【掲載:2019.11.15 更新:2024.09.05】
ボーダーコリーってどんな犬?
◆起源
コリーという犬種名で呼ばれることが多いですが、実はコリーはさらにいくつかの種類に分類されていて、ボーダーコリーはそのうちの一つなのです。
コリーは賢い性質で昔から牧羊犬として使われていましたが、その中でもボーダーコリーはさらに頭がいいといわれていいます。
ボーダーコリーは8世紀から11世紀にかけてスコットランドに持ち込まれ、原産地がイングランドとスコットランドまたはウェールズの境地域(ボーダー)であったことから、「ボーダーコリー」と呼ばれるようになりました。
大変運動神経がよく、牧羊犬として使われる他に、ドッグスポーツや訓練協議会で常に好成績を残す犬種としても知られていきました。
ボーダーコリーは古くから活躍していたものの、その運動能力や頭の良さばかりが重視されていたため、「ボーダーコリー」という名前がついたり犬種として認められるようになるまで50年以上もかかっているのです。
他にも「ラフコリー」や「スムースコリー」など、いくつか種類がありますが、ボーダーコリーは他の種に比べて少し小さく日本でも飼いやすいと人気です。
見た目は少しずつ異なっていますが、いずれも牧羊犬として活躍していたこともあって運動神経がよく、頭がいいという点は共通しています。
性格も穏やかで、家族に対しても従順なので、きちんと運動させてしつけができればどの種類でも賢く優秀な犬となってくれるでしょう。
◆性格
ご存知の通り、ボーダーコリーは大変頭がよく、判断能力に優れています。
活発な性格で体力もあるので、遊んだり動き回ることはもちろん、特に飼い主と遊ぶ時間が大好きなのです。
家でじっとするのはストレスが溜まってしまうので、十分なお散歩とボールやフリスビーを使った遊びをさせてあげましょう。
家族に対してとても愛情深く、小さな子どもがいるご家庭でも穏やかに過ごすことができ、他の犬と遊ぶというよりは人と何か作業をしていることを好みます。
その飼い犬にぴったりな性質は元々のボーダーコリーの使われ方が関係しています。
名前の由来となっているイングランドとスコットランドの国境近くは、岩場も多く足場が悪かったので人間が動き回るのは難しい環境でした。
そんな中活躍してくれたのが「ボーダーコリー」で、その頃から人間の役に立とうと働きかけていたのです。
反対に、人と過ごすことが好きなので、個体差はありますが番犬や留守番にはあまり向いていないという声もあります。
できるだけ一緒に過ごす時間を増やしてあげると喜んでくれるでしょう。
また、そんな賢さからは想像し難い「おっちょこちょい」な一面も。
窓ガラスに映った自分を見て遊びたがったり、窓ガラスや電柱などに頭をぶつけてしまうこともあり、そんな天然なところもボーダーコリーが愛される理由の一つでもあります。
◆毛色や模様の種類
ボーダーコリーはブラックとホワイトの2色に分かれた毛色でロングコートのタイプが一般的ですが、実は毛色の種類が豊富なのです。
ブラックとホワイトの子もよく見てみると少しブラウンに近い色だったり、少しずつ違っているのです。
また、色の割合でも「ホワイト×ブラック」などと呼び方が変わることがあるので面白いですよね。
ブラック×ホワイト以外の毛色ではレッド(明るい茶色)やチョコレート(濃い茶色)、ブルー(グレーのような色)などとホワイトの組み合わせがあります。
この中でいうとレッドやチョコレートは珍しく、ブラック以外だとブルーが比較的多い色だといわれています。
ボーダーコリーは模様の種類が豊富なのも特徴です。
両目の間から鼻先まで中央を通る白い線のことをブレーズといいますが、このブレーズの両側に黒色が広がっている顔の模様が一般的です。
たまに片側のみに色が入っていたり、顔のみ真っ白など、色だけでなく模様の違いもいろいろ見てみると楽しいです。
なぜここまで種類が豊富なのかというと、元々優秀なボーダーコリーをさらに良くしようと人間たちが品種改良のために異種交配を重ねたためです。
そうして突然変異で珍しい毛色や模様が生まれていきました。
特に「ブルーマール」と呼ばれる毛色は繁殖が難しく、とても貴重なカラーとされています。
また、耳のタイプもいくつかあり、垂れていたりピンと立っていたりそれぞれ変わってくるので、毛色や毛の長さ、耳の形の掛け合わせをすべて考えるとかなり多くの種類が存在しています。
ボーダーコリーの「ブルーマール」とは
ブルーマールとは、ブラック×ホワイトのようにはっきりと色が分かれているものではなく、大理石のようにグレー、ブラック、ホワイトが入り混じった個性的で魅力的なカラーです。
ブルーだけでなく、マール系と呼ばれる毛色のタイプはチョコレートなどの場合もありますが、特にブルーマールは個体数が非常に少なく希少性が高いものとされています。
ブルーマールのボーダーコリーは「マール因子」と呼ば
れる遺伝子を持って生まれます。
特殊な遺伝子で、色素を作る力が弱まるため、毛色が白っぽくなることが多く。目の色も一般的なボーダーコリーの色とは異なります。
このマール因子を持っていると、障がいを引き起こしやすくなるといわれています。
例えば、耳が聞こえなかったり目が見えないなどの障がいを引き起こしたり、中には、内臓疾患などを引き起こす場合があります。
また、マール遺伝子を持つ犬同士を交配させると、高確率で奇形種が生まれるといわれています。
こうして生まれたボーダーコリーを「ダブルマール」と呼んでいるのですが、このダブルマールの繁殖は禁止されています。
見る分には美しく珍しいので人気なのですが、飼う際にはきちんとブルーマールの特性を理解することが大切です。
ボーダーコリーを飼う時のポイント
ボーダーコリーは元々賢い犬種ではありますが、家族に愛情を注ぐ従順なタイプなので、飼い主を主人と認めない場合は手が付けられなくなってしまうこともあります。
幼い頃からきちんとしつけていなかったり、指示が出ないと成犬になっても言うことを聞けない子になってしまうので、ボーダーコリーの性格に頼って放置するのではなく、子犬の頃からのしつけはとても重要になります。
まずは自分が先に行動して真似させたり、上手にできた時は思い切り褒めてあげることで覚えが早くなりやすくなります。
人の役に立つことが好きなので、飼い主が喜ぶ姿を見せれば「もっと喜ばせたい」と感じてくれるはずです。
また、叱る時は低めの声で厳しめに伝えると効果的です。
ボーダーコリーに限りませんが、ダメなことを伝える時に笑ってしまったり、中途半端な態度を見せるとワンちゃんが勘違いを起こしてしまう原因となります。
きちんとメリハリをつけることで早く覚えてもらうことにつながります。
ボーダーコリーは牧羊犬として活躍しており、運動能力がとても高い犬種です。
かなり体力もあって運動を好むので、運動不足はストレスになってしまいます。
できるだけ朝夕2回の十分な散歩と、おもちゃを使った運動なども日々取り入れましょう。
休日などゆっくりできる時は積極的にドッグランに連れて行き、思う存分走らせてあげることで病気やストレスの予防につながります。
特に散歩は小型犬であれば家の周りを一周、などと軽めの散歩で済むようですが、ボーダーコリーの場合は運動量をキープするために上り下りのある坂道や、1時間以上歩くと喜んでくれます。
ボーダーコリーは牧羊犬としての修正で動くものを追いかけやすい傾向にあります。
例えば転がってきたボールや自転車、小さな子供など、思わぬタイミングで走り出してしまう可能性があります。
事故を起こしてしまわないためにも「待て」などの基本的なしつけは必須です。
フサフサの毛が魅力的なボーダーコリーですが、その分抜け毛も多いのできちんと毎日ブラッシングをしてあげましょう。
毛玉を作って絡まってしまったり、皮膚に影響してしまうことがあるので、サラサラのきれいな毛を維持するためにはこまめなケアが必要です。
また、えさを選ぶ際にも高タンパクのものを選ぶなど、被毛に良い成分が入ったフードを選んであげましょう。
とにかくボーダーコリーは人と触れ合ったり人の役に立つことが大好きな犬種です。
毎日撫でてあげるなど積極的にスキンシップをとることで、ボーダーコリーはリラックスしてくれます。
1人でのお留守番などはストレスになってしまうことがあるので、できるだけ長時間の不在は控えてあげて、一緒にいてあげることがボーダーコリーを快適に過ごさせてあげるためのベストな方法です。
ボーダーコリーを飼う前によく調べましょう
ボーダーコリーにはとてもたくさんの種類があり、毛色や耳のタイプなどの掛け合わせを考えると本当にいろいろな種類の子がいるのです。
定番のブラック×ホワイトも可愛らしいですし、珍しいブルーマールを求めてブリーダーさんを訪ねるのもいいでしょう。
希少性が高い毛色のタイプはペットショップで出会えるとも限りません。
きちんと事前に調べ、またブルーマールの場合は障がいの可能性などを理解した上でお迎えすることが大切です。
元々が大変優秀な犬種なので、きちんとしつけをして毎日触れ合って、自慢の愛犬として育てていきましょう。
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