ふわっとしたひげがかわいい!ミニチュアシュナウザーのルーツを追ってみた

2020.03.24

ふわっとしたひげがかわいい!ミニチュアシュナウザーのルーツを追ってみた

ふわっとかわいいひげと眉毛が個性的なミニチュアシュナウザーは、とても賢いワンちゃんです。 知的な雰囲気ですが、昔はネズミを捕獲していたワイルドな一面も! ミニチュアシュナウザーのルーツに迫っていきます。

【目次】
1.ミニチュアシュナウザーのルーツを知ろう
 1-1.シュナウザー種について
 1-2.シュナウザー種の始まりは?
 1-3.ミニチュアシュナウザーが広まったのはアメリカ…!?
 1-4.どんな小型犬と交配されていた?
 1-5.ミニチュアシュナウザーという犬種に公認された時期

2.ミニチュアシュナウザーはどんな性格なの?

3.ミニチュアシュナウザーってこんなワンちゃん!歴史から見る特徴について
 3-1.特徴1.コンパクトなボディ
 3-2.特徴2.エネルギッシュなワンちゃん
 3-3.特徴3.個性的で印象的な「ひげ」
 3-4.特徴4.垂れた耳の子が多い!?
 3-5.特徴5.まるで人間なみ…!?頭脳派の犬種

4.まとめ

ミニチュアシュナウザーのルーツを知ろう

ミニチュアシュナウザー

ミニチュアシュナウザーは、日本では近年人気が出てきた犬種です。
テレビで見かける機会もあり、見た目のイメージしやすく、知名度がある犬種です。
いったい、どんな歴史を持っているのでしょう。

◆シュナウザー種について

ミニチュアシュナウザーという犬種は、3つのシュナウザーのなかの1つ。
30キロ以上にもなる大型サイズが「ジャイアントシュナウザー」、14~20キロ程度の中型サイズが「スタンダードシュナウザー」、10キロにも満たない小型サイズが「ミニチュアシュナウザー」です。

なかでも最も歴史が古いのがスタンダードシュナウザーで、「大型化・小型化」が試されたことで、それぞれジャイアントシュナウザー、ミニチュアシュナウザーが誕生しています。

◆シュナウザー種の始まりは?

3つのシュナウザー種のなかでも古い歴史があるのがスタンダードシュナウザー。
14世紀ころにはネズミなどの小動物から農作物を守る目的で、狩猟能力の強いスタンダードシュナウザーを飼う農家が多かったと言われています。

また、スタンダードシュナウザーは体も中型サイズでパワーもあったので、羊などの家畜を誘導する牧羊犬、農作物を狙う悪い人たちを追い払う番犬、市場まで伴走する作業犬といったバラエティに富んだ内容の役割をこなしていました。

◆ミニチュアシュナウザーが広まったのはアメリカ…!?

スタンダードシュナウザーの見た目や性格を引き継がせたまま、サイズを小さくする…、そんな方向性で誕生したのがミニチュアシュナウザーです。

スタンダードシュナウザーは、ネズミ捕獲のほか、家畜の誘導係や荷車の運搬係といった中型だからこそ可能な役割が求められていました。
スタンダードシュナウザーもネズミ捕獲は上手ですが、体のサイズ的には狭いところなど難所での捕獲は苦手。
ちょっとした隙間に逃げてしまうネズミを捕まえるのができず、農作物は被害にあってしまったのですね。

そこで、ネズミを捕まえる役割に特化させるため、体の小さいサイズの犬との交配が進められたのがミニチュアシュナウザーのルーツです。
ただ、「シュナウザーを小型化しよう」とは努力はされたものの、サイズ感はすぐに安定しませんでした。

そんななか、原産国であるドイツからアメリカに渡っていきます。
アメリカでも小型化の試行錯誤により、現在のミニチュアシュナウザーに近いサイズに完成し、「ミニチュアシュナウザー」という犬として世間に広まるようになりました。
そんな背景もあり、今でもアメリカでは人気の高いワンちゃんです。
飼育頭数は、生まれたドイツよりも多く、アメリカでは広く親しまれています。

◆どんな小型犬と交配されていた?

スタンダードシュナウザーを小さくさせるためには、体の小さい犬種との交配をしなければなりませんでした。
スタンダードシュナウザーをミニチュア化するために使われたのが、「アーフェンピンシャー」「ミニチュアピンシャー」「プードル」といった犬種。
どんなワンちゃんなのでしょうか。

・アーフェンピンシャー

ドイツ生まれで4~6キロ程度、小型サイズの家庭犬です。
黒い被毛にまとわれた猿っぽい見た目が特徴で、19~20世紀にかけて愛玩犬として親しまれていた過去を持ちます。
勇敢で忍耐強く、飼い主に献身的な犬と言われています。

・ミニチュアピンシャー

4~5キロ程度の小さな体型をした、ドイツ原産の犬種です。
短くすっきりした被毛、かわいい顔立ち、細身の体型と、引き締まった美しい見た目が特徴的。
スレンダーですが、適度な筋肉もついていて、運動能力のある活発な犬です。
小ぶりな体型で飼い主さんに忠実な性格から愛玩犬に分けられますが、人見知りで知らない相手にはピリピリ警戒するケースも多いです。
小さいながらにも番犬気質が備わっているので、使役犬として活躍することもあります。

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・プードル

今でこそ、超小型から大型までさまざまなサイズがあったプードルですが、そもそもはスタンダードサイズくらいの少し大きめの使役犬でした。
17世紀ころには、見た目の可愛らしさをそのままに小型化され、貴族たちの間で「愛玩犬」として大人気となっています。
人々を惹きつけるかわいい見た目とギャップがありますが、そもそも使役犬なのでアクティブに動きまわることができます。

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◆ミニチュアシュナウザーという犬種に公認された時期

スタンダードシュナウザーがアメリカに渡り小型化が進められていきましたが、当初は体のサイズに関わらず同じ犬種の扱いでした。
1899年には生まれ故郷のドイツで「ミニチュアシュナウザー」という犬種として認められてから約30年後、1933年にはアメリカでも犬種として公認される運びとなりました。

それでは、日本でミニチュアシュナウザーが育てられるようになったのはいつ頃なのでしょうか。
ミニチュアシュナウザーがアメリカから日本に渡った時期は、昭和初期です。
結構古い時代に、日本にやってきたんですね。
ただ、その時期の日本では、トリミングがあまり必要のない日本犬などのすっきり被毛の犬種が人気でした。
ミニチュアシュナウザーのような長毛種は、被毛ケアが難しいことから飼育頭数も伸びず、あまり注目されなかったようです。

しかし、2000年に突入する頃には、長毛の犬種もかわいいと愛玩犬としての人気が高まっていき、ミニチュアシュナウザーも次第に多くの人から慕われるようになっていきました。
今や日本ではミニチュアシュナウザーは人気犬種です。


ミニチュアシュナウザーはどんな性格なの?

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古くから人間や他の動物達との暮らしをしていたこともあり、大勢での生活に溶け込みやすい明るい性格をしています。
好奇心が旺盛な性格で周囲にも目を向けられるので、初めは人見知りをしても、次第にフレンドリーになってくれることでしょう。
小型サイズになったことで、家族に可愛がられる愛玩的な要素も備わりました。

ただ、ルーツを見るとネズミ退治をはじめ、人間の作業を手伝う犬、番犬的な役割もあったため、警戒心を持ち合わせています。
個体によって、その度合いは異なりますが、子犬の頃ほど慣れないうちは、ワンワンと吠えてしまうこともあるようです。
狭い環境でも飼いやすい小型犬なので、ペットとして迎える人も多いのですが、吠え癖に発展すると暮らしにくくなってしまいます。
ミニチュアシュナウザーは学習能力が高めなので、早めにトレーニングすれば吠えないように覚えさせることは難しくありません。
もともと利口で飲み込みが早いので、家族に迎えたら早めに訓練して吠え癖にならないようにすべきでしょう。

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ミニチュアシュナウザーってこんなワンちゃん!歴史から見る特徴について

見た目から性格まで、ミニチュアシュナウザーの特徴はたくさんあります。
それらの特徴は、過去の歴史に繋がっているものばかり。
「どうしてそんな特徴になったのか」をルーツのお話と比べながら見ていきましょう。

◆特徴1.コンパクトなボディ

ミニチュアシュナウザーの代表的な特徴は「小さい体」です。

スタンダードシュナウザーは、14~20キロとずっしりした体重ですが、中型サイズのため、狭いところに逃げ込んだネズミを捕獲できません。
そこで、小型化されたのがミニチュアシュナウザー。
体は一回りほどすっきりし、体重は4~8キロほどとだいぶ小さめです。
海外、日本問わず、今では家庭犬として飼われるケースが増えています。

スタンダードシュナウザーやジャイアントシュナウザーだと体が大きくて小さな住まいではなかなか飼えません。
でも、見た目はほぼ変わらず、体つきが小さめになったミニチュアシュナウザーなら、小さな環境でも飼いやすい犬種と言えるでしょう。
狭い場所に入ったネズミを捕獲するために改良されたミニチュアシュナウザーは、今では広狭関係なく、幅広い家庭で、「家族の一員」として可愛がられるようになっています。

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◆特徴2.エネルギッシュなワンちゃん

名前に「ミニチュア」とついていることから、小さいサイズでかわいいイメージがあります。
でも、ミニチュアシュナウザーはそもそもネズミ退治をさせることを目的として改良された犬種のため、体力的にも性格的にもエネルギッシュです。
ジャパンケネルクラブのグループ分けでは「使役犬」の中に含まれていることから番犬や作業犬として大活躍するミニチュアシュナウザーもいますが、家庭犬として飼われるケースが増えています。

◆特徴3.個性的で印象的な「ひげ」

ハンター能力が高いミニチュアシュナウザーは、もともと「ネズミを捕まえて欲しい」という農家の方々の願いから誕生した犬種です。
捕まえる対象はミニチュアシュナウザーよりも小さな動物とは言え、すばしっこく小回りのきくネズミ。
口を使って捕まえる時に、ネズミが逆襲してくることもあります。
自身の体をプロテクトするために発達したのが「ひげ」です。
口周りにふさふさとボリュームのある被毛が生えているのはミニチュアシュナウザーの個性的な特徴ですが、ネズミ退治の時には欠かせない部分だったんですね。

そんな実用的な部分は、今となってはふわっと柔らかな印象を作りだし、かわいらしいと注目されています。

◆特徴4.垂れた耳の子が多い!?

ミニチュアシュナウザーの耳は、立ち耳もあれば、前方にペタッと折りたたまれている垂れ耳の子もいます。
昔は、犬種としての標準が立ち耳であったことから、生まれて間もない幼犬の頃に手術で耳をカットする「断耳」が行われていました。
耳の軟骨が未成熟なうちが手術に適しているので、14週に満たない月齢で断耳されるケースが多かったようです。
切り取って残った耳を立たせるためには、木と包帯で固定しなければなりません。
しばらくそのままで耳が立って固定されるのを待ちますが、手術後は感染症のリスクや痛みが続いてしまいます。

今では動物愛護の観点から、手術で耳を切る行為自体が残酷なこととして捉え、断耳自体を禁止している国々がヨーロッパを中心に増えています。
そのため、手術をせずに自然な垂れ耳のままのミニチュアシュナウザーが多いようです。

◆特徴5.まるで人間なみ…!?頭脳派の犬種

農家には欠かせない作業犬から始まり、警察犬、災害救助犬といった高度な訓練を要する役割をこなすようになりました。
一般的に警察犬と言えば、ワイルドでたくましい風貌をした大型犬が多いです。
そんななか、ミニチュアシュナウザーのように小さな体でも警察犬として重宝されたのは、その優れた知能と勇敢さからでした。
頭脳派のミニチュアシュナウザーは、ペットとして一般家庭に暮らしても溶け込めます。
飼い主さんへの従順性が高く、さらに賢さもプラスされ、いろんな訓練も覚える知能があります。
飼い主さんさえ「しつけ」に対して真摯に取り組めば、人間社会で必要なことをスムーズに学習してくれるでしょう。


まとめ

ふわっとした口ひげが印象的なミニチュアシュナウザーは、今のかわいらしい姿からはイメージしづらい“ネズミハンター”というワイルドな歴史を持っていたことが分かりましたね。
ネズミを捕る能力に長けていたルーツもあってか、今でもアクティブ系で賢さは健在。
高い訓練能力で、しつけも難しくない犬種として注目を浴びています。

忠実度や愛情も深く、飼い主さんにとって「ナンバーワン」の素敵なパートナーになってくれそうですね。



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笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!


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