1.ジャックラッセルテリアの平均寿命はどのくらい?
1-1.ジャックラッセルテリアの大きさ
1-2.小型犬は寿命が長め
1-3.ジャックラッセルテリアの平均寿命は?
1-4.ジャックラッセルテリアが長生きの理由
1-5.長生きしたジャックラッセルテリアの記録は?
2.ジャックラッセルテリアと暮らすなら注意すべき病気
2-1.ひざ関節の病気「膝蓋骨脱臼」
2-2.尿に糖が混じる「糖尿病」
2-3.網膜の異常「網膜剥離」
2-4.股関節の病気「大腿骨骨頭壊死」
3.どうすれば寿命を伸ばしてあげられる?飼い主さんができること
3-1.ポイント1:運動好きなジャックラッセルテリアに合わせた飼育環境
3-2.ポイント2:一緒に運動を楽しむ
3-3.ポイント3:犬の痛みサインに気づいてあげる
3-4.ポイント4:腸内環境を良くしてあげる
3-5.ポイント5:予防接種や健康診断を受けよう
ジャックラッセルテリアの平均寿命はどのくらい?
まずは、犬の寿命や、ジャックラッセルテリアの平均寿命について見ていきましょう。
◆ジャックラッセルテリアの大きさ
ジャックラッセルテリアの理想体高は25~30センチで、理想体重とも深く関わりがあります。
「体高5センチにつき1キロ相当」と言われているので、ジャックラッセルテリアの理想体重は、5~6キロと考えられています。
◆小型犬は寿命が長め
一般的に、日本で飼育されている犬たちのなかでも、小型犬は寿命が長い傾向です。
大型犬の平均寿命が10~13年程度に対し、小型犬では12~15年程度というデータがあります。
◆ジャックラッセルテリアの平均寿命は?
犬は体重10キロ未満が小型犬とされ、5~6キロのジャックラッセルテリアは小型犬の仲間です。
「小型犬は長生き」と言われていますが、ジャックラッセルテリアの寿命はどうでしょう?
過去のデータによると、ジャックラッセルテリアの平均寿命は13~16歳程度のようです。
だいたい、一般的な小型犬と同じくらい、もしくは16歳という数値を考えると「やや長め」ともいえるかもしれませんね。
◆ジャックラッセルテリアが長生きの理由
一般的な小型犬の平均寿命と比べると、少しばかり長寿犬になる可能性もあるジャックラッセルテリア。
その理由はあるのでしょうか?
まず、考えられるのが「動くことに特化して交配された犬種」ということでしょう。
体を動かすことは、健康的な体を維持することと濃密な関係があります。
人間でも、健康的に長生きするため、日々運動の運動が推奨されていますよね。
猟犬として活躍していたジャックラッセルテリアの運動量は、とにかく多いです。
関節や筋肉をたくさん動かすことで、それが元気の源にもなっているのですね。
また、他の犬種と比較すると、ジャックラッセルテリアの遺伝性疾患は少なめと言われています。
これらのことから、やや長生き傾向にあるのかもしれませんね。
◆長生きしたジャックラッセルテリアの記録は?
公式に認定されている記録ではありませんが、21歳まで生きたジャックラッセルテリアがいたと言われています。
平均寿命と比べても、かなり長生きしたことが分かりますね。
ジャックラッセルテリアと暮らすなら注意すべき病気
遺伝性疾患が少なめと言われているジャックラッセルテリアですが、病気の心配がないわけではありません。
どんな病気にかかりやすいかは、予備知識として知っておくことが大事です。
ジャックラッセルテリアは運動量が多いので、関節系の病気にも注意が必要でしょう。
◆ひざ関節の病気「膝蓋骨脱臼」
ひざには、関節の動きをサポートする働きを持つお皿となる「膝蓋骨」があります。
それが通常の位置から外れ、脱臼が起きるのが「膝蓋骨脱臼」、もしくは「パテラ」という疾患です。
膝蓋骨脱臼は、膝関節周辺に生まれつき異常がある先天性のこともありますし、ジャンプや走ったりと運動のなかで発症する後天性のケースもあります。
ジャックラッセルテリアは動くのが大好きなので、日常生活のケガでこの病気を発症しやすいので注意が必要です。
膝蓋骨脱臼になると違和感のある歩き方をするようになるので、比較的気づきやすいでしょう。
特に、スキップのように歩いていたら病院で診断を受け、少しでも早く治療を始めることが重要です。
◆尿に糖が混じる「糖尿病」
人間の病気としてよく耳にする糖尿病は、犬にも起こる病気です。
通常、尿のなかに糖が多量に混じることはないですが、インスリン不足により糖尿病を発症すると、持続的に高血糖になります。
「おしっこの量が増える」「水をたくさん飲む」と、多尿多飲の症状で気づきやすいでしょう。
また、「食欲はあるのに体重が減少する」「食欲がなくなってきた」という症状も見られます。
嘔吐や下痢も、糖尿病のひとつのサインの可能性があります。
ジャックラッセルテリアは、ふだんは活発な性格なので、糖尿病になると急に元気がなくなるかと思います。
◆網膜の異常「網膜剥離」
網膜剥離とは、言葉どおり「網膜が剥がれる」という状態を指します。
剥がれ方にもよりますが、眼球の主要構造となる網膜の異常のため、視力が落ちていく病気です。
視力が著しく落ちた、もしくは目が見えていない…というように、かなり進行した状態で気づく飼い主さんも多いようです。
「何気ない場所で家具にぶつかる」「歩き方がスムーズではない」「目の前のものに焦点が合わない」「動くものを見ても目で追いかける様子がない」などが網膜剥離の症状として挙げられます。
ジャックラッセルテリアは動きが激しく、頭を振ったりすることから、それが原因となり網膜剥離を起こす可能性もあるとも言われています。
◆股関節の病気「大腿骨骨頭壊死」
成長過程にある小型犬がよく発症するのが「大腿骨骨頭壊死」です。
「レッグ・ペルテス」とも呼ばれます。
大腿骨周辺に炎症により血液不足になり壊死し、股関節の痛みを引き起こします。
痛みのため、犬は後ろ足をかばうように歩く様子が見られるでしょう。
治療をしないまま長い期間経過すると、筋肉委縮により歩行障害が起こることも考えられます。
大腿骨骨頭壊死は、子犬の頃に起きやすいため、長らく放置すると今後の活動にも影響するかもしれません。
歩き方に異常をきたす病気は、このほかにも膝蓋骨脱臼や骨折、関節炎といくつかあります。
手術によって完治できる病気です。
「いつもと違う歩き方…?」と、ちょっとした変化もキャッチし、愛犬の運動機能を守ってあげましょう。
どうすれば寿命を伸ばしてあげられる?飼い主さんができること
元気いっぱいに動き回るジャックラッセルテリアを見ると、長生きしてくれそうに思えますよね。
寿命を知ることは怖いので「今が良ければいい」と情報をシャットアウトしたくなるかもしれません。
でも、飼い主さんが「愛犬の寿命を伸ばしてあげたい」と努力すれば、それだけ結果として表れるものです。
飼い主さんができることをおさえておきましょう。
◆ポイント1:運動好きなジャックラッセルテリアに合わせた飼育環境
ジャックラッセルテリアは運動が大好きな性格なので、ケガをするリスクが多いです。
そのため、ケガを予防する対策が必要です。
「運動を制限する」という方法を取れば、膝蓋骨脱臼や関節炎を予防できるかもしれません。
でも、それはジャックラッセルテリアの生きがいを奪うことにもなってしまいます。
理想は、「ケガをしないように動ける環境」を用意してあげることです。
滑りやすいフローリング、落下しやすい階段などを、ケガをしにくい環境に改善すれば予防になりますね。
フローリングは滑りやすいので、カーペット、タイル、マットにすると滑りづらく脱臼のリスクも減ります。
運動神経が良いので階段の昇り降りが得意なジャックラッセルテリアですが、ちょっとした踏み外しで落下する恐れもあります。
階段には近づけないようにすると、高所から落ちる心配がなくなります。
◆ポイント2:一緒に運動を楽しむ
運動量が多いので、それを満たすには1日1時間以上の日々の散歩が理想的です。
ただ、飼い主さんも仕事や育児などで忙しいケースもあるかと思います。
そのため「1時間散歩すればいいだろう」と事務的になることはないでしょうか…。
一緒に隣を歩いているのに心が離れた状態の散歩では、ジャックラッセルテリアも寂しくストレスになるかもしれません。
「散歩をしなければならない」という義務感よりも「愛犬と楽しい時間が過ごせる」という楽しみと捉え、ワンちゃんとの幸せなひと時を過ごしてくださいね。
また、家のなかの遊びも同様のことが言えます。
コミュニケーションやスキンシップを深めることは、愛犬が病気になったときにいち早く気づけることにも繋がります。
体を触られることに慣れているワンちゃんは、ボディタッチにより体の異常が分かりやすくなるでしょう。
動物病院での診察もスムーズになるので、一石二鳥とも言えます。
「楽しく運動」「幸せなスキンシップ」で、愛犬がストレスを抱えることのないように、毎日笑顔で過ごしてくださいね。
◆ポイント3:犬の痛みサインに気づいてあげる
犬という動物は、「痛い」ということに対して我慢強さを見せます。
野生で生きていた頃は、「自分は痛みを抱えて苦しい」という様子を相手に見せると攻撃の対象となっていたため、限界になるまで「自分は痛くない!まだまだ動けるぞ!」と強がる性質があるでしょう。
そんな背景から、体の内部で起こっている病気には、なかなか気づけないこともあるかもしれません。
ただ、ジャックラッセルテリアにもよくある関節炎や脱臼は、痛みをかばった歩き方をするのが一般的。
「変な歩き方=犬の痛みの訴え」です。
痛くても歩こうとしている表れなので、そんなちょっとした変化を飼い主さんが感じ取ってあげましょう。
また、関節炎を起こした場合、「ジャンプをしなくなった」「階段を上りたがらない」など、運動量が減って気づくこともあります。
足を地面についたときに、「キャン!」と声をあげる様子もあるかもしれません。
犬が発している痛みサインに気づいてあげたいものですね。
◆ポイント4:腸内環境を良くしてあげる
人間と同じように、犬たちも腸内環境を整えることが健康に繋がると言われています。
犬の腸は、お腹にプラスとなる「善玉菌」、不健康へ導く「悪玉菌」などの菌で構成されています。
菌のバランスがよければ健康を維持できますが、「粗悪な食事」「ストレス」などで悪玉菌が増えてしまいます。
腸内環境が悪いと免疫も下がり、さまざまな病気に打ち勝ちにくくなります。
下痢や便秘といったお腹の不調以外にも、体内トラブルが起きやすくなるでしょう。
「善玉菌を増やす食事をする」「運動で腸の動きを良くする」「ストレス解消に努める」など、腸の健康も意識することが長寿の秘訣にもなります。
特に、人間でもお馴染みの乳酸菌は、ワンちゃん達の腸内環境をサポートします。
市販の乳酸菌入りのフードやおやつなどを取り入れてみるのもいいですね。
また、ストレスも腸内環境を悪化させる原因です。
「飼い主さんが構ってくれない」「散歩が足りない」と、飼い主さんとのコミュニケーション不足や、運動量が少ない状況はストレスに直結するので注意しましょう。
◆ポイント5:予防接種や健康診断を受けよう
定期的に動物病院を受診することをおすすめします。
犬は言葉を話さないため、血液検査や画像検査が病気の診断の決め手となることがあります。
それに加えて、「いつもとこんなところが違う」「尿の回数、下痢の回数、嘔吐の回数」など、飼い主さんからの情報がヒントとなり、獣医師が病気を早期発見してくれることもあるでしょう。
定期的に健康診断を受けていれば、何らかの異変に気付けることもあります。
若い世代なら年に1回、シニア世代になったら年2回に増やしてあげるといいですね。
また、任意で受けた方がいいワクチンや予防薬がいくつかあります。
感染症を予防するための混合ワクチン、蚊による感染症の予防となるフィラリア予防薬、ノミやダニの予防薬などです。
健康診断はもちろん、ワクチン接種などについても、愛犬の健康面で良き相談相手になってくれる存在が動物病院です。
犬を育てていううえで気になる点があったら専門家に相談すると安心です。
信頼できるかかりつけ医を早めに見つけ、気軽に相談できる体制を整えておくといいでしょう。
まとめ
ジャックラッセルテリアの平均寿命は、比較的長めで「長寿」のワンちゃんと言えそうです。
ただ、飼い主さんの知識不足によって、病気やケガを頻発してしまう可能性もゼロではありません。
愛犬を健康的に長生きさせるためには、病気や健康についての知識を持つこと、そして早期発見をしてあげることです。
ジャックラッセルテリアがストレスを持たないように、たくさん運動させて、愛情を注いであげてくださいね。
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