1.犬が草を食べる理由は?
1-1.犬は、体調管理が必要な時に草をたべる
1-2.犬は、精神的なストレスがある時に草を食べる
3.室内・家庭菜園・ベランダ・散歩中など、身近にある犬にNGな植物
5.犬と生活しながら、観葉植物を育てる場合の注意事項
5-1.①犬に危険な観葉植物を置かない
5-2.②犬の食事管理
5-3.③ストレスを回避
5-4.④誤飲しないように気を付ける
5-5.⑤犬の様子がおかしい時は動物病院へ
5-6.⑥観葉植物を購入後に気を付けること
【掲載:2019.02.17 更新:2022.01.28/2022.11.28】
犬が草を食べる理由は?
犬と一緒にいると、庭の草や室内の観葉植物を食べるのをよく見かけますね。また、散歩中に道路わきの草や立ち寄った公園の草を食べ、飼い主を困らせる犬もいます。
ここでは、犬が草を食べる理由と注意点について見てみましょう。
◆犬は、体調管理が必要な時に草をたべる
元々野生に生息していた頃の犬は、怪我の治療や胃腸を整えるために草を食べたそうです。
人と生活する犬たちが、体調が悪いときに草を食べて体を回復させるのは、野生の頃からの本能を忘れていないということですね。
体調管理が必要な時には、次のような3つの状況があります。
●胃腸の調子が悪い(胸やけ、消化不良)
サツマイモのおやつなどを犬にあげ過ぎたことありませんか?
犬は元々肉食動物に近い胃腸です。腸が短いので、草などの植物繊維を十分に消化できない特徴があります。
そのため、犬は胸やけ・消化不良を起こした時に、草を食べます。
おやつのあげ過ぎや草の食べ過ぎには注意しましょう。
- 誤飲した物や溜まった毛玉を吐き出す
- ビタミン不足
犬には、草を食べたら胃の中のものを吐き出せるという本能があります。食べた草が胃を刺激して、誤飲した物や溜まった毛玉を吐き出すのです。
このため、犬は吐き出したい時にも、草を食べたりします。
私たち人間だけでなく、犬たちにも必要なビタミンに、緑黄色野菜に含まれている葉酸(ようさん)があります。
最近のドッグフードは規定量を食べていれば栄養価に問題はありません。ただし、犬種や個体によってはビタミンが不足している場合もあります。
妊娠中の犬もそうですが、ビタミンが不足していると感じた犬が、ビタミンを補足するために草を食べたりします。
野菜を少し足してあげるのもいいですが、マグロなどを適量食べさせてあげるのもおススメです。
◆犬は、精神的なストレスがある時に草を食べる
犬は精神的にストレスを感じたら草を食べるというケースがあります。では、どのような時犬はストレスを感じるのでしょう。
- 運動不足
- 環境の変化
- 退屈な時
犬は私たちとおなじで、日々色々なストレスを抱えます。そのストレスの中に、運動不足・環境の変化・退屈などがあります。
そして、これらのストレスを感じると草を食べる犬が多いのです。
草を食べたら直ぐに叱るのではなく、原因を考えて犬のストレス解消をしてあげる必要があります。散歩に行っていない、スマホに夢中で遊んでいない、引っ越したばかり、家族が増えたなど、犬のストレスの要因について、考えてみましょう。
ただ、稀にストレスでなく、草の食感が好き!という個体もいます。
犬が草を食べる理由について、思い当たることがあるのではないでしょうか。
注意点として、草を食べた時の状況、吐き出したものが何なのかはチェックしましょう。普段から、犬の動向・個性を観察することが大切ですね。
球根のある植物は犬にNG!
室内の観葉植物や庭の雑草、散歩中の道路わきや公園で、犬は植物を食べたりします。いつも同じ植物を目掛けて歩いたり、気づいた時には既に食べていたりする犬が心配ですね。
球根の植物はとても危険です。球根の植物は絶対に食べさてはいけないので、特に注意が必要です。
少量で腎臓に障害がでます。ユリ科の植物は花、花粉、葉、球根などすべてが有害となりますので、決して食べさせないようにしてください。
チューリップもユリ科の植物になります。ツリピンという成分が心臓に猛毒で、胃腸炎や痙攣を起こす可能性があります。
球根の部分の毒性がとても強いのが特徴ですが、葉や皮の部分にも毒性が含まれます。
これらの野菜はキッチンでも犬が届かないところに置くように注意しましょう。
食べたら数時間で不整脈、下痢、嘔吐、腹痛などが起こります。最悪の場合、異常に興奮した後昏睡、心不全で命を落とすこともあります。
食べたら下痢、嘔吐、心不全などになります。稀に昏睡、麻痺を起こし、命を落とすこともあります。
ベゴニアには、全体に毒があり、特に球根が有毒です。食べると口の中が痛んだり、口内炎、口唇炎、過剰なよだれなどを引き起こします。
ガーデニングで人気のベゴニアの花、散歩中に遭遇するベゴニアには注意が必要ですね。
シクラメンには全体的に毒があります。特に球根部分の毒性が高いです。
園芸において、秋冬の代表的な花と言われているのがシクラメンです。シーズンになると様々なところでシクラメンと遭遇します。
犬の散歩などの際は特に注意してあげてくださいね。
ヒガンバナには全体的に毒性がありますが、中でも茎と球根には特に強い毒性があります。犬が食べたら嘔吐、下痢、腹痛、麻痺などを引き起こし、最悪命をと落とすこともあります。
インスタ映えなどといって、色鮮やかなヒガンバナと一緒に愛犬の写真を撮る飼い主が増えています。犬が食べたりしないように、気を付けましょう。
室内・家庭菜園・ベランダ・散歩中など、身近にある犬にNGな植物
球根のある植物はNGだということは覚えやすいですね。でも、他にも沢山の犬に食べさせてはいけない植物があります。
球根以外に私たちの身近にある植物で、犬に食べさせてはいけない植物を見てみましょう。
家庭菜園や散歩中にあるナスも実は危険です。特に芽や葉がNGで、お腹の異常、呼吸困難、痙攣、麻痺などの神経症状に加えて、心筋梗塞になる可能性もあります。
鑑賞用のキクの鉢植えや葬儀用のキク、道路わきに小さなキクなどがありますね。
キクは、犬が接触するだけで軽度の皮膚炎を引き起こします。そして、犬が食べると嘔吐、下痢、過剰なよだれ、運動失調、肝臓障害を引き起こします。
キクには愛犬を近づかせないように注意しましょう。
シュウメイギクは、全体に毒があり中でも汁液の毒性が強いです。犬が食べると、嘔吐、下痢、肝臓障害を引き起こします。
シュウメイギクはキク科ではなくアネモネの仲間になります。そのため、キク科のような接触しただけで強い毒性を受けることはありません。
アジサイには牛を殺すだけの猛毒があります。過呼吸、ふらつき歩行、麻痺、痙攣などを引き起こします。
私たちにとっては、薬や食用に使うアロエですが、アロエの樹液によって犬は下痢になります。
アサガオの種は生薬に使われていますが、犬にとっては毒性が強く、下痢や嘔吐に加えて、血圧低下を引き起こします。
イチョウの葉や枝には害がありませんが、実(銀杏)に強い毒性があります。実を沢山食べると呼吸困難を引き起こす可能性があります。
犬がハイビスカスを食べると、嘔吐、下痢、吐き気、食欲不振などを引き起こします。夏のイメージがあるハイビスカスですが、秋が花盛りです。
イチジクは、その樹液、葉、枝に強い毒性があります。樹液に触れると皮膚炎に葉や枝を食べるとよだれ、嘔吐などを引き起こします。
犬がカーネーションに接触すると軽度の皮膚炎、食べると軽度の胃腸障害を起こします。
犬がサフランを食べるとショック状態や臓器不全に陥ったり、口の中が痛む、吐血、下痢、骨髄の動きが低下する場合もあります。
サフランは香辛料としても使われ、パウダー状のサフランが台所に常備してある場合もあります。取り扱いには注意しましょう。
ナンテンは葉と実に強い毒性があります。犬が食べると運動失調、発作、呼吸不全、昏睡などを引き起こし、命を落とすこともありえます。
ナンテンは料理の飾りや庭先に栽培されていたりします。台所や食卓・庭先のナンテンには気を付けましょう。
犬が食べてもいい植物は?
犬が食べてはいけない植物は沢山あります。そこで、混乱しないように、犬が食べてもいい植物を参考までに紹介しますね。
食べてもいい植物を覚えることで、その植物だけ犬に食べさせてあげることが可能です。庭や室内には、このような植物を栽培することをおススメします。
犬が好んで食べるのがこのクマザサです。犬の胃に溜まった毛玉などを吐き出すのに最適です。
胃もたれや胸やけを解消できる、犬のための胃腸薬です。
カモミールは、ダニやノミ対策にも効果があります。香りが良く犬にとって安全なハーブです。
少し接触するだけで香りが広がるローズマリーは、犬の匂いの消臭にも役立ちます。
タイムも消臭効果があります、タイムは繁殖力が強く日当たりがよければ横に広がっていきます。
以上が犬の食べてもいい植物です。この5つの植物以外は避けるのが無難でしょう。
犬と生活しながら、観葉植物を育てる場合の注意事項
観葉植物と愛犬と過ごす穏やかな日々は楽しいですね。このような生活を送るために必要なこと、避けるべきことを確認しましょう。
犬にとっては生死に関わる危険を含んでいるのが観葉植物です。
ここでは、犬を飼っている家で観葉植物を置く時の注意点などを紹介しますね。
◆①犬に危険な観葉植物を置かない
犬が食べたら危険な観葉植物は置かない
高いところに置いたり吊るせば犬には届かないから安全だと、思いたい気持ちは分かりますが、落ちた葉や水を犬が食べたりする可能性もあります。
下記のような「犬に危険な観葉植物は置かない」ことをおススメします。
- ポトス
- アロエ
- ヒイラギ
- スズラン
- カラジウム
- スパティフィラム
- セローム
- クワズイモ
- 緑竹
- ディフェンスバキア
- ドラセナ類
特に、ユリ科、ナス科、バラ科、ツツジ科、トウダイグサ科、キンポウゲ科の植物は注意が必要です。毒性の高い部分は葉、球根、茎、樹液など様々です。
切り花をさした花瓶の水を飲み、腎不全を起こした犬もいますので、要注意です。
◆②犬の食事管理
- 犬の食事に緑黄色野菜を混ぜる
- 犬が喜んで欲しがっても大量に食べさせない
◆③ストレスを回避
- 定期的に犬と散歩にでかけストレス回避
- 犬が退屈しないように適度に遊ぶ
◆④誤飲しないように気を付ける
- 犬が観葉植物に近づいたら口に入れるまえにしかる
- 犬が口に入れている時に無理に取ろうとしない
◆⑤犬の様子がおかしい時は動物病院へ
以下のような症状が見られたらすぐに動物病院へ行きましょう。
- 観葉植物が散らばっている
- 犬の反応が鈍い
- よだれが多くでる
- 犬が歩こうとしてもフラッと倒れる
- 犬が丸まって動かない
- 犬の口の周りに泡をだした形跡がある
◆⑥観葉植物を購入後に気を付けること
- 殺虫剤が葉に付いていたり、土に撒かれていたりするので、葉を拭いたり土を入れ替えたりす
る - バスケットには防腐剤や防カビ剤が付いていることがあるため、犬が噛んで遊ばないように気を付ける
これらは私たちが直ぐにできる対策ですね。出来れば普段から、「ハナセ」「オフ」などのコマンドを犬に教えておくことが大切です。
まとめ
私たちには薬として活躍する植物でも、犬にとっては生死に関係する危険があります。
犬に危険な観葉植物は沢山あり過ぎて頭が混乱します。先ずは、犬に安全な観葉植物だけを覚えて家に置いてみましょう。
そして、それ以外の植物は絶対に犬が食べないように注意することが大切ですね。
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