【獣医師監修】愛犬が虫に刺された時の対応。人用の薬を塗ってもいい?虫除けのポイントは?

2020.04.16

【獣医師監修】愛犬が虫に刺された時の対応。人用の薬を塗ってもいい?虫除けのポイントは?

温かい季節が近付いてくると、特に注意したい虫刺され。害虫被害は、人間にとっても犬にとっても避けたいものですよね。特に愛犬が虫に刺されてしまった場合、飼い主さんとしては、その症状や対処法をきちんと覚えておきたいところです。虫刺されの跡を見つけた時、どうすれば良いのか、また予防方法などをしっかりチェックしておきましょう。おすすめアイテムも紹介しますので、是非、参考にしてみてください。

犬に虫刺され跡を発見!動物病院にいったほうがいい?

愛犬が虫に刺される瞬間を目の当たりにするケースは稀でしょう。大体、虫に刺された後に気付く場合がほとんどかもしれません。

犬の虫刺され跡を発見したら、どのように対応したらいいのでしょうか。

◆まずは様子をみよう

虫刺され跡をみつけると焦ってしまいますが、まずは落ち着いて様子をみましょう。愛犬を安静にさせ、異常がみられないか観察してください。

患部と思われる皮膚が赤い、少し痒がっている、などの症状が出た後におさまるケースが多いといえます。

しかし、様子をみていても症状がおさまらずに、患部が腫れる、掻きむしる様子が続くなどの場合には、動物病院を受診してください。

その後は獣医さんの指示に従って、処方された薬のみを使用するようにしましょう。

◆異常がみられたらすぐに動物病院へ

ただし、犬の虫刺されの原因となる害虫は多種多様で、その虫の種類によって、また個々にもつアレルギーによっては急を要するケースに直面する場合もあります。

虫刺され後に、愛犬がぐったりとしている、または急激に体調が悪化したなどの様子がみられた場合は、アナフィラキシーショックを起こしている可能性があるので、すぐに病院へ連れていきましょう。


犬も虫に刺されるとかゆい?犬に起こる虫刺されの症状

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原因となる害虫によって多少の差はありますが、虫刺されの主な症状として、かゆみ・発赤・痛み・腫れなどが基本的には挙げられます。人間の虫刺されと、ほぼ変わりない症状だといえますよね。

しかし犬の場合、被害を負う可能性の高い害虫の種類は人間よりも多いといえるでしょう。

虫刺されによって炎症が起きる病気を「刺咬症」といいますが、その原因として挙げられる主な害虫には、蚊・ブヨ(ブユ/ブト)・ハチ・クモ・ムカデ・蛾・ノミ・ダニ・ツツガムシなどがおり、それぞれに対処法も異なるのです。

特に注意が必要な以下の虫については、しっかりと覚えておきましょう。

◆蚊

蚊はフィラリア症候群の原因となります。犬糸状虫という虫を持っていた蚊にさされることで、この病気にかかってしまうのですが、放置すると体内で虫が増加し、最悪の場合命を落としてしまう恐ろしい犬の病気の一つなのです。

ただしフィラリア症は、定期的にフィラリア予防薬を内服(注射)することで、発症を防ぐことが可能です。愛犬のためにも、可能な限り予防薬を使用するようにしましょう。

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犬のフィラリア症は、蚊が媒介するフィラリア(犬糸状虫)という寄生虫による疾患のことです。蚊がフィラリア感染した動物を吸血した際に取り込んでしまい、他の犬を吸血する際に身体に送り込むことでフィラリア症に感染します。フィラリア症に感染すると、咳が増える、元気消失、腹水、血管障害を起こすなどの症状がみられ、最悪の場合死に至ることもあります。 犬のフィラリア症の症状や原因、治療法、予防法について詳しくご紹介します。

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また、蚊に刺されることで発症する「昆虫アレルギー性皮膚炎」という病気もあります。蚊に刺されることでアレルギー反応が起こり、かゆみ・腫れなどみられるのです。

重症化すると頭痛・発熱・倦怠感・呼吸困難や、アナフィラキシーショックを起こすこともあるので注意してください。

蚊は犬の耳を狙うことが多いといわれています。他の害虫と比べて視界で捉えやすいので、蚊が見えたら追い払う、蚊のいるような場所へ近づかないなどして、愛犬を蚊から守りましょう。

◆ハチ

人間にとっても恐ろしい害虫の一つがハチですよね。犬もハチに刺されると、アナフィラキシーショックで重体になる可能性があります。

ハチに刺された場合は、身体に針が残っているはずです。針を見つけら毛抜き・ピンセットなどで抜き、冷水で冷やしましょう。そして動物病院を受診してください。

ハチには黒く動く物を狙う習性がありますので、被毛が黒い犬は特に注意しましょう。

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◆ノミ

草むらなどに入ると、ノミが愛犬についてしまう可能性があります。

ノミには何度も刺す特徴があります。見つけたらノミ取り用のクシなどを用いて取りましょう。

ただしノミが潰れると、卵が飛散して繁殖する可能性があります。潰すのを避け、日頃からノミ取りシャンプーを定期的に使用して洗うことで対策しましょう。

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◆ダニ

ダニは種類や大きさが様々です。肉眼で確認できないサイズであるヒセンダニの場合は、皮膚上で繁殖して皮膚をボロボロの状態にしてしまいます。

激しい痒みを伴うので、飼い主さんもその症状に気付きやすいとは思いますが、愛犬が衰弱している場合には、放置することで命を落とす可能性もあります。

しっかりと洗い流すなどして皮膚の掃除をすることで、ヒセンダニを取り除くことができますので、日頃から愛犬の様子を確認しておきましょう。

また、マダニの場合は肉眼で確認することができ、血を吸うと500円玉程度の大きさになるケースもあります。

比較的気付きやすい害虫ではありますが、マダニは体内に毒を持っているため、呼吸の乱れや吐き気、歩行困難などの症状が出る場合があります。これらの症状がみられた場合はすぐに動物病院を受診してください。

自宅でマダニの駆除を行うことも可能で、マダニとり用のピンセットなども販売されています。しかし、下手に抜こうとすると頭部が身体の中に残ってしまう可能性があります。難しいと感じたら無理をせず、獣医さんにお任せして取ってもらってくださいね。

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犬の虫刺されに人間用のかゆみ止めを塗ってもいい?

人間用の虫刺さされの薬が常備してある家庭は多いでしょう。有名どころでいうと「ムヒ」などが痒み止めとして浮かぶと思いますが、人間用の市販薬は愛犬に使用しても良いのでしょうか?

◆人間用の市販薬の使用には注意が必要

動物病院で処方されている薬の種類にも、人間用の薬と種類が同じものがあります。太文字動物用薬も、有効成分は人間用と同じものがほとんどだそうです。

だったらペットに使っても大丈夫じゃない?と思うかもしれませんが、人間用の市販薬は人間が使うものと想定してあるものですし、その種類や用量も様々です。単純に体重換算しても、それが適量だとはいえないのです。

例えば、動物病院で処方される薬の一つとして、リンデロン軟膏があります。炎症を抑えるステロイドと抗生物質(抗菌作用有り)の配合剤で、皮膚のかゆみや赤み、腫れなどの症状を改善するものです。

この薬は人間用としても処方される種類の薬ですが、だからといって人と犬とでは用法・用量が違いますよね。皮膚炎などの副作用も報告されているので、独断で使用することはすすめられません。

対して市販薬は処方箋がなくても購入できますし、病院で処方される薬と比べて比較的誰でも使いやすいように工夫されて作られています。それでも、その安全性は人間用として向けられたものだということを忘れてはいけません。

使用しても問題はなかった、という場合ももちろんあるでしょう。しかし、そこに危険性がないわけではないのです。

愛犬のかゆみ止めとして薬が欲しいのであれば、必ず獣医さんに一度相談することをおすすめします。

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家でできる虫刺されの予防方法

◆散歩に行く前に虫よけスプレーをつける

愛犬を害虫から守るためには、散歩や外出の前に虫よけスプレーなどで対策することを心掛けましょう。

温かい季節になると特に、虫の活動も活発になります。公園など草木の多い場所に出掛ける際は、きちんと虫よけ対策をすることがすすめられます。

現代では、ペット用品としても虫よけ対策グッズが豊富に販売されています。愛犬が使っても安心な成分でできているスプレーや、首輪やハーネスにぶら下げるタイプの虫よけ剤など、ご家庭によって使いやすい種類のアイテムを選ぶことができるでしょう。

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お出かけ時に嫌な虫からペットを守る!約60日間の虫よけです。散歩の時にリードの先につけるだけ。火・電池要らずでペットが嫌がりません。

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サラテクト ペット用

虫よけ製品で有名なアース(アース・ペット)のペット用虫よけスプレーです。ダニやノミ、蚊の忌避に効果的です。

お散歩やお出掛けの前に、このウォーターミストをさっと吹きかけるだけ!

ワンちゃん、ネコちゃんが嫌がらないように静音スプレー設計がなされており、環境にも優しい窒素ガスが使用されています。モモの葉エキスが配合されているので、うるおい成分もばっちりです。

1日1~2回、愛犬の身体から10~15cm離して、被毛全体に適量をスプレーしましょう。ただし、顔にかけるのはNGですよ。

携帯にも便利なサイズなので、愛犬との外出にも持参すると良いですね。我が家でも愛用しています!

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◆服や靴を着用させてから外出する

愛犬に服を着せてから外出することも一つの手です。虫は犬の被毛につきやすいため、付着できる面を少なくすることで害虫被害の予防に繋げられるのです。

ただ、夏場などは熱中症などに注意が必要なので、着せる素材には配慮してくださいね。

◆ペットにも安心して使える蚊取り線香を使用する

外出時には特に必要な害虫予防策ですが、家の中でも人間同様、愛犬が虫刺されに合う可能性はあります。そのため、室内でも害虫対策をしておくことが重要です。

室内の虫よけとして、夏の風物詩でもある蚊取り線香が浮かぶ方も多いでしょう。現代では、ペットのいる家庭でも安心して使用できるペット用の蚊取り線香も市販されているので試してみてください。

薬用 蚊取り安泉香 30日

蚊取り線香と聞くと、火が付くから愛犬の側に置くのは危険…と感じる飼い主さんも多いでしょう。

しかしこの製品、点火する必要がないという優れものなのです!置いておくだけで効果を発揮し、お香を焚いているような優しい和の香りがします。

ペットへの安全性は高いですが、蚊への効き目は抜群です。有効成分のピレスロイド系殺虫剤(メトフルトリン)が、蚊成虫の中枢神経を麻痺させて駆除してくれます。

常温半径約2m立方範囲まで揮散し、垂れにくい固めのゲルで吊り下げも可能という使い勝手の良さも大きなポイントです。効果は約30日間持続します!

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◆室内や犬用ベッドを清潔に保つ

室内の清潔さを保つことも害虫被害への予防策となります。併せて、普段使用している飼い主さんの洋服などはもちろん、愛犬用のベッドや服などを定期的に洗濯することも大切ですね。

害虫被害を受ける可能性は屋外に限ったことではありません。室内での対策も忘れずに行いましょう。

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マット、タオル、ペット服、毛布などペット用品を洗うための衣料用コンパクト洗剤。
漂白剤でも落ちにくいニオイのもと(ペット特有の皮脂)までスッキリ落とし、洗うたびに離毛効果が高まります。
すすぎ1回でOK。ドラム式洗濯機にもおすすめです。
抗菌成分、除菌成分配合。グリーンフローラルのマイルドな香り(微香性)。

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犬の虫刺されに関するまとめ

愛犬に身体をかゆがる様子がみられたら、すぐに全身をチェックしてみましょう。皮膚病の様な症状や皮膚の赤み、しこりやかさぶたなどは、虫刺され以外でも起こりがちな症状ではありますが、まずは愛犬の異変に気付くことが重要です。

様子をみながら、体調に変化がみられる場合はすぐに病院へいきましょう。原因が分からなくても、一度獣医さんに相談することが最も安全です。他の病気であっても、早期発見に繋がる可能性があります。

散歩や外出の後には、愛犬のボディチェックを習慣づけることをおすすめします。耳やお腹、手足の付け根や尻尾、被毛から皮膚など全身を確認することで、いち早く虫刺されや害虫被害に気付ける可能性が高まります。

特に虫がいそうな場所へ行った後には、忘れずに行ってくださいね。

人間と愛犬の両者を苦しめる虫刺され。しっかり予防対策をし、快適な毎日に繋げましょう!

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に15医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!

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