犬のおへそはどこにある?
皆さん、犬のおへそを見た事はありますか?
犬におへそがある事を初めて知った方もいらっしゃると思いますのでご説明いたしますが、犬にもおへそはあります!
なぜなら、犬も人間と同じでほ乳類なので、胎児の頃はへその緒で母犬と繋がっていたためです。
◆犬もへその緒で繋がっている動物!
へその緒とは、お腹の中の赤ちゃんに母親の栄養や酸素などを与えるパイプのような役割をしている物です。
人間や犬だけでなく猫やウサギ、イルカなど、母親のお腹の中で成長してから産まれてくるほ乳類には、必ずへその緒があります。
胎児の頃に母親のお腹の中でへその緒を通じて育っていたのですから、当然産まれた後もへその緒の名残としておへそは存在している訳なのです!
◆犬のへそは平らなのが基本
では、犬のおへそがどこにあるかご存じですか?これが、意外と知らない人が多いのです。
まずは、犬が仰向けになってお腹を出した時に探してみて下さい。探しても分からないですか?そうですよね。
犬のおへそはとても分かり辛く、人間のおへそのようにへこんだり出っ張ったりしていません。
同じほ乳類ですが、犬と人間のおへそで大きく違うのは、人間はおへそがへこんでいるか出べそになっているのに対して、犬のおへそはへこんでおらず、平らな傷跡のようになっている事です。
へその緒で母親に繋がっていた事は同じなのに、違いが出るなんて面白いですよね!
◆傷跡のような見た目や毛が薄い場所にあるへそ
具体的にどこに犬のおへそが存在しているかと言うと、犬の胴体の真ん中辺りに傷跡のように存在しているか、毛が薄い場所があれば、それが犬のおへそです。
犬は人間と違いおへそが平らなだけでなく、皮膚がフサフサと被毛に覆われているので、余計に分かり辛いかもしれません。
自分の愛犬のへその場所が気になったら、愛犬が嫌がらない範囲でぜひ探してみて下さいね!
犬もへその緒を切る?
犬のおへその位置が分かったかと思いますが、そこで一つ疑問に思いました。犬も出産の際に、産まれた赤ちゃん犬のへその緒を切るのでしょうか?
「いやいや、へその緒で母犬と繋がっていたんだから、切らないと繋がりっぱなしになっちゃうでしょ」と思ったそこのあなた!実際はどうなのか気になりませんか?
◆母犬がへその緒を切るのが基本
一般的に、犬の出産も人間と同じように、産まれてきた赤ちゃん犬と母犬はまだへその緒で繋がっています。
自然界で生きていた頃でしたら、その後は母犬が赤ちゃん犬と繋がっている胎盤を食べ、赤ちゃん犬をきれいに舐めて、育児がスタートする訳なのです。
◆へその緒を切る際にトラブルが起きることも…
しかし、実際には母犬が赤ちゃん犬の事を舐めすぎてしまい皮膚が裂けたり、へその緒を噛みちぎる時に短くしすぎてへその緒の周りの皮膚まで噛みちぎってしまうなどのトラブルになってしまう事があるようです。
そのため、そのようなトラブルによって赤ちゃん犬を傷付けてしまわないように、犬の出産に慣れているブリーダーの方々などは人間の手で赤ちゃん犬のへその緒を処理してあげるのが一般的のようです。
母犬も産まれたばかりの我が子が可愛くて、一生懸命お世話しようと頑張りすぎてしまうのかもしれませんね。愛犬に赤ちゃんを出産させる際には、トラブルを避けるためにもへその緒は切ってあげて下さいね!
◆人間がへその緒を切る場合
ブリーダーの方は、犬が出産した後に赤ちゃん犬を取り上げ、へその緒を赤ちゃん犬のお腹から1.5~2cm以上の場所を糸で縛り上げてから切る方が多いようです。
その際に、へその緒を切る位置が短すぎると血がなかなか止まらなくなる場合があり、反対に長すぎると母犬や赤ちゃん犬が気になっていじってしまう事があるそう。そのため、適度な長さで処理してあげる必要があります。
へその緒を処理するだけでも熟練の勘が必要なのですね。
犬のおへそが出べそになっているのはなぜ?
◆出べその場合と病気の場合がある
先ほど犬のへそを探す際に、愛犬のおへそが出べそになっている事に気が付いた方もいると思います。
実はこれ、出べそな訳ではなく「臍ヘルニア」と呼ばれる、脂肪や内臓の一部が飛び出している状態の病気な場合があります。
◆臍ヘルニアとは?
ヘルニアと聞くと、腰痛のようなイメージがあるかもしれません。しかし、ヘルニアというのは身体の中に収まっているべき物が一部膨らみ、飛び出してしまっている状態の事を言うので、何も腰痛だけの事ではないんですよ。
臍ヘルニアとは、そのヘルニアのうちのおへそのヘルニアの事です。
臍ヘルニアの臍は音読みで「さい」と読み、訓読みでは「へそ」と読みます。へその緒の事を別名で「臍帯(さいたい)」と呼ぶので、臍ヘルニアはおへそのヘルニアと言うことが分かりますね。
臍ヘルニアは、先天性として発症する犬が多いです。先天性とは、いわゆる生まれつきなってしまっている病気の事ですが、ごく希に後天的に臍ヘルニアを発症する犬もいるようです。
臍ヘルニアは、皮膚の下の臍帯に開いていた穴がうまく塞がらなかったため、その開いたままの穴から脂肪や内臓の一部がニュルンと飛び出てしまっているおへそのヘルニアです。
どのような条件を満たすとなってしまうのか、何故発症してしまうのか、今のところははまだ何も分かっていません。基本的には成長の過程で自然と治っていく事が多いようです。
◆臍ヘルニアの症状は?
臍ヘルニアの目に見える症状としては「出べそ」ですが、ヘルニアが小さければ出べそも小さく出ますし、ヘルニアが大きければ出べそも大きく出ます。
ヘルニアが大きい場合は、出べそが大きく脂肪や大網(だいもう)が出てしまうだけでなく、腸管の一部に入り込んでしまう事があります。そうなってしまうと大変です。元に戻らなくなると、腸が閉塞してしまう「腸閉塞」になったり、締め付けられてしまう事により血行が滞ってしまい、ショック状態になってしまう事がありますので、注意しましょう。
このようになってしまうと、もう出べそを押し込んでも引っ込んでくれません。更に、出べその部分が熱を持ってしまい、嘔吐やお腹を丸めてうずくまるような様子の腹痛、食欲がなくなり元気がなくなるなどの症状が出てくるようになります。
そのような事態にならないためにも、臍ヘルニアの疑いがある場合には病院で受診すると良いですね。
◆出べそと臍ヘルニアを判断するには?
出べそなのか臍ヘルニアなのかは、素人目には判断が付きづらいです。そのため、判断に迷った場合には一度病院で相談してみると安心できます。
実は、動物病院にて臍ヘルニアの相談をすると、獣医さんによっては避妊・去勢手術の際に一緒に治療してくれる事があります。
我が家の愛犬も子犬の頃に臍ヘルニアがあり、成長と共に治ると思っていたので様子を見ていたのですが治りませんでした。掛かり付けの病院で相談したところ、「避妊手術の時に一緒に塞いでおきますね~」と言われ、「そんな簡単に治るのか!」と目から鱗が落ちた経験があります。
成長の過程で自然と治る事の多いこの臍ヘルニアという病気ですが、様子を見ていても治る気配が見られない場合には、一人で悩まずに掛かり付けの病院へ相談に行きましょう!
◆臍ヘルニアになりやすい犬種
臍ヘルニアになりやすい犬種をご紹介していきますので、参考までにご覧になってみて下さい!
・日本テリア
・エアデール・テリア
・ペキニーズ
・バセンジー
・シー・ズー
・キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
・秋田犬
・ポインター
・ワイマラナー
・アメリカン・コッカー・スパニエル
・イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
必ずしもこちらに挙げた犬種ばかりが臍ヘルニアを発症する訳ではありませんが、他の犬種よりは発症する可能性が高いようです。
ちなみに、臍ヘルニアの発症に性別による差は特に無いそうです。
あなたの愛犬がこちらでご紹介した犬種に入っているようでしたら、臍ヘルニアになっていないか一度おへそを確認してみて下さいね!
まとめ
犬とへその関係がお分かりいただけたでしょうか?改めてまとめると、
・犬のおへそはお腹の真ん中辺りにある
・犬もへその緒を切ってあげた方が良い
・犬の出べそは臍ヘルニア
という事が分かりましたね!
臍ヘルニアは先天性のため予防方法はないのですが、腸閉塞などの重い病気を併発する事があるので十分注意しましょう。成長の過程で自然に治らない場合には手術を受ける事をオススメします。
愛犬のおへそから病気が分かるなんて驚きですが、愛犬の健やかな健康のためにもおへそのチェックはしてあげましょう!
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