犬にドライヤーを使うときの注意点と嫌がらない裏技

2020.05.28

犬にドライヤーを使うときの注意点と嫌がらない裏技

犬の体を洗った後のドライヤーを嫌がるワンちゃんは多いですが自然乾燥だと風邪を引いたり、皮膚が不健康になったりといいことはありません。 今回は「何でドライヤーを嫌がるのか?」という理由を正しく知ること、愛犬の負担にならないドライヤーの使い方や裏ワザ的なコツをお伝えしていきたいと思います。

【目次】
1.犬がドライヤーを拒否する理由って?
 1-1.ドライヤーの温度が熱く感じる
 1-2.音でビックリする
 1-3.風が怖い

2.ドライヤーを使うときに気をつけたい注意点
 2-1.ドライヤーの前に水分を絞る
 2-2.半乾きはNG
 2-3.温度確認をしながら乾かす
 2-4.同じ位置にずっと温風を当てない
 2-5.犬とドライヤーの距離は「30㎝以上」が理想
 2-6.ドライヤー以外のアイテムも使う

3.こうすれば大丈夫かも!?犬がドライヤーを嫌がらない方法
 3-1.ドライヤーを見えない位置からかけてみる
 3-2.音にだんだん慣らしてみる
 3-3.普段からドライヤーをチラつかせる
 3-4.冷風からだんだん慣らしていく
 3-5.ご褒美作戦で「ドライヤー」を克服
 3-6.犬が反抗できない場所を使ってやってみる
 3-7.ペット用のドライヤーを使ってみる

4.愛犬にドライヤーを使う時のまとめ

【掲載:2018.04.23  更新:2020.05.28】

犬がドライヤーを拒否する理由って?

犬 ドライヤー

ドライヤーを嫌がる犬は結構多いものですが、理由は次の3つのパターンが多いです。

◆ドライヤーの温度が熱く感じる

多くの飼い主さんは人間用のドライヤーを使って愛犬の被毛を乾かしてあげているかと思います。
毎日のように自分の髪に使っていると熱さに鈍感になっているかもしれませんが、「人間用」のドライヤーは、吹き出し口の温度は80℃近くになるほどかなり高温なのです。
そのため、近い距離で温風を当て続けると犬にとっては熱く、それが嫌がる理由になっているのでしょう。

「早く乾かすために強風にする」「同じ位置にずっと温風を当てる」「犬とドライヤーの距離が近い」などなら、なおさら犬は「熱くてツラい」という状況になってしまうのです。

◆音でビックリする

人間は、毎日ドライヤーを使っているので、ドライヤーの音を聞き慣れています。
しかし、人間が聞こえない音まで聞こえる耳の良さを持つ犬にとっては、ドライヤーのゴーゴーという音は「不快な音」
人間とは聞こえ方も違うので、人間が聞こえているドライヤー音よりもかなりうるさく聞こえているのかもしれません。
ドライヤーの「弱・強」とあれば、どちらを使っても犬たちは「不快」「怖い」と思っているでしょう。
飼い主さんが「素早く乾かそう」と強モードでドライヤーを使う習慣があると、かなり嫌な音と感じているのではないでしょうか。

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犬は人間よりもはるかに耳が良いことは知っていますよね。 その聴覚は人間の約4~6倍ともいわれているほど! 人間に聞こえない音をいつも聞いているなんて、どんな世界なのだろうと何だか不思議な感じですよね。 では、犬が人間よりも敏感な「音」ですが、どんな音が好きでどんな音が嫌いかはご存知でしょうか。 犬の好き嫌いの音を利用して行うしつけもありますよ。 ぜひ参考にしてみてくださいね。

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◆風が怖い

ドライヤーの風は、小さな吹き出し口部分から犬に向かって急速に吹きます。

犬との楽しい散歩で「爽やかに感じる自然の風」とは全く違う種類のものですよね。
しかも、乾かすために部分的に顔からあてられることもあり、それが目や耳へと直接当たるので、犬たちにとってはかなり嫌なもののようです。


ドライヤーを使うときに気をつけたい注意点

ドライヤー嫌いな犬にとって「魔の時間」にもなっているドライヤータイム。
これ以上、ドライヤーがトラウマにならないように次のような点に注意してみてくださいね。

◆ドライヤーの前に水分を絞る

ドライヤーを嫌がる犬にとって、時間が長いことは辛いこと…。
その間、ずっとストレスがかかりますし、時間が長いほど皮膚や被毛へのダメージにもなるのです。
なるべく短時間で済ますため、ドライヤー前に「水分」を取り除く作業をするようにしましょう。
長い毛の犬種なら、シャンプー後に手で絞るように水分を取り除いてみてくださいね。
短い毛のタイプの犬種でも、体や足を撫でるように水をカットしましょう。

そして、その後にはタオルで水気を取り、しっかりタオルドライすることが大事。
普通のタオルだと吸収力が弱く、ちょっと撫でただけでは全く水分が取れないこともあるかと思います。
犬の体の水分を素早く取り除けるように吸収力が高い素材のタオルを購入するといいでしょう。
大きさにもよりますが、1000円前後から買うことができますし、何度も使えます。

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ドライヤー時間の短縮にも繋がるので、1つ持っていれば、愛犬のドライヤー嫌いを克服できる裏ワザとなること間違いないでしょう。

◆半乾きはNG

犬にドライヤーの強風をかけ続けるのも負担ですし、だからと言って弱風で乾かそうとしても時間ばかりがかかってしまいますよね。
そこで、「ちょっと乾かして後は自然に乾くだろう」と放置するケースもあるでしょう。
しかし、半乾きは被毛と皮膚の間の水分から菌が増え、皮膚が炎症を起こす原因にもなりかねません。
「愛犬のため」とドライヤー時間を早めに切り上げたとしても、後から皮膚病で辛い思いをさせるのはかわいそうなことですよね。
しっかり乾かすようにしましょう。

◆温度確認をしながら乾かす

人間が短時間で髪を乾かすときには、多くの人が温風の「強風」モードでドライヤーを使用するでしょう。
しかし、「熱い風」に弱い犬に強風を当て続けるのは、さらにドライヤー嫌いにさせる原因にもなります。
飼い主さんの手をドライヤーの吹き出し口に近づけ、「熱くないかな」と温度を確認しながら使ってみてくださいね。
いきなり「温風の強風」をずっと当て続けるとそれがトラウマになるので気をつけましょう。

◆同じ位置にずっと温風を当てない

犬の体の同じ位置に熱風が当たるとさらに熱く感じます。
ドライヤーを使うときには、動かしながら同じ位置に当てないように心がけてみてください。
飼い主さん自身も自分の髪を乾かすときに、ドライヤーを左右に動かしながら利用する人がほとんどですよね。
そんな感じで、愛犬の被毛を乾かすときも「位置を変えながら」を意識してみてください。

◆犬とドライヤーの距離は「30㎝以上」が理想

人間用の髪を乾かすためのドライヤーは、温度が80℃以上になる風が出てきます。
風は近いほど「熱い!」です。

早く乾かしたい気持ちから皮膚から数センチ程度まで近づけてドライヤーを当てると、犬にとっては「不快」よりも「熱くて辛い」気持ちの方が強くなります。
犬自身が「温かいな~」とうっとりするくらいの温度が保てるように、30㎝以上は離した距離から優しい温風を当ててくださいね。

◆ドライヤー以外のアイテムも使う

シャンプーによって不要な毛が「抜け毛」となり、濡れた状態のまま皮膚に密着しています。
そのため、単にドライヤーの風を当てているだけだと毛がもつれてきてしまいます。

抜け毛をサッと取りながら、毛がもつれないようにするにはドライヤーで乾かすときにスリッカーブラシやラバーブラシ、コームなど犬の毛の長さに応じたアイテムを使うのがコツです。
毛のなかに空気が入りやすくなり、乾燥時間の短縮にもなるでしょう。

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こうすれば大丈夫かも!?犬がドライヤーを嫌がらない方法

ドライヤー

ドライヤーが苦手な犬のために、ドライヤーが克服できそうな方法をいくつか紹介していきます。

◆ドライヤーを見えない位置からかけてみる

顔の前方からドライヤーの風が当てられるのを嫌う犬は多いです。
目や耳に熱風が当たるのが気になるのかもしれませんね。
それがトラウマになっていることも多いので、犬の視界に入らないように「背中側からドライヤーを当てる」ようにしてみるのもいいでしょう。

◆音にだんだん慣らしてみる

「ドライヤーの音が怖い」という犬の場合、まずはドライヤーの音に慣れさせることが大事です。
シャンプーのとき以外でもドライヤーの音が聞こえるように、飼い主さんが使うときに愛犬の近くでドライヤーを使ってみるのもおすすめです。

毎日、ドライヤーの音を聞かせてあげると「月に数回しか聞かなかった不思議で怖い音」が「毎日のように飼い主さんの方から聞こえる聞き慣れた音」に変化してくれるかと思います。
「音を嫌がっている」という犬なら、こうした対策も結構効果がありますよ。

◆普段からドライヤーをチラつかせる

見慣れていないドライヤーだから怖がるという理由もあります。
「ゴーゴーという不快な音」「辛いだけの熱い風」と、犬たちはシャンプーのときしか見かけないドライヤーにはいいイメージを持っていないのでしょう。

そこで、飼い主さんが使っている姿をワンちゃんに見せるなど普段からドライヤーを見せるようにするのも対策のうちのひとつです。
「悪いものじゃないんだ」と分かるようになるかもしれませんね。

◆冷風からだんだん慣らしていく

できるだけ温度を低めにすれば、「熱風嫌いなワンちゃん」にも安心です。
冷風から慣れさせるというのもおすすめの方法です。
冷風と言っても極端に冷たいわけではありませんが「寒そうだな」と思う冬場には、部屋の暖房を温かめに設定しておくといいでしょう。

最終的には熱い風に慣れさせることが目的なので、「冷風→温風の弱風→冷風→温風の弱風」とこまめに切り替えしながら乾かしてあげます。

また、犬とドライヤーの距離が近すぎるほど「熱い!」と嫌がるので、「冷風と温風の切り替えで慣らす」という練習だとしても、犬の体にドライヤーを近づけすぎないように十分に注意してくださいね。

◆ご褒美作戦で「ドライヤー」を克服

「怖い時間」「嫌なもの」と思っている犬視点で考えると、ドライヤーの時間は「自分は頑張っている、耐えている」という感じかもしれません。
そんな辛い時間を少しでも和らげるのが「ご褒美作戦」です。

ドライヤーが終わったら、いつもオヤツをあげるなど犬が喜ぶパターンにするといいですね。
「ドライヤーは嫌なもの→でも終わったら大好きなオヤツがもらえる」と犬の気持ちを「好き」に変化させることができるでしょう。

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また、ご褒美だけでなく、飼い主さんの「声掛け」も効果があります。
ドライヤーを使っている間は、「おりこうさんだね」「大丈夫だからね」と優しい声で安心させるのも良いでしょう。

◆犬が反抗できない場所を使ってやってみる

ソファーの上、カーペットの上など、ドライヤーをかける場所にしているのは、それぞれの家庭でいろいろなパターンがあるかもしれません。
ただ、ワンちゃんが自由に動ける場所でドライヤーを使うと「止めて!!」と逃げたり、「イヤ!」と暴れたりすることもあるのではないでしょうか。
そこで、犬が自由に動けないような高い場所でドライヤーを使うのもおすすめです。
ペットサロンでワンちゃん達がドライヤーを嫌がらないのは、「逃げられない」という高い場所という状況が無抵抗にさせているのかもしれませんね。
ペットサロンのようなトリミングテーブルの代わりになるような高い場所を利用して一度チャレンジしてみてもいいでしょう。
ただ、落ちてしまうと大変なので、リードをつけて落ちないようにするなど十分に配慮してくださいね。

また、市販で1万円前後から簡易的なトリミングテーブルを買うこともできます。
これならば、リードを繋ぐ部分も設置されているのでドライヤーをかける作業がスムーズに進むでしょう。

多くのワンちゃんは、ふだん家では登らないような高い位置でおとなしくしてくれると思いますよ。

◆ペット用のドライヤーを使ってみる

人間のドライヤーと違って、「ワンちゃんの被毛を優しく乾かす」という目的のもと作られている犬の気持ちに沿って作られた犬用ドライヤーを使うのもおすすめです。

温度が低温なので、犬の皮膚には安全です。
犬がトラウマになるような熱過ぎる風が出てこないのが安心ポイントですね。
スタンドタイプもあるので乾かす作業が楽ちんになるでしょう。

人間用のドライヤーだと、「片手でドライヤー、片手でブラシ」と両手がふさがって、犬の急な動きに対応できないことが多かったのではないでしょうか。
「ドライヤーで暴れる」という犬には、犬用のスタンドタイプのドライヤーならかなり便利です。

それに、犬用のものは「音」が優しく作られているので、犬が不快と感じる周波数はありません。
「なんだ!この音は!」と犬がビックリすることも少ないでしょう。

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使いやすさを追求した、両手が使えるドライヤー。
・両手が使えるスタンド式。
・3段階に角度調節可能。(上向き30°、水平、下向き30°)
・乾かしながらでも切り替え簡単。温度を切り替えても、風量は変わらずそのまま。

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愛犬にドライヤーを使う時のまとめ

犬達の多くは、ドライヤーから出る風や音に不快なものを感じ取っているので、なかなか克服するのは難しいかもしれませんね。
だからと言って、シャンプー後に自然乾燥だと被毛や皮膚へのダメージに繋がってかわいそうです。

ドライヤーを苦手なものから克服するためには、「ドライヤー前にタオルドライする」「冷風から慣らしてみる」「ご褒美を与えてみる」など、早速試してみる価値ありの方法がたくさんあります。
犬にとっての辛い時間が、少しでも嬉しい時間となるように飼い主さんの方でも優しく声掛けをしながら試してみてはいかがでしょうか。

犬の気持ちに寄り添っていろいろと対策することで、温かい風に包まれるドライヤーの時間が「心地よい時間」に変化し、ドライヤー嫌いが克服できる時がくるかもしれませんね。



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笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!

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