そもそも「マルチーズ」はどんなワンちゃん?
マルチーズは、愛玩犬として古くから多くの人に可愛がられてきた歴史を持つ犬。
体が小さいので、一戸建てでもマンションでも飼いやすく人気です。
マルチーズといえば、「白い」「ふわふわ」という言葉が頭に浮かぶほど、ぬいぐるみのようなキュートな見た目が特徴です。
かつて「抱き犬」と言われていたこともあり、温厚で扱いやすい性格をしています。
陽気で愛嬌たっぷりで家族思いですが、他人に対してはちょっと警戒心を見せる“番犬的”な素質を見せることも…。
しかし、しっかりしつければ従順性も高い犬で、初めて犬を飼う人にも向いている犬種といえるでしょう。
ミックス犬が人気となっているのはどうして?
最近、人気となっているミックス犬。
“ミックス”という言葉のイメージからもわかるように、違った犬種が混ざっている犬のことを指します。
違った犬同士の混ざりといえば「雑種」ですが、何が違うのか気になりますよね。
近年のミックス犬人気の背景、そして飼うなら知っておくべきポイントを考えてみましょう。
◆雑種とミックスの違い
ちょっと前までは、違う犬種同士を掛け合わせて生まれた犬をすべて「雑種」として認識しているケースが多かったもの。
ただ、雑種と呼ばれる犬たちのなかには、両親ともども雑種の「雑種×雑種」、片方の親が純血種の「雑種×純血種」などの組み合わせパターンが多くあります。
そのなかでも、「純血種×純血種」という違う純血種同士の掛け合わせを「ミックス犬」と表現するようになってきています。
◆ミックス犬が人気になっている背景
世界には多種のワンちゃんたちが存在しています。
どの犬もそれぞれ特徴があり、「一種に絞れない!どちらの犬も欲しい」なんて人もいるでしょう。
そんな人達に人気となっているのがミックス犬です。
それぞれの特徴を部分的に反映させたミックス犬は、独特なルックスで個性が溢れています。
純血種だと、生まれてくる犬たちの雰囲気はかなり似ているものですよね。
でもミックスであれば、2種の特徴が部分的に表れます。
考え方によっては、「2つの犬種の良いところが一度に味わえる」という魅力があるといえるのではないでしょうか。
個体によって、親のどんな遺伝子を受け継ぐかはケースバイケースです。
同じ純血種同士の交配から生まれた犬は、その犬種のかかりやすい病気を受け継いでしまうことがあります。
しかし、ミックス犬のようにまったく違う遺伝子を混ぜることで、遺伝的な病気よりも「丈夫な部分」を受け継ぐ可能性が高まるのだとか…。
ミックス犬は、広い意味で考えると雑種のくくり。
「雑種の犬は体が病気をしにくい」と言われていたのは、そういった理由があるのですね。
そのため、一概に言えないのですが、一般的には体が丈夫になるミックス犬が多いようです。
ミックス犬を飼うときに知っておきたいこと
ミックス犬を飼うときは、純血統の犬とは違った意識を持つようにしましょう。
購入前に知るべきポイントをお伝えします。
◆犬種としては登録されていない
ミックス犬は、「純血種×純血種」ですが、まったく違った犬種を合わせます。
どの純血種かは知っている交配なので、「どんな犬が入っているか分からない」という雑種とは明らかに違っていると考えたくなるかもしれません。
しかし、犬種として認定されているわけではないと認識しておきましょう。
◆成長後の姿が子犬時代にはイメージできない
ミックス犬は両方の血を受け継ぎます。
そのため、見た目にどちらの要素が強く出るかは、個体によって変わるのが一般的。
また、子犬時代と成犬になったときの雰囲気が変わることも珍しくありません。
成長後に、「子犬の雰囲気とまったく変わってしまった」「こんなに大きく成長するの?!」「体が小さすぎる」ということもあるかもしれませんね。
でも、成長過程で一緒にいることで、どんな風に育つかを楽しみにすることもできます。
ルックスに関しては、「将来的に変わるかもしれない」「イメージと違うこともある」と初めに認識しておくといいでしょう。
マルチーズのミックス犬の紹介
マルチーズとほかの犬種との、代表的な人気のミックスをいくつか紹介していきます。
◆マルチーズ×トイプードル『マルプー』
マルチーズ同様、ふわふわ被毛のトイプードルとの掛け合わせがマルプーです。
マルチーズに負けず劣らずフワフワしているトイプードル。
穏やかで人懐っこく、社交的な性格です。
そのせいか、「初心者でも飼いやすい」と受け入れられることが多いでしょう。
また、「頭が良い」というのも特徴のひとつ。
飼い主さんとの信頼関係が築ければ、その賢さからたくさんのことを学習してくれるため、しつけもスムーズと言われています。
どちらの犬種も被毛のふんわり感が特徴的なワンちゃん。
そんな両者をミックスさせているため、マルプーはぬいぐるみのような見た目になります。
癒し系で大事な家族になってくれそうですね。
ボリューミーな雰囲気ですが、それほど抜け毛に悩まずに済み、しかも、あまり体臭がないとのこと。
そんなところも人気の秘密です。
ただ、見た目の美しい被毛を維持するには、維持定期的なカットやシャンプーなどのケアは必要。
しっかりとお手入れしてあげましょうね。
◆チワワ×マルチーズ『チワマル』
体の小ささが特徴のチワワとのミックスがチワマルです。
チワワと言えば、数多くある犬種のなかでも小さい体が特徴のワンちゃん。
抱っこしたときも、腕のなかにスッポリおさまるほどのコンパクトさが人気です。
明るい性格から、家族を笑顔にしてくれる大切な存在になるでしょう。
そんなキュートなチワワは、小さい体のわりに勇敢な部分も。
家族以外の人の存在を極端に反応してしまうところもあり、番犬的要素も見られることがあるでしょう。
そんな“極小”のチワワとマルチーズを掛け合わせると、チワマルの誕生。
パッと見た瞬間はマルチーズにも見えますが、体の小ささいところ、そして顔立ちにチワワ要素が表れる個体が多いようです。
体の大きさは、マルチーズよりは小さめでチワワよりも少し大きめ…という、中間的な体格になるケースが多いでしょう。
小柄なことは確かなので、家や外でのケガには注意が必要です。
◆ヨークシャテリア×マルチーズ『マルーキー』
“ヨーキー”という愛称で人気の小型犬ヨークシャテリアとマルチーズとのミックスがマルーキーです。
長い被毛に包まれているため、少し大きく見えるかもしれませんが、実際には平均3㎏程度の小さいワンちゃん。
美しく艶めいた被毛に包まれているので、どこかゴージャスかつエレガントな雰囲気を感じさせてくれます。
動く宝石と言われることもあるなど、その気品に満ちた特徴が人気です。
また、名前に「テリア」が入っていることからイメージできる人も多いかもしれませんが、ヨークシャテリアは好奇心旺盛で勇敢なところがあります。
基本的には、フレンドリーで人間のことが大好きな素敵なワンちゃんです。
個体差があるものの、一般的にはヨークシャテリアの外見的特徴を受け継ぐケースが多いようです。
また、ヨークシャテリアの社交性を受け継ぎ、甘えん坊で可愛らしい性格。
家族思いで従順性の高いマルチーズの性格もプラスされ、フレンドリーで多くの人から愛されるワンちゃんになるでしょう。
小さい子供がいれば、遊び相手としても大活躍してくれそうですね。
◆ポメラニアン×マルチーズ『ポメマル』
人気のポメラニアンとマルチーズがミックスされたのがポメマルです。
体重2~3㎏という小さい体に、丸々とした大きな目元。
ぬいぐるみみたいなイメージが印象的です。
可愛さのあまり見惚れてしまうポメラニアンは、成長しても3㎏に満たないくらいの小型の犬。
そのコンパクトな体形と可愛らしい見た目から、ペットとしても人気です。
元気いっぱいで明るく、人間に対してもほかの動物に対してもフレンドリーに接することができます。
頭もよく協調性もあり、多頭飼いもうまくこなしてくれるでしょう。
家族に対しては甘えん坊で頼ってしまう部分があるものの、持ち前の気の強さから一人での留守番や番犬的役割も見せてくれることがあります。
「可愛さ」と「勇敢さ」が同居している素敵なワンちゃんですね。
そもそもマルチーズは「白」の毛色しかないのですが、ポメラニアンの毛の色は白をはじめ、茶、黒、チョコレート、レッド、オレンジなどバリエーション豊か。
そのため、ミックスされたときには、ポメラニアンっぽさが表れ、白以外の個体も生まれます。
とはいえ、一般的に「ポメマル」と言えば、白系やオレンジっぽい被毛のカラーの個体が多いようです。
顔の印象はさまざまで、マルチーズっぽいこともあれば、ポメラニアンっぽいことも。
顔がマルチーズで体つきがポメラニアンなど、個性的なところが魅力です。
◆パピヨン×マルチーズ『マルパピ』
サラサラした被毛が魅力のパピヨンとマルチーズとの掛け合わせがマルパピです。
パピマルという愛称もあります。
パピヨンは、超小型犬に分類されるほどの超小型犬。
中世ヨーロッパでは、貴族たちの愛玩犬としても有名でした。
ピンと立った耳、そして尻尾回りの飾り毛がとても優雅です。
気品ある見た目ですが、実はとても活発で明るい犬。
小さい体でも活発なので、一緒に遊んだりもできます。
マルパピの外見は、マルチーズのキュートさとパピヨンの気品をバランスよくミックスされています。
パピヨン、マルチーズとどちらも小さな体の犬種なので、マルパピも全体的に小柄。
3㎏未満の体格なので、腕に抱いたときのおさまりも良さそうですね。
マルパピは、パピヨンのフレンドリーな部分、そしてマルチーズの温厚な部分をミックスさせた性格。
穏やか系、甘えん坊系、フレンドリー系、おとなしめ系…と、どんな性格になるかは個体によって変わります。
ただ、マルチーズの「飼い主さんが大好き」という従順度の高さを強く受け継ぐと、「構ってくれない」「自分を見て」とちょっと頑固になることもあるのだとか。
小さい頃からしつけをすれば、そういった部分もあまり見られないでしょう。
まとめ
見た目がどのくらい変わるかは、それぞれの個性によって違います。
なかには、子犬のときと雰囲気がガラッと変わるミックス犬もいます。
成長してみなければ分からない…というのは、「期待通りの外見にならなかったらどうしよう」という不安もあるかもしれません。
しかし、可愛らしさたっぷりのマルチーズに、トイプードルやチワワなどの人気犬種がプラスされるのも魅力的です。
どんな風に成長してくれるか…と、わくわくしながら育てることが、ミックス犬を飼うことの楽しみのひとつになるのかもしれませんね。
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