1.シーズーの抜け毛は多い?それとも少ない?
1-1.ダブルコートの被毛構造
1-2.長毛種なのに抜け毛が少なめな理由とは…?
1-3.抜け毛はある
2.皮膚病を発症しやすいシーズー
2-1.どうして皮膚病に…?
2-2.皮膚病になったらどんな症状がみられる?
3.シーズーのお手入れ時に重宝するグッズのご紹介
3-1.長毛種用のブラッシングアイテムを用意する
3-2.シャンプー
3-3.ブラッシングスプレー
3-4.ペット用バリカン
4.シーズーのかわいいカットスタイル4選!
4-1.丸いお顔がかわいい「テディベアカット」
4-2.長い被毛でゴージャス感が漂う「フルコートスタイル」
4-3.とにかくスッキリ短めの「ベリーショート」
4-4.ブーツカットを履いたオシャレさん!!「ブーツカット」
5.シーズーの皮膚病を防ぐポイント
5-1.高温日のお出かけは時間帯や行先にも配慮する
5-2.家のなかではエアコンで温度管理をする
5-3.カットスタイルは季節も考慮する
5-4.皮膚が油分過剰になったら洗い流す
シーズーの抜け毛は多い?それとも少ない?
シーズーと言えば「長い毛」「豪華な被毛」が大きな魅力ですよね。
「毛は伸び続ける」という特徴があるので、抜け毛は多いような印象を受ける人が多いかと思います。
しかし、「シーズーは抜け毛が少ない犬種」という声を耳にすることも。
実際、抜け毛は少ないのでしょうか?
◆ダブルコートの被毛構造
犬の被毛構造は「シングルコート」もしくは「ダブルコート」のどちらかです。
被毛が二重に覆われ、季節ごとに毛のボリューム感が変わるダブルコートは、寒い地域原産の犬種によく見られます。
チベットにルーツを持つシーズーもダブルコート。
シーズーの元祖となる犬はチベットという「低温の環境」で生きるため、被毛は保温効果が高まるように発達していったのです。
◆長毛種なのに抜け毛が少なめな理由とは…?
一般的にダブルコートは、毛の生え変わりで大量に抜け毛が出ます。
シーズーは、ダブルコートの構造に、「長い毛」という特徴も加わるので、「さぞかし抜け毛量は多いだろう」と思っている人が多いかもしれません。
しかし、シーズーに限らず、長毛種の抜け毛は少なめと言われています。
1本の毛が毛穴から誕生し、それが抜けるまでの期間を「毛周期」と言いますが、新しい毛が生えてくるタイミングで、古い毛が「死んだ毛=抜け毛」となります。
ただ、シーズーのように伸び続けていく毛の場合、毛周期が長いので抜け毛は比較的少ないと言えるでしょう。
◆抜け毛はある
「抜け毛が少ない」というと誤解を受けやすいですが、ダブルコートのなかでは少ない傾向にあるだけで、抜け毛はあります。
アンダーコートは、換毛期になると抜けていきます。
季節の変わるタイミングには、ふだんは抜け毛が気にならないシーズーも抜け毛対策は必要となるでしょう。
皮膚病を発症しやすいシーズー
シーズーが生まれた地域と日本の気候には違いがあり、皮膚病を発症しやすい傾向です。
その原因や症状などを見ていきましょう。
◆どうして皮膚病に…?
シーズーが誕生したチベットは、「涼しい・寒い・乾燥している」という気候の寒冷地です。
そのため、シーズーの体は寒い気温でも耐えられるように被毛は長くボリュームを持ち、乾燥に負けてお肌がパサパサしないように皮膚には油分があります。
しかし、日本の気候の特徴は真逆ともいえる「高温多湿」。
チベット出身のシーズーにとっては、暮らしやすい環境とは言えないでしょう。
寒さ対策の「長毛&ダブルコート」は、日本の温かな気候では暑くさえ感じるかもしれません。
また、湿度の高い日本ではシーズーの長毛は蒸れがちとなり、皮膚の油分もプラスされて雑菌が繁殖しやすい「ベタベタ」とした皮膚になるでしょう。
つまり、「シーズーという犬種が皮膚病にかかりやすい」というよりも、「日本に住んでいるシーズーが皮膚病に気をつける必要がある」と言えるのかもしれません。
◆皮膚病になったらどんな症状がみられる?
シーズーの皮膚は油分が多く、日本の多湿環境が原因で菌が繁殖しやすい状態です。
カビの一種であるマラセチアという真菌が増殖する「マラセチア皮膚炎」、皮膚の油の分泌量が増加し引き起こされる「脂漏性皮膚炎」などが、シーズーでよく見られる皮膚病と言われています。
「赤くなる」「発疹が出る」「皮膚の色が変色する」「かゆがる」「フケが発生する」「毛が抜けてくる」「におう」という症状が出ると、皮膚病を疑ってもいいでしょう。
皮膚病と診断されれば、飲み薬、塗り薬などで治療できますが、指示された期間続けていかなければなりません。
それに、皮膚病でシーズーの自慢の被毛が脱毛したり、かゆみでイライラしたりと、ストレスで元気がなくなることもあります。
予防のために配慮することはもちろん大事ですが、皮膚病にかかった症状を見逃さずに症状が軽いうちに発見してあげたいものですよね。
皮膚病の主な症状となる赤みや発疹、においの発生などは、日頃のスキンシップが多いほど気づきやすくなるかと思います。
また、触っているときに皮膚のベタベタ感がないか、脱毛している箇所がないかなど、愛犬に触れながら目でもチェックしておきましょう。
シーズーのお手入れ時に重宝するグッズのご紹介
シーズーの毛のお手入れで準備しておきたいグッズをいくつか紹介していきます。
◆長毛種用のブラッシングアイテムを用意する
さきほどもお伝えしたように、シーズーは油分が少し多めで被毛の内部が蒸れやすい特徴があります。
しかもブラッシング不足だと、毛が絡まって毛玉となり、ますます蒸れて皮膚病が起こりやすくなるでしょう。
抜け毛が少ないからと油断せず、次のようなアイテムをいくつか併用し、毎日丁寧にブラッシングすることが大事です。
購入するときには、長毛種に適していることが記載されているものを選ぶといいですね。
・スリッカーブラシ
細い針金のような構造をしているスリッカーブラシ。
換毛期に重宝するアイテムで、毛が絡んでいる部分を上手く除去することができます。
先端が尖っているので、ブラッシング時には力の加減が大事です。
・ピンブラシ
先端が丸いピン状になっているので、皮膚への負担が少なめです。
傷つけにくい特徴がありますが、強すぎると負担になるので注意しましょう。
・コーム
平たい形状のコームは、抜け毛というよりも表面の仕上げに使うといいでしょう。
深くとかすよりも、表面をさっと毛の流れにそってブラッシングしてあげます。
シーズーの毛並みを丁寧に整えてあげましょう。
・ファーミネーター
換毛期に重宝すると言われているファーミネーター。
アンダーコートの抜け毛がステンレスに絡まって抜ける構造です。
◆シャンプー
抜け毛を取るためには、シャンプーも効果があります。
犬用のシャンプーは、
・リンスが含まれている
・泡で出てくる
・消炎効果が期待できる成分が含まれている
・爽やかな香り
といった特徴を持つものが市販されています。
シーズーをシャンプーする時には、犬用の刺激が少ないシャンプーを使いましょう。
洗浄成分が残っていると、それが皮膚病の原因にもなります。
さらに、濡れたままで過ごすと菌が繁殖するリスクを高めます。
すすぎ残しに注意し、洗った後には「すすぎ⇒タオルドライ⇒ドライヤー」と、乾燥させる工程までしっかり行いましょう。
また、シャンプーの頻度が高ければ、皮膚への負担が大きくなります。
そこで重宝するのが、水のいらないタイプのシャンプーや、ボディシート。
ちょっとした汚れなら、サッと拭いてすっきりさせてあげることができるでしょう。
◆ブラッシングスプレー
乾いた被毛を何度もブラッシングすると、乾燥から静電気が起こってしまうこともあります。
それを防ぐためには、ブラッシングスプレーもおすすめです。
抜け毛が取れやすくなると同時に、毛のツヤもよくなります。
◆ペット用バリカン
シーズーは長毛種なので、月に1回程度は毛のカットをするといいでしょう。
ペットサロンに行くと、上手に仕上げてくれます。
ただ、「毛の長さを少し整える程度」「肉球の伸びた毛」のように、ちょっとしたカットならば飼い主さんが挑戦してもいいかもしれません。
ハサミを使うと、シーズーが動いた時に危ないと感じますよね。
肉球の裏側であれば、ペット用バリカンを使って、安全にカットすることができるでしょう。
シーズーのかわいいカットスタイル4選!
シーズーは、体はもちろんのこと、顔周り、耳周りの毛もどんどん伸びます。
アレンジカットは豊富で、「どんなスタイルにしよう」と考えるのが楽しみになる飼い主さんも多いでしょう。
また、現実的な話になりますが、皮膚病を防ぐ目的で、夏にはサマーカットで短めのスタイルにするのも考えておくといいでしょう。
いくつか紹介していきます。
◆丸いお顔がかわいい「テディベアカット」
シーズーのカットスタイルの中でも定番と言えるのがテディベアカットです。
真ん丸な顔に見えるように、顔周りを短めにスッキリさせ、そして、垂れ耳の毛も伸ばし、顎のラインで切り揃えます。
全体的に、丸みが帯びて優しい印象になるでしょう。
「カットに失敗したくない」「どんなカットスタイルが似合うか分からない」というときには、定番中の定番、テディベアカットがよく選ばれているようです。
また、耳の飾り毛の長さは、長くも短くもアレンジ可能。
顎よりもグッと下げて伸ばすとエレガント風、顎よりも短めでカットすると活発でやんちゃ風と、イメージが結構変わるでしょう。
◆長い被毛でゴージャス感が漂う「フルコートスタイル」
シーズーのどこまでも伸びる毛を活かしたのがフルコートスタイルです。
床まで伸びる被毛がゴージャスで、神聖なワンちゃんとして中国王朝で大事にされていた歴史を彷彿させますね。
床に着くくらい伸びますが、ロングスカートを着用しているようにも見え、女の子のシーズーなら似合いそうな感じもします。
顔周りの毛も長いので、そのままだと顔が隠れてしまうため、結ぶことでさまざまなアレンジができます。
頭の上で長い毛を結んだり、リボンをつけたり…。
ツインテールもかわいいですね。
◆とにかくスッキリ短めの「ベリーショート」
体のラインが強調されるくらい短めにするベリーショートは、暑さを軽減できるスタイルです。
サマーカットとも言われます。
全体的に被毛が短くボディラインがはっきりすると、「本当にシーズー?!」と違う犬種のようにも見えるかもしれません。
短い毛なので、食事や排泄のときに汚れにくく、清潔感をキープできるでしょう。
蒸れが起きにくいため、皮膚炎のリスクがある夏にはぴったりかもしれませんね。
◆ブーツカットを履いたオシャレさん!!「ブーツカット」
シーズーは、足も毛が伸びるため、それを活かしたスタイルができます。
足元だけをモフモフに残したブーツカットは、まるでブーツカットジーンズを履いているようにリボンをつけたり、スカーフを巻いたり、ほかのアイテムとのコーディネートもばっちりですね。
シーズーの皮膚病を防ぐポイント
湿気や気温でも皮膚病のリスクが高まるので、春から夏に向けた時期には注意したいポイントもいくつかあります。
◆高温日のお出かけは時間帯や行先にも配慮する
日本の夏の暑さは、人間ですら辛いものです。
長毛のシーズーは、夏前の気温の上がり初めの時期でさえも「暑いな」と思っているかもしれません。
特に、高温になる夏には、太陽の影響を受けにくい朝や夜間と時間帯を変えて散歩した方がいいでしょう。
◆家のなかではエアコンで温度管理をする
外出を控えたとしても、家の中の温度管理が悪ければ暑さは解消されません。
暑さに弱いシーズーのため、夏場にはエアコンで温度管理を徹底しましょう。
◆カットスタイルは季節も考慮する
シーズーの長い毛をいかしたフルコートはとても魅力があります。
ただ、夏になると通気性が悪くなり、さらに皮膚病のリスクが高まります。
少しでも皮膚を快適に保つため、サマーカットで短めにするのも予防策のポイントです。
◆皮膚が油分過剰になったら洗い流す
シャンプーの頻度は、月に1~2回程度がいいと言われています。
シーズーの場合、油分がもともと多いので、多湿時期にはニオイが気になってくることもあります。
ベタベタを取り除くにはシャンプーで洗うのがよいですが、何度も洗い過ぎると逆に皮膚への負担が高まるので注意しましょう。
シャンプーのほか、ボディシートなどで拭いてあげるだけでもいいですし、水を使わないシャンプーも試してみるといいかもしれませんね。
まとめ
シーズーの長い毛は、いろいろなカットスタイルも楽しめて大きな魅力です。
長毛の割に抜け毛は少なめと言われていますが、日頃のお手入れをきちんとしなければ、皮膚病になりやすいワンちゃんです。
また、シーズーは「低い気温・低い湿度」の地域出身で、日本の高温多湿の環境で皮膚状態が悪くなりやすいと言われています。
皮膚病を防ぐため、基本となるブラッシングやシャンプーのときには、お手入れグッズを使って清潔な皮膚に保ってあげましょう。
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