犬が首輪を嫌がる!理由と適切なしつけ方法

2018.08.31

犬が首輪を嫌がる!理由と適切なしつけ方法

犬が首輪をつけるのは当たり前!そう思って愛犬に首輪をつけようとしたら、嫌がって暴れる、首輪をした途端に固まってしまって動かない…など、困ってしまう飼い主さんは意外と多いようです。特に、日本では小型犬や超小型犬が多く、身体が小さいため、首輪に違和感がある犬も多いようです。 首輪はしつけをする上でも重要で、役立ちます。犬が首輪を嫌がるときの理由と、それを直すためのしつけ方法をご紹介します。

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犬が首輪を嫌がる理由は?

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◆首輪がきつくて嫌がる

犬が首輪を嫌がる理由の一つに、「首輪がきつい」ということが挙げられます。

散歩中に首輪が外れてしまった経験がある飼い主さんは特に、首輪をきつくしてしまいがちです。犬も人と同じように、首をきつく絞められてしまっては、苦しくて嫌になってしまいます。

犬に首輪をつける時は、指2本くらいの余裕を持たせてあげましょう。首輪がはずれて脱走してしまうことが心配な場合は、リードを2本用意し、首輪とハーネスを併用すると良いでしょう。

◆首輪に関するトラウマ

首輪を無理やりつけられたり、チョークチェーンで痛い・苦しい思いをした、首輪がきつかった、首輪をしている時に怒られた…など、首輪と嫌な経験が結び付けられてしまうと、それ以降首輪を嫌がるようになってしまう場合があります。

首輪=嫌なものである、と犬が思い込んでしまったら、絶対に首輪を無理強いしてはいけません。おやつや遊びを使って、焦らず時間をかけて修正、しつけをしてあげましょう。

◆首輪に装飾品が多くて嫌がる

首輪に装飾品が多くついている場合、人間からすれば可愛いかもしれませんが、犬にとっては付け心地が悪く、首輪を嫌がる原因になっているかもしれません。

首輪の幅から装飾品が飛び出していると、それが首にチクチクと刺さったり、毛を巻き込んで引っ張ってしまうことがあります。光ったり、音がでたりすることで、犬が嫌がる場合もあります。

これは、首輪だけでなく、リードも同様です。首輪やリードの装飾品はほどほどにし、実用的なものを選びましょう。

◆首に皮膚炎や炎症があって嫌がる

もともと首輪をつけることに抵抗がなかったのに、急に嫌がるようになった場合は、首やその周辺に何らかの異常がある可能性があります。

首輪はつけっぱなしにすると、そこだけ脱毛して皮膚がむき出しになってしまったり、抜け毛が溜まって炎症を起こしてしまうことがあります。人間のお子さんが犬や猫の首に輪ゴムをはめて長期間つけっぱなしにしてしまい、首がただれてしまった事例もあります。

時々は首輪を外してブラシをかけたり、皮膚の状態をチェックする習慣をつけましょう。

◆チョークチェーンを正しく使えていない

しつけの一環として、チョークチェーンやスパイク・チョークチェーンと呼ばれる首輪を使用する際、首が絞まったり痛みを感じることから、犬が嫌がる場合があります。

これらをしつけに使用する場合は、訓練士の指導の下、使い方や注意事項を理解し、それが本当に犬のしつけに必要なのかを相談してから使用するようにしましょう。


チョークチェーンとスパイク・チョークチェーンについて

◆チョークチェーンとは?

チョークチェーンとは、犬が飼い主に従わない場合に、チェーンを強くひき、首を絞めて刺激を与える道具のことです。

チョークチェーンは、1本の鎖と輪っかでできている首輪です。半分が鎖で、半分が普通の首輪でできているハーフチョークもあります。
装着する際、犬に付ける向きが決まっており、向きを間違えると犬の首がどんどん絞まってしまいますので要注意です。

◆チョークチェーンを使ったしつけ

チョークチェーンは、犬が飼い主を引っ張って歩くと、犬の首が絞まるようになっているので、「これを付けさえすれば、犬が自動的に引っ張らなくなる」と勘違いしている飼い主さんが多い様です。

しかし、大抵の引っ張り犬たちは、引っ張るから苦しいんだ、ということは理解出来ません。多少の息苦しさには慣れ、もしくは息苦しさから逃れようと、ズンズン進みます。

チョークチェーンによるしつけは、本来チェーンが緩んだ状態で行うものであり、適切なタイミングでショック(鎖を引く)を入れることで効果があります。それも、犬の身体が浮いてしまうほどのショックではなく、軽く首が絞まり、犬が嫌悪感なく飼い主に意識を向ける程度がベストであり、このしつけ方法は練習と技術が必要になります。

これ以上の強いショックが必要な犬のしつけに関しては、飼い主の独学ではなく専門家に相談したほうが良いでしょう。

◆スパイク・チョークチェーンとは?

スパイク・チョークチェーンとは、内側にトゲやピンの付いたチョークチェーンのことです。ブルドッグやドーベルマン、ピットブルなどが付けているイメージがあるかもしれません。

犬が飼い主を引っ張ると、普通のチョークチェーンと同じく犬の首が絞まり、さらに内側のピンが首の皮膚に食い込みます。

◆スパイク・チョークチェーンを使ったしつけ

実際にこれを使って、大型犬をしつけ、矯正したり、力の弱い女性でも犬の引っ張りに負けないようにするなど、一定の効果はあげられる事もあるかもしれません。

しかし、嫌悪刺激のみを使ってしつけをする場合、リスクや弊害も多くなります。これを好んで付けたがる犬はいませんし、スパイクやチョークチェーンを外した途端に言う事を聞かなくなったり、散歩やしつけ訓練が嫌いになってしまうかもしれません。

スパイク・チョークチェーンは、特定の条件のもと、かなりの技術を持ったプロが使うべき道具です。

◆専門家の指導を受けるのが◎

これらのチョークチェーンは、犬が散歩中に飼い主を引っ張って歩く癖を矯正するための道具ですが、使い方を間違えると、犬の首が絞まってしまったり、ケガをさせてしまう恐れがあります。商品のパッケージに書いてある謳い文句や説明文だけでは不十分なことも多くありますので、必ず専門的な知識と技術を持った訓練士に指導を仰ぎましょう。


首輪に慣れさせるためのしつけ方法は?

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特に小型犬では、最初から首輪とリードをつけてお散歩できる犬は少ないかもしれません。お散歩デビューをする前に首輪を嫌がることが無いよう、子犬の頃から室内でしつけておきましょう。

◆軽い紐やリボンなどに慣れさせる

最初から首輪を使うのではなく、軽い紐やリボンなどから始めてみましょう。

まずは結ぶのではなく、首に巻いて指で押さえ、嫌がらなければすぐにはずしてよく褒め、オヤツをあげます。
嫌がるようであれば、鼻先でおやつを嗅がせ、時々与えながら同様にやってみましょう。何回も繰り返していくうちに、抵抗がなくなっていきます。

慣れてきたら緩めに結び、毎日短時間から始め、だんだん時間を長くしていきましょう。紐やリボンをつけたまま遊んだり、食事をさせたりしてください。

◆軽く装飾の少ない首輪に慣れさせる

紐やリボンに何の抵抗もなくなったら、首輪に挑戦してみましょう。

最初は、重すぎず、装飾の少ない首輪を選ぶと、嫌がることが少ないかもしれません。嫌がるようであれば無理強いはせず、最初の段階と同じように、首に巻くことから再スタートし、慣れさせてあげましょう。

首輪をつけたまま、遊んだり食事ができるようになったら、お部屋の中でリードをつけてお散歩の練習をしておくと良いでしょう。リードは決して引っ張らず、たるませる余裕を残しておきましょう。どこかに引っ掛けたりしないように注意してください。

◆焦らず首輪に少しずつ慣れさせよう

なかなか慣れてくれなくても焦らずに、出来ないことよりも出来たことを見つけ、よく褒めてあげましょう。首輪とリードが抵抗なくつけられると、お散歩も楽しくなりますし、しつけや訓練もしやすくなります。


どうしても嫌がる時はハーネスにチャレンジ!

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どうしても首輪を嫌がってしまってつけられない!首輪に慣れるしつけもなかなか上手くいかない!という場合には、ハーネスを検討してみると良いかもしれません。

◆ハーネスのメリット①首への負担が少ない

犬のハーネスとは、胴輪のことです。ハーネスの一番のメリットは、普通の首輪と比べて、首への負担が少ないことです。特に、シニア犬や気管が細い、または疾患がある犬にはお勧めです。

また、首が絞まらないので、ブルドックやパグなど、鼻ぺちゃで呼吸が荒くなりやすい犬種にも適しています。

◆ハーネスのメリット②抜けにくい

ハーネスは上半身がすっぽり入るようになっているので、犬種によっては抜けてしまう心配が少なくなります。

シェルティのように首周りの毛が多かったり、ウィペットやイタリアングレーハウンドのように首と顔の太さがあまり変わらない犬種では、犬が後ろに引っ張った時に首輪が抜けやすくなります。こういった場合は、ハーネスに変えると良いかもしれません。

ただ、ダックスフントやコーギーなど、足が短く胴回りが太い犬種では、ハーネスの方が抜けやすくなってしまう事もあります。

◆ハーネスの選び方

ハーネスには、いくつかの種類があります。着脱のしやすさと、愛犬への適正で選びましょう。

●首にかけて使用するタイプ
8の字のような形状になっており、引っ張り癖がある犬や力が強い犬に適しています。犬をコントロールしやすく、着脱も簡単です。一方の輪を首にかけ、もう一方の輪を胴にまわしてバックルで留める仕様です。

つけるときに犬の姿勢を変える必要がないため、足を触られるのを嫌がる犬にも、こちらのタイプのハーネスが良いかもしれません。

●両肩を通すタイプ
両肩を通すタイプのハーネスは、首に負担がかかりにくい為、気管支が弱い犬や短頭犬種に適しています。Hのような形状になっており、ちょうどベストと着たような見た目になります。
シニア犬や、歩行に介助が必要な犬の場合、ハーネスの背中の部分を掴んでサポートがしやすい形になっています。

首や身体に負担がかからない分、しつけや訓練には使いづらく、引っ張り癖のある犬ではコントロールが難しくなる場合があります。

ハーネスは首輪に比べ、しつけや訓練の際に使いづらいことも多くあります。できればどちらも慣れさせておいて、場面や用途、年齢に応じて使い分けることができると良いですね。

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愛犬との散歩で必要不可欠なアイテムといえば、首輪やハーネスですね。皆さんは、どのようにこれらのアイテムを選んでいますか?また、正しい首輪・ハーネスのつけ方ができているでしょうか?愛犬の安全の為に、それぞれの違いと正しい使い方を紹介します。

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harunyan

harunyan

動物の専門学校で看護の資格を取得後、6年間動物病院に勤務しました。5歳のシェルティと4歳の猫、0歳の息子と毎日楽しく過ごしています。ペットと過ごすうえで役に立つ情報をお届けできるよう、日々勉強しております。よろしくお願いします。


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