犬の食中毒の原因は?
まずは食中毒を引き起こしてしまう原因をご説明します。
食中毒は、主に以下のような状況で起きてしまいます。
・フードが傷んでおり、ウイルスや細菌、寄生虫に汚染されていたため
・毒キノコやジャガイモの芽、フグなどの自然界に存在する毒を食べてしまったため
・人間に害がなくても犬にとっては食べると毒となる物を食べてしまったため
それぞれ犬の食中毒の原因となりますので、詳しく見ていきましょう。
◆フードが傷んでおりウイルスや細菌、寄生虫に汚染されていたため
犬にとっての食べ物と言えば「ドッグフード」ですよね。このドッグフードが食中毒の原因となる細菌やウイルスに汚染されていることで、食中毒を引き起こしてしまう事があります。
食中毒の原因菌は、高温多湿が大好物です。そのような環境にいると、食中毒の原因菌が増殖してしまいます。
一般的にドッグフードとして与えることの多いドライフードは、水分率が10%以下でできています。
しかし、室内の湿度や温度が高くなることで、ドライフードが空気中の水分を吸ってしまい、水分率が10%を超えてしまう事があります。そうなってしまうとフードにカビが生えてしまったり、腐ってしまうのです。
カビが生えていたり腐っているドッグフードには、細菌やウイルスがたくさん付いていますよね。そのように汚染されているドッグフードを食べる事で、下痢や嘔吐などの食中毒を引き起こしてしまいます。
→床や地面に落ちた物を食べると食中毒にはなる?
犬は地面に落ちたら汚いという考えは持ち合わせていないので、平気で地面に落ちた食べ物を食べてしまいます。汚染されたフードで食中毒が起きるなら、床や地面に落ちた食べ物を食べると食中毒になるのでは?と思ってしまいますよね。
しかし、犬は人間よりも胃酸が強い生き物です。確かに床や地面に落ちた食べ物は細菌が付いてしまいますが、普段犬と飼い主さんが生活している環境程度では食中毒となる程ではありません。
ということは、多少床や地面に落ちてしまった物を食べた位では食中毒になる可能性はそこまで高くないので心配しなくても良いということです。
ところが、落ちた先が食中毒菌に汚染されている場所だった場合は、食中毒を引き起こしてしまうリスクがあります。万が一の場合を想定して、犬が床や地面に落ちた物を食べた時には、体調に変化がないか様子を見ていてあげましょう。
◆毒キノコやジャガイモの芽、フグなどの自然界に存在する毒を含む食材を食べてしまったため
こちらも食中毒の代表例のような事案ですね。人間と同じく、犬も毒を持っている食べ物を口にしてしまうと、食中毒になってしまいます。
毒のある物を食べてしまった場合は食中毒が重症化しやすく命の危険もあるので、直ちに病院へ連れて行きましょう。
◆人間に害がなくても犬にとっては食べると毒となる物を食べてしまったため
人間と犬は食べても良い物が違います。犬にとって毒となるものを与えると、先ほどの自然界の毒を食べてしまった場合と同じように食中毒になってしまいます。
「知らずに与えていた物が実は犬にとっては毒だった」という事もよくある話です。自分の思い込みで決めつけず、食べて良い物かダメな物かはきちんと調べてから与えるようにしましょう。
こちらの要注意食材は後ほど詳しくご紹介していきます!
フードの保存方法
一番犬の食中毒が起きやすい原因、フードが細菌やウイルスに汚染される事による食中毒を引き起こさないようにするために、フードの保存方法を考えてみましょう。
◆湿気にはご用心!
先ほどドライフードは水分率10%以下という話をしましたが、湿気が多いところに保存してしまうと湿気を吸ってしまいカビが生えてしまいやすいのでオススメしません。ドライフードは湿気が少ない場所に保管しましょう。
冷蔵庫に保管している方も多いと思いますが、冷蔵庫保管だとパッケージの内側に結露が溜まってしまったり、水分が入ってしまう事があります。そのため、実はあまりドッグフードの保管場所としては好ましくないようです。
◆真空保存容器がオススメ!
外部の湿気を遮断する事が出来るように、真空保存になる保存容器を使用する事が望ましいでしょう。また、湿気だけでなく紫外線も遮断できる袋の物があればより良いでしょう。
◆小分けに保存!
大袋のドッグフードは小分けにし、すぐに使い切れるように保存しましょう。出来れば大袋の物を購入するより、初めから小分けになっている物を選んで購入する方が良いでしょう。
◆使い掛けのウェットフードは移し替えて保存!
ウェットフードは缶に入っている物が多いですよね。しかし、1回で使い切らない事が多いと思います。そのままにしてしまうと傷んでしまいやすいので、蓋の開いたウェットフードは必ず保存容器に移し替えて下さいね。
※手作りフードの場合
保存方法とはちょっと違いますが、手作りのフードを与えている場合は、防腐剤や防カビ剤が入っていませんので食中毒のリスクは高くなります。
手作りのフードを与えている飼い主さんの場合は、食品にしっかりと火を通すという事だけでなく、調理器具などもしっかりと滅菌してから使用すると、食中毒のリスクを抑える事が出来るでしょう。
犬の要注意食材
食中毒になってしまう原因の部分で、「犬にとっては毒となる食材がある」とお話しました。これからそのような要注意食材について説明していきたいと思います。
◆犬にとって毒となる食材・代表的なもの
・タマネギ
・チョコレート
・ネギ
・コーヒー
他にもありますが、代表的な物としてはこのような物が挙げられます。
こちらの食材は食中毒を引き起こすだけでなく、他にも様々な病気を引き起こすリスクがあります。
●タマネギの場合
貧血症状、血管内溶血、痙攣、血尿、血便、吐血最悪の場合死のリスクもあり
●チョコレートの場合
血圧上昇、不整脈、痙攣、昏睡、最悪の場合死のリスクもあり
●コーヒーの場合
カフェイン中毒による興奮状態、痙攣、呼吸不全、筋硬直、最悪の場合死のリスクもあり
●ネギの場合
ネギ中毒による溶血性貧血、血尿、嘔吐、下痢、衰弱、心拍数の増加、最悪の場合死のリスクあり
このように食中毒になってしまうだけでなく、とても怖い症状を引き起こしてしまう可能性があります。
「ちょっとくらい大丈夫でしょ」なんて気持ちで大変な事になりかねませんので、可愛い愛犬のためにもこれらの要注意食材は決して与えないで下さいね!
◆食中毒の治療について
食中毒によって起こる下痢や嘔吐は、体内に入り込んだ毒素を体の外へ排出しようとすることによって起こる生理的作用です。そのため、食中毒の時の下痢や嘔吐は、無理に止めずに出してしまった方が回復も早い場合もあります。
一般的に病院では、体内から毒素が出た後に、栄養剤や整腸剤、細菌を殺すための抗生物質などの薬の投与をします。
いつものフードを食べていて食中毒になってしまった場合には、短時間の内に何度も下痢や嘔吐を繰り返す場合は早めの受診が必要ですが、犬の容態が落ち着いているようでしたら一晩様子を見ていても大丈夫な場合が多いです。
ただし、いずれにしても心配ですから、早めに受診して獣医師の指示を仰いだ方が良いでしょう。
まとめ
犬の食中毒についてご紹介しましたが、食中毒についてお分かりいただけたでしょうか?
食中毒の簡単なまとめとしては、
・食中毒の原因は3つ
1.細菌やウイルス、寄生虫に汚染されたフードを食べたため(湿気や高温により傷んだフードなど)
2.自然界に存在する毒を含む食材を食べたため(毒キノコやジャガイモの芽、フグなど)
3.犬にとって毒となる食材を食べたため(チョコレートやタマネギ、コーヒー、ネギなど)
・食中毒を引き起こさないためには適切な保存方法でフードを保存する
・犬にとって毒となる要注意食材を与えない
という事が挙げられます。
食中毒は重症化すると命の危険も出てくる恐ろしいものです。食事をした後の愛犬が普段と違い、下痢や嘔吐の症状が見られた場合には必ず病院に連れて行くようにしましょう。
私たち飼い主が正しい保存方法や与えてはいけない食材を学び、愛犬が食中毒になってしまわないように気を付けてあげましょう!
– おすすめ記事 –
・【徹底解説】犬に餅を与えてもいいの?与え方と食べてはいけない食べ物まとめ |
・ドッグフード選びで知っておきたいドライフードとウェットフードの基礎知識 |
・愛犬が猫用おやつを食べちゃった!それって問題ないの?! |
・愛犬を叩くしつけはNG!トレーニングの基本は褒めること。つい愛犬を叩きそうになった場合は? |