1.「トリミング」とは
1-1.プラッキング
1-2.クリッピング
1-3.カッティング
2.自宅でのトリミングに必要な道具
2-1.カットハサミ
2-2.梳きバサミ
2-3.バリカン
2-4.ミニバリカン
2-5.ミニハサミ
3.自宅でできる犬のトリミングの手順
3-1.トリミングの手順①足周り
3-2.トリミングの手順②体
3-3.トリミングの手順③顔
3-4.トリミングの手順④耳
3-5.トリミングの手順⑤尻尾
【掲載:2019.07.29 更新:2023.05.16】
「トリミング」とは
皆さん「トリミング」というと、どのようなことを思い浮かべますか?
一般的に、トリミングというと「犬の被毛をカットすること」を指す言葉だと思う方が多いと思います。
しかし実は「トリミング」という言葉は、犬の被毛をカットする事だけを指しているのではなく、「プラッキング」「クリッピング」「カッティング」の3つの作業の総称を「トリミング」と呼んでいます。
それでは、それぞれどのような作業になるのかを説明します。
◆プラッキング
プラッキングとは、すでに抜けてしまっている被毛や死んでしまっている被毛を抜き取る事を言います。
それだけでなく、トリミングの業界では、テリア犬種などの被毛を「間引く」ことで見栄えを良くしたり、より良い被毛が生えてくるようにすることもプラッキングと呼ばれます。
ポメラニアン・柴犬・コーギー・シェルティなどの犬種は特にアンダーコートの抜け毛が多いため、換毛期になるとたくさん被毛が抜けますよね。
プラッキングとは、そのように毛根から抜け落ちてしまっている被毛を取り除いてあげる事で皮膚への通気性を良くするだけでなく、体温調節をスムーズに行なう事が出来るという良い点があるんですよ。
こちらのプラッキングですが、おそらくたくさんの愛犬家の皆様がもうすでに行なっている事だと思います。
こちらの作業を自宅で簡単に行なっているのが「ブラッシング」なのです。
◆クリッピング
クリッピングとは「バリカンなどにより被毛を刈ること」を言います。
シーズー・プードル・マルチーズなどを飼っている方で、トリマーに「短めカット」を注文している方の大半は、このようにバリカンを使用してクリッピング作業をしてもらっているのではないでしょうか。
クリッピングの良い点としては、犬に負担が掛からないように素早く被毛を短くできるという事です。幼犬や老犬などの体力や集中力が弱ってきている犬にとっては、負担がとても軽くなりますのでオススメです。
◆カッティング
トリミングというと大半の方が想像した、「ハサミで犬の被毛をカットする」という作業がこの「カッティング」にあたります。
自宅でトリマーさんのように美しいカットがしたい!と思っている方は修行が必要となってしまいますが、実は少しの要点さえ抑えられれば自宅でも見栄えの良いカットは出来るんです!
愛犬の被毛が伸びてきてしまったけれど、次のトリミングの予約までまだ時間がある…という方のために、自宅でのトリミングの手順をご紹介していきます!
自宅でのトリミングに必要な道具
自宅でトリミングをしよう!となった際に、まず犬をスタンバイさせるよりも先に「道具」を用意しておかなければなりません。準備にもたついてしまうと、時間が掛かり犬の集中力が切れてしまいますし、何より犬も不安になってしまいます。
トリミングを始める前にはすでに道具が全て揃っている状態で始められるようにしたいので、犬のトリミングに必要な道具を紹介しますね!
◆カットハサミ
トリマーさんの間ではカットハサミの事を「シザー」と言う方が多いです。トリマーの方はハサミをたくさんもっている姿が目に入ると思います。
なぜそんなにたくさんのハサミを持っているのかと言うと、トリマーの方の使っているカットハサミはハサミごとに切れ味や軽さが違うので、好みや切る箇所によって使い分けているんですよ!
皆さんが自宅でトリミングをする際に使うハサミは、市販の犬用カットハサミで大丈夫です。
犬のトリミングをする際に、普段紙を切るような普通のハサミを使ってトリミングをする事は絶対にNGです。
なぜなら、紙を切るような普通のハサミと犬の被毛を切るカットハサミとでは、刃の構造が違うからです。
トリマーさんのようにハサミのプロならば普通のハサミでも使いこなせるかもしれませんが、そうでない方が自宅で普通のハサミを使って犬の被毛をカットした場合ほぼ高確率で失敗してしまいます。
愛犬のキュートな見た目を守るためにも、「犬用のカットハサミ」は必需品です。自宅でトリミングをする際には必ず準備しましょう。
◆梳きバサミ
自宅でのトリミングの際に、あると便利なのが「梳きバサミ」です。
この梳きバサミはよく見てみると刃が規則的に欠けています。刃が規則的に欠けている事で「切れる被毛」と「切れない被毛」が出来るため、被毛の「長さ」は変わらずに被毛の「量」を減らす事ができます。
自宅でのトリミングが初めてで不安だという方は、まずは梳きバサミで様子を見てからカットハサミを使うようにしても良いかもしれませんね。
しかし、梳きバサミだからといって何度も同じ場所で切ってしまうと、量だけでなく長さも切れてしまいますので注意しましょう。
梳きバサミはあくまでも、「自然に被毛の量を落としたい」という時に使うべきハサミですので、何度も同じ場所で動かして変なカット跡が付いてしまわないよう気を付けましょう。
◆バリカン
犬の体の毛を短くしたい場合やカットハサミでのカットに自信がない方は、バリカンを使用することをオススメします。バリカンで犬の毛をカットすれば、ハサミでカットするよりも簡単に早く被毛を短くする事ができます。
しかし、バリカンはやり方や力の強さを間違えると、愛犬を怪我をさせてしまう恐れもあります。
被毛を均一にする際は、特に皮膚などは関係ありませんが、バリカンを使って肛門周りの毛をカットするときは、バリカンを皮膚に当てないように皮膚から一定の距離を取りながら刈るように気を付けましょう。
◆ミニバリカン
ミニバリカンは、普通の大きさのバリカンに比べ、細かい場所の作業に向いています。
具体的には、肛門周りや足の裏の毛を刈り取るときの使用がおすすめです。こちらは先ほど紹介した普通のバリカンでも大丈夫という方は除外していただいても大丈夫です!
◆ミニハサミ
ミニハサミは、足周りの毛を整えたり、目周り、口周りの毛を整える時に使用します。こちらは目や口などの近くで使用するため、刃の先が丸くなっていて尖っていない物を選びましょう。
自宅でできる犬のトリミングの手順
まずは、トリミングを始める為の準備をしましょう。
はじめに愛犬の健康チェックから行い、皮膚に異常はないか、傷はないかを確認します。
また、この段階で身体を触ることに嫌がるようなことがあれば、どこか痛みを持っているかもしれませんし、実際に異常な点を見つけた場合には速やかに動物病院に連れて行ってあげてくださいね。
愛犬の状態のチェックが終わったら、次は道具やトリミングの場所のチェックです。
必要な道具はすぐに取れる位置にあるか、愛犬が安全かつリラックスできる状況か、台に乗せる場合はがたつきがないかなどの確認をしてあげてくださいね。
それでは、自宅でできる犬のトリミングの手順を説明していきます!
◆トリミングの手順①足周り
トリミングを始める際、まずは足周りから取りかかりましょう。トリミング初心者で不安だという方も、まずは足周りからチャレンジしてみることをオススメします。
足周りの毛が整っているだけでもかなりスッキリとした印象になりますよ!
足周りの毛は、犬が立っている状態で地面に付いてしまっている毛が地面に付かないようにカットします。
また、家のフローリングで滑ってしまわないよう、足裏は肉球から飛び出ている毛を刈ってあげます。
プロのトリマーは、犬の指をしっかりと開かせた状態で、指の間や肉球の溝のところのカットも行いますが、なかなか難しいので自宅でやる際にはここまでやる必要はないでしょう。
◆トリミングの手順②体
次に犬の体の部分をトリミングしていきます。毛を短くしたい方やハサミに自信がない方は、バリカンを使用すると良いでしょう。
カットする前には良くブラッシングを行ない、寝ている毛をしっかりと立ち上がらせましょう。
バリカンでカットする場合、途中で躊躇してしまいバリカンを止めてしまうと、バリカンで刈り取った面がガタガタになってしまいますので注意しましょう。
また、商品のところで説明したように皮膚に押し付けるようにすることは厳禁です。
◆トリミングの手順③顔
体の後は犬の顔の毛をカットします。顔の毛をカットするときはバリカンを使わずにハサミを使います。
この時、ハサミの刃は目に向かわないように気を付けて下さいね。
◆トリミングの手順④耳
顔までトリミングが終わりましたら、耳の毛をカットします。耳の毛は顔とのバランスを見ながら、毛を下に梳かしながら切りそろえます。
耳の皮膚を切ってしまわないように、耳の皮膚を良く確認してからカットしましょう。
◆トリミングの手順⑤尻尾
最後に尻尾のカットをします。尻尾のカットも良く毛を梳かし、全体とのバランスを見ながら切りそろえていきましょう。
シーズーやマルチーズなどの毛質の犬の場合は、尻尾を地面と水平に持ち、毛を下に梳かしてから半月の形になるようにイメージしてカットします。
まとめ
自宅でもできる犬のトリミングについてご紹介していきましたが、いかがでしたか?
犬によっては嫌がる作業もあるはずです。愛犬が嫌がる項目を無理矢理押さえ付けて行なってしまうと、愛犬がさらにトリミングを嫌いになってしまうという恐れもあります。
愛犬が暴れる程嫌がっているような時は一度その項目を飛ばし、落ち着いた頃に再度トライしてみましょう。
ご紹介したトリミングの手順については、必ずしもこの手順を守らなくてはいけない訳ではありませんので、気楽にやりましょうね。
自宅で愛犬をトリミングできるようになれたらとても嬉しいですよね。無理をしない範囲で愛犬の自宅トリミングにトライしてみてはいかがでしょうか?
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