼い始め、ヨーロッパに広くマルチーズの愛らしさが知られることとなりました。
今では、マルチーズといえば白い犬と誰もが思っていますが、元々のルーツ犬は白以外の色も存在していました。しかし、白いマルチーズの人気が高かったため、白が多く繁殖され、白のマルチーズばかりに淘汰されていったようです。
マルチーズの特徴は?
●マルチーズの見た目の特徴
マルチーズの見た目の特徴としては、長く白い被毛が有名です。カットしてあげないと床につきそうなくらいまで毛が伸びます。最近は、短くカットしてあげる飼い主さんも多いですが、昔ながらの長い毛を結びリボンをつけたスタイルもかわいいものです。
クリクリとした丸い目もマルチーズの見た目の特徴のひとつ。この丸い目のおかげで、まるで生きているぬいぐるみのようなかわいらしさを感じます。
●マルチーズの毛色
マルチーズの毛色は現在では白だけです。最近では、プードルとのミックス種なども人気が高く、薄茶色や茶色のマルチーズのミックス犬も存在しますが、マルチーズとしての純血種は白い被毛に覆われているものだけです。
●マルチーズの一般的な大きさ
マルチーズは25cm程度の体高。2.5キロ前後の体重が理想的と言われています。しかし、オスとメス、または個体差でも多少の前後はあります。
マルチーズはこんな性格!
基本的にマルチーズは飼い主さんに従順で愛情が深い性格の犬です。いつも側に寄り添ってくれ、飼い主さんの癒やしとなってくれることでしょう。
また、マルチーズの特徴は、その小柄な体型を活かした機敏な動きにもあります。マルチーズの性格はとっても活発で、見ていても飽きずに飼い主さんを楽しませてくれます。明るく外交的な性格でもあるので小さなお子さんがいるご家庭や、老人のお相手もできるくらい扱いやすい犬種です。
マルチーズだけでなく、しつけ方によって小型犬は性格がわがままになり、無駄吠えが多く、飼い主以外の人や他の動物に対して警戒心が非常に高いという性格でもあります。お客様が多くいらっしゃるご家庭では、小さなころからのマルチーズのしつけに注意が必要となってくるでしょう。どのようにしつけていくのかは、次の項目でご紹介しますので参考にしてください。
マルチーズを飼う時に気をつけたいこと
●マルチーズのしつけ方
マルチーズは、賢い犬ですがしつけ方によっては性格が荒い子になってしまうこともあります。賢いだけに、甘やかされて育つと自分が偉いと思って飼い主以外の人や動物に対して下に見てしまうのです。しかし、甘やかさないことさえ気をつければ、いたずらする事も少ない性格をしているので、しつけに苦労することは無いでしょう。
1.小さなうちから社会性を教える
2.甘やかしすぎない
3.叱らず褒めてしつける
この3点を注意してしつけていけば良いでしょう。しつけ方のコツは、怒らずにできるだけ穏やかな態度でマルチーズに接することです。叩いたりするのはしつけには問題外!マルチーズは「褒めて伸びるタイプ」と覚えておくとしつけもうまくいくでしょう。
甘やかして育ててしまったマルチーズは無駄吠えをする子もいます。無駄吠えはかまってほしくてするものです。マルチーズが吠えたとしても、反応しないようにすることで少しずつなおることもあります。大切なのは、マルチーズの思うように飼い主が動かないことです。
●マルチーズのケア方法
マルチーズと言えば、白くて長い毛です。このキレイな被毛を維持するためにケア方法にも一工夫してあげてください。
白い犬で汚れが目立つ部分が目の周り。目やにで色がついていると、キレイさが失われるだけでなく健康的にも大丈夫なのかしら?と心配になりますね。目やにを見つけたら、柔らかい布やガーゼでやさしく拭き取ってあげてください。
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肛門腺はスカンクのあのニオイと同じように肛門の脇にある臭いの出る線です。肛門嚢(こうもんのう)という袋のようなものにその臭いニオイを貯めます。昔は犬も外敵に対してこのニオイを発射して身を守ってきましたが、今ではほとんど使われることがなくなりました。中・大型犬なら排便の時に一緒に肛門腺から分泌された液を排出するのですが、肛門周りの筋肉の弱い小型犬はこの押し出す力が弱くここに液がたまってしまいトラブルの原因となります。飼い主さんが定期的にしぼってあげる必要があります。絞り方は肛門に対して斜めした両脇から親指と人差し指を使って優しく押し上げていく感じで絞ります。
マルチーズのケア方法では、シャンプーも大事です。
頻度としては2~3週間に1度、犬用のシャンプーを使ってキレイにしてあげてください。白い毛がキレイで特徴的なマルチーズ。いつでもキレイな状態にしてあげたいものですね。
●マルチーズに多い病気・こんなことに気をつけよう
いつも活発で元気いっぱいなマルチーズでも注意したい病気があります。
マルチーズの皮膚は人の1/3くらいの薄さと言われています。トラブルが多く注意したいのがマルチーズの皮膚疾患です。過度にシャンプーしすぎて逆に肌がシャンプーに負けてしまったり、皮膚にある良い菌もなくなってしまい逆に雑菌に弱い皮膚になってしまう場合もあります。シャンプーの頻度に注意すると共に、刺激の少ない食べ物を与えるなど食生活にも注意してあげてください。
皮膚に良いドッグフードの選び方は
・良質なタンパク質が含まれているもの
・添加物が少ないもの
この2点に注意しまょう。
マルチーズに多い病気として膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)というものもあります。これには先天性と後天性のものがあり、先天性の膝蓋骨脱臼はマルチーズなど小型犬に多く現れる病気です。後天性のものは、高いところからの転落、打撲などの外傷から発症します。体が小さいことから骨も細くもろいのがマルチーズの特徴です。やわらかいマットをしいて膝への負担を軽くするなど工夫してあげてください。もし、発症したら早めに外科手術をすることが必要ですので、早急に獣医を受診し相談しましょう。
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マルチーズの運動ですが、活発な犬だから散歩もたくさんしなきゃいけないかしら?と思いがちですが、あまり運動量は必要な犬ではありません。もちろん、散歩は必要ですが特別長い時間外を歩かせる必要はありません。極端な話ですが、室内の運動でもマルチーズには十分な運動量となります。散歩の目安は1日15分程度を2回も行えば十分です。
マルチーズを飼うならこんな環境で
クルクルの瞳、フワフワの被毛、小さな体…と、ぬいぐるみのような可愛らしさを持つマルチーズ。
社交的な性格から、世代を問わず多くの人に好かれる犬種。
マルチーズを家族に迎えたいと思う人も多いことでしょう。
いったいどんな環境で飼うのがおすすめなのでしょうか。
◎滑りにくい床素材に配慮する
小さい体のわりに、動きが機敏なマルチーズ。
床を走り回る、ソファーからジャンプするなど、家のなかでもかなりアクティブに動き回ることでしょう。
元気なマルチーズを見ているのは楽しいですが、ケガのリスクには注意が必要です。
転んだり、滑ったりすると関節に負担がかかって、骨折するかもしれません。
そこで、マルチーズが動く範囲内は、なるべく滑りにくい床材を用意するのがおすすめ。
カーペットやマットなどを敷くだけでもだいぶ衝撃が吸収されますが、ペット用の床材へリフォームするのもマルチーズの安全を守る方法のひとつです。
◎マルチーズ目線で部屋の温度管理をしよう
フワフワした被毛に包まれているので、暖かそうなイメージがあるマルチーズ。
「寒さに強そう」なんて思うかもしれませんね。
しかし、実は「寒がり」のマルチーズ。
フワフワと暖かそうな被毛はシングルコートなので、防寒の機能は実はありません。
冬になっても寒いと感じやすい傾向にあります。
また、夏の暑さも結構苦手な体質です。
ちょっと油断すると、室内でも熱中症になってしまうかもしれません。
温度や湿度に注意して、マルチーズが快適に思える空間を作ってあげましょう。
◎運動スペースを考えてあげよう
マルチーズは小型犬なので、大型犬のように極端に長い散歩は必要ありません。
「社会性を身に着けさせる」「気分転換のため」と、散歩は短く切り上げてもいいでしょう。
その代わり、室内遊びの環境を整えてあげるのがおすすめ。
飼い主さんと遊ぶときには、小型のマルチーズがスムーズに動けるように家具の配置に気をつけてあげます。
活発なのでちょっと目を離すとあちこちに動き回るかもしれません。
マルチーズが入り込んで見えなくなることがないように、死角となるスペースには注意が必要です。
◎部屋を清潔に保とう
マルチーズは、皮膚疾患にかかりやすい犬種です。
シャンプーやブラッシングで被毛と皮膚を清潔にするのはもちろん大事ですが、生活空間の清潔さをキープすることを忘れないようにしましょう。
ホコリやゴミが部屋のあちこちに溜まるのは衛生上よくありません。
ハウスダストが原因となって皮膚疾患が起こることもあるので、毎日の掃除はしっかりと行うのが大事です。
また、マルチーズが使うベッドや毛布、タオルも適度なタイミングで洗濯が必要です。
マルチーズの周囲は、常に「清潔」に保っていてくださいね。
マルチーズの値段
マルチーズを飼いたいなら気になるのは、そのお値段です。マルチーズを購入する時の相場としては、10万から25万円くらいとなっています。
マルチーズでも容姿が良いものは値段も上がります。また、親がコンテストで賞をとっていたり、海外からお嫁さんやお婿さんを迎えて繁殖させたマルチーズは値段もあがります。健康状態や、どのくらいの月齢で引き取るかによっても値段は変わってきます。
また、繁殖して子犬を産むことが出来ることから、オスよりもメスの方が値段が割高になる傾向もあります。
値段が安いからダメな犬というわけではありませんし、値段が高いものが全て良い犬というわけではありません。購入する場合は、信頼できるブリーダーやペットショップを選び、値段に見合ったマルチーズをお迎えしましょう。
まとめ
紀元前の地中海から広められ、イギリスの貴族を通して全世界にその可愛さを広げてきたマルチーズ。古く長い愛玩犬としての歴史がある犬であることがわかりましたね。純白のその姿に見合った高貴な犬と読んでもよいのではないでしょうか。
しつけはしやすいですが、子犬の時に甘やかしすぎるとわがままに育ち、無駄吠えや噛み癖がついてしまうこともあります。しつけのコツは叱らずに褒めること。小さな頃から、おだやかな口調でしっかりと上下関係を理解させていきましょう。
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