犬は貝を食べても大丈夫?種類や注意点など

2021.08.13

犬は貝を食べても大丈夫?種類や注意点など

最近では愛犬に手作りご飯を与える飼い主さんも増え、犬も人間と同じ食材を食べる機会が多くなりました。貝に関しては、種類が豊富で種類によっては犬の健康に被害を与えやすいものが数多くあります。今回は、犬に貝を食べさせてよいのか、その種類や注意点など幅広くご紹介致します。

【掲載:2020.07.02  更新:2021.08.13】

犬は貝を食べてもいいのか

一例を除き、基本的に貝は犬に与えないに越したことはありません。
すぐに重度の症状がでることは稀ですが、消化器系症状を中心に健康被害を及ぼすことがあるので、犬には極力与えないようにしましょう。
ほたて

◆貝が危険な理由

人間と犬とでは、食物を消化するときの消化能力が異なります。
噛んで食べる人に対し、犬は食物をよく噛んで食べる習性がなく、歯の形状も異なります。
また、食物を分解するための消化酵素も人とは異なり、犬の場合は唾液中に消化酵素が含まれていないのが特徴です。
それに加え、犬の腸は人と比較すると短くて繊維が多すぎる食材を消化しきれないという特性があります。
こういった犬の消化能力の特徴から、貝を食べると嘔吐や下痢を中心に消化器系症状が引き起こされることがあるので、極力貝は犬に与えないようにしましょう。

◆ビタミンB1(チアミン)欠乏症の危険性

貝類には、体内のビタミンB1(チアミン)を分解する「チアミナーゼ」と呼ばれる酵素が含まれています。
そのため、過剰に(継続的に)貝類を犬に与えてしまうとビタミンB1(チアミン)欠乏症の危険性が生じるため、犬に害のない種類の貝であっても継続的には与えないようにしましょう。

◆与えてはいけない貝の種類

加熱をしてからフードプロセッサーやミキサーで細かくすることで、犬も種類によっては貝を食べることができますが、中にはこれらの調理を行っても与えてはいけない貝もあります。
ほたての貝柱部分は細かく刻めば比較的消化しやすく、栄養素も豊富なことから犬に与える方もいますが、アワビやイモガイ、サザエ、生牡蠣、トコブシなどに関しては、消化しにくく毒性物質を含んでいる危険性が高いので与えないようにしましょう。
特にアワビに関しては、光線過敏症の発症リスクが高く、イモガイに関しては猛毒があるものが多くあります。
その他、貝の種類問わず内臓部分は与えず、毒性を配慮してどんな種類であっても生で与えないようにしましょう。


貝を誤飲した場合

フレンチブルドッグ

◆症状

貝は消化しにくいため、下痢や嘔吐を中心とした消化器系症状がみられることがあります。
その他、ビタミンB1(チアミン)」欠乏症によってビタミン吸収が過剰に阻害された場合は、運動失調や元気消失、筋力低下、歩行障害などの症状が現れることがあります。
また、猫に比べて犬では少ないケースですが、アワビなどを食べて光線過敏症を発症した場合に、耳や耳周辺に痒みや炎症が生じやすく、最悪の場合は炎症部分が壊死することもあるので注意が必要です。

◆対処法

貝の誤飲に関しては、少量であればそれ程問題ありませんが、大量に食べてしまった場合は適切な処置をする必要があります。
ここで注意が必要なのが無理に吐かせないということで、素人判断でオキシドール(過酸化水素)を薄めて飲ませる方が多くいますが、必ず獣医師に判断を仰ぎ、自己判断で処置せずに獣医師の指示に従いましょう。
貝類ではあまり症状が重度になったり緊急性が生じることはありませんが、万が一緊急性があるような症状がでてしまった場合、まずは電話で獣医師に相談することが大切です。
獣医師と直接電話で話せない場合やかかりつけの動物病院がやっていない場合は、他の病院に対応をお願いすると良いでしょう。


与えてもいい貝と与える際の注意

◆貝を食べるメリット 

最近、犬にとってもタウリンが有効といわれており、生活習慣病の予防を中心に健康志向の飼い主さんの中には貝類を与える方もいます。

◆与えてもいい貝

与えてもいい貝は、比較的柔らかなホタテの貝柱や、あさりやしじみといった比較的小さなものです。
あさりやしじみに関しては、体内の毒素を排出する効果が期待でき、これらのゆで汁はデトックス効果が大きく、肝臓の健康維持に効果的です。
しじみに関しては、それ以外にもカルシウムや鉄分、ビタミンB1、B2、E、タウリンや亜鉛など多くの健康効果が期待できる成分が多く含まれています。
ホタテに関しては、貝類の中でタウリンの含有量が非常に多いので、加熱後に刻んで、たまに少量与える程度であれば犬の健康維持にも役立ちます。
ただし、ホタテのワタやウロ部分は与えないでください。

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◆貝を与える注意点

犬に与えて問題がない貝の種類であっても、継続して与えるのは避け、必ず加熱して小さく刻みましょう。
また、どんな貝であってもワタやウロなどの内臓部分は犬にとって毒になり得るため、貝を与える際はしっかりと取り除く必要があります。


魚は食べてもいいのか

魚

◆食べてもいい魚

青魚を中心に、魚には犬の健康維持に役立つオメガ3脂肪酸が豊富に含まれおり、最近では魚を使用したドッグフードも人気を集めています。
基本的に魚に関しては注意点を守れば犬に与えても大丈夫ですが、継続的に与えないようにしましょう。
また、魚を与える際は、骨をしっかりと取り除いて加熱してから与えましょう。

・マグロ・・・新鮮なものを少量であれば生でもOK。ただし、体を冷やしたり食中毒の原因を考慮すると少し加熱するのが理想的。継続して与えるのはNG。.タンパク質と鉄分が豊富で脂肪分が少ないため、少量であれば犬の健康維持に役立つ。
・サケ・・・オメガ3脂肪酸が含まれており、高い抗酸化作用が期待できる食材。その他、タウリンやビタミンD、カルシウムなど犬の健康に役立つ成分が豊富。3日に1度程度少量を与えるのがおすすめ。
・カツオ・・・新鮮なものを少量であれば生でもOKだが、加熱して与えるのが好ましい。タウリンが含まれているため、生活習慣病の予防に効果的。
・タイ・・・・アミノ酸がバランスよく含まれているのが特徴。タンパク質量も多く、消化吸収性の高い食材だが、骨はしっかりと取り除いて与える必要がある。
・タラ・・・・脂肪が少ないため、カロリーが気になる犬におすすめ。タンパク質は豊富に含まれており、体を温める効果が期待できる。
・キス・・・・カロリーが低く、DHAやEPAが含まれている。中性脂肪の分解を助けるので、ダイエット中の犬におすすめ。
・煮干し・・・減塩のペット用にぼしがおすすめ。人間用のにぼしであっても、減塩にぼしであれば少量なら与えてもOK。

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◆与えてはいけない魚

犬にイカやタコ、干物や練り物などの加工された魚、たらこやイクラなどは与えないようにしましょう。
・イカやタコ・・・犬は消化しにくいため、下痢や嘔吐などの消化器系症状を引き起こす可能性が。その他、アレルギーを引き起こすリスクや気管に詰まらせるリスクも。
・干物や練り物などの加工された魚・・・犬にとって毒性があるわけではないが、人間用に加工された魚類は塩分が多く犬に与えるのには好ましくない。腎臓や心臓に問題のある犬の場合、特に注意を。また、練り物に関しても塩分量が多く、添加物を使用していることがあるので与えないに越したことはない。
・たらこやイクラ・・・魚の卵は基本的にコレステロールが高く、塩分も多く含んでいるため犬には好ましくない。

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◆おすすめのオメガ3脂肪酸サプリ

魚を与える場合は、加熱して骨を取り除くなど手間がかかるので、オメガ3脂肪酸を目的として魚を与えたい場合は、サプリメントがおすすめです。
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●あわせて読みたい
犬は魚を食べてもいいの?生魚がNGの理由は寄生虫とチアミナーゼ!

魚はタンパク質、カルシウム、タウリン、DHA、EPAなど、犬にとって良い成分が豊富に含まれた食材です。魚を与える際は、骨が刺さらないよう取り除く、寄生虫予防やビタミンB1欠乏症予防のために加熱する、食べ過ぎないなど、注意を守って摂取することが大切です。また、魚を購入して加熱して与えるほかにも、ふりかけとして利用したり、市販の魚を使った犬用おやつを食べさせるなどで、犬に魚の栄養素を摂取させることができます。 犬と魚の栄養について、詳しく確認してみましょう。

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まとめ

ゴールデンレトリバー

犬に与えても良い貝や与えてはいけない貝、魚などの魚介類に関してご紹介致しましたが、基本的に貝は犬に特に与える必要のない食材であり、種類や与え方次第で犬の健康被害を引き起こしやすい食材です。
できる限り与えないようにして、オメガ3脂肪酸やタウリンなど特定の栄養素補給が目的で与えるのであれば、これらの成分が配合されたサプリメントやおやつを活用すると安心です。



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動物看護士(日本能力開発推進協会/日本キャリア教育技能検定協会)、老犬介護士(日本キャリア教育技能検定協会)、犬の管理栄養士(全日本動物専門教育協会)、ドッグトレーニングアドバイザー(日本ペット技能検定協会)等、動物関連資格を多数保有。大型犬2頭、中型犬1頭、小型犬(保護犬)1頭、猫3頭と暮らしながら、役立つペット関連情報を提供しております。


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