ボーダーコリーの特徴とは?
ボーダーコリーの特徴を語るときに欠かせないのが、「運動神経の良さ」と「ナンバーワンの頭脳」です。
◆抜群の運動能力の持ち主
ボーダーコリーは中型犬の分類で、体重14~20キロ程度が犬種としての理想体型です。
見た目はがっしりしていて、かなりアクティブに動けるワンちゃんです。
ボーダーコリーの名前にある「コリー」とは、原産国となるイギリス・スコットランドでは“牧羊犬”の意味を表す方言なのだとか。
「もともとイギリスに存在していたコリー種達」と「スカンジナビアから渡ってきたボーダーコリーの祖先と見られる犬」とが繰り返し交配され誕生したのが現在のボーダーコリー…との説が濃厚のようです。
ボーダーコリーは、牧羊犬として大活躍していた犬です。
険しい崖地でも動ける並外れた運動神経、数百匹の家畜相手に吠えて誘導するスタミナと、コリー犬の本能が強く表れています。
その素質を犬種として受け継ぎ、やがてドッグスポーツでは常連の犬種となってきました。
ボーダーコリーの歴史からも分かるように、家庭犬となってもなお「運動神経」は健在です。
◆犬界ではナンバーワン!きわだつ頭脳の持ち主
そもそも「犬」は、人間の幼児レベルに相当する頭の良さを持つと言われています。
歴史も体格もまったく異なるたくさんの犬種のなかでも、特にボーダーコリーは賢いようです。
それは、犬の研究に熱心なスタンリー氏という大学教授が行った実験で実証済。
実験では、「人間が指示を出す⇒それを理解する⇒従うことができるか」と、人間の指示に対しての反応をさまざまな犬種に向けて調査したようです。
そして、約95%の確率で指示に従うことができたのがボーダーコリーでした。
やはり、牧羊犬として家畜達を統率する能力がずっと引き継がれているため、頭が良いのかもしれませんね。
◆ボーダーコリーの性格を知ろう!
カッコよさと聡明さを持つボーダーコリー。
それに見合ったように、性格も素敵な部分がたくさんあります。
◆家族に対しての愛情はピカイチ
子犬の頃に飼い主さんを「自分のリーダーだ!」と認識すれば、ボーダーコリーはとことん愛情を注いでくれます。
頭が良いので飼い主さんからの指示への反応もスムーズですし、それに従えば喜んでもらえることも理解できています。
従順で優しく、温かい存在のパートナーとなってくれるでしょう。
◆楽しいことが大好き
運動能力が高いボーダーコリーは、とにかく動くことが大好きです。
ドッグランなどの広場では、楽しそうに駆け巡る様子が見られるでしょう。
そもそも牧羊犬として日々走っていたボーダーコリーなので、走ることに対してのスタミナが満載なのでしょう。
「疲れないのかな…?」という飼い主さんの心配をよそに、いつまでも走り回っているほどです。
また、ドッグスポーツでもよく見かけますが、フリスビーのような飼い主さんとの遊びも大好きなボーダーコリー。
遠くに投げても、抜群のコントロールでキャッチする運動神経の良さが光ります。
「一緒にドッグスポーツ競技に出たい」という飼い主さんの願いにも応えてくれることでしょう。
◆作業に対しての意識が高い
家庭犬として飼う場合、牧羊犬時代のように「人間の作業を手伝わせる」ということはあまりないかもしれません。
ペットとして飼われたボーダーコリーなら、「しつけ」や「ドッグスポーツに出るための訓練」かもしれませんね。
どんな作業でも、大好きな飼い主さんとなら「やるぞ!」という高い意識を持って挑んでくれることでしょう。
◆冷静さも持ち合わせている
人間との遊びが大好きという「明るさ」の反面、ボーダーコリーにはクールな部分も見られます。
牧羊犬として家畜をまとめていた時代の名残から、初見の人に対する警戒心が強いこともあるようです。
「吠えて追いかけ回す」という気質により、急に荒くなるときもありますが、飼い主さんがしつけを徹底していけば抑えられるでしょう。
牧羊犬の過去を持つ…と聞くと、どこかヤンチャで荒々しいイメージを抱きがち。
でも、実際には「瞬時に判断する能力を持つ、頼りがいのある犬種」と言えそうです。
ボーダーコリーの子犬を迎えるために準備してきたい環境
体重が20キロにもなる中型犬のボーダーコリー。
活発に動きたかがるので、それに合わせて飼うときには環境を整えてあげた方がいいでしょう。
◆室内飼いか、屋外飼いかを考える
まずは、ボーダーコリーを「室内で飼うか」「屋外で飼うか」を考えておきましょう。
アスリートのような頼もしいワンちゃんなので外飼いに向いているイメージがあるかもしれませんが、屋外で飼うのは気象によるダメージを受けるリスクを覚悟しなければなりません。
「暑さが厳しい夏」「雨風が激しい日」「雪が積もる冬」など、人間でも厳しいと感じる気候では、ボーダーコリーだって不快ですよね。
「暑い・寒い」からストレスを感じ、それが原因で病気になるかもしれません。
もし、室内スペースが狭くて屋外で飼うなら、「暑さや寒さをしのげるか?」は十分に配慮してあげましょう。
日光がジリジリと直接当たる場所だと熱中症のリスクがありますし、雨が直に入ってくる犬小屋もあまりよくありません。
悪天候時には玄関に入れて過ごさせるなどの工夫も必要です。
また、ボーダーコリーは牧羊犬の資質が備わっているため、スピーディーに動く何かをターゲットとし「追いかけたい」という衝動にかられることがあります。
状況によって一概には言えませんが、道路が見える場所で外飼いすると「何かが動いていった!」と追いかけようとするかもしれません。
いくらチェーンで繋がれていても、それが何らかの拍子に外れてしまい、危険な目にあう可能性もあるでしょう。
安全面を考えると、室内飼いがいいのかもしれませんね。
◆ケージを準備しておこう
室内で飼うなら必要なアイテムがケージです。
子犬の頃には小さいサイズのボーダーコリーでも、生後半年くらいにはすでに結構な大きさになります。
最終的に、1歳になった頃には14~20キロと「大きくなったな~」と実感することでしょう。
そのため、小さいサイズのケージを買うとすぐに使えなくなるかもしれません。
「子犬のボーダーコリーには少し大きいかも…」という感じでも、やがてピッタリとフィットしていきます。
ケージは留守番や来客時に重宝するので、子犬を迎える前に準備しておきたいアイテムです。
◆滑らない空間にしておこう
ボーダーコリーの運動神経はかなりのものです。
広い場所で颯爽と駆ける姿はカッコいいので、ついつい見惚れますよね。
子犬期には、急に方向転換をしたり、ダッシュしたりと、ヤンチャな様子を見せるボーダーコリー。
運動神経が良い犬ですが、急な動きをしたときに、滑りやすい床だと関節を痛めるリスクが出てきます。
カーペットを敷いたり、滑りにくい素材のコルクマットにしたりと、ケガをしにくい空間にしましょう。
◆トイレを準備しておこう
犬のトイレについては、「散歩のときに外でさせよう」という考え方を持つ人もいます。
確かに、毎日散歩に行くのであれば、そのついでに「外で排泄」という考えも間違っているわけではないでしょう。
それに、室内に犬のトイレを置くと、汚れやニオイが気になると感じる人もいるかもしれません。
ただ、基本的には、子犬を迎えたら、家のなかでもトイレをさせるようにした方がいいでしょう。
「トイレは外でのみ…」と限定してしまうと、雨降りや暴風の日にわざわざトイレのために何度も外出しなければなりません。
それに、「室内でトイレはしちゃいけない」と感じた愛犬が、我慢することで体調を悪くしてしまうケースもあります。
散歩に出たとき、家でいるとき、とどちらのパターンでもトイレができるようになれば、悪天候で外に出られない日でもボーダーコリーに我慢させずに済みますね。
ボーダーコリーを飼うなら注意したいポイント
愛玩犬のように「可愛いね」という気持ちだけでは飼えない犬種です。
犬種のなかでトップレベルの賢さと言われていますが、何もしなくてもいろいろと覚えてくれるわけではありません。
飼い主さんが「ボーダーコリーの特徴」について正しく知ることが大事です。
飼う前に、注意したいポイントをおさえておきましょう。
◆運動量について把握しておくことが重要
世界にいる数百の犬種は、その犬が持つ性質によって分類されています。
そのうち、牧羊犬・牧畜犬に属しているボーダーコリーは、運動量を確保しなければならないという注意点があります。
「動きたい」という欲求を満たしてあげないと、イライラして攻撃性が高まることがあります。
「ちょっと近所を散歩しよう」という軽い運動では、ボーダーコリーの気持ちは満足しないこともあるでしょう。
1回につき1時間ほどの散歩を「朝と晩」というように、毎日2回は行うのがおすすめです。
また、義務的にトコトコと歩くような散歩は活発性に欠け、ボーダーコリーにとっては物足りないかもしれません。
ときどき、「ドッグランで走らせる」「広い場所でフリスビーやボールで遊ぶ」といったボーダーコリーのスタミナをフルに活用できる遊びを取り入れてくださいね。
◆ボーダーコリーに寄り添った生活を考えよう
ボーダーコリーは、「賢い」ワンちゃんです。
飼い主さん目線で考えると、「頭が良いなら分かってくれるだろう」と飼いやすい印象を受けるかもしれません。
しかし、頭が良いからこそ、飼い主さんのことを冷静に判断しています。
日々一緒に過ごして距離感が近かったとしても、「しつけをしてこない」「指示をくれない」と感じると、ボーダーコリーは飼い主さんのことを「リーダー」とは見てくれません。
逆に「自分がリーダーシップを取ろう」と強がるでしょう。
そうなると、一緒に生活自体はできますが、いざというときに言うことを聞いてくれずに、ワガママだと感じてしまうのかもしれません。
また、「運動したい」という気持ちが溢れているボーダーコリーなので、運動量を満たしてあげないと体力が消化できずに気性が荒くなるケースも…。
ボーダーコリーを飼うなら、心身を満たすために「運動時間を毎日確保する」という心構えが大事です。
運動時間はたくさん必要なので、「仕事で忙しい」「子育てに時間がかかる」と、ワンちゃん以外の面で忙しい人にはボーダーコリーとの暮らしはあまり向いていません。
ボーダーコリーを飼うときには、「犬がいれば可愛いだろうね」という安易なきっかけはNGで、「一緒に運動できる」「お世話のためにじっくりと時間を持てる」という人が理想的です。
◆散歩に行くときは「リード」を「力強く持つ」
家にいるときは、比較的穏やかに過ごしてくれるボーダーコリー。
でも、外出先では、ここぞとばかりにスタミナを発揮します。
散歩で運動できるのは嬉しいので、タッタッとリズミカルに楽しく散歩してくれるでしょう。
ただ、外にはボーダーコリーの本能を刺激する誘惑がいっぱいあります。
動くものばかりの外の世界は、羊を追いかけるような本能を駆り立てることもあるかもしれません。
どこで本能のスイッチが入るか分からないので、散歩のときにはリードをしっかりと持っておきましょう。
まとめ
賢いと言われるボーダーコリーですが、その良さを発揮させられるかどうかは飼い主さん次第とも言えます。
ボーダーコリーの性質をよく理解するだけでなく、身体と心の両方を満足させられる接し方が大事です。
また、作業に対する意識が高い犬種なので、近くにいる飼い主さんが「頼れない存在」と知ると、自分がリーダーシップを取ろうと荒々しくなるケースもあります。
ボーダーコリーに愛情を注ぐことはもちろんですが、「頼れる存在」になれるように、毅然とした態度でしつけをしていきましょう。
飼い主としての責任を自覚し、ボーダーコリーの一生を幸せにしてあげてくださいね。
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