骨と関節の病気
◆膝蓋骨脱臼
– どんな病気? –
膝のお皿(膝蓋骨)が単に外れるだけではなく、後ろ脚全体の骨と筋肉にゆがみが出る病気です。症状によって、グレード1~4に分類されます。初期のグレード1では無症状の場合が多いですが、徐々に進行し、グレード4では膝を伸ばすことができなくなり歩行が困難になります。
特に多いのは、膝のお皿が足の内側にずれる内方脱臼です。
– どんな症状が出たら要注意? –
ケンケンするように歩いていたら、獣医師に相談をしてください。
– かかりやすい犬種は? –
トイ・プードル、チワワ、ポメラニアン、マルチーズ、ヨークシャー・テリアなどのトイ犬種(超小型犬)によくみられます。
– 何歳から発症する?–
早い子だと4~5カ月から発症することもあります。
◆股関節形成不全
– どんな病気? –
股関節の寛骨臼(かんこつきゅう)と大腿骨頭(だいたいこっとう)を繋げる靱帯や関節包(かんせつほう)が伸びて脱臼しやすくなる状態です。
– どんな症状が出たら要注意? –
腰を振りながら歩く「モンロー・ウォーク」と呼ばれる歩き方や、横座りなどが見られたら要注意です。
– かかりやすい犬種は? –
ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、ジャーマン・シェパード、バーニーズ・マウンテン・ドッグなどの大型犬種です。
– 何歳から発症する? –
生後6カ月から1歳までに発症することもあります。
脳と神経の病気
◆椎間板ヘルニア
– どんな病気? –
脊椎は脳から続く神経線維の束で、背骨の中にあるトンネル(脊柱管)を通っています。椎間板は前後の脊椎をつなぐゼリー状の組織で、外側が「線維輪」(せんいりん)、内側が「髄核」(ずいかく)という組織でできています。この椎間板が脊髄に向かって飛び出し、脊髄を圧迫する状態がヘルニアです。
症状によってグレード1から5に分類されます。
– どんな症状が出たら要注意? –
抱き上げたときや背中を押したときに痛がったら、かかりつけの獣医師に相談をしてください。
– かかりやすい犬種は? –
ミニチュア・ダックスフンド、フレンチ・ブルドッグ、ウェルシュ・コーギー、ビーグル、シー・ズーなどです。
– 何歳から発症する? –
2~6歳での発症も多いです。
◆てんかん
– どんな病気? –
遺伝的な病気で、けいれん発作を繰り返します。
– どんな症状が出たら要注意? –
転倒して意識を失い、体を背中側に反らせ、よだれをたらしたり、犬かきをするような動作をしたりします。失禁をすることもあります。
– かかりやすい犬種は? –
多くの犬種で見られます。
– 何歳から発症する? –
1~5歳で発症することが多いです。
眼の病気
◆角膜潰瘍
– どんな病気? –
角膜に潰瘍(傷)が発生する病気です。
– どんな症状が出たら要注意? –
眼の表面に白っぽく見える部分がある、目やにが多い、眼が赤い、眼をしょぼしょぼさせているなどの症状が出ます。
– かかりやすい犬種は? –
ペキニーズ、シー・ズー、フレンチ・ブルドッグ、ボストン・テリアなどの短頭種が特に多いですが、どの犬種でもかかります。
– 何歳から発症する? –
何歳でも発症します。
◆白内障
– どんな病気? –
目の中にある水晶体の一部または全部が白濁する病気で、加齢性と非加齢性(遺伝性)に分かれます。
– どんな症状が出たら要注意? –
目の中に小さな白濁が見られたら、かかりつけの獣医師に相談をしてください。
– かかりやすい犬種は? –
ミニチュア・プードル、トイ・プードル、柴犬、アメリカン・コッカー・スパニエル、ミニチュア・シュナウザー、キャバリア、ジャック・ラッセル・テリア、フレンチ・ブルドッグ、ボストン・テリアなど。
– 何歳から発症する? –
非加齢性の場合は何歳でも発症します。
皮膚の病気
◆アトピー性皮膚炎
– どんな病気? –
特定のたんぱく質やハウスダストなどのアレルゲンが体内に侵入することにより、皮膚にかゆみが生じます。
– どんな症状が出たら要注意? –
前脚の先、目や口の回りに赤みが見られ、犬が患部をしきりになめたり、かいたりしたら要注意です。
– かかりやすい犬種は? –
柴犬、フレンチ・ブルドッグ、ジャック・ラッセル・テリア、ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバーなどです。
– 何歳から発症する? –
多くは3歳未満で発症します。
◆表在性膿皮症
– どんな病気? –
皮膚や粘膜に常在しているブドウ球菌が原因で、赤いブツブツが皮膚に現れます。犬はとてもかゆがります。
– どんな症状が出たら要注意? –
赤い発疹ができたり、膿を貯めた小さな発疹ができたりしたら要注意です。
– かかりやすい犬種は? –
すべての犬種でかかります。
– 何歳から発症する? –
1歳未満の犬でも発症します。
※ワクチン接種や予防薬の投与などにより予防できる感染症や虫などが媒介する病気については、ペット保険の対象外になることが多いのでここでは割愛させていただいております。また、実際に対象となるかについてはペット保険により異なりますので、必ず契約約款をご確認ください。
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