1.愛犬が他の犬に吠えてしまう原因
1-1.恐怖心
1-2.警戒心
1-3.子犬時代の社会化不足
1-4.好意による行動
2.他の犬に吠えてしまった時の対処法
2-1.落ち着かせる
2-2.その場から立ち去る
愛犬が他の犬に吠えてしまう原因
散歩や外出、ドッグランなどで愛犬と過ごす時間は、終始楽しい気持ちでありたいものです。
しかし、愛犬が他の犬に吠える場合、相手に対しての申し訳なさや、周囲への騒々しさが気になり、飼い主さんはストレスを感じてしまいますよね。
ですが、その際にストレスを感じているのは愛犬も一緒なのです。犬にとって吠えるのは普通のことですし、理由もなく吠えているわけではありません。
まずは、愛犬が他の犬に吠える原因を知ることから始めましょう。考えられる原因として、主に4つの理由が挙げられます。
◆恐怖心
他の犬に対して、恐怖心を抱いていることが原因で吠えている可能性があります。愛犬が過去に、他の犬の存在を怖いものだと認識したことがあるのではないでしょうか。
例えば、散歩中に他の犬に吠えられて怖いと感じたことがあったり、犬に限らず、車や屋外の騒音に対して恐怖心を抱いたことがあるなど、過去の怖い経験から他の犬に吠えるようになったと考えられます。
飼い主さんにとっては特に気にならないような些細なことでも、愛犬が恐怖心を感じていることは珍しくありません。一度過去の経験を思い返してみてください。
また、恐怖心から吠える場合、吠え方には特徴があるので覚えておきましょう。
尻込みしながら吠える、普段より高めの声で吠える、などの様子がみられたら、それは緊張している証拠です。
さらに尻尾にも注目してみましょう。後ろ足の間に尻尾を挟んでいる、尻尾が下を向いている、などの状態がみて取れれば、恐怖を感じている状態である可能性があります。
他の犬に吠えるシーンに遭遇した時は、愛犬が吠えている様子を一度しっかり観察してみましょう。恐怖を感じているようであれば、過去の経験を思い出して原因を探ってみてください。
◆警戒心
恐怖心の他に、警戒心から他の犬に吠える場合があります。他の犬に限らず、様々なものに吠える様子がみられるのであれば、散歩・外出中に見掛ける様々なものに対して、警戒心を抱いている可能性があるでしょう。
特に神経質な性格の犬は、繊細であるがゆえに、些細なことに違和感を覚えてしまいます。元々警戒心が強いといわれる犬種にもよくみられるかもしれませんね。愛犬の普段の性格も、判断基準の一つとなるのです。
また、愛犬自身がマーキングをした縄張りに他の犬がいることを確認すると、警戒して吠えだすケースもあります。
◆子犬時代の社会化不足
犬の社会化不足が原因で、他の犬に吠える場合もあります。普段から他の犬との出会いが少ない犬にみられがちで、散歩・外出中に他の犬を見掛けると吠えてしまうのです。
子犬時代の社会化不足が原因となっていることがほとんだといえるでしょう。他の犬との触れ合い方が分からずに、戸惑っているのです。
子犬の頃から、他の犬とのコミュニケーションをとる機会を積極的につくることが大切なのです。
◆好意による行動
恐怖心や警戒心などとは反対に、他の犬が好きで吠えてしまうケースも考えられます。挨拶がしたい!一緒に遊びたい!という気持ちが先行して、相手の犬の側へ行くまで吠え続けてしまうのです。
他の犬に吠えてしまった時の対処法
前述した原因の他にも、愛犬が何かを要求して吠える場合など、別の理由から吠えることももちろんあります。
他の犬に吠えるとき、そこにはどんな原因にしろ、興奮状態であるという共通点があるのです。
興奮している犬に吠えるのを止めさせるのは、犬によっては難しい場合もあるでしょう。無駄吠えをしつけで直す方法は、中々骨がおれますよね。
しかし、愛犬が他の犬に吠えることを繰り返すのがよいことだとはいえません。吠えることで、恐怖の対象などを追い払うことに成功したと感じれば、吠えれば解決できると認識し、吠え方が酷くなるケースもあります。
外出中にゆっくりしつける機会がなく、迷惑行為を避けるために、とりあえず散歩中に他の犬に吠えるのをやめさせたいという飼い主さんも多いでしょう。
散歩コースとして、他の犬に会う機会の少ない場所を選択するのも一つの対策です。散歩コースや時間帯を変えて、他の犬に会わないよう工夫するのです。見通しの良い場所もおすすめです。飼い主さんが愛犬よりも先に他の犬に気付ければ、方向転換ができますよね。
まず、吠える経験を減らすことが重要なのです。もし、他の犬に会った、見掛けた場合には、以下の方法で対処し、愛犬が他の犬に吠えるシーンを回避してみましょう。また、必ずしもそれぞれの犬に合っているとは限らないので、一度専門家に相談してからトレーニングを行うことも考えておきましょう。
◆落ち着かせる
原因によって対処法が変わってきますが、恐怖心や警戒心から他の犬に吠える場合は、愛犬を落ち着かせることが大切です。
早く他の犬に慣れさせたいからといって近づくことを無理強いするのではなく、愛犬にとって安心できる距離感を他の犬との間に保つことがポイントとなります。吠えてから落ち着かせようとすると、逆に興奮を煽ってしまう可能性があるので、遠目でワンちゃんを見掛けたら適度な距離を保ってあげましょう。
また、飼い主さんと愛犬との信頼関係がきちんと築けていることが前提ですが、基本的なコマンドである「アイコンタクト」「オスワリ」や「マテ」ができるのであれば、他の犬を見掛けた瞬間に指示を出すことも有効です。
他の犬に吠える前にコマンドを出し、相手との距離感を十分にとっておくことで、愛犬が集中して指示に従える状況を保ってあげてください。
他の犬に吠えずにその場を回避できたら、たくさん褒めてあげてくださいね。
◆その場から立ち去る
散歩中に他の犬を見掛けたら、愛犬が吠える前に回避するよう心掛けましょう。
あらかじめ、フードやおやつなどを手で握り込んでおき、そのニオイで愛犬の注意を逸らして、他の犬と対面させないようにします。
愛犬の視線の方向を変えたり、別の道に誘導するなどしながら、吠えずにいられたら褒めてあげましょう。
このとき、おやつ用のポーチなどを用意しておくととても便利です。
吠えないように誘導することはもちろん、拾い食いや万が一愛犬のリードを離した場合の呼び戻しになども、フードやおやつを利用して注意を引くことが可能です。
大好きなおもちゃがあれば、それを持って散歩に出かけるのも良いでしょう。
他の犬に吠えてしまう癖の改善方法
他の犬に吠えるシーンを回避するのではなく、吠えること自体を改善したいと考える飼い主さんも中にはいるでしょう。そのためには、吠える対象の相手に慣れさせることや、しつけ方を見直すことへのチャレンジが必要です。根本から改善したいという方は、愛犬の様子をみながら挑戦してみましょう。
◆基本のしつけがポイント!
愛犬が他の犬に吠えてしまうケースは、飼主さんとの間にしっかりとした信頼関係が築けていない場合に多くみられるようです。
まずは、基本的なコマンドをしつけ直すことから始め、信頼関係を改めて築きましょう。オスワリ・マテ・フセ・コイ、などの基礎的指示を屋内でしっかりできるようにしつけ直すのです。
愛犬が名前を呼ばれたら飼い主さんを見る(アイコンタクト)や、オスワリがきちんとできるようになったら、今度は屋外で挑戦してみましょう。
散歩に出て他の犬を見掛けたら、距離がある内に「オスワリ」「マテ」の指示を出します。相手の犬が通り過ぎるまで、穏やかに「良い子」「おりこうだね」などと声かけて飼い主さんに注目させましょう。
愛犬がどうしても相手の犬に注意を向ける場合は、前に立ちはだかって視線を遮ったり、フードやおやつを利用して注意を逸らすことで、視線をコントロールしましょう。
吠えずにやり過ごせたら、たくさん褒めてあげてください。
「オスワリ」の姿勢は、犬同士にとって「落ち着いて、私を気にしないで」というサインとなります。オスワリをさせることは、愛犬はもちろん相手の犬をも落ち着かせることができるので、愛犬が他の犬から吠えられることも軽減することができるのです。
ただし、これを理解していない個体も中にはいるため、オスワリをしても攻撃的な態度を示す相手であれば、対面を回避するようシフトチェンジしてくださいね。
他の犬に吠える愛犬のしつけに関するまとめ
散歩中に愛犬が他の犬に吠えることは、飼い主さんにとっても苦痛でしかありません。
まずはその原因を探ること、そしてそのシーンを回避することから改善への道を歩みましょう。
ただし、その犬に合ったやり方を選ばないと意味がないのでまずはプロのトレーナーに相談してからトレーニングを始めることをお勧めします。様々なやり方がありますが、普段の犬の生活環境が警戒しやすい要因になっている場合もあります。
まずは愛犬に合った方法を見つけてからトレーニングを始めましょう!
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