1.犬のしつけの重要性とは?
1-1.家以外の場所でルールを守れる犬になるため
1-2.飼い主さんがコントロールできるようにするため
3.子犬時代に取り組みたい基本のしつけ
3-1.すぐにでもスタートしたい「トイレ」のしつけ
3-2.犬が自分からクレートやケージに入れるようにする
3-3.本噛みになるまえに「甘噛み」をやめさせよう
3-4.留守番も覚えさせよう
3-5.人に触れられるのを嫌がらないためスキンシップも大事
3-6.しつけで役立つコマンドやアイコンタクト
4.しつけで気をつけたいポイント
4-1.大きな声で荒々しい怒り方はNG
4-2.怒るときは現行犯のみ!時間差で叱っても意味がない
4-3.「押さえつける」「叩く」など体罰で叱るのはダメ
犬のしつけの重要性とは?
犬をペットとして迎えるとき、しつけが必要ということは多くの人が知っているでしょう。
でも、小さな子犬の頃には、「まずは可愛がりたい」「子犬だからまだいいのでは?」と考える人がいるかもしれません。
まずは、犬のしつけの重要性を考えてみましょう。
◆家以外の場所でルールを守れる犬になるため
ゴールデンレトリバーのように大きな体のワンちゃんも、今では室内で一緒に暮らす人が増えていますよね。
愛犬家の方の多くは、「ペットとして飼う」という表現よりも「家族として一緒に暮らす」の方がしっくりくると考えているのではないでしょうか。
家庭のなかでも存在感がある犬達ですが、言葉が通じないので一緒に暮らすにはさまざまなことを教えてあげる必要があり、しつけは大事なことです。
また、完全に室内で暮らしても、日常的な散歩をはじめ、ドッグランや動物病院と飼い主さん以外の人間や動物達に出会うシーンはたくさん。
公の場では、人間だけでなく動物達にもマナーがあります。
愛犬がマナー不足のために、怖い思いや辛い思いをするのは可哀そうですよね。
それを知ってもらうために、しつけは重要です。
◆飼い主さんがコントロールできるようにするため
頭が良くて穏やかなゴールデンレトリバーは、比較的、お外でもお利口さんの子が多いような気がしますよね。
でも、その子自身がお利口でも、家の外に出ると、何かに反応して動き出そうとすることも多いです。
そんなときに、「マテ」「オイデ」「コイ」などをしつけておくと、愛犬の行動をコントロールして守ることができます。
また、突発的なアクシデントがあって、犬自身がパニックになることも考えられます。
例えば、散歩中に事故に遭遇したり目撃したりしたとき…。
いつもと違う光景に、びっくりする犬も多いです。
自分や飼い主さんが巻き込まれていないケースでも、間近で衝撃を間のあたりにすると「ワンワン!」と吠えるかもしれませんし、急に走り出すかもしれません。
力の強いゴールデンレトリバーが急に走り出してリードを離し、それにより事故やケガが起こるケースもあるでしょう。
万が一に備えて飼い主さんの一言でコントロールできるようになることは、愛犬を守ることにも繋がります。
ゴールデンレトリバーはしつけがしやすい性格
ゴールデンレトリバーは知能が高いので、しつけがしやすいと言われています。
使役犬として多くの場で活躍していた歴史があり、人間からの指示を受けられる頭脳があります。
飼い主さんからの指示の理解度も高いでしょう。
我慢強い犬なので、根気良いしつけをしていくと、きちんと人間社会のルールを覚えてくれます。
また、飼い主さんから愛情を受けると、それを素直に喜び、絆を深めようと尽くしてくれる性格です。
信頼関係を築ければ、しつけは難しくありません。
「出来ることを増やしていく」と楽しみながらできるトレーニングにもなりそうですね。
子犬時代に取り組みたい基本のしつけ
ゴールデンレトリバーは社交的で、社会への順応性が高い犬です。
学んだことを吸収できる頭脳もあるので、子犬時代にはたくさんのしつけを覚えさせましょう。
しつけは後からできるものがありますが、ゴールデンレトリバーが楽しく幸せに生きられるように、子犬時代に少しでも早めにしつけを開始しましょう。
◆すぐにでもスタートしたい「トイレ」のしつけ
部屋のなかで飼う場合には、ゴールデンレトリバーの子犬を迎えてからすぐにでもトイレトレーニングを始めましょう。
飼い主さんとの信頼関係も不十分な時期なので、なかなか覚えてくれないかと思います。
そのため、失敗したからときつく叱るのはよくありません。
トイレトレーニングは、「褒めて覚えさせる」に徹底しましょう。
犬は、一般的に「何かを食べた後」「ちょっと運動した後」などに、ムズムズとトイレに行きたくなることが多いようです。
愛犬からのトイレサインが見られたら、トイレに連れていってあげましょう。
また、時にはトイレシーツ以外のところで排泄しているかもしれません。
それを怒ると、「ウンチやおしっこは悪いこと」と学習し、隠れてやったり、食糞したりなどに繋がります。
トイレシーツに排泄できたときには極端に褒めて喜ばせ、粗相をしたときには無言で片付けるくらいにしましょう。
◆犬が自分からクレートやケージに入れるようにする
子犬の頃はやや小さいですが、それでも小型犬よりはかなり大きいサイズのゴールデンレトリバー。
お出かけのときに、ヒョイっと抱っこして連れていけるわけではありません。
成犬になったら、ますます飼い主さんの力だけでは、どうにもならないでしょう。
また、安全な家のなかでも、お留守番のときにケージに入ってもらうこともあるかと思います。
自分からクレートやケージに入れるようしておきたいところです。
ただ、「病院に行くためにクレートに入る」「飼い主さんが留守にするからケージに入れられる」と、マイナスなことに繋げないように気をつけましょう。
「ケージのなかは自分だけの空間でリラックスするな♪」「クレートは狭いけれど心地よい♪」とゴールデンレトリバーにプラスに感じてもらえればスムーズです。
飼い主さんの号令でクレートやケージに入れたら、ゴールデンレトリバーの大好きなオヤツをあげましょう。
クレートやケージに入ったことで飼い主さんが喜んでくれた、楽しいと覚えてくれれば、しつけも比較的うまくいくかと思います。
◆本噛みになるまえに「甘噛み」をやめさせよう
子犬のゴールデンレトリバーと遊んでいると、飼い主さんの手を噛んでくることがあるかと思います。
子犬の力なので、たとえ噛まれたとしても、痛くないケースがほとんどかもしれません。
「無邪気で可愛いな」という思いから、ニコニコ対応しているケースもあるのではないでしょうか。
すると、「噛むことは飼い主さんが喜んでくれる」勘違いしてしまいます。
それをそのままにしているとパワーが強くなった成犬のゴールデンレトリバーが誰かにケガをさせるリスクも出てきます。
子犬の頃には、ストレスや歯の生え変わりで何かを噛むことも多いです。
噛んでもOKなオモチャを与え、人間の手は噛まずに楽しく遊んであげましょう。
遊びの最中に手を噛んできたら「イタイ」と低めの声で伝え、遊びを止めるようにすると、「噛んだ=飼い主さんが悲しんだ=遊べずに楽しくない」と結びついて覚えてくれるかもしれません。
将来的にケガやトラブルのリスクを避けるため、子犬の頃に、噛み癖は直しておきましょう。
◆留守番も覚えさせよう
飼い主さんのライフスタイルはさまざまで、留守番は毎日ということもあれば、ほとんど留守番させない家庭もあるでしょう。
後者の場合、飼い主さんと離れる時間が少ないため、分離不安が起こりやすいです。
これからの生活で、長い留守番をさせたり、ペットホテルに預けたり、動物病院に入院させたりすることはあるでしょう。
そんなときのため、子犬時代から少しの時間からスタートし、留守番ができるようにしつけていくことも必要です。
◆人に触れられるのを嫌がらないためスキンシップも大事
生きていくなかで、飼い主さん以外の人との関わりは避けて通れません。
獣医師さんや動物看護士さん、トリマーさん、ペットシッターさん、飼い主さんの友達や親せき…など、思いつくだけでもたくさんの人たちと交流するでしょう。
なかでも、動物病院で診察時に体に触れられる機会は多いかと思います。
成犬になったときに「人間に触れられるのがイヤ」というままだと、ちょっとした診察も難しくなります。
そもそも、フレンドリーな性格ですから、まずは飼い主さんとのスキンシップを日課にし、人との触れ合いもOKなワンちゃんにしてあげましょう。
◆しつけで役立つコマンドやアイコンタクト
しつけのベースとして覚えさせたいのが、目と目を合わせるアイコンタクトです。
犬が別の方を向いているときに何かを伝えても応えてくれません。
目を合わせることで、「自分の指示を聞いて欲しい」という意思を犬に伝えられるようになります。
犬用オモチャやオヤツで興味を惹きつけた状態で名前を呼び、飼い主さんの方を見てくれるようにしつけていくといいでしょう。
また、「オイデ」「マテ」「フセ」「オスワリ」など、子犬の行動を言葉でコントロールさせるコマンドも大事です。
犬は良いことがあってこそ覚えるスピードも早いので、言葉に従うたびに美味しいオヤツをあげるのも効果的です。
ワンちゃんに伝わるように、たくさん褒めてあげてくださいね。
しつけで気をつけたいポイント
間違ったしつけをすると失敗に終わるかもしれません。
子犬との関係にヒビが入らないように、注意したいポイントをいくつか紹介します。
◆大きな声で荒々しい怒り方はNG
飼い主さんが大きな声を出すと、ゴールデンレトリバーの子犬は一時的にピタッと行動を止めるかもしれません。
しかし、このとき「怖かった」という思いの方が強く、自分が何かをしたから怒られたと理解していないケースもあります。
甲高い声で感情的に怒るのではなく、リーダーの貫禄で「ダメ!」と低い声で一喝した方がしつけには効果があるようです。
◆怒るときは現行犯のみ!時間差で叱っても意味がない
人間と同じで、犬もたくさんの記憶を持ちながら生きています。
毎日一緒に暮らしている飼い主さんのこと、大好きなごはんのこと、楽しい遊びのこと…。
これらは、「飼い主さん=大好き」「ごはん=美味しい」「遊び=楽しい」と連想している記憶で、なかなか忘れることはありません。
自分にとって嬉しい記憶はもちろんですが、「外出した=動物病院で痛い思いをした」という嬉しくない記憶も長く覚えていたりします。
ただ、ちょっとした行動は10秒すれば忘れると言われています。
そのため、悪い行動を発見した時、すぐに怒らないと効果はありません…。
記憶が消えた数分後に怒っても、犬の頭のなかは「???」でいっぱい。
飼い主さんの怒る行動も無駄になっているかもしれません。
怒るときには、犬が現在進行形で何かをしたときにし、「○○をした=怒られて悲しかった=止めよう!」と関連付けさせましょう。
◆「押さえつける」「叩く」など体罰で叱るのはダメ
噛み癖や吠え癖を直そうと、「体を無理やりおさえつける」「瞬間的に叩く」「厳しい態度ばかり取る」と威圧していることもあるかもしれません。
体罰や厳しい態度は、子犬のしつけには逆効果のことが多いです。
体罰がきっかけで飼い主さんへの信頼が薄れ、「怖い」「自分の身が危険」と気持ちが擦り減ってしまうかもしれません。
飼い主さんをリーダーと思えずに、「何かをされる」と保身の思いから、噛んだり吠えたりと凶暴性が増す場合も…。
犬に恐怖心を植え付けるスパルタ的なしつけは、今後の関係性を壊すケースもあるのでよくありません。
まとめ
ゴールデンレトリバーはしつけがしやすい犬種ですが上手くいかないこともあります。
そんなときは、どうしても熱い思いで感情的になってしまうかもしれません。
飼い主さんは「愛犬のためにしつけなければ…!」と意気込んでしまいますが、その感情のぶつけ方によっては、犬の恐怖や不安を大きくしてしまうケースもあります。
しつけは一筋縄ではいかぬものと考え、あまり感情的や悲観的にならない方がいいかもしれません。
愛犬側では、「自分が何かをやったら飼い主さんが喜んでくれた」と飼い主さんの優しい表情に幸せを感じてくれることがほとんど。
飼い主さん側の一方的なしつけよりも、「愛犬とともにクリアしていくこと」と楽しみを見出してみてはいかがでしょうか。
ゴールデンレトリバーの良い部分を上手く引き出しながらしつけにチャレンジ。
「すごいね♪」「よく頑張ったね♪」と、愛犬とともに楽しみながら出来ることを増やしていきましょう!
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