拒否柴・不動柴とは
「拒否柴」とは、柴犬が散歩中に突然動かなくなったり、これまで進んでいた道とは真逆の方向に進もうとしたりと、自分の意思を通そうとする様子の柴犬を指します。
また、「不動柴」と呼ばれるのは、飼い主がどんなにリードを引こうと頑なに動かなくなる柴犬の様子のことです。
散歩拒否の仕方は様々で、道端で突然座りこんだり寝転がってみたり、こっちに進みたいの!と飼い主に逆らってリードを引っ張り、顔のお肉がむにっと集まってしまうこともしばしば。
そんな姿がなんとも可愛らしく、SNSでも話題になることもありますが、飼い主にとっては非常に苦労する日常の一コマです。
ここからは、一体どのような理由で散歩の拒否をするのか、対策や改善方法についてご紹介します。
拒否柴・不動柴はなぜ起こる?
拒否柴、不動柴となった愛犬には、どのような理由があるのでしょうか。
考えられる4つの原因をご紹介します。
◆理由①自分の意志と異なるから
柴犬は、飼い主への自分の意思表示として「拒否柴」を行います。
散歩のタイミングや散歩のルートが飼い主さんの考えと違った時や、まだ自分が散歩に満足していないのに帰ろうとした時など、「私は嫌だよ!」と伝える為に散歩拒否をします。
なぜ散歩拒否が柴犬に多く見られるのかというのは、柴犬の元々の性格が関係しています。
柴犬といえば、古くから猟犬や番犬として活躍しており、従順なイメージが強い犬種かと思います。
実際に柴犬は飼い主と認めた人には忠実ですが、相手のことを認めていなかったり全く知らない人に対しては、なかなか懐かなかったり指示を聞かなかったりと柴犬は頑固な一面もあり、自分なりのこだわりがある子が多いです。
このように犬の中でも自立心が高い性格であることから、自分の意見を行動で主張する子が柴犬には多く、「拒否柴」というワードが生まれるほど柴犬には散歩拒否が多く見られるようです。
◆理由②集中力が続かないから
柴犬はよく「集中力がない犬種」といわれることがあります。
これは決して能力的に劣っているというような問題ではなく、柴犬は昔から猟犬として飼育されていたため、牧羊犬のように人の指示をよく聞き、周りに合わせる、という集中力よりも自分で獲物を見つけられるような能力を伸ばしていくことの方が重要だったのです。
柴犬はその名残で長時間の散歩やトレーニングに飽きてしまうことが多いと言われています。
また、物事を覚えるスピードが他の犬種に比べて少し遅いと感じることがあるかもしれません。
これは繊細で集中力がなかなか続かない柴犬の性質が要因です。
飽きからくる散歩拒否もあるということも覚えておきましょう。。
◆理由③過去に怖い思いをした経験があるから
散歩拒否の原因の一つとして、その道の先で過去に怖い思いや嫌な思いをしたことがある可能性があります。
「自分より大きな犬がいた」「そこを通りがかった時に大きな物音がした」など、恐怖の対象はそれぞれかと思いますが、そのような経験を1度すると、その後その場に向かうことを拒否することがあります。
また、極度に怖がりな性格だと散歩自体に行くことを拒否することも。
◆理由④体調不良や年齢による拒否
散歩中や散歩に行く前に、それまでは普通だったのに突然散歩の拒否をするようになった!ということもあるかもしれません。
そのような場合は、体調不良や年齢によっては体力の低下に伴い散歩がしんどくなって「いきたくない!」「歩きたくない!」と主張しているのかもしれません。
触ることも嫌がる場合は痛みを抱えてる場合がありますので、愛犬の様子を伺いながら速やかに病院を受診するようにしましょう。
散歩拒否対策と改善法
ここまで“イヤイヤ”の原因やなぜ柴犬に多く見られるのかを見てきましたが、写真や動画で見る分には可愛くても、実際のお散歩中にずっと“イヤイヤ”され続けてもなかなか困るもの…。
また、飼い主がずっと犬の言いなりになりすぎてしまうと犬は“イヤイヤ”してもいいんだ!と覚えてしまいます。
飼い主にも犬にも快適なお散歩にするために、ここまで見てきた柴犬の性質をもとに“イヤイヤ”されたときの対処法をご紹介します。
◆主導権はいつでも飼い主に
自分の愛犬が“イヤイヤ”するとなると、可愛いやら甘やかしたいやらでつい怒ることを忘れてしまう飼い主さんも。
しかしその“イヤイヤ”がわがままからしている行動なのであれば、犬の言いなりになってはいけません。わがままな主張は通さずに、遊んでいる感覚で“イヤイヤ”を楽しむことが大切なのです。
普段からわがままな行動に対しては叱り、遊んでほしい時には全力で遊んであげるといったしっかりと飼い主がコントロールしていけるような関係性を築きましょう。
ただし、いつでもリードを力ずくで引っ張ったり叩いたりして言うことを聞かせるようなことは避けましょう。犬にとっては飼い主だけが頼れるべき存在です。きちんとメリハリをつけて飼い主を信頼させましょう。
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◆いつもとは少し違う散歩コースを歩いてみる
柴犬は集中力が長く続かないという性質があるので、“イヤイヤ”をする犬が多い可能性があります。
急に散歩に飽きてしまったり、歩き疲れてしまったり、様々な理由で“イヤイヤ”をすることがあります。散歩のときに毎回“イヤイヤ”をされたら、「お散歩がつまらない」というサインかも。
マンネリ化を避けていつもの散歩とは少し違うコースを歩いてみたり、散歩のタイミングを少しずらしてみるのも効果的です。
ただし、臆病な子は環境の変化を嫌うので、帰り道を違うルートで帰ってみるなど少しずつの変化がおすすめです。
柴犬は警戒心が強いので、びっくりしすぎて一歩も動いてくれない!という場合も考えられます。愛犬の性格を理解した上で日々少しずつ試してみましょう。
◆歩く楽しさを覚えさせる
「散歩がつまらない」「歩くのがもう嫌だ」という理由で“イヤイヤ”をしているのかも?という場合、歩くことで得られるメリットを教えてあげましょう。
例えば散歩前・散歩の途中・散歩後の3段階でおやつをあげるなど。撫でられるのが好きな子なら散歩が終わったら思い切り撫でてあげるのもいいでしょう。犬にとっての楽しみを用意しておくと、これをやればごほうびがもらえる!と覚えてくれます。
ただし、一度や二度成功しなかったからといってすぐに方法を変えてしまうと、覚えるスピードが少し遅めの柴犬はごほうびと覚えることが難しく、毎日コロコロと変わることに戸惑いを覚えてしまいます。
柴犬の性質と、愛犬が喜ぶことをきちんと見極めてごほうび作戦を実行してみましょう。
まとめ
飼い主さんからしたら愛犬がイヤイヤ!と散歩拒否して動いてくれないのはなかなか困りものですが、犬からしたらそれは「まだ帰りたくないよ~」「飼い主さんとまだ一緒にいたい!」という構ってのサインかも。
もしくは“イヤイヤ”をして「カワイイ」と言ってくれる飼い主さんを見たいから、という場合も考えられますね。
どのような理由があって散歩拒否しているかは、中々わかりづらいですが、散歩拒否をした瞬間にすぐ叱りつけるのではなく、なかなか遊ぶ時間が取れていないのか、あまり構ってあげられていないのか、なぜ嫌なのかなど、一度愛犬の立場になって少し考えてみてください。
柴犬は我慢しやすい傾向にあるので、いつか我慢が切れて爆発してしまわないよう、柴犬の性質や愛犬自身の性格をふまえて毎日向き合っていきましょう。
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