柴犬の毛色は4色!赤・黒・白・胡麻それぞれの特徴とは

2024.04.23

柴犬の毛色は4色!赤・黒・白・胡麻それぞれの特徴とは

柴犬といえば茶色の毛をした赤柴を思い浮かべる方も多いと思いますが、最近では黒色の毛をした黒柴の人気が高くなっています。 アメリカの有名な歌手レディ•ガガが黒柴のヨーコちゃんを飼っていることからも、日本国内だけにとどまらない人気の高さがうかがえます。 そんな柴犬の毛色には、赤、黒、白、胡麻の4色があります。今回は、それぞれの毛色についてご紹介していきます。

【掲載:2020.05.30  更新:2024.04.23】

柴犬の色は4色

柴犬は、日本に古くから定着している日本犬の1種類で、1936年には天然記念物に指定されている、日本人にとても馴染み深い犬種です。
現在は海外でも「Shiba Inu」と親しまれていて、日本原産でありながら海外でも飼育している人やブリーダーも多くいる犬種となります。

●柴犬の基本情報

標準体高(足元から肩までの高さ) オス:39.5cm メス:36.5cm
標準体重 オス:9〜11kg メス:7〜9kgです。
寿命 12〜15才
性格 従順/頑固/神経質

そんな柴犬の色は、大きく分けて赤、黒、白、胡麻の4色です。
柴犬といえば、茶色・赤茶の様な色が最もメジャーですが、実は正式な名称としては茶色ではなく『赤色』となります。

すべての毛色にマズルの両側、頬、顎、首、胸、ボディ、尾の裏側に「裏白」と言われる白色の毛が生えているのが標準とされています。
ただ、子犬の時には、模様が目立たない事もあります。

また、根元の毛は白く、足の先に向かって色が薄くなっていきます。
換毛期には毛色の薄い時期、濃い時期のような変化が見られ、年齢とともに徐々に色が薄くなっていきます。

◆JKCで認められているのは5色

JKCで定められている柴犬の色は、一般的に見られる4色ではなく、『赤、黒褐色、胡麻、黒胡麻、赤胡麻』の5色とされています。

また、『上記毛色は全て「裏白」でなければならない。』と定められています。

◆毛色は遺伝によって決まる

学生の時にメンデルの法則というのを勉強した事を覚えているでしょうか。
メンデルの法則とは、1865年にグレゴール・ヨハン・メンデルによって発見された遺伝の法則で、親の形質は遺伝子によってある規則性をもって子や孫に伝わるというものです。

遺伝子は両親から1つずつ受け継ぎ、2つで1組となります。
この遺伝子には優性と劣性があり、優性のものが形質(特徴)として現れます。

柴犬の毛色を決定しているのは、アグーチ遺伝子とエクステンション遺伝子といわれています。

アグーチ遺伝子

メラニンの量と割合を調節しています。
特にユーメラニン(黒色〜褐色)、フェオメラニン(黄色〜赤褐色)の量の割合により毛色が決定すると考えられます。

このメラニンの生成は、体の場所により一定ではないため背中とお腹の色が異なったり、断続的に起きる事により1本の毛の中でも色が異なるということが起こります。

アグーチ遺伝子には、「Ay(赤色)」「Aw(胡麻色)」「At(黒色)」「a(劣性黒)」の4つの遺伝子があります。

赤色が最も優性な遺伝子で、劣勢黒になるにつれ劣勢な遺伝子となるので、両親のどちらかからAyを受け継いでいれば、すべて赤柴になります。

エクステンション遺伝子

これは、アグーチ遺伝子の毛色を発現させるかどうかを決める遺伝子になります。
エクステンション遺伝子座には3つの遺伝子がありますが、柴犬では下記の2つの遺伝子が重要となります。

●E(アグーチ遺伝子座の色を発現させる)
●e(ユーメラニンを合成させず、フェオメラニンのみを合成させる)

E遺伝子はe遺伝子に対して優性であるため、両親どちらかからE遺伝子を受け継いでいる場合は、アグーチ遺伝子座の遺伝子の色が現れることになります。


赤色の柴犬

赤色の柴犬

キツネのような茶色をしていますが、この色を赤色と呼びます。
柴犬全体の80%以上を占める毛色で、最も柴犬らしい色といえますね。

前述の通り、赤色が最も生まれやすい毛色です。
裏白といわれる白い毛が生えていますが、その場所には個性があります。

口周辺に黒い毛が多く生えていることがありますが、6ヶ月齢から2才までには黒い毛は抜けてしまい、ほとんどは普通の柴犬と同じ色になります。

遺伝的な組み合わせで言うと、「Ay/Ay」「Ay/Aw」「Ay/At」「Ay/a」といったように両親のどちらかからAyを受け継いでいると赤色の毛になります。


黒色の柴犬

黒色の柴犬

最近では黒柴ブームにより見かけることも多くなりました。
柴犬全体の10%程の珍しい色です。

黒色は「鉄錆色」と言われるような光沢のない燻したような黒色、墨色をしているのが理想とされています。
毛は根本に向って茶色、白色と淡い色と変わっていきます。

黒柴の特徴は、何といっても目の上にある白や茶色の麻呂眉のような模様ですよね。
正確には、「四つ目」と言い、四つ目があるように見えることに由来します。
これは、外敵から目を守るためのカモフラージュという説もあり、他の毛色にも見られますが、黒柴にはよりはっきりと確認できます。

眉があることで表情も豊かにより可愛らしく見え、色の珍しさからも人気が高いのではないでしょうか。
ごく稀に裏白のない黒一色の毛色で生まれることもあるんですよ。

遺伝的な組み合わせで言うと、「At/At」「At/a」になる時が黒色の毛になります。


白色の柴犬

白色の柴犬

白柴はさらに少なくなり、5%程しか生まれません。
白色と表現はしますが、ホワイトというよりも、アイボリー・クリームに近い色をしています。

一般的に白い毛と聞くと、メラニンが合成されず、赤目に体は白一色のアルビノを想像する人もいるかもしれませんが、白柴はアルビノではありません。

前述の通り、白色の柴犬には、エクステンション遺伝子が大きき関わっています。
他の毛色の柴犬と違い、白い柴犬の遺伝子については、赤、胡麻、黒、黒一色の色を発現させるかどうかが関わっているのです。

発言させない作用を持つのは「e」であり、「e/e」を持つ柴犬ではアグーチ遺伝子座の遺伝子の色が現れず黄色になります。
しかし、この作用は目には及ばないため白柴は黒目になります。

つまり、赤柴同士からでも白柴が生まれる可能性は十分にありますが、確立としては低いのです。
遺伝子の組み合わせ上、白柴同士の交配では生まれてくる子の多くが白色になる可能性が高くなります。


胡麻色の柴犬

胡麻色の柴犬

赤・黒・白色が混ざった毛色で、柴犬全体の数%程の最も珍しい毛色です。
赤色が多いと赤胡麻、黒色が多いと黒胡麻と呼ばれることもあります。

柴犬の毛色による値段の違いはあるのでしょうか。赤柴の平均価格は17万円程度で、人気の黒柴や白柴はそれよりも高い傾向があります。また、オスよりメスの方がやや高めなのです。

遺伝的な組み合わせで言うと、「Aw/Aw」「Aw/At」「Aw/a」が胡麻色の毛になります。


まとめ

毛色の成り立ち方を中心に生物的な観点からお話してきましたが、それぞれの毛色の生まれる確率にはかなりのばらつきがある事がお分り頂けたのではないでしょうか。

近年は柴犬人気により赤柴以外にも多く出会えるようになりました。
確かに黒柴の表情豊かな顔は愛くるしく、柴犬特有の可愛らしさが際立つと思います。

しかし、人気の毛色頭数を増やそうとすればする程、交配や繁殖に生物学的な負担がかかってしまう事もお気づきになられたのではないでしょうか。

毛色だけでなく、遺伝的背景や柴犬の歴史、それぞれの性格や特徴も踏まえて可愛い柴犬を探してみるのも新たな発見があるかもしれませんね。

柴犬は家族に深い愛情を注いでくれる犬種です。大事に育てていけば、必ず良きパートナーになってくれるでしょう。



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笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!


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