1.犬は人間よりも寿命が短い
2.ビションフリーゼは長生きなの?
2-1.大型犬よりも長生きしてくれる小型犬のビションフリーゼ
2-2.ビションフリーゼの平均的な寿命は…?
2-3.健康的に長生きしてもらいたい
3.ビションフリーゼが気をつけたい病気
3-1.関節の病気「膝蓋骨脱臼」
3-2.皮膚の病気「湿潤性湿疹」
3-3.耳の病気「外耳炎」
3-4.泌尿器の病気「尿路結石(尿石症)」
4.犬の寿命を延ばすための注意ポイント
4-1.ストレスは長寿の大敵
4-2.運動のない生活は寿命に大きく関係する
4-3.食事管理をしっかりと行う
4-4.被毛ケアを入念に…
4-5.愛犬の様子を日常的にチェック
犬は人間よりも寿命が短い
迎え入れたその日から、大事な家族となる愛犬。身の回りのお世話から「しつけ」のことまで、子犬の頃は手がかかるので慌ただしい毎日となるでしょう。まるで、子供を育てているような感覚におちいるかもしれませんね。
元気でヤンチャ盛りの子犬を見ていると、遠い将来の寿命について考えることもないでしょう。
犬は、体の大きさが生後1年程度には落ち着きます。小型犬で小さな体のワンちゃんの場合、なんとなく年を取っている感じがしないという飼い主さんも多いかと思います。
でも、実際には人間よりもあっという間に成長していて、犬の寿命は十数年と短いのが普通です。
年齢に合わせたケアも必要ですし、「まだまだ元気だ!」と思っていても、病気のリスクが近づいていたりもします。
まずは、ワンちゃんを迎えたときには、年齢の重ね方を知り、お別れのときまで後悔なく過ごせるように気持ちのスタンバイが大事です。
ビションフリーゼは長生きなの?
犬種によって遺伝の病気や体のサイズも異なり、平均的な寿命がそれぞれ違います。
ビションフリーゼは「長生き」と言われることが多いですが、平均的な寿命について見ていきましょう。
◆大型犬よりも長生きしてくれる小型犬のビションフリーゼ
一般的に、体の大きな大型犬よりも小型犬の方が年を重ねるスピードが遅く長生きする傾向です。
大型犬は、体が大きい割に心臓は小型犬とほぼ変わらず負担が大きく、弱りやすいからとと言われています。
ビションフリーゼは、小型犬の分類で、“犬”というくくりで見ると、長生きしてくれる方なのかもしれませんね。
◆ビションフリーゼの平均的な寿命は…?
12~15歳程度がビションフリーゼの平均的な寿命の数値です。人間で言うと、だいたい60歳前半から70代後半といったところでしょう。
小型犬の多くが12~15歳と言われているので、だいたい同じくらいの寿命と考えてもよさそうですね。
近ごろは、食べ物や動物医療の発達で犬たちの寿命は少しずつ長くなり、なかには平均寿命を超えて生きてくれるビションフリーゼもいます。
◆健康的に長生きしてもらいたい
平均寿命を過ぎて生きてくれると嬉しいですが、「健康的」でいてほしいものですよね。
いつも具合が悪そうだと「大丈夫かな?」「病院に連れていった方がいいかな?」と飼い主さんの心配も増えますし、ワンちゃん側もそんな気持ちを察知して寂しそうな表情になるかもしれません。
また、7歳を過ぎる頃にはシニア世代と言われ、少しずつ老化現象が見られてきます。
個体それぞれの体質の違いもありますが、環境や飼い主さんのケアによって早くに老化現象が見られるコもいれば、一般的に高齢期と言われる10歳を過ぎても見た目があまり変わらないコもいるものです。
病気で苦しんでいる姿や弱って元気がない姿はあまり見たくありませんよね。健康でいてもらうため、ビションフリーゼがどんな病気にかかりやすいかを知っておくことが大事です。
ビションフリーゼが気をつけたい病気
ビションフリーゼは、純血種の小型犬のなかでは遺伝疾患が少なめと言われています。
平均寿命の数値は小型犬と同程度ですが、「長生き」と言われているのは、犬種としての遺伝疾患が少ないからでしょう。
ただ、「遺伝疾患が少ない=病気をしない」ではありません。ビションフリーゼの体の特徴が病気を発症することもあり、「気をつけるべき病気」がいくつかあります。
注意すべき病気の症状や原因の知識を持っていれば、いざというときの早期発見に繋がります。
それでは、いくつかの病気をピックアップしていきます。
◆関節の病気「膝蓋骨脱臼」
膝のお皿が本来あるべき位置からずれてしまうのが膝蓋骨脱臼です。
軽い場合には「びょこびょこした歩き方」くらいの変化にとどまりますが、重い症状になると「後ろ足を地面に着けることができない」など、歩行に問題が起こるのが一般的です。
「高いところから落ちた」「運動中にぶつけてしまった」という外傷も病気を引き起こす要因となります。
予防で効果的なのが体重管理です。膝への負担を軽くすることで防げるので、ビションフリーゼの運動量を確保してあげましょう。
また、室内で暮らしていると、フローリングで滑って膝に負担がかかることも多いです。ソファーやベッドへのジャンプも、あまりよくありません。
滑りにくい床にはカーペットやコルクマットなどを敷く、ジャンプの予防には犬用階段を設置するなど、膝に負担をかけない対策を考えてあげましょう。
◆皮膚の病気「湿潤性湿疹」
皮膚が蒸れることがきっかけで、雑菌が大繁殖し、湿疹が起こる病気です。
かゆみを伴うので「気になる~!」と自分で皮膚を無理に引っ掻くことも。足や爪でグリグリするため、表面に傷ができてしまいますね。
口が届く範囲にかゆみがあると、気になるため舌でペロペロと舐めたりもします。ずっと舐めていると「脱毛」「ただれ」「炎症」と進行してしまいます。
早めに気付いてあげられることが、症状を抑えることに繋がります。
ビションフリーゼが湿潤性湿疹を発症しやすいのは、「オーバーコート&アンダーコート」のダブルコート構造の被毛だからです。被毛が蒸れないように、ブラッシングで通気性を保つことや毛が濡れた後にしっかり乾燥させる予防が大事です。
◆耳の病気「外耳炎」
耳周辺まで被毛がモフモフしているビションフリーゼ。垂れた耳の内部の通気性は悪くなりがちで湿気による細菌が繁殖しやすい状態で、外耳炎に注意した方がよい犬種と言われています。
耳の内部は自分でかけないので、炎症が起こっているときには「耳を引っ掻く」「首をぶんぶん振る」という仕草が見られるようになるでしょう。耳のニオイもきつくなります。
外耳炎が進行すると治療内容も重くなり、通院回数も増えるでしょう。何より、愛犬に苦しい思いをさせてしまうことになります。普段から、耳を清潔に予防に努めましょう。
外耳炎にかかっている様子を見つけたらなるべく早めに動物病院を受診し、症状を悪化させないように注意が必要です。
◆泌尿器の病気「尿路結石(尿石症)」
ビションフリーゼは、尿路結石にもかかりやすいと言われています。おしっこの通り道となる腎臓や膀胱、尿道に「石」ができてしまう病気です。
ミネラル分を多く摂取して発症することもあるので、ドッグフードの原材料に注意するのも大事と言えるでしょう。ストレスが原因となるケースもあります。
また、飲み水にも注意が必要。人間の場合、「体に良いから」とミネラルウォーターを飲むことがありますが、ミネラル過多で尿路結石ができる可能性があるので、犬の体にはNGです。
尿路結石は、尿意があっても「結石」が障害となってさまざまな症状を引き起こします。
「何度もおしっこするのに少量しか出ない」「おしっこを頑張っているのに出ていない」「間に合わずにトイレ以外の場所でおしっこをする」「血尿が出る」など、いつものような排尿が出来なくなるかと思います。尿が思い通りに出ないので「痛い!」と言わんばかりに鳴くこともあります。
鳴いたり、血尿が出たり、おしっこが出なくなったりしている症状は、すでに重症化している可能性も…。
できるだけ早く動物病院で診察することが大事です。
犬の寿命を延ばすための注意ポイント
ビションフリーゼが長生きするには、飼い主さんの病気に対する知識のほか、お世話の“質”も深く関わってきます。
飼い主さんができる寿命を延ばすための注意ポイントとは何でしょうか。
◆ストレスは長寿の大敵
フレンドリーで明るいビションフリーゼは、飼い主さんはもちろん、たくさんの人たちに親しみやすさを発揮します。人間でいうなら「いつもニコニコ」といったイメージ、気配り上手なワンちゃんです。
ただ、そんな性格のため、ストレスを溜めがちかもしれません。
ストレスは病気を引き起こす原因のひとつなので、「ストレスを溜めさせない」「ストレスが溜まったら解消してあげる」がポイントです。
甘えん坊なので、飼い主さんが不在の長時間の留守番は寂しさからストレスになるかもしれません。なるべく長時間の外出は避け、帰宅後にはたっぷりコミュニケーションを取ってあげましょう。
多頭飼いも寂しさを減らす意味では効果があるかもしれませんね。
◆運動のない生活は寿命に大きく関係する
体全体が巻き毛で覆われて気づきにくいですが、ビションフリーゼは隠れ筋肉質。丸いフォルムなので、どこかおっとりした印象があるものの、実は運動量をたくさん必要とする犬種です。
日常的に散歩不足、飼い主さんとの遊びが足りないと、せっかくの筋肉が退化してしまうかもしれません。筋肉量がなくなると代謝も落ちて、痩せにくくなります。
スポーツタイプの犬種ではないので、「一日に散歩を何回もする」「遠くまで歩く」とか「毎日ドッグランに連れていく」といったアクティブ系の運動はそれほど考えなくてもいいかもしれません。適度な運動を日課にするといいでしょう。
小型犬の割には運動量が必要な犬なので、毎日の散歩は欠かせません。20分程度を目安に、1日2回くらい散歩に連れ出してあげましょう。
また、注意したいのは悪天候の日の過ごし方です。大雨や台風の日は無理に外出すると逆にストレスなので、家のなかで過ごすのが普通かと思います。
ただ、運動しないとビションフリーゼの「運動したい」という欲求が満たされなくなるので、家のなかでの遊び時間を増やしてあげるようにしましょう。
一人遊びできるようなら自由に過ごさせてあげて、「遊んで♪」とねだってきたら一緒に遊びに付き合ってあげましょう。
犬用オモチャをいくつか用意して、時間を小分けにして雨の日も楽しく遊んでくださいね。
◆食事管理をしっかりと行う
前述したように、犬の老化スピードは早いです。見た目で元気に見えても、内臓は老化していきます。年代に合った食事を与えないと、内臓への負担となることもよくあることです。
子犬、成犬、シニア期…とライフステージが進むごとに、それに見合った栄養が詰まっているドッグフードを見直してあげましょう。
◆被毛ケアを入念に…
ビションフリーゼは、被毛量が多い犬種です。ブラッシングを怠ると皮膚炎のリスクにもなるので、日々のブラッシングはもちろん大事ですが、適度なタイミングでシャンプーやカットをしていきましょう。
特に、夏場に抜け毛を放置すると体温調整が上手くいかずに熱中症のリスクもあります。
◆愛犬の様子を日常的にチェック
「いつもと何か違う」という異変に気付けるに、飼い主さんの観察眼を磨きましょう。
「元気がない…」というざっくりした症状から、「尿や便の色が違う」「食事をとらない」「痛がっている箇所がある」という明らかに病気のサインと見られるものまでさまざまです。
毎日、ビションフリーゼの様子を細かくチェックしているほどに、このような異変に気付きやすくなるかと思います。遊びやスキンシップを通じてビションフリーゼを観察してあげるだけでも健康チェックになります。
気になる点があったら日付や症状をメモっておき、動物病院受診の際に相談してみましょう。
まとめ
ビションフリーゼの寿命と病気についてまとめてみました。
遺伝性疾患があまりないので長生きできる傾向にはあるものの、生活環境や食べ物が原因で病気のリスクもあるようです。
飼い主さんの知識を深めることで、「早く気付ける」「予防できる」という病気もあります。
いつまでも健康で楽しい日々を過ごすため、一日一日を大切にし、愛犬のためにできることを常に考えてあげたいものですね。
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