1.犬がトイレ以外でおしっこをしてしまう原因
1-1.犬がトイレ以外でする原因の例
1-2.愛犬がトイレ以外でする際の心理や原因を知ろう!
2.原因別 犬がトイレ以外でおしっこをしてしまう時の対処法
2-1.しつけ不足である
2-2.病気や怪我が原因の場合
2-3.トイレを気に入らないために失敗している
2-4.強い恐怖心が原因である
2-5.過剰な興奮によるおもらし
2-6.マーキングをしている
2-7.飼い主さんの関心を求めて失敗する
2-8.トイレで不快な思いをしたために失敗する
2-9.老齢のため漏らしてしまう
3.犬がトイレを失敗しても叱らない!やってはいけない対処法
3-1.粗相した愛犬を叱る
3-2.漏らした時に大きな声を出す
3-3.失敗した現場に鼻を押し付ける
【掲載:2020.01.31 更新:2021.12.27】
犬がトイレ以外でおしっこをしてしまう原因
トイレトレーニングはきちんとできていた、これまで失敗はなかった…。それなのに愛犬の粗相が突然、始まることがあります。経験したことのある飼い主さんも、結構いるかもしれませんね。
愛犬がトイレ以外でするようになってしまった時、そこには必ず何らかの理由が隠されているのです。
犬がトイレ以外でする、この行動の原因や、その時の犬の心理として考えられる理由をチェックしていきましょう。
◆犬がトイレ以外でする原因の例
- しつけの不足
- 病気や怪我
- トイレが気に入らない
- 服従行動の一環
- 恐怖心を強く抱いている
- 過剰に興奮している
- 分離不安
- マーキング
- 関心を得ようとしている
- トイレで不快な体験をしたため
- 高齢や老衰、認知症
この様に、犬がトイレ以外でする理由には様々な原因や心理が考えられます。愛犬の性格や住環境、家庭によって異なるのです。
◆愛犬がトイレ以外でする際の心理や原因を知ろう!
愛犬がトイレ以外でするので悩んでいる…という飼い主さんは、まず粗相をした時の状況をよく思い出してみてください。日常的な観察と、愛犬の性格を把握することも重要です。
そして、愛犬がトイレ以外でする理由がどのパターンに当てはまるのかを、見極めて判断する必要があります。
原因別 犬がトイレ以外でおしっこをしてしまう時の対処法
排泄行為を愛犬がトイレ以外でする場合、様々な理由があると前述しましたが、対処法はその理由・原因ごとに変わってきます。
原因別の対処法をそれぞれ紹介していきますので、まずは愛犬がトイレ以外でする原因を見極めてから、該当する対処法を試してみてください。
◆しつけ不足である
子犬や迎え入れて間もない成犬がトイレを失敗する場合、それはまだトイレの位置を把握できていないだけだといえるでしょう。
この場合、改めてトイレの位置を教え込む必要があります。トイレトレーニングの方法を見直して、できるまでチャレンジしましょう。
また、床などのニオイをかいでから排泄する場合は、愛犬自身や同居犬などの排泄物のニオイが残っている可能性が高いです。犬には、以前トイレとして使った場所を再利用する習性があるのです。
飼い主さんの掃除不足・対応不足が、愛犬がトイレ以外でする原因を作っているケースもあるということですね。
ペット用の消臭剤や掃除グッズなどを効果的に使用して、ニオイが残らないように努めてください。
天然成分消臭剤 オシッコのニオイ・汚れ専用 本体 270ml
・天然の植物抽出物である緑茶消臭成分が、ペット特有の気になるニオイを元から強力に消臭し、イヤなニオイをスッキリ。
・除菌成分が、ニオイ菌の繁殖まで防ぐから強力な消臭効果が持続します。
・フローリングやカーペットにも使えるノンアルコールタイプ。
メーカー名 | アース・ペット |
---|---|
材質・素材・成分など | 茶乾留エキス、ショウガ乾留物、グレープフルーツ種子抽出物、除菌剤、香料(ハーブの香り) |
製造国 | 日本 |
◆病気や怪我が原因の場合
犬の病気には、排尿回数や量が増える病気もあります。それが原因で、愛犬がトイレ以外でするケースも考えられるのです。
その疑いがある場合は、尿道からの排出物をチェックしてみましょう。最も多く考えられる病気として、主に膀胱炎があります。
もちろん、もっとリスクの高い病気である場合も考えられますので、一度動物病院を受診してみましょう。血尿や膿などがある場合は、そのトイレシートを病院へ持参して、獣医師に確認してもらうとよいでしょう。
また、怪我による痛みが原因で、愛犬がトイレ以外でする可能性もあります。痛みのせいで、トイレの位置まで移動できずに失敗してしまうのです。例えば、関節炎・捻挫・脱臼・骨折などです。
愛犬が身体に痛みを感じていないか、よく観察してボディチェックをしてみましょう。この場合も、一度獣医師に相談してください。
病気や怪我が原因の場合は、トイレの問題を解決する前に、治療することを優先するべきです。
◆トイレを気に入らないために失敗している
トイレの状態や位置、周囲の状況が気になって、愛犬がトイレ以外でする場合もあります。人間にとって気にならない程度の些細なものが、愛犬にとって不快であったり、恐怖の対象となっているケースがあるのです。
・トイレのまわりの環境が気に入らない
例えば、トイレの位置にエアコンの風が当たっていたり、カサカサ音の鳴るものが周囲にあるなど、愛犬が安心して排泄できない原因となるものがトイレの付近にないでしょうか。一度周辺の状態を見直してみましょう。
また、引っ越しなどで室内の状況が大きく変わることが、排泄を愛犬がトイレ以外でする行為を誘発することもあります。
この場合、一からトイレトレーニングをやり直すか、トイレの場所や周囲の雰囲気を以前の家に近づけるなどの対処法が必要です。引っ越し前に、念のためトイレ周りの写真を残しておくと便利かもしれません。
・トイレが汚れていて気に入らない
これら以外の理由として、ただ単にトイレが汚れているために失敗するケースもあります。個体差はありますが、少しでもトイレシートが汚れていると同じシートに排尿しない子も少なくないのです。
トイレの掃除をこまめに行って清潔を保つこと、トイレシートをこまめに交換することが解決策となります。
・トイレ自体の環境が気に入らない
排泄時の足元の素材や状態に対する好み(素材嗜好性)によって、トイレが気に入らない個体も中にはいます。
ペットシーツから新聞紙に変更したり、トイレの位置を大きく変えるなど、足元の素材や犬の目線からみて気に入らない位置にトイレが変わることで、愛犬がトイレ以外でするようになるケースもあるのです。
この場合、ペットシーツやトイレの位置を元に戻すことで、解決する可能性があります。
どうしてもトイレの位置や環境を変えなければならない場合は、出来るか出来ないか関らずもう一度トイレトレーニングを教えていく必要があります。一度出来たから当たり前と考えず、出来なくなった場合は再度教えてあげましょう。
◆強い恐怖心が原因である
強く恐怖心を感じることが、愛犬がトイレ以外でする原因となっている場合があります。
服従による少量のおもらしとは違って、爆発的で大量に排泄物をもらしてしまうこと、更に、震える・尻込みする・耳を下げるなどの、恐怖を示すサインがみられることが大きな特徴です。
解決策はなんといっても、愛犬が抱いている恐怖の対象を排除することでしょう。人間にとって何とも思わないようなものが、犬にとっての恐怖となっていることもあります。注意深く、愛犬にとっての脅威を探ってみましょう。
その恐怖の対象に対しては少しずつ慣らす方法があります。
例えば苦手な音や刺激などを、レベルの弱いものから強いものへと徐々にあげていき、愛犬を慣らしていくということです。
◆過剰な興奮によるおもらし
興奮しすぎた愛犬が、勢いあまって漏らしてしまうこともあります。「うれション」という呼び名でこれを指ししている方も多いでしょう。
最も多い事例は、留守番をしていた愛犬の元に飼い主さんが帰ってきた際に、うれションしてしまう、というパターンではないでしょうか。
これを解決する為には、愛犬のストレスを溜めないことが大切です。仕事などで毎日留守番が必要であれば、留守中の環境や状態を改善したり、スキンシップの時間を増やすなどして、日頃から愛犬が満足できるよう努めるのです。
◆マーキングをしている
マーキングとは、他の犬に対する優位性や、発情期のメス犬に対するアピール、縄張りの主張、他人や他の犬に対するカーミングシグナルとして、主にオス犬が行う行為の一つです。メス犬でもマーキングをすることがあります。
このマーキング行為も、犬がトイレ以外でする原因となります。
これに関しては、壁つきのトイレを利用したり、愛犬がマーキングする場所にトイレシート設置する、オムツを利用するなどして、対策をとるのが最善策とも考えられます。
◆飼い主さんの関心を求めて失敗する
トイレの失敗の原因には、愛犬が飼い主さんの関心を得るためにわざと失敗しているケースもあります。
以前にトイレ以外でおしっこをした時に、飼い主さんが慌てて走り寄ってきた、声を出して近づいてきた、おしっこをしようとしたら外へ連れて行ってくれたなど、犬にとって「良いことが起きた」と学習してしまったことが原因でしょう。
解決するには、学習の消去をする必要があります。愛犬がトイレ以外でする行為と、飼い主さんからの関心のリンクを断ち切るのです。
例えば、おしっこの失敗を無視して愛犬がその場を離れてから無反応で片付けたり、逆にトイレが成功した時はおやつをあげるなどして沢山褒めたり、これを何度も続けるという方法があります。
これを家族全員が徹底して行う必要があります。時間はかかるでしょうが、根気よく続けてください。
◆トイレで不快な思いをしたために失敗する
トイレで排泄している最中に嫌なことが起きたために、その後、愛犬がトイレ以外でするようになることがあります。トイレ中に大きな音や不快な音がしたり、ふざけて驚かされたなど、不快感とトイレがリンクしてしまったことで、失敗するようになってしまったと考えられるでしょう。
この場合、同じトイレを使用すること自体が嫌になっている可能性があります。
トイレの位置や、使用するトイレトレーを変えてみたり、全く別の周囲の状況を作ったうえで、新たにトイレの位置を認識させるトイレトレーニングをやり直すことが必要になる場合もあります。
◆老齢のため漏らしてしまう
愛犬の高齢化に伴ってトイレの失敗が増えてきた場合は、老化が原因と考えてよいでしょう。
老化によって犬の膀胱は小さくなり、おしっこを以前よりも溜められなくなります。また、神経機能の低下によって、排尿に関する指令がうまく伝達されなくなってくるのです。
おしっこを漏らされると感情的になってしまいそうですが、愛犬はわざと漏らしたり、嫌がらせをしているわけではありません。いつまでも健康でいてほしいですが加齢は止められませんので、決して叱らないでくださいね。
この場合は、ペット用おむつなどを利用して、愛犬のお漏らし被害を軽減しましょう。
犬がトイレを失敗しても叱らない!やってはいけない対処法
犬のトイレのしつけをする際、注意しなければならない点がいくつかあります。
◆粗相した愛犬を叱る
愛犬がトイレ以外でする瞬間に叱ったり、「ダメっ!」と叫んでしまうと、排泄行為自体がいけないことと誤認してしまいます。
結果、飼い主さんに隠れて排泄するようになるので、愛犬がトイレ以外でする回数は増えるでしょう。更に、証拠隠滅が目的で食糞をするようにもなります。また怖がってトイレを長時間我慢してしまい、病気になる恐れもあります。
叱っても改善はしません。咄嗟にやってしまいがちですが、誤った対処法ですので注意してください。
◆漏らした時に大きな声を出す
飼い主さんの関心が欲しくて失敗するという項目で前述した通り、これをやると「漏らすと構ってもらえる」と愛犬が学習してしまいます。
結果、飼い主さんに構ってほしい時に、わざと愛犬がトイレ以外でするようになるでしょう。
注目されること自体が、犬にとってはご褒美です。お漏らしにも慌てずに対応することが重要です。
◆失敗した現場に鼻を押し付ける
国内では数十年前から、トイレを失敗した場所・排泄物に鼻を押し付けるという行為が、正しいトイレトレーニングだと謳われ続けていました。しかし、これは誤った方法です。
犬は、数分前の出来事と罰せられた現在の因果関係を、結び付けて理解することはできません。現行犯だとしても、排泄物のニオイを嗅ぐことが生理的行動の一つである犬にとって、排泄物に鼻を押し付けることが罰になるのか疑問です。
この誤った方法は、全く意味をもたないばかりか、飼い主さんとの信頼関係を脅かす危険性を秘めています。決して、実践しないよう気を付けてくださいね。
まとめ
愛犬がトイレ以外する、この問題に頭を抱えている飼い主さんは少なくありません。
まずは、原因を探ることが、解決への第一歩となります。まずは原因と正しい解決策を探るために一度動物の専門家に相談する事も大切です。原因が判明したら、それにあった対処法を実践してみましょう。
個体や状況によっては、解決するまでに時間を要する場合もありますが、愛犬との健やかな毎日を過ごすためにも、根気強く頑張ってみましょう!
– おすすめ記事 –
・【ドッグトレーナー監修】必ず覚えさせたい基本の犬のしつけ3つ!その必要性と教え方【トイレ・食事・散歩】 |
・【ドッグトレーナー監修】クレートトレーニングは何故必要?トレーニング方法や役立つアイテム |
・【ドッグトレーナー監修】気づいてあげよう!犬が拗ねるサインと、犬が拗ねた時の対処法 |
・【ドッグトレーナー監修】犬が怒る理由はなに?怒らない犬にするためのしつけ方法と生活習慣 |