1.いつからOK?お散歩デビューの時期について
1-1.ワクチン接種が済めばお散歩OK
1-2.社会化期って何?
1-3.「お散歩」の意味について知る
2.ゴールデンレトリバーの子犬の散歩量について
2-1.子犬の時期は時間を少なめに…
2-2.成犬になったら散歩時間を長めにしよう
2-3.距離はどのくらいがいい?
3.初めが肝心!散歩するなら気をつけるべきこと
3-1.ポイント1:いきなりあちこち連れ回さない
3-2.ポイント2:リードでコントロールできるように
3-3.ポイント3:お散歩中の拾い食いに注意しよう
3-4.ポイント4:お天気を見ながら散歩しよう
3-5.ポイント5:散歩グッズを慎重に選ぼう
いつからOK?お散歩デビューの時期について
ゴールデンレトリバーは運動量が多いので、一緒に散歩できるのを楽しみに子犬を迎える飼い主さんも多いかと思います。
いったいいつから散歩できるのでしょうか。
◆ワクチン接種が済めばお散歩OK
体が未完成な子犬期には、母体から受けた免疫が消える頃に合わせてワクチンを接種し、さまざまな感染症から身を守らなければなりません。
通常、生まれて45~60日頃までに第1回目、90日頃までに第2回、120日頃までに第3回目…と混合ワクチンを接種していきます。
ワクチン接種が完了し、伝染病や感染症の予防ができるようになったら、お外に出ても心配が減ります。
さっそくお散歩を始めましょう。
ただ、ワクチンの接種日や間隔はワンちゃんによって異なります。
生後3~4か月頃に散歩を始められるように、スケジュールを組んでいくといいかもしれませんね。
ワクチン接種は間隔を空けることはもちろん、体調によっては予定していた日に注射ができないケースもあります。
獣医師さんと、ワクチンの回数や間隔について詳しく相談していきましょう。
また、第3回目のワクチンは、「万が一に備えて」「念のため」と、保険的な意味があるようです。
「第2回目が済んだら散歩OK」だったり、「第3回目のワクチン接種はしなくてもよい」など、獣医師さんの考え方によってケースバイケース。
気になる点はきちんと相談して、指示をあおぐと良さそうですね。
◆社会化期って何?
犬の社会化期は、生後3か月前後から始まります。
ワクチン接種が終わっていない時期には、生まれた場所、飼い主さんの家、動物病院…と、狭い世界だけで生活しています。
しかし、散歩できるようになれば、世界が広がり、さまざまな物や出来事に触れ合うようになります。
いきなり新たなことにチャレンジさせずに、人間社会に段階的に慣れさせるのが“社会化期”です。
散歩によって人間社会のお勉強ができるので、散歩デビューは、社会化期頃に合わせるのが理想的です。
初めは、「たっぷり散歩して運動する」というよりも、「社会勉強で街をブラブラしよう」というお散歩がいいかもしれません。
本格的な散歩は、生後6か月を目途に考えておくといいでしょう。
◆「お散歩」の意味について知る
社会化期のときにいろいろな経験をさせることが、心身ともに健やかな成長に繋がります。
散歩は、知らない人や見知らぬ動物に出会えるチャンスです。
飼い主さんとは違う雰囲気の人間を見ても、「この人たちは敵ではないのだな」と理解できるのが理想です。
それには、たくさんの人間たちと出会わなければならないので、人間が通る場所を散歩ルートにしましょう。
「人間に出会うと吠えるから」と、誰もいない静かな道路を歩かせても社会勉強にはなりません。
経験不足から成犬になったときに、知らない人を見ただけで吠えたり、他の犬に会っただけで攻撃しようとしたりと、問題行動を起こすかもしれません。
子犬の時期に、「人間」「犬」「鳥」「猫」「自動車」「信号」「公園」「階段」「川」など、たくさんの動物や場所を経験させてあげましょう。
ゴールデンレトリバーの子犬の散歩量について
ゴールデンレトリバーは25~35キロもの大型犬になります。
たっぷり散歩するほど、大きな体を健康的に維持することに繋がるでしょう。
ただ、子犬の頃と成犬の頃では、体の大きさが異なります。
ゴールデンレトリバーの子犬のサイズに合わせて、散歩量を調整することが大事です。
◆子犬の時期は時間を少なめに…
生後3か月くらいのゴールデンレトリバーはまだまだ子犬ですが、体重は10キロ前後。
小型犬をすでに追い抜く勢いで成長していきます。
でも、成長していく過程にあり、体も小さくて骨格や筋肉も未発達。
成犬と同じくらいの長い距離や時間の散歩は、体への負担が大きいのでNGです。
外を一緒に歩くのは楽しいですが、体に合わせた時間調整が大事。
前述しましたが、散歩デビューしたての頃は、しっかり運動するよりも「社会勉強」という意味合いが強めです。
そのため、1回の散歩時間は30分未満程度にとどめておくようにしましょう。
お散歩デビューしたての慣れないうちは、15分程度でもOKです。
家の近所を軽く周り、「お外の世界」を少しずつ教えてあげましょう。
◆成犬になったら散歩時間を長めにしよう
大型犬のゴールデンレトリバーは、1か月ごとにグングン成長します。
生後半年くらいでは20キロ前後、生後1年で25~30キロ前後と大きな体に育っていくでしょう。
散歩に慣れて成犬と呼べる体になれば、1回30~1時間程度を1日2回は行きたいところですね。
体の成長に合わせつつ、少しずつ距離や時間を伸ばしてみましょう。
◆距離はどのくらいがいい?
散歩の時間はだいたいわかりましたが、「距離は?」と疑問に感じている飼い主さんもいるかと思います。
一般的に、大型犬は一回の散歩距離が3~5キロ程度が理想的と言われるケースが多いです。
ただ、散歩ルートによっても、多少は前後します。
例えば、アスファルトや芝生で、ワンちゃんの肉球にそれほど負担がない道であれば、歩くときもスムーズで、何よりも散歩を楽しめますよね。
でも、「坂道が多い」「砂利で歩きづらい」となれば、同じ距離を歩くにしても散歩時間は長めとなり、何よりも「歩きづらい」「足裏が痛い…」とワンちゃん的には散歩を楽しめていないかもしれません。
散歩の距離はだいたいの目安にとどめ、散歩中に愛犬がリズミカルに楽しめているかどうかに注目しておくと良さそうです。
初めが肝心!散歩するなら気をつけるべきこと
これからますます大きくなるゴールデンレトリバーのことを考えると、初めが肝心です。
「散歩ってイヤだな」と愛犬がトラウマを抱えると、今後行きたがらなくなるかもしれません。
逆に、「自分が自由に歩ける時間♪」とテンションが高くなると、飼い主さんがコントロールできなくなるでしょう。
これから、毎日続くものなので、愛犬と飼い主さんの両方が気分の良い散歩になるように、散歩で気をつけるべきポイントを知っておくようにしましょう。
◆ポイント1:いきなりあちこち連れ回さない
初めは「外の世界に慣れさせる」程度に考えましょう。
これまで室内の環境しか知らなかったゴールデンレトリバーにとって、外の世界は新しい物事で溢れています。
飼い主さん以外の人間がたくさん歩いていることにも驚きますし、「ブオー!!」と音を出しながら走る自動車にもビクビクするかもしれません。
「プップー!」というクラクションの音、「ピーポーピーポー」というサイレンの音など、大きな音を聞くのも初めての経験。
排ガスのニオイや公園の木の香り…と、家では出会えない「ニオイ」も感じます。
いきなりたくさんのものに出会うのはビックリするので、初めての外出のときには、まずは「家の玄関から外に出てみる」という程度にするといいでしょう。
◆ポイント2:リードでコントロールできるように
人間や自動車、散歩中の犬などを見ると、興味津々で近づこうとするかもしれません。
ゴールデンレトリバーの性格にもよりますが、ジワジワと近づく程度のこともあれば、急なダッシュで追いかけようとすることもあるでしょう。
急な行動をコントロールするために「リード」を上手く使いこなしましょう。
ゴールデンレトリバーとの散歩の悩みで多いのが「引っ張られる」というもの。
これは、力の強いゴールデンレトリバーが自分の行きたい方に向かって歩きだすことで、リードを持っている飼い主さんの方が引っ張られている状態です。
犬の方が主導権を持っているため、飼い主さんが犬のパワーに負けて、ヘトヘトになってしまいます。
そこで重要なのが、リーダーウォークと言われるものです。
犬が飼い主さんの横にぴったりと並ぶように歩くスタイルです。
散歩の主導権は飼い主さんにあり、歩きながら飼い主さんの顔をチラチラと見上げている散歩がリーダーウォークです。
初めからリーダーウォークをマスターできるワンちゃんはいないかと思いますが、リードを使ってトレーニングしていくといいでしょう。
基本的にはリードを緩めに持っておき、「急にダッシュした」「拾い食いをしようとした」「他の犬に行こうとした」「飼い主さんを無視して引っ張った」など、リードをキュッと引っ張ってコントロールできるようにするといいでしょう。
ただ、子犬の頃は体が未完成です。
強引に引っ張ると愛犬が苦しいだけです。
飼い主さんの力が瞬間的に入るときに、負担が少ないタイプの首輪や胴輪選びも考えておきましょう。
強く引っ張るのは、あくまでも「イケナイ行動」をしたときだけにとどめ、ふだんはリードを緩めて歩けるように気をつけてくださいね。
また、伸縮するタイプのリードはいざというときに伸びるだけでコントロールがしにくいので注意しましょう。
◆ポイント3:お散歩中の拾い食いに注意しよう
使役犬として活躍中のゴールデンレトリバーは、とても頭の良いワンちゃんです。
とは言っても、子犬の頃には好奇心が旺盛で、初めての経験にはしゃぎます。
いろんな物を発見しては、興味を示します。
食べてはいけないものも区別がつかず、クンクン臭いを嗅いだ後に、パクっと食べてしまうことも考えられます。
どんな散歩ルートにも、人間がポイ捨てしたタバコやゴミは落ちているものです。
飼い主さんがよそ見をしているうちに、食べると大変ですよね。
誤飲による事故は結構多いです。
食べてはいけないものを教えていくことも大事で、興味を示したタイミングで「ダメだ」とリードを引っ張って教えていくようにしましょう。
◆ポイント4:お天気を見ながら散歩しよう
散歩の距離や時間を守っても、気候によってゴールデンレトリバーが不快に感じることもあります。
ゴールデンレトリバーはふさふさの被毛に覆われているがゆえ、「暑い・寒い」という気候の変化には敏感。
真夏になると熱中症のリスクがありますし、真冬になると寒さで体調を崩すかもしれません。
一日のうちに「いつ散歩に行くか?」も重要になってきます。
夏には、太陽が照りつける時間を避けましょう。
冬の場合は、寒さ対策で防寒着を着せるようにし、夏とは逆で太陽が顔を出している日中の方がおすすめです。
お散歩デビューしたての子犬期には、悪天候の日に無理に散歩に行って嫌な思いをして「散歩嫌い」になる可能性もあります。
健康のために行う散歩なので、天候を見ながら、季節によっては時間帯を変えながら、愛犬が楽しく歩けるようにしたいものですね。
特に、台風で風が強い日や前が見えない大雨の日は、逆に具合を悪くする可能性の方が大きいです。
◆ポイント5:散歩グッズを慎重に選ぼう
無邪気な子犬期は、飼い主さんの予想を超える行動をすることもあります。
パワーがある犬種なので、他の人間や犬たちとトラブルになると大変です。
首輪にリードをつないで、飼い主さんから離れないように注意しましょう。
ただ、首輪のサイズが合っていないと、「毎回苦しい思いをするのは嫌だ」と散歩嫌いになる可能性もあります。
「首輪が苦しくないか?」「首輪よりも胴につけるハーネスの方がいいか?」など、愛犬に合ったお散歩グッズを選んでみてくださいね。
まとめ
これから長い間、毎日のようにゴールデンレトリバーとの散歩が日課になります。
子犬の頃に上手くいかずに、成犬になって散歩に苦戦している飼い主さんもいます。
「初めが肝心」と思って、散歩に対しての知識を深めておきましょう。
散歩に慣れていない時期には、「健康づくり」よりも「外の世界に慣れる」を意識すると良さそうです。
また、散歩をする道路は、知らない人間や動物たちも利用する公共の場所です。
家のなかと違って、守らなければならないマナーもあります。
愛犬から目を離さないのはもちろん、行動をコントロールできるように、愛犬との信頼関係を深めておくことも大事です。
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