1.犬が掃除機に向かって吠える・噛みつくのはなぜ?
1-1.恐怖心や威嚇によって吠える
1-2.社会化が不十分で吠える
1-3.習慣化しているから吠える
1-4.掃除機に対する嫌な経験から吠える
1-5.飼い主さんのマイナスの感情が伝染する
1-6.飼い主さんに対抗して吠える
2.犬の掃除機嫌いを改善する方法
2-1.掃除機に慣れていない犬の場合
2-2.掃除機に慣れている犬の場合
3.掃除機を使わない家の掃除方法
3-1.ほうきで掃く
3-2.コロコロを使う
3-3.フローリングワイパーやモップを使う
【掲載:2020.04.19 更新:2021.09.17】
犬が掃除機に向かって吠える・噛みつくのはなぜ?
犬が掃除機に向かって吠えたり噛みついたりするのには、しっかりと理由があります。
犬によってその理由は異なりますので、愛犬の様子で何が原因であるかを突き止めることが大切です。
◆恐怖心や威嚇によって吠える
犬が掃除機に向かって吠えたり噛みついたりするのは、恐怖心によるものであったり、掃除機に対して威嚇している可能性が考えられます。
犬は言葉を理解する生き物でないため、掃除機に慣れていない場合は、犬にとって掃除機が何者であるのか、何故うるさい音を立てて動くのかなどが理解できません。
犬にとって掃除機は未知の生物です。人間であっても未知の生物が急に現れて、自分の家で大きな音を発したら恐ろしいですよね。
このような観点から、掃除機に対して吠えたり噛んだりしても、初めのうちはある程度は理解してあげて、気長に少しずつ慣らすことが大切です。
◆社会化が不十分で吠える
掃除機に慣れているのに吠えたり噛みついたりする場合は、社会化のしつけが十分でない可能性が考えられます。
様々な環境下で社会化ができていると、違う環境や違う生き物、違う音など対してはじめは反応しても、時間が経過するにつれてその状況(掃除機)に順応します。
しかし、何か月経っても毎日使用する掃除機に慣れないような場合は順応能力が低いことが原因で、未知の生物である掃除機に対して常に恐怖を感じている可能性もあります。
◆習慣化しているから吠える
長期間掃除機に過敏に反応して吠えたり噛みついたりしていると、そういった行動が単純に習慣化しているだけのこともあります。
早めに対策やしつけを行わずに、掃除機が動いたら吠える、掃除機がなったら吠えるといった行為が当たり前になり、同じ行為を繰り返すようになります。
◆掃除機に対する嫌な経験から吠える
寝ていたところ急に掃除機が大きな音を立てた、掃除機が怖いから吠えただけなのに飼い主さんに怒られたなど、掃除機に対して嫌な記憶が残っていることが原因で吠えたり噛んだりすることがあります。
犬が掃除機に慣れていないのに、吠える犬を叱ったりするのが一番やってはいけない行為です。
はじめての未知の生物に対して、動物が過剰に反応するのは当たり前のことですので、決して怒ってはいけません。
◆飼い主さんのマイナスの感情が伝染する
犬が掃除機中に吠えることで、飼い主さんがイライラすることがある場合、犬は敏感に人の苛立ちなどの感情を感じ取り、マイナスの感情が犬に移ると言われる事もあります。。
掃除機がなると飼い主さんが苛立つことから、犬も掃除機がなると不安や恐怖などマイナスの感情が引き起こされて吠えるようになってしまうこともあります。
◆飼い主さんに対抗して吠える
たまに、吠える犬に対して負けないくらいの声で吠えている飼い主さんを見かけます。飼い主さんが大きな声を出すと、負けじと大きな声で継続して吠える犬もいるので注意が必要です。
犬の掃除機嫌いを改善する方法
犬の掃除機嫌いを改善する方法は理由によって様々ですが、大抵は飼い主さん自身の対応を変えることで改善します。
一度掃除機に吠える癖が習慣化してしまうと、改善するのには非常に長い時間がかかりますので、できるだけ早めに対処しましょう。
◆掃除機に慣れていない犬の場合
・掃除機の存在自体に慣れさせる
掃除機に慣れていない犬の場合は、犬の生活環境の見える部分に掃除機を置いておくことからはじめましょう。
まずは、動かない掃除機の匂いや見た目に慣らして、匂いを嗅いだらおやつなどで褒める、掃除機の近くに寄ったら褒めるなど地道に慣らす必要があります。
・電源を入れない状態で掃除機を動かす
掃除機という存在に犬が慣れたら、犬から見える位置で音を立てずに掃除機を移動させます。
掃除機を動かすときは、最初は飼い主さんも犬と同じ視線になるよう座って、掃除機を左右前後に動かしてみると良いでしょう。
この段階で犬が吠えてしまったら、吠えている犬を怒らずに無視しながら、少し離れた場所で掃除機を同じように動かします。
ポイントは、犬から飼い主さんと掃除機が見えているかです。遠い場所でも犬から見えていれば問題ないので、徐々に距離を縮めていき、犬が吠えた時点ではじめからやり直しです。
・掃除機の電源を入れる
掃除機の動きに慣れたら音を鳴らしますが、はじめは犬がいない別室で犬が少し掃除機の音が聞こえる程度で十分です。強弱調整がある掃除機は弱音からはじめて、別室から徐々に犬のいる部屋に近づけることで慣らしていきましょう。
吠えずにいられたら、途中途中でおやつを与えると効果的ですが、掃除機を操作する人と犬を褒める人の2人で対応すると効率よく対応できます。
犬によって慣れさせるために必要な期間は異なりますが、焦らず気長に慣らしてあげることが大切です。
一日長時間掃除機を動かしたりすると犬に過度なストレスがかかってしまうので、はじめは毎日5分~10分を目安に短時間で慣らすトレーニングを行いましょう。
◆掃除機に慣れている犬の場合
掃除機に慣れているのに吠える犬の場合は、慣れていない犬よりも吠えを改善するのに時間がかかりやすく、あまり改善しないケースもあるので注意が必要です。
・犬が吠えても冷静に対処する
原因によって対処方法が異なりますが、飼い主さんは掃除機に吠える犬に対して怒らないよう気をつけ、苛立たずに穏やかに対応することが大切です。
飼い主さんが苛立つと、犬も神経を張り詰め状況が悪化しやすいので、怒鳴らないようにするのはもちろん、犬が吠えても飼い主さん自身が平然とリラックスした状態で対処しなければいけません。
掃除機に対する嫌な経験をつくらないように、努力しましょう。
・はじめからしつけを行う
犬が吠えてもリラックスして掃除できるようになったら、「掃除機に慣れていない犬の場合の対処法」と同じ手順ではじめからしつけを行います。
ただし、習慣化している犬の場合は一般的に改善できたとしても、改善するまでに時間がかかります。数週間~数か月を目安におやつ(ご褒美)を利用して、焦らずに気長にゆっくりと対処しなければいけません。
・掃除機中に噛むおもちゃや長持ちするおやつを与える
掃除機中に犬に噛むおもちゃや長持ちするおやつを与えておくことで、改善するケースもあります。
一時的に噛んでいて吠えなくなるだけでなく、掃除機をするときにご褒美を毎回与えることで、「掃除機がなると良いことが起こる」ということを長期間で学習させます。
ただし、毎日長持ちするようなおやつを与えると肥満の原因になるので、犬の吠えや噛みが改善するまで掃除機の頻度を週数回に調整するなどの工夫も必要です。
また、掃除機中に知育玩具を与えておくとおやつを出すのに頭を使うので、掃除機に集中していた神経が紛れて吠えなくなるケースもあります。
犬によって様々ですので、色々なおやつやおもちゃで試してみると良いでしょう。
掃除機を使わない家の掃除方法
どうしても掃除機に吠えたりして近所トラブルなどが問題になってしまっている場合は、長期間でしつけを行うことが難しいので、掃除機を使わない掃除にすることも対策の1つです。
◆ほうきで掃く
ほうきは掃除機のように大きな音が鳴らないので、一般的に慣らすまでに時間がかからないのが特徴です。
ただ、ほうきの独特な動きや床に接触する音に対して吠えることがあるので、掃除機同様の方法で慣らしていきましょう。
◆コロコロを使う
コロコロもほうきと同じですが、持ち手が短いものであれば吠えたりしない犬がほとんどです。
吠える場合は、掃除機に慣れさせる方法と同じように生活空間に見えるように置いておいたり、匂いを嗅がせるところから徐々に慣らしましょう。
◆フローリングワイパーやモップを使う
ワイパーやモップも動きに反応することがありますが、音がでないので吠え対策として代用するには効果的です。
犬が掃除機に吠えてしまう時の対策まとめ
犬が掃除機に吠える理由や改善方法などご紹介致しました。
一番大切なことは愛犬が何故吠えるのか理由をしっかりと考え、犬の立場に立って理解してあげることです。
犬も吠える・噛むなどの行為で精神的・肉体的にストレスがかかっている状態ですので、放置するのは飼い主さんだけでなく犬にとっても好ましくない状況です。
冷静に対応して、長期スパンで犬にあった改善策を考えてあげましょう。
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