1.犬は寝言をいうの?いびきをかくの?
2.犬のいびきの理由とは?
2-1.犬のいびきの理由①生まれつきの体質
2-2.犬のいびきの理由②生活習慣や体型
2-3.犬のいびきの理由③生活環境
2-4.犬のいびきの理由④犬種による差
2-5.犬のいびきの理由⑤病気の可能性
3.犬の寝言やいびきは病気の可能性がある?
3-1.いびきの原因は病気にある?!
3-2.睡眠中の動作が気になる場合も注意!
4.犬の寝言の理由とは?
4-1.レム睡眠とノンレム睡眠
4-2.犬の睡眠はレム睡眠が多い
4-3.寝言はレム睡眠の所為?
5.寝ている時に走るような仕草をするのはなぜ?
5-1.寝ながら起こす犬の行動
5-2.犬も夢を見ている?
6.犬の寝相から分かる犬の気持ちとは?
6-1.犬の寝相①うつ伏せ
6-2.犬の寝相②丸くなっている
6-3.犬の寝相③横向き
6-4.犬の寝相④仰向け
【掲載:2018.07.28 更新:2021.04.12】
犬は寝言をいうの?いびきをかくの?
ぐっすり眠っていると思っていた犬が突然吠えたり、鳴いたりする場面を見たことはありますか?中にはそのような動作を見たことのない飼い主さんもいるかもしれませんが、これは犬にとって特に珍しいことではありません。
また、寝言とは別にいびきをかくことも実際にあります。寝言に比べると、こちらの方が頻度は高いかもしれません。
いびきに関しては犬種による差もあるので、いびきをかきやすいとされる犬種の飼い主さんにとっては、日常的な動作として捉えられているでしょう。
しかも、成犬であれば1日の平均睡眠時間が12時間から18時間程だといわれています。人間よりもはるかに睡眠時間は長いですよね。
このため、飼い主さんが愛犬の眠っている様子を目にすることは多く、寝言やいびきをかいている場面に遭遇することも珍しくないのです。
犬のいびきの理由とは?
寝言の他に、いびきをかく犬も沢山います。このいびきの原因には、様々な理由が考えられます。
犬も人間同様、呼吸をするときに鼻や口から空気が入ります。そして空気は喉・気管を通って肺に達します。この空気の通り道が狭くなると、空気が振動するするためにいびきとして現れるのです。
犬がいびきをかく主な理由を紹介しましょう。
◆犬のいびきの理由①生まれつきの体質
軟口蓋という器官が生まれつき長い個体は、呼吸をするたびに空気が振動するため、いびきをかきやすいといわれています。
◆犬のいびきの理由②生活習慣や体型
肥満体型で首の周りに脂肪がついていると気道が圧迫されるため、いびきの原因となります。
◆犬のいびきの理由③生活環境
筋肉を緩める副作用を持つ薬を与えている場合にも、いびきをかきやすくなります。
また、タバコの影響も考えられます。煙草の煙は鼻の粘膜を傷付ける刺激物であるため、鼻は粘膜を守ろうと鼻水を出し、これが原因ともなります。
◆犬のいびきの理由④犬種による差
鼻が潰れたような構造である短頭犬種は、いびきをかきやすい犬種といえます。これは鼻が潰れていることで、空気が通りにくい構造となっているためです。
パグ、シーズー、ブルドッグ、ペキニーズ、ボストンテリアなどが、この短頭犬種にあたります。
また、体の小さいトイ種にもいびきをかく傾向があるそうです。これは鼻から肺までの距離が短いため、鼻道が曲がっていることが原因です。
更に、ラブラドールレトリーバー、ゴールデンレトリーバー、セントバーナード、ニューファンドランドなどの、唇の垂れたタイプの大型犬もいびきをかきやすい犬種とえいます。鼻と喉の間にある軟口蓋が、生まれつき大きい場合によくみられるようです。
◆犬のいびきの理由⑤病気の可能性
いびきの状態によっては、そこに病気が潜んでいるかもしれません。詳しくは後述しますのでチェックしてみてください。
寝言やいびきの程度は個体によって様々です。睡眠中の動作が気になるようであれば、一度病院へ行くことをお勧めします。
いびきの場合は、軟口蓋切除手術や鼻孔形成術などの手術を用いて改善する方法もあります。
しかし、いずれにも全身麻酔を要するので、手術が必要かどうかは獣医さんとよく相談してください。
犬の寝言やいびきは病気の可能性がある?
寝言による鳴き声が辛そうに聞こえたり、いびきが苦しそうに感じる場合、心配になる飼い主さんも沢山いるでしょう。
人間であれば、過剰な寝言や歯ぎしりなどの原因がストレスにあるケースがあります。もしかして、愛犬もストレスを抱えているのか…と、不安に思ってしまうかもしれません。
しかし、犬の場合、寝言やいびきはストレスが原因となっているわけではありません。犬のストレスは基本的に、起きている状態で現れます。その背景には、ストレスではなく病気が潜んでいる可能性があるのです。
◆いびきの原因は病気にある?!
いびきが軽いものであれば、それは犬種特有のものであったり、体質・体型などが関係しているケースがほとんどです。
しかし、「突然いびきをかくようになった」「いびきがうるさくなった」という変化が起きた場合には、病気の可能性が考えられます。気管・鼻・喉などに何らかの異常が起き、それがいびきとして表れるケースがあるのです。
いびきの原因となる病気には、アレルギー・風邪・軟口蓋過長症・気管虚脱などが挙げられます。
軟口蓋過長症は、軟口蓋という喉の奥にある柔らかい部分が伸びることで、気管を塞いでしまう病気、気管虚脱は気管が狭くなってしまう病気です。いずれも、悪化すると呼吸困難を招く恐ろしい病気なのです。
愛犬のいびきが気になる場合は、一度、病院で相談してみましょう。いびきを動画で撮っておくと、獣医さんも適切な診断を出しやすいですよ。
◆睡眠中の動作が気になる場合も注意!
いびきの他にも、睡眠中の動作が気になる場合は、早めに獣医さんに相談することをお勧めします。
例えば、睡眠中に激しい動きをみせたり、それを何度も繰り返す、動きが長時間に渡るなどの様子がみられる場合は、脳腫瘍など脳の病気である可能性があります。
また、脳に異常がなくとも、病的に身体が動いてしまうてんかんである疑いも考えられるでしょう。
これらの場合も、愛犬の睡眠中の動作を動画に収めるなどして、獣医さんに相談することをお勧めします。
犬の寝言の理由とは?
◆レム睡眠とノンレム睡眠
睡眠の種類には、レム睡眠とノンレム睡眠があります。
レム睡眠は、体は寝ているのに脳が起きている状態で、人間が夢をみるのはこの睡眠状態の時です。逆にノンレム睡眠は、体も脳も眠っていて、ぐっすりと熟睡している状態のことをいいます。
人間の場合、この睡眠のパターンを90分のサイクルで繰り返すことが分かっていますが、犬の場合のサイクルは判明していません。
しかし、犬にも同様にレム睡眠とノンレム睡眠の状態が存在するという説があります。
◆犬の睡眠はレム睡眠が多い
犬の場合、人間よりも睡眠時間の合計は長いのですが、こまめに何度も睡眠をとるという点から、レム睡眠の状態であることが多いということになります。
これは野生時代の名残であり、犬本来の習性です。
野生での生活では、外敵への素早い反応が鍵となりますよね。熟睡時間が長ければ、容易に外敵からの攻撃にあってしまいます。
このため、寝ている間もすぐに反応できるように、睡眠の大半がレム睡眠となるのです。
◆寝言はレム睡眠の所為?
レム睡眠の状態が長いとなると、人間でいえば夢をみる機会が多いということになりますよね。
残念ながら、犬の場合は睡眠中に夢をみるという事実は科学的には立証されていません。
しかし、眠りながらワンっと吠えたり、キュンキュンと鳴き声を上げる姿が実際にみられることから、夢を見ているのかな?という想像がつきます。
人間は寝ている間に記憶や感情の整理をしている、という話を聞いたことはありますか?犬も同様に、寝ながらその日にあった出来事を思い返したり、記憶の整理をしているのかもしれません。
実際に、他の犬と会った日や出掛けて沢山遊んだり興奮した日に寝言をよくいう、という子もいるそうです。
寝ている時に走るような仕草をするのはなぜ?
◆寝ながら起こす犬の行動
寝言やいびきの他にも、睡眠中に行う動作があります。実際に体を動かしたり、不思議な寝相で寝ていたりと、これも個体によって様々でしょう。
寝ながら尻尾を振る、身体をピクピクと動かす、走るような仕草をする、などがよくみられる動作の例です。
◆犬も夢を見ている?
犬が夢をみるという事実は立証されてはいませんが、レム睡眠で浅い眠りが多いことからも、夢を見ていてそれが行動に出ている可能性は考えられます。
尻尾を振っていれば、夢の中で嬉しこと・楽しいことをしている、走るような仕草をしていれば、広い草原やドッグランなどで思いっきり走る夢をみている、などという想像をほとんどの飼い主さんがしているのではないでしょうか。
動きが痙攣などであれば病気が疑われますが、軽い寝言やすぐに動きが止まるようであれば、途中で起こしたりせずに、その微笑ましい光景を眺めていましょう。
犬の寝相から分かる犬の気持ちとは?
睡眠中の動きも色々ありますが、寝相にも様々な姿勢がみられます。苦しくないの?と飼い主さんが、心配になるような態勢で寝ている場合もあるのではないでしょうか。
実はこの寝相から、愛犬の安眠度を予想することができるのです。
◆犬の寝相①うつ伏せ
体温を逃がさないように腹部を地面に付け、前足を伸ばして眠る最も基本的な寝相です。周囲の変化に対応できるよう、素早く動き出せる態勢なので、比較的眠りが浅いといえます。
◆犬の寝相②丸くなっている
犬には元々、穴を掘ってその中で丸まって寝るという習性があり、この態勢は、比較的落ち着いている状態を示しています。
また、寒い時に体温を保持するため丸くなっている場合もあるので、室温が低かったり寒い日であれば、心地よく眠れるように工夫してあげましょう。
◆の寝相③横向き
身体の側面を下にする寝方で、犬にとっては楽で安眠できている寝相です。体温を逃がす寝相でもあるので、暑い日にもよくみられます。
◆犬の寝相④仰向け
急所である腹部を見せて寝る仰向けは、安眠度MAXでリラックスしている寝相です。最も無防備な態勢であり、へそ天とも呼ばれていますね。
愛犬の寝ている様を観察すると、新しい側面に出会えたり、早急に異常に気付ける場合もあります。是非、寝ている姿に注目してみてください。
犬の寝言・いびきのまとめ
愛犬が寝ながら動き出すと驚くかもしれませんが、素敵な夢をみている最中かもしれません。異常が感じられなければ、睡眠を妨げずにゆっくりと眠らせてあげましょう。
また、寝言やいびきに関しても、軽いものであれば微笑ましい姿として眺めていても問題ありません。
しかし、あまりに激しい・苦しそうだと感じるのであれば、早めに病院で診てもらってくださいね。
– おすすめ記事 –
・老後に犬を飼うメリットは?飼う前に確認しておきたいことまとめ。 |
・【獣医師監修】犬の外耳炎とは?かかりやすい犬種は?症状・原因を知って予防しよう |
・パピヨンの魅力はどんなところ?気になる性格・価格・しつけ方法もご紹介 |
・愛犬にリングドッグをしてもらう!ポイントや注意点、準備など! |