1.近づきすぎは要注意!ストーブの危険性とは
1-1.被毛・ひげの焦げや乾燥
1-2.火傷
1-3.低温やけど
1-4.一酸化炭素中毒
2.愛犬に安全にストーブを楽しんでもらう為の対策
2-1.ストーブに柵をつける
2-2.目を離しっぱなしにしない
2-3.ベッドを近くに置きすぎない
2-4.定期的な換気
3.安全に使えるあったかグッズをご紹介
3-1.ペットヒーター
3-2.冬用ベッド
3-3.毛布、マット
3-4.湯たんぽ
【掲載:2017.12.10 更新:2024.01.22】
近づきすぎは要注意!ストーブの危険性とは
寒さに強いと思われがちな犬ですが、あたたかいところは大好きです。
この時期になるとストーブの前を陣取ろうとする犬が多くなりますが、あまりの近さに不安を覚える飼い主さんも多いのではないでしょうか。
ストーブにも薪ストーブや石油ストーブなど様々なものがありますし、暖房器具としてはファンヒーターなどもありますが犬が暖房器具に近づく上でのリスクというものは共通してあります。
まずは犬がストーブに近づいたり長居する事によって、どのような危険性があるのか、ご紹介します。
◆被毛・ひげの焦げや乾燥
犬は基本的に被毛があるため、飼い主さんが熱いと感じる距離でも熱さを感じにくいとされています。
実際にストーブが好きな犬たちは、かなり近い距離までストーブに近づいてしまっているケースが多いですが、ストーブと近い距離のまま過ごしていたり、ストーブに被毛などが触れた時には、その被毛やひげが焦げることがあります。
焦げる程度で留まらず燃えてしまうことはなかなかありませんが、フワフワとした犬種などには絶対にないとも断言できませんので、注意が必要です。
また、被毛が焦げてしまうほど近くにいたり長時間過ごしている時には、皮膚も過剰に乾燥してしまっている可能性があります。
犬の皮膚は元々人の約1/3程度の厚みしかなく、とてもデリケートであり、皮膚が乾燥することでフケや体の痒みの原因となることもあります。
◆火傷
被毛やひげが焦げてしまうように、熱によるケガとして、火傷もあげられます。
熱いストーブを舐めたり触ったりするケースは稀ですが、鼻が当たってしまうなどの不意な火傷のリスクが考えられます。
◆低温やけど
低温やけどとは、前述した高温による火傷と違い、44℃~50℃前後のものに数分から数時間にわたって触れることで起こる火傷です。
本来は皮膚が直接当たる場合に起こることですが、犬のように被毛が沢山生えていたとしても低温やけどのリスクはあります。
低温やけどは見た目には分かりにくいですが、火傷の中でも重症であるⅢ度熱傷を引き起こします。
Ⅲ度熱傷は皮膚の表面だけでは無く、皮下組織にまで被害が及び、皮膚組織全てが破壊されるため回復が難しい事が多いです。
最悪の場合皮膚移植などが必要になりますが、犬や猫の場合全身麻酔での手術になりますし、小柄な体格を考慮しても大手術となってしまうことが多いです。
◆一酸化炭素中毒
犬だけに限らず、人間も気をつけなければいけないのが一酸化炭素中毒です。
こちらはストーブの中でも限られたものになりますが、灯油ストーブを使用する際は必ず換気が必要です。
灯油ストーブは気化したガスが酸素の不足により不完全燃焼すると、一酸化炭素を発生させてしまいます。
一酸化炭素を多く吸い込んでしまうと、血液の中のヘモグロビンと吸着して、全身に酸素を運ぶことができなくなり、一酸化炭素中毒になります。
身体の大きさが異なるため、人間よりも犬・猫の方が少ない量で一酸化炭素中毒を起こすため注意が必要です。
一酸化炭素中毒になると、意識障害や昏睡状態を引き起こし、最悪の場合は死に至ります。
定期的に換気し、部屋の空気を入れ替えることで部屋の一酸化炭素濃度を下げ、一酸化炭素中毒を防ぐ事が出来ます。暖房器具を使用する際には換気に十分注意する様にしましょう。
愛犬に安全にストーブを楽しんでもらう為の対策
それでは愛犬に安全にストーブを楽しんでもらう為に出来ることとはなにがあるでしょうか。
◆ストーブに柵をつける
赤ちゃん用品店や量販店、ネットショップなどでストーブを囲う柵を購入して設置すると、犬や猫などのペットが物理的にストーブに近づけなくなりますので被毛が焦げるのを防ぐことができます。使っていない犬用サークル(ケージ)でも代用可能です。
安く済ませたい場合には、100円均一のワイヤーネットにジョイント金具や結束バンドを組み合わせて簡易サークルを作っても構いません。
◆目を離しっぱなしにしない
ストーブの使用中は、ワンちゃんからあまり目を離さないようにしましょう。
あまりにも近づこうとしたり、動かない様子の時には、ストーブのスイッチを切ったり飼い主さんが愛犬を少し移動させてストーブから遠ざけると安心ですね。
長時間その場を離れる場合には、ストーブは消して、ペット用の暖房器具を用意してあげましょう。
◆ベッドを近くに置きすぎない
愛犬がくつろげるスペースを、ついストーブの近くに用意していませんか?
ワンちゃんのベッドは布製のものが多いので、ストーブに近づきすぎると燃えてしまう可能性があります。
近づきすぎるから少し話したところにベッドを置いてみる…などは構いませんが、愛犬がストーブの前から動かないからと言って、そこに合わせてくつろぐスペースを用意するのは絶対にNGです。
◆定期的な換気や湿度の管理
灯油ストーブを使用する際には、1時間に1・2回、数分間の換気を行うことが推奨されています。
酸素の不足により、一酸化炭素が溜まってしまうと危険ですので、必ず定期的な換気をするよう心掛けてください。
また、その他ストーブやヒーターなどを使用する際には部屋の湿度にも少し気を遣ってあげられると良いでしょう。
前述しましたが、犬にとって乾燥は大敵です。
部屋の湿度が高くなるほど体感温度も上がりますので、加湿器なども導入して乾燥しすぎない環境を作ってあげるとよいですね。
安全に使えるあったかグッズをご紹介
ストーブの使用が出来なかったり、危ないなと感じた時には、ペット用の暖房器具を導入してあげるのがおすすめです。
ペット向けに作られた商品ですので、丁度よい暖かさと商品の構造により、ストーブに比べて安全性が高いです。
◆ペットヒーター
犬や猫などのペットに特化したペット用ヒーターは、安全に使用することができるため、おすすめの暖房器具です。
コードは噛まれても取り換えが可能になっています。
動物病院でも手術後の体温管理などに使われています。
◆冬用ベッド
冬用のあったか素材のベッドは、入っているだけでぽかぽか暖かく冬におすすめのグッズです。
電気などを使用しないため、安心して使用することができます。
おすすめは屋根がついているタイプです。
寒ければ中に、さほどでもなければ屋根を潰して上に乗る、など2パターンで使用することが出来るため、犬や猫などのペットが自分で調節して使用することができます。
◆毛布、マット
犬や猫などのペットのケージやベッドに毛布を一枚入れてあげる事も、安全かつ暖かいため試したい方法です。
ボア素材や薄くて軽い、マイクロファイバー製毛布などが心地よくおすすめです。
◆湯たんぽ
電源を取らずに使えるので、配線をカミカミするのが好きな子などに嬉しい商品です。
ベッドに置いたり、愛犬の近くに置くことでじんわりとした暖かさを感じて貰えます。
人用のゆたんぽやペットボトルにお湯を入れタオルを巻いた簡易湯たんぽも使用できますが、乗ったりすることは出来ないので目を離さないようにしてあげてください。
タオルがずれない様に、ワゴムなどで固定するとより安心です。
まとめ
今回はストーブ利用での犬・猫などペットのトラブルや、安心して使う事のできるあったかグッズについてご紹介しました。
寒いと、どんどん温度を上げ、人間が快適に過ごせるようにしてしまう方が多いですが、人間よりも身体の小さい犬や猫などのペットのことを考えることが大切です。
設定温度に気を付けたり、危険防止策を取ることで危険は未然に防ぐことができます。
冬の暖房について、種類を知り、是非活用してくださいね。
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