1.マイクロチップって何?
1-1.犬用マイクロチップとは?
1-2.犬用マイクロチップの使い方は?
1-3.犬猫へのマイクロチップの装着が義務化
2.マイクロチップはどんな時に役に立つ?
2-1.迷い犬になった時
2-2.事故にあった時
2-3.地震や水害などの災害時
3.マイクロチップのデメリットは?
3-1.読み込めないことがある
3-2.読み込めないことがある
3-3.副作用の心配
3-4.GPSでは無い
4.マイクロチップを入れる方法は?
4-1.マイクロチップを埋め込む位置は?
4-2.マイクロチップの費用は?
4-3.どのくらいの期間使える?
4-4.犬のマイクロチップ装着には助成がある?
5.マイクロチップを使用する際の注意点
5-1.狂犬病の自治体への登録とマイクロチップ登録は別物
5-2.データの更新が必要となる
【掲載:2019.06.12 更新:2021.11.16】
マイクロチップって何?
マイクロチップとは、直径2ミリ、長さ8から12ミリ程度の円柱状の小片(チップ)のことです。シリコン単結晶などからできている半導体チップの表面や内部に、さまざまなデータの詰まった集積回路が組み込まれています。
このチップは、高速道路のETCやJR東日本のSuicaなどの交通機関のタッチ式ICカードにも利用されています。
◆犬用マイクロチップとは?
ペット用のマイクロチップは、1986年頃から海外で使用されはじめました。日本では1997年から徐々に使用され、動物愛護管理法で、所有する犬や猫に対してマイクロチップを装着することが推奨されています。
また、トラやワニなどの危険だと判断される特定動物に関しては、マイクロチップの埋め込みが義務付けられています。
マイクロチップには、飼い主情報(氏名、電話番号、緊急連絡先、FAX番号、Eメールアドレスなど)、動物情報(名前、犬種、生年月日、性別など)が登録され、犬が迷子になった時や災害の時などの個体識別に役立てられます。
◆犬用マイクロチップの使い方は?
犬の体内に埋め込んだマイクロチップには、15桁の番号が記録されています。この15桁の番号は、世界で唯一の番号になるため、他のチップと混同されることはありません。そのため、確実な犬の個体識別が可能です。
犬にチップを埋め込んだ際には、日本獣医師会や日本愛護協会、日本動物福祉協会、日本愛玩動物協会からなるAIPO(AniAnimal ID Promotion Organization:動物ID普及推進会議)への登録が必要です。
犬に埋め込んだチップの読み込みは、専用の読み取り機(マイクロチップリーダー)を使い、リーダーで読み込んだ番号をAIPOのデータベースに照合して、個体を識別することができます。
◆犬猫へのマイクロチップの装着が義務化
ブリーダーや販売店など、犬や猫の販売業者に対し、マイクロチップの装着と所有者情報の環境相への届け出を義務付けることなどが盛り込まれた改正動物愛護法が12日、参院本会議で全会一致で可決、成立しました。
一方で、現在飼われている犬や猫への装着は努力義務とされています。
マイクロチップは飼い主がペットを安易に捨てることを防いだり、災害などで迷子になったペットを見つけるときに役に立ちます。
マイクロチップ装着の義務化は2022年6月1日からとなります。
マイクロチップはどんな時に役に立つ?
犬や猫のマイクロチップが役に立つのは、個体の識別をしなくてはいけない時です。それはどんな時があるのか、確認してみましょう。
◆迷い犬になった時
迷い犬防止のために、IDドッグタグや犬鑑札を装着させている方も多いですが、犬が迷っている間にそれを紛失や破損、脱着させてしまう可能性もあります。
体内に埋め込むことのできるチップは、その心配が無いため、個体識別をして身元確認することが可能になります。
◆事故にあった時
事故に遭い、つけていた迷子札などが破損していることがあります。また、飼い主が近くにいない場合にどの家のどの犬が事故にあったのかわからず、困ってしまう目撃者も多いです。
そのため、個体識別ができるチップの埋込は身元確認がスムーズに出来るというメリットがあります。
◆地震や水害などの災害時
災害の際には、犬は迷子札の破損などで身元不明になることが多いです。災害の状況によっては、怪我をしていたり、泥だらけになっていたりと、いつもと様相が違うことも多々あります。
また、避難所などでは犬専用のスペースなどにまとめられてしまうことも多く、どの犬がどの家の犬か、判別が即座につかないことが多いです。
そのため、体内に埋め込むことのできるチップがあると、リーダーで読み込むだけで個体識別ができるため便利です。
マイクロチップのデメリットは?
便利なマイクロチップにも、デメリットがあります。マイクロチップのデメリットについて確認してみましょう。
◆読み込めないことがある
マイクロチップの装着の際に、皮膚の奥に挿入してしまったり、通常埋め込むと想定されている場所ではないところに埋め込んでしまうなどで、リーダーでの読み込みができないことがあります。
チップの装着の際や、すでに装着されている犬を迎える場合には、必ず埋め込み場所を確認するようにしましょう。
◆費用がかかる
マイクロチップを犬に装着するには、装着費(チップの費用、装着措置代)、データベースへの登録費が必要です。なお、データベースへの登録は初回のみ費用が発生しますが、更新費などの維持費はかかりません。
◆副作用の心配
マイクロチップの装着の副作用は、日本では報告されていません。しかし、海外では数件の報告(腫瘍)が認められています。
マイクロチップは、犬の健康を及ぼさない様にチップの外装に生体適用ガラスやポリマーを使用しています。そのため、副作用の心配は限りなく低いですが、デメリットの一つにはなっています。
◆GPSでは無い
犬のマイクロチップは、個体の識別のために使用されます。例を挙げると、迷子の犬がどこ(住所)の誰が飼っている犬なのか、を調べることが出来るものです。決して、GPSのように地図上で信号が発信され、迷子になった犬を飼い主が探し出せるものではありません。
GPS機能(Global Positioning System)が内蔵されていて、犬の居場所がわかると誤解している方がいますが、そういう商品ではありませんので注意が必要です。
マイクロチップを入れる方法は?
マイクロチップを犬に装着するには、動物病院で獣医師に処置してもらう必要があります。専用の注射器状のインジェクター(動物用一般医療機器)で、通常の皮下注射の様に体内に注入します。痛みも、通常の注射と同じです。
◆マイクロチップを埋め込む位置は?
マイクロチップを埋め込む位置は、マニュアルで決まっているわけではありません。ですが、一般的には犬の首の後ろの皮下に装着する獣医師が多いです。
犬の皮下注射の場合、予防注射も含めて首の後ろの皮膚が一番伸びるため、注射しやすいことが理由の一つになっています。
◆マイクロチップの費用は?
動物病院は自由診療のため、費用は病院によって異なります。一般的には、受診料(初診料または再診料)、装着処置代、器具代、データベース登録代がかかります。
料金は、合わせて平均4000~6000円ほどの動物病院が多いです。
◆どのくらいの期間使える?
犬のマイクロチップは、約30年使える製品が一般的で、電池不要のため一度埋め込み装着したらそれで終わりです。
犬は、犬種や個体によりますが10歳から18歳ほどが平均寿命です。そのため30年使えるマイクロチップは、一生涯使えるもの、と言い換えられます。
◆犬のマイクロチップ装着には助成がある?
犬のマイクロチップ装着には、助成が出る自治体があります。
2018年7月には、神奈川県横浜市、川崎市、相模原市と横須賀市を除く県内在住の生後6ヶ月以上の犬が対象で上限2500円の助成を行うと発表がありました。
装着の助成については、市町村単位で行われていることが一般的です。現在多くの市町村が助成を行っていますので、犬の登録がされている自治体のホームページで調べることをおすすめします。
マイクロチップを使用する際の注意点
◆狂犬病の自治体への登録とマイクロチップ登録は別物
自治体への犬の登録は、狂犬病予防法により義務付けられています。この登録は、マイクロチップのデータベース登録とは関係がありません。
マイクロチップの装着及びデータベースの登録は、マイクロチップを装着してもデータベースに登録しなければ意味がないので注意が必要です。
◆データの更新が必要となる
引っ越しや犬の譲渡などで、住所や電話番号、飼い主の名前などデータベースの登録からの変更がある場合には、データの更新を行わなくてはいけません。
データベースの情報を変更する際には、データベースに登録した時の申込書飼い主控え、もしくは登録完了通知のコピーに訂正をして郵送またはFAXする、又はオンラインにて公的機関の身分証明書を利用して変更するなどをする必要があります。
まとめ
この記事では犬のマイクロチップ装着についてご紹介しました。
マイクロチップは、犬に装着するにはほとんど痛みも少なく、手間もかかりません。一度装着すると一生涯使い続けることができ、迷子や事故に遭った時などに個体識別に利用されることができます。
体内に埋め込む迷子札のようなマイクロチップを詳しく知って、是非利用しましょう。
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