1.犬のシニア期はいつごろから?
1-1.平均寿命から考えるシニア期
1-2.食事変化を目安に考える犬のシニア期
1-3.犬の変化から見るシニア期
1-4.老犬特有の病気から考えるシニア期
3.老犬の徘徊への対処法
3-1.日中寝すぎないようにする
3-2.適度な日光浴をさせる
3-3.家の中のレイアウト見直し
3-4.サークルを用意する
3-5.子供用プールを活用する
3-6.適度に刺激のある生活
4.老犬の徘徊との付き合い方
4-1.徘徊を無理やりやめさせない
4-2.長期間付き合っていく病気であることを理解する
4-3.楽しかった時間を思い出す
4-4.何より犬への愛情を忘れない
犬のシニア期はいつごろから?
◆平均寿命から考えるシニア期
犬のシニア期については個体差が非常に大きく専門家によっても見解は異なります。
そのため、いつごろからシニア期に入ると正確にお伝えすることはできませんが、一般的な平均寿命を考慮すると、目安として下記の年齢辺りでシニア期に入るのではないかと考えられます。
小型犬の場合・・・平均寿命14歳程度→10歳程度でシニア期
中型犬の場合・・・平均寿命13歳~14歳程度→9歳~10歳程度でシニア期
大型犬の場合・・・平均寿命12歳程度→8歳程度でシニア期
超大型犬の場合・・・平均寿命10歳程度→6歳程度でシニア期
◆食事変化を目安に考える犬のシニア期
多くのドッグフードメーカーではシニア食と言うと一般的に7歳からと表記していることが多く、この時期から犬の体調変化を考慮してドッグフードを変える飼い主さんが多くいます。
◆犬の変化から見るシニア期
犬の変化からシニア期に入ったかを判断するためには、犬の体の変化や行動、仕草の変化を見ると良いでしょう。
例えば、寝ている時間が増える、被毛が白くなる、呼びかけた特に反応が鈍くなる、運動量が減るなどの老犬特有の変化が起こっているかを、シニア期に入っているかの判断材料にすることができます。
◆老犬特有の病気から考えるシニア期
犬はシニア期に入ると老犬特有の病気にかかりやすく、主な病気としては脳に関わる認知機能不全症候群(認知症)、糖尿病、僧帽弁閉鎖不全症をはじめとする心臓病、悪性腫瘍、腎臓病、脚や股関節の病気などを発症しやくなります。
そのため、これらの病気になったらシニア期に入っている可能性が高いと判断できます。
老犬の徘徊はなぜ起きる?
徘徊とは夜中に無意味に歩き回る行為ですが、これは認知機能不全症候群(認知症)の症状の1つです。
特に昼間に寝ることが多くなった老犬には注意が必要で、昼と夜のバランスが崩れることが徘徊行為の原因になることもあります。
認知症の場合は徘徊以外にも、飼い主の呼びかけに対する反応が鈍くなる、食事を何度も催促する、トイレの場所を忘れる、生活の昼夜逆転など、様々な症状が見られることが多くなります。
老犬の徘徊への対処法
◆日中寝すぎないようにする
老犬が夜中に徘徊してしまう原因として、昼間熟睡していることが挙げられるので、日中過剰に寝ている老犬の場合は起こしてあげて昼間の睡眠時間を調整しましょう。
ただし、犬に必要な睡眠時間は人間よりはるかに多く、個体差があるものの12時間~18時間程度ですので、むやみやたらに長時間起こすことはやめましょう。
生活する上でのオンオフのメリハリをしっかりとつけるように、日中は短時間の運動を行わせることが大切です。
運動があまりできない犬の場合は、体の筋肉や関節を動かすマッサージも効果的です。
◆適度な日光浴をさせる
徘徊をする老犬の場合は、適度な日光浴をさせましょう。日光浴をさせることは老犬にとって良い気分転換、ホルモンバランスを整える、体内時間を整える、また精神面の安定など多くのメリットがあり、徘徊行為を緩和するために役立ちます。
長時間の日光浴は皮膚トラブルを招く危険性があり、それを考慮すると日光を浴びる適度な時間目安は15分~30分程度です。
ただし、真夏や暑い日、暑すぎる時間帯の日光浴は熱中症の原因となるので、絶対に行わないようにしましょう。
犬にとって暑い時は、冷房の効いた室内で窓から入る日差しで日光浴する程度でも十分です。
◆家の中のレイアウト見直し
犬をフリーで過ごさせている場合は、徘徊によって怪我をしないように犬の生活場所は全てレイアウトを見直さなくてはいけません。
特に老犬が徘徊によって怪我をしやすい部屋の角には、必ずコーナーガードなどをつけて、万が一犬がぶつかってしまっても怪我をしないような配慮が必要です。
また、老犬は特に足腰が弱って徘徊時にフローリングだと滑りやすくなります。
犬が転ばないようにクッションフロアにする、爪がひっかからないような素材のマットを敷くなどの工夫も必要です。
◆サークルを用意する
老犬が徘徊する時に気を付けなければいけないことは、徘徊時に家具や危険なものにあたって怪我をしないようにすることです。
一番良いのは広めのサークルを準備することで、犬が歩くのに十分な広さがある円形、または八角形のサークルを用意してあげると良いでしょう。
徘徊時にぶつかる危険性があるので、布製のサークルやメッシュのサークルだと安心です。
家中犬が徘徊してしまうと、どうしても家具の破損や心配も増えるので、飼い主にとっても犬が安心して徘徊できる特定の場所を作ってあげることが大切です。
◆子供用プールを活用する
犬用の十分なスペースを確保するためのサークルとなるとどうしても高額になりがちですので、小型犬であれば子供用の円形型プールを代用しても良いでしょう。
その場合は、空気を入れるタイプのプールだと老犬にとっては非常に歩きづらく、足腰に負担がかかるほか、爪で引っ掻いて破れてしまう危険性があるので、犬が歩く地面部分は空気を入れないタイプのものにしましょう。
◆適度に刺激のある生活
徘徊する犬の場合は、生活に少し刺激を与えて良い意味でよく眠れるように疲れさせてあげることが大切です。
例えば、頭を使った知育玩具でおやつを出す練習をしたり、お散歩に行ける状態であれば、お散歩のコースを少し変えてみたりすることで犬は脳を使います。
人間も同じですが、全く刺激のない生活より適度に脳を使う生活の方が体も心も満たされやすいと言えます。
脳の活性化によって徘徊をはじめとする認知症症状の進行を緩めたり、適度に疲れることによって徘徊行為が緩やかになったりすることもあります。
老犬の徘徊との付き合い方
◆徘徊を無理やりやめさせない
飼い主にとってもストレスになりやすい老犬の徘徊行為ですが、犬は悪気があってこのような行為をしているわけではないことを忘れないようにしてあげましょう。
犬の徘徊行為には悩む飼い主さんが多くいますが、実はこの徘徊行為は無理やりやめさせると老犬に多大なストレスを与えます。歩くことは犬のみならず人間にとってもごく自然な行為ですので、犬の気が済むまで歩かせてあげましょう。
家中徘徊して気になって眠れないなど、何かしら支障があるのであれば、サークルなどを利用して犬の安全な徘徊場所を隔離してあげることが飼い主のストレス軽減にも役立ちます。
また、犬は敏感な生き物ですので認知症や痴呆などによって周りの状況が分かっていないように思えても、飼い主のイライラや不安が伝わってしまうことがあります。
飼い主も犬も快適に過ごせるように、サークルなどを利用して対策を練りましょう。
◆長期間付き合っていく病気であることを理解する
認知症による徘徊行為については、根本的に治療する方法は現段階ではありませんので、長期的に上手に付き合っていかなければいけません。
飼い主もストレスを感じやすい期間になりがちですが、そんな時は外部の有料サービス(ペットシッターや短期預かり)を利用するとストレス軽減に役立ちます。
長期間犬の徘徊行為をはじめとする認知症とうまく付き合うためには、全て自分で行わなければいけないというプレッシャーやストレスを可能な限り軽減しなければいけないので、他人に頼ることもとても大切です。
◆楽しかった時間を思い出す
犬の徘徊をはじめとし、どうしても老犬介護は飼い主にとって精神的にも肉体的にも負担がかかりやすい期間となります。犬の状況によっては、飼い主のことが認識できなくなったり、徘徊以外にも夜泣きや粗相など多くの問題行動をおこしがちです。
精神的に疲れてしまったり、肉体的に疲労が積み重なってしまった時は、犬との楽しかった時間をじっくり思い返すことも大切です。
◆何より犬への愛情を忘れない
老犬の痴呆やボケをはじめとする病気と向き合うためには、犬への愛情を忘れないことが大切です。
当たり前のことに思うかもしれませんが、犬の徘徊やその他の症状と長時間付き合っていると飼い主もストレスや過労によってこの当たり前のことを忘れてしまう傾向にあります。
犬の老化が引き起こす症状は人間にも同じことが言えますが、歳をとれば自然に起こりうることですので、最後まで愛情をもって接してあげましょう。
まとめ
犬の徘徊行為について幅広くご紹介致しました。
犬が認知症によって徘徊をはじめとする様々な症状を発症している場合、どうしても飼い主もストレスを溜めてしまいがちです。
飼い主にとってストレスが多い生活というのは、老犬にとって幸せなことではありませんので、ご紹介させていただいた対処法をはじめとし、老犬と飼い主自身にとって生活しやすい環境を整える工夫をしましょう。
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