【獣医師監修】犬の下痢は何が原因?どんな治療・予防をするべき?

2023.02.06

【獣医師監修】犬の下痢は何が原因?どんな治療・予防をするべき?

愛犬が突然下痢をしてしまったらビックリしますよね。犬はいつも同じフードを食べていますし、原因は何なのだろう?と心配になってしまいます。下痢は比較的起こりやすい症状ですが、命の危機がある重大な病気が隠れている事もありますから、原因を知っておくという事はとても大切なことです。 そこで、今回は犬の下痢について原因や治療法、予防法をご紹介していきます。

【目次】
1.健康な便と下痢の違いは?
 1.犬の健康な便
 1.下痢

2.犬の下痢の原因は?
 2-1.下痢の原因①食べ物
 2-2.下痢の原因②ストレス
 2-3.下痢の原因③寄生虫
 2-4.下痢の原因④ウイルス性・細菌性
 2-5.下痢の原因⑤内臓疾患
 2-6.下痢の原因⑥体質

3.犬の下痢の治療法は?
 3-1.下痢をしたがすぐに治まった
 3-2.下痢はしているが元気・食欲はある
 3-3.下痢をしている、元気・食欲もない、震えている
 3-4.下痢以外にも嘔吐などの症状がある
 3-5.便が水下痢、黒褐色

4.犬の下痢の予防法は?
 4-1.食べ物からくる下痢の場合
 4-2.ストレスからくる下痢の場合
 4-3.寄生虫からくる下痢の場合
 4-4.ウイルス性・細菌性からくる下痢の場合
 4-5.内臓疾患からくる下痢の場合
 4-6.体質からくる下痢の場合

5.まとめ

【掲載:2019.04.22  更新:2020.1.27】

健康な便と下痢の違いは?

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犬の下痢の原因を説明する前に、犬の健康な便とそうではない便は何が違うのかを知っておく必要がありますよね。

健康な便とそうではない便の違いを簡単に説明いたします。

◆犬の健康な便

・色は焦げ茶~茶
・長い塊状
・艶がある
・人が手でつかめる位の固さ
・ペットシーツに付かない位の湿り気

このような便が「健康で問題のない便」という事ができます。

反対に、健康ではない「下痢」という便の状態はどんな状態なのでしょうか。

◆下痢

下痢は一般的に、便の柔らかく水分量が多い便を言いますが、下痢の中でも便の柔らかさによって種類があります。

●軟便

形はあるので掴めますが、健康な便よりは水分が多く柔らかい便

●泥状便

形がなく泥のような状態の便

●水様便

ほとんど水のような状態の便

下痢とは、このような状態の便の事を言います。


犬の下痢の原因は?

犬の下痢の原因<

さて、「健康な状態の便」と「下痢」の見分け方は分かりましたね。それでは本題の「下痢になってしまう原因」をご紹介していきたいと思います!

◆下痢の原因①食べ物

下痢が引き起こる原因は、食べ物が原因のものが一番多いのではないでしょうか。

食べ物起因の下痢は、フードを新しい種類に変えた、いつもとは違うおやつを与えた、フードやおやつを与えすぎてしまったなどの事が原因で引き起こります。

また、それだけではなく、人間の食べ物を与えてしまう事によっても下痢の症状が出る場合があります。

◆下痢の原因②ストレス

人間でもストレスを感じやすい人がいますよね。犬も同じで、環境の変化や知らない人がいるなどの精神的ストレスに弱い子は下痢を引き起こす事があります。

環境の変化に弱い犬の場合、季節の変わり目や引っ越し、トリミングなどの事があるだけでも下痢を引き起こす事があるので注意が必要です。

◆下痢の原因③寄生虫

寄生虫に感染している場合でも下痢が起きる事があります。特に子犬に多く、成犬では下痢の症状が出にくいのが特徴です。

寄生虫は様々な事が要因で感染しますので、定期的な検査をオススメします。子犬や高齢犬の場合には深刻な事態になりやすいので気を付けましょう。

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◆下痢の原因④ウイルス性・細菌性

下痢の症状が出るウイルス性の病気や細菌性の病気に掛かってしまう事もあります。
ウイルス性の病気の場合、犬パルボウイルスやコロナウイルスなどの命の危機に瀕するような重大な病気の可能性もありますので注意が必要です。

細菌性の場合は、大腸菌やサルモネラ菌が原因となって下痢になります。

◆下痢の原因⑤内臓疾患

内臓に何らかの原因がある場合にも下痢となる事があります。内臓疾患から引き起こる下痢は、高齢犬が多いようです。

若年性の内臓疾患が原因の場合は生まれつきのものが多く、下痢が起きる病気として膵炎・消化管腫瘍・炎症性腸疾患などが多く見られます。

◆下痢の原因⑥体質

色々な体質があるように、下痢をしやすい体質の犬もいます。特にアトピーやアレルギーを持っていると腸内環境が乱れやすいので、下痢の症状が出てしまいやすいようです。

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犬の下痢の治療法は?

様々な事が原因となり下痢が起きてしまう、という事が分かりましたね。

では、愛犬が下痢になってしまった時にどのような治療をすれば良いのか、状況別に見ていきましょう。

◆下痢をしたがすぐに治まった

下痢をしたけれどすぐに治まったような場合、大抵は「いつもと違うフードを与えた」「おやつを与えすぎた」などと心当たりがありませんか?

そのような場合でしたら様子を見ていれば大丈夫です。

ただし、便が正常に戻るまではフードを少なめにする、おやつはお休みするなどの対応をしてあげた方が良いでしょう。

◆下痢はしているが元気・食欲はある

下痢はしているけれど元気と食欲はたっぷりある、というパターンは良くある事です。その場合には、まずはごはんの量を調節しながら様子をみましょう。

できれば絶食させる事が望ましいですが、中には絶食すると気分が悪くなり嘔吐してしまう犬もいますから、愛犬の様子をこまめにチェックする必要があります。

「食欲があり食べ物をねだるから」と言って、下痢をしているのに食べ物を与え続けていると、回復が遅れる可能性があります。

◆下痢をしている、元気・食欲もない、震えている

犬が震えている場合、痛みに耐えているという可能性があります。痛みに耐えているという事は、下痢の他にも何か病気が隠れている場合がありますので、病院へ受診しましょう。

特に小型犬などは痛みが少しでも元気・食欲がなくなりやすいので注意が必要です。

◆下痢以外にも嘔吐などの症状がある

誤食や誤飲などの心当たりはありますか?例えば食べてはいけない人間の食べ物を食べてしまった場合などは、中毒症状として下痢や嘔吐の症状が出ている場合があります。

心当たりがありこのような場合には、すぐに病院を受診する必要があります。また心当たりがなくても、下痢と嘔吐の症状では脱水症状になりやすいので、やはり早めに病院を受診した方が良いでしょう。

病院では状況に応じて皮下注射などの処置を施すようです。

◆便が水下痢、黒褐色

便が水下痢や黒褐色の場合、何か重大な事が起きている可能性もあります。この場合も速やかに病院を受診しましょう。

下痢の治療としては、犬の便を見ない事には原因の特定が難しい場合が多いので、受診する際には下痢便を持って行く方が良いでしょう。
また、いつ頃からどのような下痢をしていて他どのような症状が出ているのかなどを細かくメモして行った方が医師も病気を特定しやすいのでオススメです。


犬の下痢の予防法は?

犬の下痢の原因や治療法について見ていきましたが、出来る事なら愛犬に下痢をさせたくないですよね。

下痢の予防法などはあるのでしょうか?下痢の予防法について見ていきましょう。

◆食べ物からくる下痢の場合

食べ過ぎなどが原因で下痢になってしまう事は良くある事です。

食べ物が原因での下痢を防ぐには、食べ過ぎに気を付ける、一日の食餌量を守る、いつもと違う物は少量から試す、与えてはいけない食べ物が犬の口に入らないように気を付けるなどの方法が有効です。

出来る事なら、人間の食べ物は与えないという事が一番の予防ですね。

◆ストレスからくる下痢の場合

ストレスを感じやすい犬の場合の下痢にならないための予防法は、「なるべく環境を変えない事」です。このような犬は環境の変化が一番ストレスに感じやすいので、できるだけ普段と変わらないような生活を送れるようにしましょう。

しかし、旅行や引っ越しなどでどうしても普段と同じ生活をする事が難しい時もありますよね。
そのような時には事前に掛かり付けの病院で相談し、整腸剤を飲ませておくことも有効な予防法です。

◆寄生虫からくる下痢の場合

大抵は便を検査すれば寄生されているかいないかは分かるものです。寄生虫に感染してしまうと、下痢だけでなく様々な症状を発症してしまうリスクがありますし、愛犬が寄生されているというのは気持ちの良いものではありませんよね。

下痢や他の症状が出ていなくても、定期的に糞便検査を行なう、定期的に駆虫薬を使用するなどの予防をオススメします。

◆ウイルス性・細菌性からくる下痢の場合

実はウイルス性や細菌性が原因で下痢になってしまう場合、コレといった予防法がないのが現状です。

ウイルス性・細菌性の下痢になってしまった場合には犬も辛いですから、すぐに病院を受診し薬を投与しましょう。

◆内臓疾患からくる下痢の場合

内臓疾患というものは飼い主では判断出来ません。下痢の予防というより、大切な愛犬の内臓疾患を早期発見するためにも、定期的に検査する事をオススメします。

◆体質からくる下痢の場合

アレルギー体質やアトピー体質の犬の場合「一定の食べ物を食べると下痢をしてしまう」というケースが多く見られます。人間のアレルギー体質の人も卵を食べると、アレルギー症状として下痢・嘔吐・蕁麻疹などが出てしまいますよね。

体質により下痢になってしまう場合は、下痢を発症してしまう食べ物を与えない、触らせない、アレルギー検査をして愛犬のアレルギーを把握しておくなどの予防をしましょう。

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まとめ

犬の下痢

犬の下痢の原因から治療法・予防法までを説明していきましたが、愛犬の参考になりましたか?

愛犬が突然下痢をしてしまうと慌ててしまいますが、そんな時こそ飼い主が落ち着いて状況をしっかりと把握し、病院で先生に説明出来るようにしましょう。

いずれにしても下痢で病院に行く時は、犬の便を持って行く事をオススメします。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に15医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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ちょば

ちょば

わんちゃん大好き人間です。動物の専門学校にて様々な資格取得後トリマーやペットショップの店長を経験しました。たくさんの方に楽しいワンワンライフを送っていただくため、持てる知識と経験をフルパワーで提供していきたいと思います。

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